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旅、15日目 ノキシノブ

旅、15日目です。

主治医の先生からは、治療期間は一ヶ月位と言われています。
予定通りであれば、いま折り返し地点。
よくなっている実感がないのが気になるけれど、先生を信じて頑張ろう。

関西に住む友人から、金木犀が咲き始めたというメールをもらいました。

ここ鹿児島では、金木犀をみかけません。私が住む神奈川と同じような植物も見かけますが、微妙に植生が異なるのが目につきます。特に、道端に生えている植物にシダが多いなぁ、という印象を持っています。

ウィークリーマンションから病院までの10分程度の道で見つけた植物たち。神奈川の家の近所で見たおぼえがないものを集めてみました。

これは、結構生えています。

特に目につくのがノキシノブ。
家の近所ではめったにみかけない、このシダ類を背負った木の、なんと多いことか。

百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり

順徳院

宮中の、古くなって荒れた軒端に生えているノキシノブを見ると、しのびきれないくらい昔のいい時代を思い出すなぁ、という意味の、百人一首にも収められている歌。
「しのぶ」は往時を偲ぶ意味と、ノキシノブの両方を表す掛詞となっています。ノキシノブは荒れた家などによく見られるため、家が荒廃するさまや衰退を表すことが多いそうです。

ちなみに鹿児島のノキシノブたちは、荒れ果てた家ではなく、公園、街路樹など、至る所で見られます。

順徳院が九州の人であれば、こういう歌を詠むことはなかったかもしれませんね。

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