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【OCG】MD勢が対人戦未経験でいきなりランキングデュエルに出たレポ

どうも。キャベツです。

今回は、MD勢の私が紙の対人戦を全く未経験のまま、カードショップで開かれているマッチ戦のランキングデュエルに出場してきたレポートを書いていきたいと思います。

十分な準備をしておけば初心者の私でも楽しく試合ができたので、これから紙を始めたいと思っているMD勢の方はぜひ参考にしてみてください。



1.そうだ、ランキングデュエルに出よう。

ティアラメンツ、イシズという強化パーツ(そう、主役では無くただの強化パーツである)の存在や健在のゴシップロンゴミに惹かれ、紙でもライトロードを組んだのですが、悲しいことに私には対戦相手がいませんでした。

サイドは自家製
壁が友達

いくら6ゴミ立てる壁とやってろデッキだとはいえ、流石にずっと壁対面では満足できませんし、せっかく紙を買ったのにADSに籠るのも何か違う気がします。

というわけで、手始めに近場で初心者が参加できそうなイベントが何かないかと検索してみました。

結果は……



何もありませんでした。



仕方ないね。田舎だから。

自宅

見つかったのは、行きつけのカドショで開かれている「ランキングデュエル」なるもののみでした。

調べたところ、ランキングデュエルはKONAMIと提携したカードショップで定期的に開かれている公式の小規模大会らしい。

参加すると、戦績に応じてアカウントにポイントが付与され、上位者にはシーズンごとに景品もあるようです。

アライズのプレマ欲しい

つまり、普通にガチの大会ですね(もちろん有名な非公認CSの方がレベルは高いと思いますが)。

ルールもサイド有BO3と本格的。マッチ戦も紙の対人戦も未経験の私にとって、このランキングデュエルは、いきなり参加するにはあまりに高すぎるハードルに思えました。

……

ま、結局参加したんですけど。

私のコミュ力では知らない人にフリーを申し込むのも難しいですし、ここで覚悟を決めて参加しておかないと、多分ずっと紙を始められないままですから。

MDから紙を始める人は、こんな感じで勢いを大切にした方がいいと思います。いつまでも対戦相手が見つからず、そのままモチベが尽きて紙を辞めてしまうのではあまりに悲しいですからね。

(というかセレーネとかクソ高かったしもう後に引けないんや……)

とりあえず一週間後の土曜日に開催されるマッチ戦のランキングデュエルに狙いを定め、私は少しずつ準備を始めました。


2.作法・ルールを調べる

私の紙の経験は小学生の頃に仲間内でやっていた程度なので、まずは大会などフォーマルな場での試合における作法とルールを勉強しました。

MDから紙に参入しようと考えている方は、とりあえず次の3点を押さえておけばなんとかなると思います。

  • 優先権を放棄するタイミングでカード・効果の発動がないか相手に逐一確認を取る

  • シャッフルの後にカットを頼む

  • 制限時間、ET、EDを知る


相手に逐一確認を取る

MDではこのあたりを勝手に処理してくれますが、紙では自分で相手に確認を取る必要があります。

たとえばこんな感じです。

自分「スタンバイ終了。何かありますか?」
相手「どうぞ」
自分「メイン入ります。光の援軍発動。コストでデッキトップ3枚落とします。何かありますか?」
相手「ありません」
自分「ライデンサーチ。処理後何かありますか?」
相手「考えます。……ありません」
自分「ではライデン通常召喚。召喚成功時何かありますか?」
相手「ありません」
自分「ライデン効果発動。何かありますか?」
相手「チェーン考えます」
……

もちろんフリーだったらもう少し端折っても大丈夫ですし、慣れていれば「何かありますか?」まで付け足さなくとも伝わりますが、最初は丁寧にやってあげた方が自分も相手も安心できると思います。

この優先権周りの確認を怠った場合に起こりうるトラブルについては、こちらの動画の最後の方で解説されています。


シャッフル後にカットを頼む

これはデッキトップ操作等の不正を防止するためです。試合前のシャッフルはもちろん、試合中にサーチを行った後のシャッフルでも、終了後に相手にデッキを渡してカットを頼むのが基本です。

ただし、連続でサーチを行う場合は、いちいちシャッフル→カットを行うと処理が煩雑になるため、デッキトップが関わってくる処理を行うまでカットを省略する場合もあります。

まあフリーではそこまで(以下略)。

また、余談になりますが、シャッフルについても慣れていない方は練習しておいた方が良いと思います。特に、混ぜの質とスピードを両立できるファローシャッフルは試合で多用するため、試合を誤解なくスムーズに進行するためにも是非とも身につけておきたいです。


制限時間、ET、EDを知る

これは完全にMDには無いルールなので、紙をやるならきちんと把握しておく必要があります。

まず制限時間ですが、マッチ戦では40分、シングル戦では20分と定められています。MDは1ターンの時間制限はあるものの、試合全体では特に制限時間はないので、まず一つ大きな違いですね。

この制限時間を過ぎた時点で試合の勝敗が決していなければ、そのままエキストラターン(ET)に入ります。

ETは開始時のターンを0ターン目として、3ターン目終了時に残っているライフを比較して勝敗を決するルールです。例えば私のターンでETに突入した場合、次の相手のターン(1)、私のターン(2)、相手のターン(3)が終了した時点で、私のライフが7000、相手のライフが8000だったらその試合は相手の勝利となります。

ちなみに「ETの勝敗はどちらかがライフ0にならない限りライフ差によって決まる」という点は、MD勢には馴染みがないですが紙では割とメジャーな戦略上のポイントになっているようで、「ETでライフを削れるから入れる・削れないから入れない」といった判断基準でカードの採用、不採用を決める場合もあるらしいです。

ネクストプレイのしのさんが推理ゲート召喚神碑を紹介している下の動画でも、プルガトリオの採用理由でETについて触れていました。(と思います。記憶違いだったらすみません)

また、シングル戦ならETで完全に決着しますが、マッチ戦の場合は、二本目でETに突入したら、ET処理の結果一勝一敗となり引き分けになることもあります。勝者を決める必要がある決勝トーナメントではエキストラデュエル(ED)を実施するようですが、実はあんまよく理解していないので()、あとはご自分で調べてください。

一応公式の大会規定が載っているページを貼っておきます。

マッチ、シングルの制限時間が40分、20分ということで「そんな使わないやろ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これ結構使い切ります。

少なくとも私は、初めて出たランキングデュエルの初戦でETに突入しました。私が処理に手間取っていたのも勿論ありますが、今はティアラメンツがとにかくデッキをたくさん触りますから、時間が不足しがちなのはあると思います。日本選手権でも時間足りなくなっていましたし。

3.サイドデッキを考える

対戦の作法を学んだら、次は対戦の中身を詰めていかなければいけません。目指すはサイド有BO3ルールの公認大会への出場なので、サイドデッキの勉強は当然避けて通れませんでした。

サイドデッキとは、マッチ戦で使用するデッキ調整用のカードです。15枚以下で構成され、一試合ごとにメインデッキのカードと自由に入れ替えることができます。ただし、入れ替えた後のメインデッキとサイドデッキの枚数は入れ替える前から変化してはいけません。サイドから5枚入れるならメインから5枚抜かなきゃいけないわけです。以上の行為はサイドチェンジと呼ばれます。

サイチェンは基本的に対面に合わせてデッキをチューニングするために行います。

例えばマッチの一本目に罠デッキ対面で先攻を取り、こちらが勝利したとします。

すると、二本目は負けた方に先後の選択権があるため、次は罠デッキ相手の後攻という対面になると予想されます。

この際、二本目が始まる前のサイチェンでサイドデッキから拮抗勝負や羽根帚、コズサイ等を入れ、役に立たなさそうなGやヴェーラー(勿論罠デッキのタイプによりますが)を抜くことで、罠デッキの後攻に強いデッキにしてあげるわけです。これがサイドチェンジの基本的な考え方です。

当然ながら相手も二本目以降のサイチェンでこちらへのメタを張ってくるため、たとえば後攻で羽根を引いていたとしても、先攻の相手がサイドから紅蓮の指名者や神の宣告を投入していたため解決札が弾かれてしまう、という事態も十分起こり得ます。これがサイドチェンジの面白いところですね。

下の動画はサイドチェンジの基本を詳しく解説してくれているのでオススメです。

サイドデッキはその性質上、環境デッキへの対策札や自分のデッキに刺さるメジャーなメタへの解答を入れ込む必要があるため、適切に組み上げるには紙の環境や流行っているサイドカードをある程度知っておく必要があります。

というわけで私の場合は、サイドデッキを組むためにまずは紙の対戦動画と優勝デッキレシピのサイドデッキを手当たり次第漁りました。

結果、ひとまず組み上がったのがこちらになります。

勿論素人が初めて組み上げたものなので、もっといい構築はあると思いますが、一応どういう考えで組んだかだけ軽く解説しておきます。

ニビルはクシャ対面の後攻意識です。よほど手札が良くない限りニビルケアはしてこないと踏んでいるので、クシャ対面では躊躇なく3投します。また、有象無象の展開系対面でも当然ながら入れます。ティアラに関してはルルカロスがニビルをケアってくるので基本的には投入しませんが、クシャと混ざっている場合は、先攻でアライズ+クライムの盤面を作られたままターンを渡されると苦しいためワンチャンにかけて投入します。

羽根は見た通り罠デッキへの対策です。現環境に多いラビュリンスは罠デッキとはいえこちらのターンにレディやクックロック等のモンスター効果を発動する場合が多いので、サーチ用の号と共に投入していきます。

皆既日蝕はメジャーなクシャトリラへのメタですね。クシャ対面の後攻はこのカードさえ通ればイージーモードです。速効魔法なのでクシャのサイドに多い紅蓮の指名者で潰されないのも評価高いです。また、一応闇護封の代用としてティアラを見ることも出来ると思います。

号はサイチェンで通常魔法罠を投入する場合に、主にその二枚目、三枚目として投入する想定です。単純に拮抗勝負等を3積みするよりも、3枚目を号にしてあげた方が、サーチしたい拮抗等を素引きできた場合に号で他の通常魔法罠をサーチできるので、サイチェン後の事故率の軽減に役立ってくれます。もちろん手札に持ちたいサイドカードを3積みした上で、号も2枚、3枚と投入し、手札に来る確率を大幅に引き上げるといった運用方法も普通にありです。

墓穴はクシャトリラやふわんなどアトラクターを投げてくる相手に対して先攻サイチェンで入れていきます。イビルツインや姫など誘発多めの相手にも多分入れると思います。

才は深淵の獣等墓穴が効かない手札誘発を増やしてくる相手への先攻サイチェン札として想定しています。ただ、このデッキにおいて先攻サイチェン札の優先度はそこまで高くないので、多分サンボルとかにした方が良いです。

コズサイは罠デッキ対面でも入れますが、メインターゲットは一応ルーンを想定しています。泉は羽根等の破壊だとフギンで守られてしまいますし、墓地に落としてもゲーリで回収されるので、コズサイで除外するのが一番手っ取り早いです。

リブート、拮抗は罠デッキ意識です。このデッキはワンキルデッキかつ勝利するためにバトルフェイズを必要としないので、リブートや拮抗、結界波等のカードと相性が良いです。

他にも、深淵に潜む者をメタるためのエクシーズオーバーディレイや、シャングリラを潰せないもののクシャに大きなダメージを与えられて号のサーチも効くサンダーボルトなど、採用を検討できる札はいくつか存在するので、この構築が正解だとは全く思っていません。これからも色々練り練りしていくつもりです。

というわけで、サイドデッキもこんな感じで完成し、いよいよランキングデュエル当日がやってきました。


4.当日、余裕ゼロ

16時開始なのに3時間前にウキウキで現着。

流石に暇を持て余したので、近くのハードオフでライロのプレマを購入したり、ストレージを漁ったりしながら時間を潰しました。

いっぱい嬉しい

参加申し込みの方法を店員さんに確認したところ、時間になったら参加希望者をデュエルスペースで集めて抽選を行うので特に事前の申し込みは必要ないとのこと。

カフェで一息つきながら、デッキの確認やサイチェンプランの最終チェックを行なっていると、ついにランキングデュエル開始時刻の16時になりました。


「16時から遊戯王ランキングデュエルに参加する方は集まってくださ〜い」


店員さんの呼び声にオタクがゾロゾロと集う。いやオタクかは知らんけど。

ニューロンのバーコードを読み取ってもらい、参加登録。参加枠は8のところ参加希望が11人だったので抽選の流れとなりましたが、幸いにも私は参加できました。一週間かけて準備してきたので、外れなくて本当に良かったです。

店員さんの指示に従い、対戦者の方と共に着席。一応「紙対戦するの初めてで処理慣れていないのでお手柔らかにお願いします」と伝えると、お相手はにこやかに「いいよいいよ。ゆっくりやろ」と応じてくれました。ありがてえ。

そして合図で決闘開始。

お相手はラビュリンスで、アリアンナからビッグウェルカムサーチと伏せでターンを返してきました。チェーン確認に手間取りつつもどうにかドロー、スタンバイ、メインと進めていきます。

そして、メインでシェイレーンの効果を発動すると、ここでお相手はGを投げてきました。紙環境にはγはいないみたいです。まあ制限だしね。

さて、初の実戦でいきなり増Gです。

ティアライロはGを打たれた場合、アギドケルベクで相手の山を10枚飛ばせること、ムドラケルドウでセレーネルミナスループを簡単に作れることから、基本的にはツッパして山を枯らしにいきます。

ラビュは誘発少なめなのでいけるだろうと考え、そのままGツデッキキルに移行しました。一応負け筋としてはレディで異次元グランド等クリティカルな罠を構えられ、Gで引きこんだクックロックで開かれるパターンが考えられましたが、お相手はGツ中の早い段階でレディからドラパニセット、そのままクックロックで開いてきたため、裏目を踏むこともなく無事デッキを枯らし切ることができました。

二本目ではレディから異次元グランドを使われたので、多分サイドに入れていたのだと思います。まあクシャも流行ってますし現環境でのメイン採用は普通にリスキーでしょうか。

とまあ、なんだかちゃんと考えているふうに書いてはいますが、実際は手を動かすのに精一杯で、プレイのことを殆ど何も考えられませんでした。初心者ですらやらないようなプレミや処理間違いもたくさんやらかしましたし、実力で勝ったとは到底言えない試合でした。

さて、続きの二本目ですが、この試合で例のETに突入しました。ET開始から数えて3ターン目に決着がつかなかった場合、ライフ差で勝敗が決まります。

ET前はラビュ側が毎ターン異次元グランド、次元障壁等を構えてマウントをとってきたため形勢は私の不利寄りだったのですが、一応戦闘で相手に300ダメージほど与えていて、対してこちらは無傷という状態でした。

繰り返しますがETはライフ差で決着がつくので、いくら異次元グランドを開かれ、ネクロバレーを貼られ、そのまま続けていれば負け濃厚な盤面を作られても、3ターン目まで耐え凌げばこちらの勝ちになります。

ですが私は、ここで間違えてトリッククラウンの効果を使ってしまいました。トリッククラウンの墓地蘇生効果は自分に1000バーンが入るため、これによりライフが逆転してしまいます。そこから改めてライフを詰めに行ける状況でもなく、勝ち目がなくなったので二本目はサレンダー。よくよく考えれば、相手のアタッカーの数的に墓地のシラユキで3ターン目まで耐えられたので、完全な私のプレミ負けでした。

こうして紙の初戦は一勝一敗の引き分けに終わりました。

このマッチ、実は二本目にサイチェンを行わないミスもしています。先後の選択権が順番で回ってくると勘違いしていて、ラビュ対面の先攻サイチェンは特に必要なしと判断し何も変えなかったんですね。本来ならコズサイ2、号1、拮抗1、羽根1くらいは最低でも突っ込みます。

さて、次に二試合目。こちらの対面はクシャティアラでした。コイントスは勝ち。

一本目はお相手が誘発を握れていなかったようで、無事ロンゴミが爆誕して勝ちました。

二本目はルルカロアライズの盤面を作られ、サイドから入れた皆既日蝕で気持ちよくなれそうだったのですが、万能無効のクライムで弾かれて負け。一本目のアギドケルベクで見えていた部分がティアラのみだったので、てっきり純ティアラかと思ってニビルを入れなかったのですが、これは裏目を踏んでしまった形になります。

ちなみに、ティアラのサイドによく入っているクライムは、先攻で強い万能無効罠として神罠の代わりをこなすとともに、サイドから入りがちなさくらで飛ばされたキトカロスを回収する役割があります(多分)。

三本目はお相手誘発マシマシにしていたようですが、全く引けずにロンゴミ爆誕でマッチ勝利。「プレイ以外のところで負けた」と嘆いていましたが全くその通りだと思います。

その日のランキングデュエルはこうして一勝一分で終了しました。終わった後はゼンマイ使いの方とフリーもできたので、大満足な一日でした。


終わりに

今回、初めて紙で対人戦をしてみて思いましたが、人と顔を合わせてあーだこーだ言いながらやる遊戯王ってやっぱりすごく楽しいんですよね。MDばかりやっていると忘れがちな、コミュニケーションツールとしての遊戯王の面白さを改めて思い出しました。

ちなみに、今週の水曜日にも1デュエル戦に出場して、初めて優勝できました。紙にもだいぶ慣れてきた気がします。

「スプラ、ティアラ、クシャで遊戯王終わった」だとか「ティアラ一強の暗黒期」だとか言われている紙ですが、実際にプレイしてみると全然そんなことはなかったです。普通に面白いですよ、紙。

悪のYoutuberのネガキャンなんか気にせず、やりたいと思ったらさっさと飛び込んでみるのがオススメです。

終わり。

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