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菱餅と雛あられ


菱餅と雛あられと甘酒

三月三日の上巳の節句。
雛人形にお供えするのは、菱餅と雛あられ。
菱餅は三色。
春の季節を表しています。
上のピンク色は、桃の花。
真ん中の白色は、雪。
下の緑色は、草を表しています。
春になると、桃の花が咲き、雪の下からは雪間の草が生えてきている様子を表しています。
緑色は「健康」
白色は「清浄」
ピンク色は「魔よけ」の意味も持ち合わせています。

そして、菱餅の形は菱形。なんで菱形なのだろうと思って調べてみました。
「菱」とは水草のことを表しています。この水草が繁殖力が強いことから「子孫繁栄」を表すとされています。

菱という水草


菱の実

そして、この「菱」には実がなるのですが、この形が菱形です。この菱の実は固くとがっていることから、この実を「まきびし」として追手から逃げるために忍者が道にばらまくことに使っていました。鉄製の鉄びしの方が有名かもしれませんが、高価な鉄よりも軽くて固い菱の実が実際には使われていました。このことから、身を守るという意味で「魔除け」の意味を表しました。
したがって、菱形は「子孫繁栄」と「魔除け」を合わせ持つ縁起の良い図柄となったわけです。
また、余談ですがこの菱の実は食用にもなるようで茹でて食べることができます。忍者にとっては、身を守るだけでなく非常食ともなったようです。

上巳の節句にお供えするもう一つは「雛あられ」これは、雛祭りが室内ではなく、流し雛だった頃のおやつでした。女の子の穢れを形代に移して川に流した流し雛。川に行く時のおやつが「雛あられ」でした。「雛あられ」は四色でできています。ピンク色と緑色と黄色と白色。この四色には意味があります。
ピンク色は花の春。
緑色は葉の夏。
黄色は紅葉の秋。
白色は雪の冬。
ひなあられの色で春夏秋冬を表し、女の子が四季を通して健康でいられることを願っています。ここに、小豆の甘納豆が入ることがありますが、こちらは赤飯と同じ意味で赤色は魔除けになります。

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