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あと数年で、庭の景色も変わるのかな

昨晩の夕食の献立の1つ、小松菜と油揚げの煮びたしは息子の大好物。
家族五人なら、小松菜一把と油揚げ2枚ですむはずなのに、彼は鉢を抱え込むようにして食べつくす。だから毎回倍量作り、それでも足りるかと旺盛な食べっぷりを見ながらはらはらすることになる。

そんな彼が今春めでたく独立した。

息子がいなくなり、この煮びたしをつくるのをしばらくやめていたら、
「ねえ、小松菜と油揚げの料理、なんていう名前?私も好きなんだけど」
と次女から声をかけられた。
私が作らなくなったので、料理名からネットでレシピを調べて自分で作ろうとしているらしい。早速料理の名前をスマホに打ち込んで、ああ、あったあったとつぶやいている。
そうか、息子の陰に隠れて気づかなかったけど、あなたも好きだったのね。

ということで、昨夜はいつもの半分、つまり通常の量で作って食卓に出した。息子がいないから、この量で大丈夫、と信じて。

ところが、大丈夫どころか、一向になくなる気配がない。
みんなちゃんと食べているのだが、4人でも結構多い量だった、ということらしい。

五人の暮らしから四人の暮らしへ。
一人減ったら、五分の四の量の料理を作ればいいというわけではない。

小さいときから、好物が変わらない長女。食べたいものをたずねると、決まってマリネ、ポタージュ、ミネストローネ、冷しゃぶ、のどれかを言われる。

嫌いなものも好きなものも多い次女。
彼女が献立を気に入った時のセリフは、
「また作ってね。」
「また買ってきてね。」

しぶい嗜好の持ち主の長男。
煮びたし、キャラブキ、筑前煮と和の味付けが大好物。
それなのに、野菜中心の献立では物足りず「肉は?」とリクエストされる。

どの献立にも、家族の好みがあり、思い出がある。

長男が帰ってきたら長男の好物を。
長女の体調が悪ければ、長女の好み優先で。
次女が疲れて帰ってくる日は、次女の大好物でかためて。

そして…この手の話題ではいつも登場しない私の相棒。
子供優先の生活は、たぶんあと数年で終わるから。
そうしたら、あなたの食べたいものを作るので。
もう少しだけ待っていてください。

家族にあわせて自在に変えられる。
だから料理はたのしい。

※上の写真は、週末に庭で採れたジャガイモです。
埋めた生ゴミからできました。
次女はジャガイモ好き。生ゴミにおけるジャガイモの皮の割合が高い我が家の庭には、野良化したジャガイモが所狭しと生えています。
あと数年で、庭の景色も変わるのかな。

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