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きみの名は...アシ?それともヨシ?

前回に続いて葦の話です。

葦について調べていたら、結構な確率でヨシがヒットしました。
んんん?
きちんと調べてみると、アシとヨシは同じ植物を指していることがわかりました。今さらですが…。

アシとヨシ

「アシ」の音が「悪し」に通じるため、縁起をかついで「ヨシ」とも呼ばれるようになりました。

アシはアシが本名であるが、これを悪しに擬し、ヨシを善しに通わせ縁起を担いでそういったもんだ。そしてこのアシの繁茂している原をばアシハラとはいわずに普通ヨシハラと呼んでいる。かの東京で遊廓のあった地を吉原と呼んでいたが、そこはもとヨシの生えていた田圃であった。

牧野富太郎 『植物一日一題』青空文庫

吉原も葦原だったんですね。知りませんでした‥。

アシの漢字

アシにはいろんな漢字があてられていますが、厳密には意味が違うようです。
諸橋大漢和辞典の定義は以下の通りです。

  • 葭=アシの生えはじめ。

  • 蘆=その次の段階で、穂がでないもの。

  • 葦=成熟期。


水遍に生える宿根草。高さ一丈餘。莖はその初生に葭、長大なるに蘆、成熟に葦といふ。葭簣を造るに用ひ、根は藥用となる。その初生に葭、長大なるに蘆、成熟に葦といふ。


葦の未だ穂のでないもの。


草の名。あし。よし。葦のまだ穂を出さないもの。

諸橋轍次 著 大漢和辞典『葦』大修館書店

なお、芦は蘆の簡易慣用字体で人名用漢字でした。

葦と蘆については、同義に扱われている辞典もありました。
今は、あまり厳密に区別されていないのかもしれません。

成長段階で異なる漢字があてられるほど、アシは人々の生活と深く関係した植物だったんでしょうね。

出世魚のようです。

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