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ラストマン・イン・ザ・ダークで感じる一体感

GW中東京の竹芝近くで実施している期間限定イベントのラストマン・イン・ザ・ダークに参加しました。

参加したきっかけ
以前からダイアログ・イン・ザ・ダークに興味がありました。特に中学生になる息子には様々な体験をさせたいと思い、連れていきたかったのですが、単に暗闇の世界を味わって盲目の人の世界観を知る場所に行ってみようと誘っても、「別にいいよ」とか「面白くなさそう」という反応を示すのが目に見えて分かっていました。
そこで、今回のイベントを活用し、息子も好きな刑事ドラマの世界が体験できるということで、息子を引っ張り出しました。

何が体験できるのか?
合計最大8名のメンバーでツアーが行われます。
スタート地点でまずはドラマにちなんだショート動画を見た後で、白杖の使い方を盲目のガイドさんから教わります。
ガイドさんはとっても明るい方で、澄んだ声をされています。
ここから先の詳細はネタバレになってしまい面白くないので、書きませんが、そのガイドさんと一緒に、ドラマの中の「ある場所」を暗闇の中で一緒に探索するというツアーです。

暗闇の中で醸成される一体感
2人ペアが4組いるようなツアーでしたが、参加者同士、最初に全員で暗闇の中で輪になって手をつないで挨拶をするところから始まります。
今までの人生の中で寝ている時以外、真っ暗闇というのはなかなか経験したことがなく、不安とワクワク感が交差する不思議な空間でした。

そのような環境に人は置かれると、吊り橋効果ではありませんが、見知らぬ者同士手でもお互い助け合おうという不思議な一体感が生まれます。
声を掛け合わないとお互い衝突してしまうため、積極的に声を出していく必要があります。「○○(ニックネーム)、座ります」とか、「△△、立ちます」といった具合です。思春期の息子はできるのだろうかと少し心配していましたが、積極的に声を上げていました。
暗闇の中では年齢、肩書、能力など関係のないフラットな世界があると思いました。

たまたま自分が参加した回は、コミュニケーション能力の高い人が集まっていたという偶然もあったかもしれません。それ以外にも、そもそもこういったイベントに自費で参加をする方は意識が高く、進んで人助けできる人が多いのかもしれません。

ツアーの最後に、ガイドさんから「これでツアーは終わりです」と告げられた際に、参加者の一人から「もう終わりなのか。。。もう少し、この暗闇の中にいたかった」という言葉がポロリと出ていましたが、それくらい心地の良い雰囲気だったのだと思います。

研ぎ澄まされる視覚以外の感覚
人は視覚が使えないと、その感覚機能を補うために、特に聴覚を中心として、触覚、味覚、嗅覚が最大限発揮されます。その感覚を感じる仕掛けがこのツアーの中にはあり、視覚優位となっている普段とは違った自分の感覚が磨かれる気がしました。

おススメの人
盲目の人の世界を理解することがイベントの主な主旨だと思いますが、別にそれを目的にするのではなく、「人とのつながりを再認識したい」、「自分の普段使っていない感覚を使ってみたい」、「ドラマの世界を味わいたい」、そんな理由でも十分楽しめるイベントだと思いました。

2023年6月23日まで開催しているようですので、是非素敵な体験してもらえればと思います。



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