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野球のバット

こんばんは。


最近どうしようもなく、あるバットのことを考えています。

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隣の家のかっくんに貰ったこのバット。小学校の高学年からずっと、素振りやバッティングセンターなどで使っていました。家の中にある、数少ない「宝物」の一つ、でした。

でした、なんです。です、ではなく。

というのも、高校生の時に、このバットは友達に潰されたんです。友達と野球をしていて、飲み物を買いに行って戻ってみると、バットがへこんでいます。彼らはこの軟式用のバットで、硬式球を打ったらしいのです。

色んな事を考えました。硬式球を打った友達との心の距離を感じました。正直に白状して、謝ってくれればいいのに、元の場所にバットを置いて、何も知らぬ顔で遊んでいるなんて。少し怒りましたが、何をしてもこのバットは元には戻らないでしょう。へこんでない側で打てば大丈夫かも、と考えることにしていました。

大学に進学し、軟式野球部に入りました。ついにこのバットを公式戦で使えるのか、と胸が高鳴っていたころ、普通に打っていただけで鈍い打球音が響き、新しいへこみができました。このバットは、あの時すでに、死んでしまっていたのです。

でも、だからって宝物じゃなくなるの?と思う方もいるかもしれません。使えなくなったこのバットは、苦い思い出だけを思い出させます。もはやバットでなくなってしまったのです。宝物にはなれません。昔は見えていた、「いつかこのバットを試合で使いヒットを打つ」という未来が、どうやっても見えないのですから。

グリップテープも自分で巻きました。せっかくいただいたバットなのに、一度も試合で使うことなく、使えなくなってしまった。残念でなりません。

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このバットのことを、あれこれと考えています。同型のバットをお持ちの方がいらっしゃったら教えていただきたいです。ニュージーランドにいるのに、この写真を母に撮って送って貰いました。


ばいばい。


(ローリングス CADENZA RB3181 84cm/6.6cm)

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