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自動ツイート機能がなくなった

 読書メーターで読了を登録すると、自動でその旨をツイートする機能がなくなった。ツイッターの仕様変更によるものらしい。

 すでにツイログが終了し、ツイッターは、日々の生活をアーカイブするツールとしては使いにくくなっていた。だから読書メーターとツイッターを連携させる意味は小さくなったし、自動ツイート機能の終了通知には特に戸惑うこともなかった。

 ところが、いざ終了してしばらくして気付いたが、ツイッターのタイムラインから消えたのは、自分の読書記録だけでなく、他人の読書記録も同様だった。あまりに当然すぎるが、これはなかなか衝撃的だった。

 ツイッターは便利すぎた。タイムラインさえ見ていれば、フォロワーの生活が見えた。もちろんそれは、その人が見せたい生活でしかないが、それはリアルの付き合いでも同じことである。

 見る・見せることにかかる機会費用が、リアルのそれよりも小さいのがツイッターであり、読書メーターと連携して自動投稿させることもその一つだった。今ではわざわざ読書メーターのタイムラインを見に行かないと、誰が何を読んでいるか分からない。

 ツイッターのタイムラインに比べれば、極めて限られた目的でしか見ない場である。そんなことまでして知らないといけない「誰が何を読んでいるか」は、私にはなかった。もしかしたら、こちらのほうが私にとっては問題なのかもしれない。

 ツイッターは、他人を知ろうとすることに関するハードルを大きく下げてくれたが、同時に他人を知った気になることについてもハードルを大きく下げてしまったかもしれない。少なくとも私にとっては。

 実はそういう問題意識はこの1年ほどあり、半年ほど前に鍵アカを一つ消した。自分は、もう少し他人と関わることについて、ハードルを高くしたほうが良いのではないかと思うようになったからである。

 アカウントを消したことで、ある種のコミュニケーションは失われ、別のある種のコミュニケーションが生まれたのは間違いない。今のところ喪失感のほうが強いが、希望がないわけでもない。

 ツイッターもいつまで存在するかわからないが、自分もこの、極めて便利だったツールとは適切な距離を置くべきときに来ているのだろう。

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