アレルギーが無くなるかも…!?

こんばんは!!!
本日もお疲れ様でした!!!


さて、本日は論文紹介していきたいと思います。

今回紹介する論文は
「Sialylation of immunoglobulin E is a determinant of allergic pathogenicity」
と言う論文です。
(実際の論文はこちらから)

日本語で訳すとするならば、
「IgEのシアル化はアレルギー性病原性の決定的な要因である」
となります。

IgEとは免疫グロブリンEのことで、
最近何かと話題になっている抗体の一種です。

ただし、アレルギー発症に関わる抗体です。

アレルギーとは、
無害な物質に対する過剰な免疫応答
と言えると思います。

食物アレルギーを想像していただけると
分かりやすいのでは無いでしょうか。

そのアレルギー症状を無くせるかもと言う論文です。

新規性が高く、Natureに掲載されるのも頷けます。


さて、大事な中身に入ります。

今までの過去の報告から
・IgEは糖鎖修飾を受けること
・その修飾部位はアスパラギンであること
などが分かっていました。

まず、糖鎖修飾とは、
タンパク質の翻訳後修飾の一つで
タンパク質に糖が結合したもののことを言います。

その組成は様々で、
ガラクトース、フコースなんかが
修飾しています。

砂糖の一部みたいなものですね。

そして、糖鎖修飾されるタンパク質側が
アスパラギンで構成されていることが分かっています。

アスパラギンはアミノ酸の一部ですね。

このような背景があったため、
筆者たちは糖鎖の組成について興味を持ちました。

そのため、
アレルギーの患者さんと
アレルギー歴の無い患者から
IgEを採取して、その組成について分析しました。

その結果、糖鎖の一部である
シアル酸
という糖がアレルギー患者で多いことが分かりました。

そのため、このシアル酸がアレルギー発症に
関わると判断した筆者たちは、
このシアル酸を取り払ってみました。

すると、アレルギー病態が抑えられたのです!!!

シアル酸を取り払っただけなのにです!

これは大きな発見です。
(正確に言うと脱顆粒の減少が見られました。)

この発見から、IgEのシアル酸を取り除けば、
アレルギー症状が軽減される可能性があります。

まだまだ適応したアレルギーは少ないので、
今後の研究進展に期待ですね。

気になった方は是非原著論文をお読みください!


本日は以上になります。
ありがとうございました!!!

【参考文献】
Nature"Sialylation of immunoglobulin E is a determinant of allergic pathogenicity"
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2311-z

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