早口言葉のような
バイゴジジュズカケザクラ
梅護寺数珠掛桜
今までご紹介してきた中で、一番長い名前を持つ桜です。
発音が意外に難しい。早口言葉のようです。
トウキョウトッキョキョカキョク‥‥
大輪の菊咲き桜です。
菊咲きは、花びらの枚数による分類だそうです。
下記の記事で知ってから見たいと思ってきましたが、ようやく出会うことができました。
(この桜は80枚程の花びらを持つそうです。)
そしてこの桜、越後七不思議のひとつにもなっています。
桜そっちのけで、越後七不思議の方が気になってきたため、さきにこちらの好奇心を満たすことにします。
越後七不思議
逆さ竹(新潟市鳥屋野)
焼鮒(新潟市山田と平賀誓慶寺)
つなぎがや(新潟市酒屋町西養寺)
考順寺(三度栗・旧豪農の館)三度栗(阿賀野市安田)
珠数掛桜(阿賀野市小島)
八房の梅(阿賀野市小島)
片葉葦(上越市国府)
参照元:越後七不思議 - 新潟文化物語
さて桜の話に戻ります。
親鸞聖人が越後の地に流罪となった際、梅護寺(ばいごじ)付近に滞在。その後、他の地へ向かうときに、手に持っていた数珠を桜にかけて言ったそうです。
私の教えに誤りがなければ、この桜は数珠のようになるだろう。
その言葉どおり、その桜は花房が数珠のようにうつむき垂れ下がって咲くようになりました。これが梅護寺数珠掛桜。今でも梅護寺に原木があるそうです。
梅護寺には、もう1つ、親鸞聖人由来の越後七不思議があります。
八房(やつふさ)の梅。
親鸞聖人が阿賀野川沿いの小島集落にやってきた時、みすぼらしい姿にだれも見向きもしませんでした。そんな中で、百姓の佐五郎夫婦が呼び止め、読経してもらったそうです。夫婦がすすめた飯と一粒の梅干を食べた親鸞聖人は、梅干しの種子を庭に植え、次の歌を詠みました。
のちの世のしるしのためにのこしおく 弥陀たのむ身のたよりともかな
翌年、その梅干の種子は芽を出し、八重の花が咲き、一つの花から八つもの実をつけました。
実際になる実は、常に八つとは限らないようですが、下記のサイトで見ると、確かに不思議な実のなりかたをしています。
百姓夫婦にふるまわれた貧しい食事。
桜の木の枝に数珠をかけたときに込めた思い。
親鸞聖人が越後の地に残した強い思いが、これらの植物たちと、それにまつわる伝説となって残っているのでしょう。
さて、この桜は、開花後しばらくたつと、色が薄れていくそうですが、その後はどうなるのでしょうか。
八重桜が散るさまは、残念ながら私の記憶に残っていませんが、下記の記事では蝶が飛ぶようだと表現されています。
梅護寺数珠掛桜の花びらの数は、単純計算でソメイヨシノの16倍。
散るのであれば、小さな蝶の乱舞のような、それは見事な花吹雪がみられるのではないではないかと思っています。
咲いて散り、葉桜に。
季節の移ろいを堪能しながら、ついでに早口言葉の練習も。
トウキョウトッキョキョカキョク
バイゴジジュズカケザクラ
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