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諸橋大漢和-背表紙の文様は?

我が家の大漢和辞典は、息子が受験勉強をしている部屋にあります。
そのため、うかつに取りに行けず、手元においてある索引と第一巻の2冊で大漢和辞典を探求しようとしているところです。

とはいえ、まだまだ本文までたどりつけず、今回は背表紙です。

背表紙の説明は以下の通り。

背模様 引縄直
定規に使はれた模様で、古代の獣類を図案化したもの。裏面の銘に、方無囘、直無曲、引斯縄、烱斯矚とある。


この「方無囘、直無曲、引斯縄、烱斯矚」の謎の文字列、少しでも意味がわかればと思い、DEEPLに突っ込んでみました。最初の三文字はDEEPLでもお手上げでしたが、残りの部分は、直進性、湾曲性、鋭さでした。
定規ですから、なんとなく言わんとしていることはわかる気がしますが…。

文字の周りにある動物のような文様は、ネットで画像検索もしてみましたが、類似の文様が全くヒットしません。

鳥と仮定していろいろ調べて行き着いたのが「三足烏(サンソクウ)」。大修館書店の文字の左にいる鳥の足が三本に見えたので。

三足烏(さんそくう、さんぞくう)は東アジア地域の神話や絵画などに見られる伝説の生き物である。この烏は太陽に棲んでいると信じられ、太陽の象徴であった。

Wikipedia『三足烏』

中国皇帝の礼服、袍衣(ほうえ)に用いられた十二の文様「十二章」の「日」の中に三足烏がいます。似ていませんか?

Wikipedia『十二章』

三足烏の意味
古代中国の文化圏で広まっていた陰陽五行説では偶数を陰、奇数を陽とする。このため3足は陽となり太陽と繋がりができるからだと言われている。

Wikipedia『三足烏』

背表紙の図案が本当に三足烏かはわかりませんが、もしそうであれば、表紙の河図洛書といい、太陽に住んでいる神鳥といい、大漢和辞典は、図版も壮大な世界観を持っていますね。

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