[プチ読感]文章との向き合い方

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読んで

この本はnoteを始める前に読んでおくべきでした。
本書からは「文章の書き方を学べた」というより「文章を書く姿勢を学べた」印象が強く、自身の文章を発信する前に知っておくべきだったと感じる点が多くありました。

私がnoteを始めた理由の一つは、本を読んだとき考えこんで自分の中で「ぐるぐる」を発生させることが多く、せっかくならばそれを文章の形で吐き出そうと思ったことでした。
なので、本書で述べられている「文章を書くこと=頭の中の『ぐるぐる』を翻訳すること」という考え方には共感を得ました。

とは言え、もともと文章を書くことを生業にしているわけではなく、実力もありません。
なので、ここまで“なんとなく”書いていました。
私の書いた文章を気が向いた人に読んでもらえたらいいな、くらいの感覚でした。

また、書くことは鍛錬だと考えていることもあり、習慣づけることで文章力を少しでも磨くことができれば、仕事の役に立つのではないかという思いもありました。
ただ、私は文章を書くときに“言い回し”ばかりに気を取られ、小手先の文章力を磨こうとしていたような気がします。

もちろん、言い回しも含めて文章の細部に気を遣うことは必要であるとは思います。
しかし、私が書きたい理由はそこが磨かれることだけではなかったはずなのです。
そう、文章の中身が伝わらないと意味がありません。

この本を読んで、「誰に向けて書いているのか」を意識して文章を作るべきだと思いなおしました。
これまでは、思いついた文をとにかく並べてただけで、誰にも読んでもらえない文章になってしまっていたことに気が付かされたのです。

実際に読者を漠然と捉えていたので、どうしても万人に受け入れられる“言葉選び”ばかりしていました。
結果として、本当に伝えたい自分の思いや主張がわからない文章が出来ていたのです。
その文章では、本来の目的である自分の中に抱えた「ぐるぐる」を正しく翻訳できていません。

仕事においても、似たような状況であったことに気がつきます。
これまで仕事で報告や企画の文章化を求められたとき、「誰に対してこの文章を書くのか」について十分に意識出来ていませんでした。
とにかく多くの情報を盛り込みたくなり、抑揚のない文章を作成していました。
それは、一番伝えたいことが曖昧で、「自分がどうしたいのか」「どの方向に導きたいのか」がわからない文章でした。
結果として、読者(報告相手)を混乱させてしまっていたのです。

本書の中で語られる文章を書く時のアドバイスやテクニックの中には、知らず知らずに実践できているものや一層注意を払いたいと思うものがいくつかありました。
それらから、文章を書くことへ背中を押してもらい、執筆に積極的な気持ちを持つことができました。
その意味でも、より早く読んでおくべきだったかもしれません。

本書を通じて、“書くこと”に対する今後の目標が見えてきました。
仕事での文章は、読み手を意識し、これまで出来ていなかった自分の主張を明確にしたものを作成すること。
やり始めた読書感想文は、「対象の本を読む前の自分」と「将来の子供」に薦めるつもりで書いていくこと。
いつの日か、土台から自分で考えた文章を作れるようになりたい。

ここまで書いた文が本書で学んだことを生かせていないかもしれませんが、ここで意識を変えることが今後の上達に繋がるのだ、と自分自身に期待を寄せています。

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