【MD】環境と戦うための竜姫神サフィラデッキを真面目に考えてみた
はじめに
どうも。キャベツです。
さて、先日紙でスプライトリチュアでも組もうかと思案していたところ、ふと儀式召喚を使用するオリジナルデッキを組みたいと思い、考えてみることにしました。
軸にするモンスターは竜姫神サフィラ。別に何でも良かったのですが、ニューロンを適当に眺めていたところ、サフィラのいかにも「アド稼ぎます」という効果が何となく気に入り、使うことに決めました。
目標を「環境で戦えるデッキ」と設定。
以前のnoteで「大抵のデッキは工夫次第で環境と戦える」と書いたこともあり、いっちょ証明してやろうという気持ちもありました。
とはいえ、結論から言いますとこの試みは失敗しました。サフィラを軸に据えた強いデッキ、私には思いつけませんでした。
ただ、サフィラでしか出来ないそれなりに強い動きを取り入れたデッキを組むことはできたので、デッキビルドの過程とともに2023年最初のnoteとして共有したいと思います。
では、本編をどうぞ。
竜姫神サフィラとは
ドラゴン族光属性レベル6。レベル7以下なので儀式の準備に対応。
専用の儀式魔法は祝祷の聖歌。
最近の儀式魔法にありがちなコスト軽減効果は持っていませんが、テキストにサフィラの名前があるので儀式の下準備に対応します。これは是非とも活かしたい。
次に効果を見ていきます。
便宜上
① 2ドロー1捨て
② 1ハンデス
③ 光属性サルベージ
と番号を振らせていただきます。
さて、この三つの効果を見ると、妨害がなくアド稼ぎに特化していることがわかります。
また、自ターンのみの制約は特にないため、「光属性モンスターが手札・デッキから墓地に送られる」という発動条件さえ満たせば、相手ターンのエンドフェイズにも効果を使用できます。
この二点からサフィラの基本的な運用方法を考えると、メインギミックの横に置いて維持しつつ、自分・相手ターンに継続的に効果を発動しアドを稼ぐといった感じでしょうか。
イメージとしては、アナコンダから出てくるデスフェニが近いかと。あれも展開のついでに出てきてメインギミックの横で好き放題暴れるのが強いので。
ただし、儀式召喚は現代遊戯王においてかなり重い召喚方法であり、デスフェニのようについでで出せるわけではないため、漠然とアドを稼ぐのではコストに見合ったリターンを得られません。サフィラには何かしらの明確な役割を与えてあげる必要がありそうです。
では、以上を踏まえて、サフィラデッキの構築の方針を考えていきます。
構築の方針
サフィラに何の役割を与えるかが重要です。①〜③をそれぞれ深掘りし、サフィラにしかできない仕事を見つけましょう。
① 2ドロー1捨て
発動タイミングがエンドフェイズと遅い点がネックになります。
類似効果を持つデュガレスと比較してみましょう。
デュガレスが入るような展開系デッキは、1ターンに大量のコンボを繰り出し、ゲームエンド級の爆発的なアドバンテージを得るのが主戦術です。デュガレスの強さは、2ドローで引き込んだコンボの起点や中継点をそのまま使用できる点にあり、メインフェイズに発動できることに大きな意味があります。
一方でサフィラの場合は、2ドローをしても既にエンドフェイズなので引き込んだ札から動くことはできません。ゆえに、相手ターンか帰ってきた自分のターンに使用することを前提として、引き込みたい札を設定する必要があります。
展開札は1ターンに複数枚重ね引きすることで価値が相乗的に高まるため、サフィラでターンを跨いで引き込んでもあまり美味しくありません。よって、サフィラで引き込みたい札は、一枚で仕事をする、バリューの高い札と言えます。
例えば手札誘発や罠がこれに当たるのではないでしょうか。
したがって、サフィラの①を生かすには手札誘発マシマシデッキや罠ビートが良さそうだと結論できます。
ただ、これらのデッキタイプはそもそも儀式召喚自体とあまり相性が良くありません。
儀式デッキは、儀式モンスターと儀式魔法をメインデッキに入れつつ、それらをかき集めるギミックも積む必要があるため、基本的にデッキの空きスロットが少ないという欠点があります
まず手札誘発マシマシデッキを考えると、手札誘発をそこまでの数積み込めない点が明らかにネックとなるでしょう。そもそもマシマシデッキとして成り立たないわけです。
また、罠ビートをするにもやはりメインデッキの圧迫が足を引っ張ります。
一般的な罠ビは素引き前提の汎用罠を多く積む関係上、デッキにおける罠の比率をなるべく高めたい気持ちがあります。よって、前の展開を行うギミックを採用するならなるべくデッキ枠を食わないコンパクトなものにしたいのですが、儀式召喚はまるでその逆を行っています。罠ビ側からモンスター要素を検討するなら、メインデッキを圧迫しまくる儀式召喚などまず選択肢に入らないわけです(もちろん罠ビと相性の良い儀式テーマがくればこの限りではありません)。
まとめると、①の効果を活かすためのデッキタイプがそもそも儀式召喚、ひいてはサフィラと相性が良くないので、「①を積極的に活かす」という方針自体があまり良くないと考えられます。
②1ハンデス
悪くはない効果ですが、何らかの仕事を確実にこなすわけでもないですし、構築をいじってもほぼ効果のバリューに影響しないため、②を積極的に活かすための構築にする必要性は感じられません。ハンデス軸は他のデッキでやった方が強いです。
①、③に確固たる役割がないターンに空いた手で狙うのが丸いかと。
③光属性サルベージ
個人的には最も可能性を感じた効果です。というか、現代遊戯王でサフィラを強く使いたいならこの効果を活かす他にないかと思います。
①、②と比べて、ランダム要素が存在せずコンボに組み込みやすいのがやはり強いですね。光属性で何らかの強い動きを実現し、その動きに関わる札をサフィラで回収して次のターンにも同じ動きを再現する、という使用方法が丸そうです。
最もコンパクトな例として考えられるのが、①でも触れた手札誘発です。
光属性の手札誘発はサフィラと非常に相性が良く、相手ターンにサフィラの効果を誘発しつつ、現在検討している③のサルベージ効果で使い回すことができます。これを活かさない手はないでしょう。
しかし、①で述べたように、儀式デッキには手札誘発があまり入らないため、手札誘発の素引きを前提とした誘発マシマシデッキにはできません。
となると、サーチできる手札誘発を使おうという発想に自然と至ります。一度手札に持ってしまえばサフィラで何度も使いまわせるため、デッキの手札誘発が少なくても問題ありません。
光属性の有力な手札誘発には幽鬼うさぎ、アーティファクト・ロンギヌス、エフェクト・ヴェーラー等が存在します(ニビルはサフィラのトリガーにならないのでペケ)が、このうちロンギヌスは天使族光属性なので弁天から容易にサーチできます。
サフィラは光属性の手札誘発と強く噛み合う。
さらに、儀式の強力なお供である弁天からサーチできる強力な光属性手札誘発が存在する。
何だか始まった気がしますね。
まとめ
というわけで、構築の方針を本当に大雑把にまとめると
サフィラ+ハンドにロンギヌスの盤面を作りたい
という感じになります。この盤面で何をするのかは次の項で考察します。
サフィラ+ロンギヌスで何をするか
単純にロンギヌスを使い回すことで、相手ターンの除外を継続的に封じる運用も悪くはないですが、儀式召喚の重さを考えると何かもう一声欲しいものです。
初めに述べた通り、サフィラはあくまでサブギミックであり、メインの妨害が横に立ちます。となると、サフィラ+ロンギとシナジーのあるメインの妨害を用意できれば、サフィラ+ロンギに除外を封じる以上の付加価値を持たせることができます。
サフィラを出力するための展開も必要となる以上、メインに大仰なギミックは使用できません。できる限りコンパクトかつシナジーのある強力な妨害となるとなかなか難しいですが、私が出した結論はこのカードでした。
ロンギヌスと同じ【アーティファクト】の一枚、アーティファクトデスサイズ。相手ターンに破壊されると墓地から蘇生し、相手のEXを封じます。まあ、お馴染みですね。
イグニスター等EX偏重のデッキであれば一枚で完封できる強力なカードでありながら、リンクモンスターのアーティファクトダグザから容易にアクセスできる取り回しの良さも併せ持つ、強力かつコンパクトな妨害という要件を満たした一枚となっています。
サフィラ+ロンギとは、ロンギヌスで蘇生効果への墓穴をケアできる点、光属性なためエンドフェイズに墓地に落ちていればサフィラで回収できる点でシナジーがあります。
つまり、プランとしてはこうです。
相手ターンにダグザから伏せたデスサイズをどうにかして破壊しEXを封じる
デスサイズを何らかの方法で墓地に落とす
ロンギヌスを相手ターン中に発動し、誘発されたサフィラ効果で墓地のデスサイズを回収する
自分のターンにサフィラ効果でロンギヌスを回収し、最初と同じ構えをする
ダグザデスサイズによる妨害は様々なデッキで採用されていますが、基本的に1ターンの使い切りであり、キルスピードの遅いデッキでは巻き返される危険性がある点が一つの大きな短所でした。
しかし、サフィラデッキでは墓地のデスサイズを回収できるため、何度でも相手ターンにデスサイズを打つことができます。これはサフィラでしかできない動きであり、サフィラを使う意味になり得ると私は思います。
まあ、御託を並べるのは後ほどにして、まずは上記のプランを実現できる具体的な構築を考えていきましょう。
プランを実現する方法
課題は三つです。
サフィラ、ロンギヌス、デスサイズを安定して揃える
相手ターンに毎回デスサイズを破壊する
蘇生したデスサイズを毎回墓地に落とす
1.サフィラ、ロンギヌス、デスサイズを揃える
ドライトロンを使用します。
聖刻や六花等2秒で切り捨てた選択肢を除けば、烙印、儀式ドラグマあたりは真面目に考えましたが、神巫、ロンギヌスと最低でも2回弁天のサーチが必要なためメテオニスを使いたいこと、デスサイズとデスサイズを破壊するギミックを用意するために最低限の展開力が必要なこと、ドライトロンの制約が特に気にならないこと等の理由からドライトロンしかないという結論になりました。
「ドライトロン使うなら宣告者型で良くね?」という疑問は後ほど議論します。
2.デスサイズを破壊する
MDではアナコンダが生きているのでデスフェニ出張を使います。これまたお馴染みだと思います。
3.デスサイズを墓地に落とす
方法は色々ありますが、私はマスカレーナやシューティングライザーで相手ターンにEXモンスターへと変換するプランを採用しました。
シューティングライザーは多少上振れた場合にアーデクを落としたレベル6神巫+ドライトロン下級から出します。マスカレーナは、まあ普通に動けば出ますし、展開に妨害を食らってもファフ+韋駄天でリンク値を伸ばしたりすれば大抵出せます。
マスカレーナからは定番のユニコーンを出力する想定です。稀にですが相手ターンにロンギヌスを打ちたくない状況もあるので、そういった場合にトロイメアモンスターはサフィラ効果の発動条件を満たしてくれて便利です。
シューティングライザーからは、バロネスかウォルフライエ、BFアサルトあたりを作るのが丸そうです。デスサイズがレベル5なので、ライザーでレベル2、3のモンスターを落とせば作れます。
ただ、このレベルだとライザーで落として嬉しいモンスターがあまりいないのは欠点ですね。一応レベル3儀式魔人を落として儀式コストを用意しつつ9Sのウォルフライエを作るという着想から考えたプランですが、そもそもリリーサー以外の儀式魔人にあまり強いカードがありません。リリーサー返して。いややっぱ帰ってくるな。
まとめ
使用するのはドライトロン。ドライトロンギミックと弁天からサフィラ、ロンギヌスを用意しつつ、ダグザでデスサイズ、アナコンダでデスフェニを出力し、余ったモンスターでマスカレーナやライザーを作ります。
構築
叩き台のレシピです。
あくまで基礎であり対人はそこまで意識していないので、お好みで調整してください。自分が調整用に思いついたカードはサイドに一通り並べてあります。
1ターン目の理想盤面はこんな感じです。
これは次のターンにライザー+デスサイズからウォルフライエを作る想定ですが、盤面に無効系の妨害が無いのが弱点なので、ライザーで2を落としてバロネスを作ったり、ライザーの代わりにマスカレーナを立ててウーサを作ったりするのも良いと思います。
後攻は知ら管DRAやアーゼウスに何とかしてもらいましょう。
デッキの短所
泡一枚でプランが崩壊する
デスフェニに泡を喰らったら妨害がロンギのみとなり非常に怪しくなります。 サウラヴィスを持ってくる余裕があれば一応耐えますが要求値は高いです。スプライトエルフを待つか抹殺で引きだけゲーするのが吉。
EXを使わない相手に弱い
デスサイズが腐るのはかなり痛いです。一応ロンギ、デスフェニ、ウォルフライエ等妨害は残りますが、正直不安ですね。今のMDはふわんだりぃずが強いこともあり、このデッキを使用するのは難しいです。
宣告者型で良くね?
はい。
全くその通りなので、私の代わりに冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します。
上記の展開が通るなら、宣告者型であれば万能妨害を5〜7ほど構えられるので、ほぼ確実に勝利できます。サフィラ型には宣告者型には無い長所もいくつか存在しますが、それらを総合しても宣告者型を使わない理由にはなり得ないかと。
つまり、最初にも述べましたが、「環境と戦う」という目標からするとこのデッキは失敗作なわけです。勝ちを重視するシーンで、同一テーマのうち弱い方の型をわざわざ使うのは舐めプと言われても仕方がありません。ランクマやCSではちゃんと宣告者型を使いましょう。
ただ、サフィラ型は単純に宣告者型の下位互換というわけでもないですし、サフィラでしかできない動きもきちんと取り入れられているので、個人的にはまあまあ気に入っています。
終わりに
儀式ミリ知らの状態から始めましたが、なかなかいい感じのデッキに仕上がって満足です。弱いですけど。
終わり。
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