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eyes to eyes


扁平上皮ガン。余命半年と前の獣医に宣告されてから約2年を迎える、2009年の3月。はなはまた、手術を受けました。


手術中は病院に預けたままなので、どれくらいの時間の手術だったのかはわからないのですが、午後面会に行くと、さすがに疲れた様子で眠るはなを見て、またも涙がこぼれました。

前回同様、特になんの変化もなかったら、ただ辛い思いをさせるだけになるかもしれず。

ポジティブな予想よりも、そういったネガティブな想像がワタシの心にどっかり腰を下ろしていました。


その三日後には退院していいと言われ迎えに行くと、受付の子がちょっと焦って話し始めました。

「昨日、ご飯あげようと思ってゲージを開いたら、はなちゃん飛び出して出て行っちゃったんです!!」

えっ!?そうなの!!??

術後すぐだというのに、何?そのバイタリティ(笑)。

こちらはご迷惑を掛けて申し訳ないという気持ちだったのですが、向こうにしてみれば預かってる子に万が一のことがあったら、という感じで丁重に謝罪されます。お互いに笑っちゃいました。

それだけ元気なら、とりあえずはやれやれだったなぁと家に連れて帰りました。


はなは病気になってから2階のワタシの部屋で一緒に寝ることはなく、誰もいない一階の窓際のペットベットで一人で夜を過ごしていました。

けど、なんとなくその日ははなを一人にしたくなくて、はながいる部屋の隣に布団を引いて寝ることにします。なるべくこちらも大人しくしてれば大丈夫かなぁって。



朝。

目を覚まして。

布団の上に、重みを感じました。


あら?だいすけも昨日は下で寝たのかな?


そう思い起き上がってみると、そこにはなんとはなが丸くなって寝ている姿が!!

『え”ぇ~~~~~!!??』

心の中で叫びました。ほんとに、ほんとに驚きです。


そしてさらに。

仕事から帰ってきてご飯の用意をしながら、合間にテレビを見てたワタシが、ふと視線を感じて目を落とすと、


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み、見てるし!!!!

この2年間、まったく合うことがなかった目線を、しっかり向けてくれるはな。

まったく自分の世界に閉じこもってしまった様子だったはなさんが、飼い主であるワタシと、目と目を合わせてくれている。何かを伝えようとしてくれてる!

まだどこかが当たるのか、ベロは出たままではあるけれど、間違いなく何かが好転してくれたのがわかります。


そして。

あんだけ「嫌われても・・・」と思ってたワタシに、『そんなことなかったよ。』と伝えてくれるように、はなの目はすっかり穏やかになり、ワタシをいつも見つめてくれるようになりました。


奇跡だ。。。


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実は、はなが亡くなったあとカルテを見せてもらったら、この時ものすごく重大なことがワタシには伝わっていなかったことがわかり、びっくりしたことがありました。

それはまた。

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