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甘柑荘の炉の修復

甘柑荘の炉の修復が完了いたしました。

甘柑荘の六畳の茶室に切られた炉は松永耳庵と交流のあった三淵忠彦氏がおそらくは小田原茶人の好みの田舎家の茶室をイメージした囲炉裏の見立てで切られた炉であると思われます。

美しい暮らしの手帖より

六畳間ですので大炉の点前にも使用はできますが、寸法は二尺で大炉よりさらに二寸ほど大きく、かつての写真でもやはり囲炉裏として使用されている様子が見られます。戦後の改修以前には天井に蛭釘が打たれていたそうで、写真でもやはり自在鉤が微かに写っております。

小田原城の修復に携わった宮大工棟梁で文化財修復士でもある芹澤毅さんの施工で炉縁も新しく作成されました。

文化財修復士.宮大工東陵 芹澤 毅 さん

三月の施設公開ではこちらの炉を開け、戦前まで行われていた表千家の大炉点前を基に囲炉裏の茶の湯を再現してみたいと思います。
流儀の縛りなく、茶人が自らの自由な発想で使うことのできる、簡素かつ清楚な茶室です。多くの茶人の方に豊かな発想を持って個性的な茶席を展開していただけます様願っております。

#甘柑荘 #三淵忠彦 #箱根板橋#小田原#松永耳庵