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風蘭

風蘭ふうらん

数年前に、実家から株分けしてもらったものが、今年はじめて花を咲かせました。

日本、朝鮮、中国原産。
常緑樹の樹皮や岩場などに生育する常緑の着生蘭です。
中国語の名称「風蘭」をそのまま「ふうらん」と音読みしたのが日本名です。
名前の通り、風通しのよいところを好み、戸外にも自生しますが、乱獲が進み、野生種は激減しているそうです。

クチナシに似た、甘い香りを放ちます。日中は、顔を近づけないとわからないようなかすかな香り。夜になると香りが強くなり、これを書いた夜の間も、ベランダから風に乗って甘い香りが漂ってきていました。

白い気根は、水を吸い込むと

緑色になります。

細長い葉が2列に並んで生え、葉の間から根や花茎が出てきます。

空中に気根を伸ばす風蘭は、根が鑑賞の対象になる珍しい蘭です。
我が家の風蘭は、成長期に根先が赤くなります。
中には、黄色いもの、緑のものもあるそうです。

花の基部から弓なりに伸びる距。
ここに蜜が入っていて、芳香と共に虫を呼ぶそうです。

距が風蘭の最大の魅力だろうと思える程、美しい弧を描きます。

英語名のJapanese Wind Orchidも素敵です。

おまけの話

この記事を書いている時に、娘が呼びました。
「お母さん、ヤモリがいるよ!」
本当に、ベランダ壁にヤモリがはりついていました。

去年、初めて我が家に来るようになったヤモリ。
洗面所にトカゲがいる!という次女の報告から始まり、浴室の壁にはりついているのを息子が捕獲して外に逃して以来、ベランダや庭に出没するようになりました。
同じ個体かな。だとしたら、ずいぶん大きくなった気がします。
「今年も会えてよかったね」
と娘。ヤモリ好きの私の好みをよく知っての言葉です。

風蘭の香りを楽しみながら、ヤモリを愛でる。
風流な七夕の夜でした。

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