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『人望が集まる人の考え方』

タイトルの名称の本を読んで最も心に残ったのは、相手の「相手に美徳を身に着けさせようと思ったら、相手に美徳を期待することだ」というウェインストン・チャーチルの言葉を引用して説明している部分でした。チャーチルというと、戦争の中を乗り越え、とても厳しいイメージがある英国の政治家ですが、同時にとても強いリーダーシップを持つ人間としても、よく引用されている人物です。この本の著者のレス・ギブリンも、自分の思うように人が動いて欲しいと思ったら、相手を非難するのではなく、相手に期待を寄せることの方が大事であることを語っています。

また、「裁かれたくなければ、裁いてはいけない」という聖書の言葉を引用して、これがとても尊い聖句といったイメージではなく、私たちの人間関係そのものを表現していると述べています。私たちが相手が間違っていると自分の価値観から裁くと、その相手にもそうした態度が伝わり、お互いに絶対に同じにはならない自分の主観的な価値観をぶつけ合うことになります。おそうなると、人間の多様性が本当は豊かなものであるはずが、対立しか生まなくなってしまいます。

従って、自分のいいと思っていることを、相手に適切に伝え、相手を動かすためには、相手にその自分が美徳と思っていることを実践してもらえるように、自発的に動いてもらえるように、期待して語り掛け続けることが大事だと述べています。グローバル化の中で、多様性を豊かにするためには、この思考法は重要だと思います。

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