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~思考の流儀~ 心が軽くなるほど安定していく

一般のモノは重くなるほど安定を増す。そんな物理の法則に反して、軽くなるほど安定するものがある。

何だと思われるだろうか?それはあなた自身の心である。

心は思いを深めるほど、重たくなる。

一つの事に思いを深めすぎたり、何度も無意識に反芻したりすると、強い思い込みになる。そうやって思い込みになる。そうやって思い込んだものはひとつひとつ固定概念となって心の底に沈んでいく。

錘がついたように底に沈んでいる「思い込み」を引き上げるのは、けっこう厄介で手間がかかる。周りが「それはただの思い込みだよ、固定概念にすぎないよ」と諭しても、聞く耳をなかなか持たない。

誰しも心の底には何かしらの不安を抱えている。心はいつも揺れているのだ。そんな不安を少しでも覆い隠し、固定させてくれるのが思い込みであり、固定概念の役割でもあるのだ。あれは、ああじゃないか、いや、こうじゃないかと迷ったり、葛藤する事は、不安を膨らます原因になるかだ。心の中の不安定なものを押さえつけるのに、思い込みや固定概念はうってつけの役割を果たしてくれるのである。

考えを重ね思いを深めるほど、求めている正しい答えに辿り着くと考える人は少なくない。

しかし考えに考えた末に出てくるような思いは重い。重いという感触がまた値打ちがあるように錯覚を起こさせる。だが、重たい思いは、生き方を制約する大きなとらわれになるから用心したほうがいいのだ。

私は思いを持つ時は、なるべく軽く待つようにしている。

思いを軽く持つ。それは例えば「ふと思う」という感じのものだ。そんな思いは瞬間に現れ、またいつの間にか消えていくので後に残らない。その人らしさも出るし、心の澱にならずにすむ。軽みのある思いを連れていくように生きることができれば、それは理想かもしれない。

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