ハマユウの花
子供の頃、家の庭にハマユウの鉢植えがありました。
種を義父からもらって植えた、という話と共に、母から繰り返し名前を聞かされていたので、小さいころからなじみのある花でした。
もう実家にハマユウはありませんが、近所で花咲いている花をみかけ、noteで少し前に読んだ記事のことを思い出しました。
ハマユウは漢字で書くと「浜木綿」。
植木鉢に植えられている白い花としか思っていなかった私に、朧月夜さんの記事は、ハマユウに対して素敵なイメージを拡げてくれるもので、自分でも調べてみることにしました。
まず神事に用いられる、という部分から。
ハマユウの「ユウ」は、白い花弁が神事で用いられる木綿(ゆう)のように白く垂れることからきている名前。花言葉「汚れがない」も、神事に使われることに由来します。
木綿をユウと読む。そのわけは。
木綿子(ゆうこ)という女性の名前がありますが、木綿を「ユウ」と読むことについて調べてみたところ、木綿はもともとコットンを指す言葉ではありませんでした。
綿花から作られる木綿が、国内で広く栽培されるようになるのは15世紀末。それまでは、海外からの高価な輸入品で、支配階級のための贅沢な衣料にのみ用いられていました。
綿花から作られる木綿、つまりコットンが広まる以前の時代、「木綿」は、楮など、綿花以外の植物繊維で織られた布を指し、「ユウ」と読まれていました。
続いて、ハマユウの「ハマ」のほう。
ハマユウの種子はコルク質に包まれています。水分を通さずに軽いため、海を漂いながら未知の砂浜に漂着し、海岸沿いの砂地で自生します。
ハマユウの花言葉には「汚れがない」の他に、「どこか遠くへ」「あなたを信じます」があります。
波間を旅しながらどこかの海岸に流れつき、きっとその土地で花を咲かせる。「どこか遠くへ」「あなたを信じます」の花言葉には、そんな思いが込められているそうです。
遠くで花を咲かせていることを信じています。
これから新しい土地で、美しい花を咲かせることを信じます。
私にも、心の中でそんなエールを送っている存在がいます。
そんな一人一人のことを思い出しています。
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