【足元探索】-70- ジャン・バルジャンの「足元」 続
1. 「パンひと切れを盗んで5年の懲役刑に処せられたジャン・バルジャン」は、「家にあった猟銃」のせいで罪がここまで重くなった説にコメントをいただいていたので、調べなくてはいけないなと思って時間が経つていた。
1-2. 上の Wikipédia説でも、「パンひと切れを盗んで5年の懲役刑(プリゾン以上、シベリア流刑以下」で、これは事実(別人)に基づくものとある。
2. ネットで LES MISERABLES の全文を見られることは分かっていたが、始めたらどこへ脱線していくか分からないのは、大掃除で畳を上げて、下に敷かれていた1年前の古新聞を読み始めるようなタチだから、やはりそれだけの覚悟が必要で。
だけど、とうとう、【足元探索】-69-「失神」の「足元」に続いて、【足元探索】-70- 創造性の「足元」を投稿する前にちょこっと、ネット検索。
とやってみたら、やっぱり、脱線の儲けは大きかった!
2-2. BnF(フランスの国立図書館)に Gallica というデジタル・セクション(?)があって、そこへと導かれてみると、テキストは画像になっているが、にもかかわらず、ページ内検索ができそうな「虫眼鏡」がついている! わ~い、読まなくて済みそうだぞ~
2-3. さて、ページ内検索ができるとしても、10巻に別れているので、見当をつけなければならない。
最初に「猟銃」で検索したところでは、たまたま、物語の後半だったのだが、年老いたジャン・バルジャンが、往年の猟銃の名手としてパリ・コミューンのバリケードの中にいて、座って猟銃に顎を突いて物思いにふけっていた!
ああ、そうだった、若くして死んだお父さんの「猟銃」なだけではなく、彼もこの「猟銃」で、野兎やイノシシを25歳まで撃っていたのだった。
つまり、危険人物とみなされたということ。気違いに刃物以上か?
ということは、食べるものが全然なかったからパンを盗んだのではなく、パンがなかったからということかもしれないな。
つまり、彼が braconnier であったことが、不利に働いたということで、これは多分、黒岩涙香が明治・大正時代に日本に翻訳紹介するときにも困った点ではないかな?と、こちらも調べてみた。
まずは、BnF版から貼ると。
事件のあった年、1795 で検索。そこから 202 ページへ飛んで。
ほら、いかにもアルバイト学生がスキャンした画像に見えるでしょ? それから次ページへ。
3. 続いては、黒岩涙香(くろいわ・るいこう)版 『噫無情』 (あゝむじょう)
引用 < 土佐藩郷士・黒岩市郎の子として生まれる。藩校文武館で漢籍を学び、16歳で大阪に出て中之島専門学校(後の大阪英語学校)に学び英語力を身につける。>
3-2. 扶桑堂版 横書き・ふりがな付きで、コピペ可。
http://books.salterrae.net/osawa/html/lesmiserables-vol1.html
4. 最後に、国会図書館コレクションの 黒岩涙香訳本の kindle版の中身拝見から1ページだけ。
4-2. ところで、黒岩涙香の独断「地名・人名・固有名詞」? 元版は英語だったのかもしれない。今まで思ってもみなかったが、この記事で思い当たった。他にも何か、別の作家であったな~ 誰だったかな?
もともと世界史人名の音の変化はすさまじいものだ。各国語において。ギリシャ神話の神々の英語名なんか想像を絶するぜい~ でもみんながそう覚え込んだので、動かせない。
だから、最近ではむしろ日本語のカタカナ表記が最も「原音」に近いと思える状況。
さて、レ・ミゼラブル中のコゼットは「小雪」となってるはず。これもコメントを下さる方のおかげで確認してみたそのやり方は 3-2. 扶桑堂版のリンクから。母親ファンティーヌは「華子」。「手鳴田」も見えますね。日本人に親しみやすいように、ですね。 全体として「翻案小説」とも。
下に画像を貼りましたが、あまりに字が小さいので、上のむき出しの(わざと)リンクをご利用下さい。
4-3. この1ページ目に見るだけでも、
Provence 「プロバンス」
Digne 「ディーニュ」フランス語に音変換された結果で、方言 provençal : では、Dinha だったらしいし。
Canne ; 「カンヌ」(映画祭の)
CAEN「カン」という大学都市があるのが問題。
引用 【文化】
ヴィクトル・ユーゴーの大河小説『レ・ミゼラブル』は、この街のミリエル司教のことから語り起こされ、ジャン・ヴァルジャンがその司教館を訪れることから始まる。ミリエル司教の人物造形は、この街で実際に司教を務めていたフランソワ・メルキオル・シャルル・ビヤンヴニュ・ドゥ・ミオリスがモデルになっている。
ところで、" Les " が、 " the " 音にも見えるけれど~
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