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CSと顧客の新しい関係、顧客中心文化を根付かせるシステムを提供したいというお話

「スタートアップの"オペレーター"に届けるCSノウハウBook」の10回目の記事です(たぶん最後)。ここまでスタートアップでCSを担いつつ、他部署にも働きかけるオペレーターやCSのノウハウを、CS担当者・CSマネージャー・CEO・役員それぞれの目線で紹介してきました。最後に、CSチャットを提供するチャネルトークが皆様に貢献したい点について紹介させてください。

1回目:オペレーターの職種
2回目:会社で愛されるオペレーターの実務者としてのノウハウ
3回目:CEOが知るべきカスタマーサポート運営の基本原則
4回目:カスタマーサポートのマネージャーが知るべきTips4つ(KPIと心得)
5回目:カスタマーサポートをプロフィットセンターするマネージメント
6回目:スタートアップの成長を後押しするCSチームの目標の立て方
7回目:【成功事例】ユニコーンのCSのKPI達成までの過程
8回目:ノウハウがないCS立ち上げ時期、問題が起きたら?
9回目:役員もCS戦略について考えるべき!

スタートアップにいると様々な文化(カルチャー)に関するお話があります。フラットな組織を作れるかどうか。働き方は自由かどうか。透明性はあるか。私たちチャネルトークのチームも、文化について日々悩み、考えています。

そして、チャネルトークのチームにある考え方の一つに、「システムは文化を規定する」があります。

システムが文化を規定する

少し古臭い話になるかもしれませんが、「下部構造が上部構造を規定する」という有名な言葉があります。これは経済活動やその構造といった物質的なものがその上に乗っかってくる文化や宗教、社会のあり方などの概念的なものの枠になるという意味で、マルクス・エンゲルスが唱えた唯物論的な考え方になります。もちろん下部構造が一方的に上部構造を規定することはなく、相互的なものですが、「環境が人を作る」と近いことをイメージしていただければと思います。

そしてこれは企業文化にも当てはまると思っており、その会社が使うツール≒システムがその会社の文化を形づくるという考えになります。

特にソフトウェアを扱うIT企業にとっては、ツールの選定が何より大事であり、「どこそこの会社は〇〇というツールを使っているらしい」ということが話題になるくらいツールに関する興味関心は高いです(自社のツールを紹介するサービスもあるくらいです)。

今日はそんなチャネルトークが大事にしている文化と、私たちがチャネルトークという「システム」を通してやりたいことについてお話したいと思います。

チャネルトークの文化VS伝統的なお客様センター文化

私たちがこのサービスを始めた頃、本当にたくさんの(見込み)顧客に会いました。その中で”イケている”と言われるような会社はその顧客も本当に多く、さらに、彼らはその顧客対応に追われる、つまりカスタマーサポートの担当もたくさんいました。

特に初期の自社顧客はアパレルECサイトが多かったため、ほとんどの企業はカスタマーサポートを外注したり、もしくはパートタイムの派遣に常駐してもらって対応するケースがほとんどでした。一方、チャネルトークは自分たちがユーザーということもあって、アーリーステージのスタートアップに最適化されたサービス。全メンバーが顧客対応を行っており、特段担当をおいたりもしていません。

ぼくらがイメージしていたのはコーヒーテーブル。カフェでテーブルを囲み、コーヒー片手に談笑するように問い合わせ/サポートを行う。そこには社長、エンジニア、マーケ担当、デザイナーなど、自社サービスに関わる人すべてが席を共にして顧客に共感することでした。

そんな私たちに求められたのは伝統的な窓口型のカスタマーセンターでした。そこでは1日や1時間あたりの問い合わせ処理数などの数字がKPIとして強調され、また、顧客とのやり取りは担当ベースで、他のメンバーは自分がアサインされたチャット以外は閲覧できないようにしてほしいという要件。それはまるで冷たい工場を作って欲しいという要望に思えました。”お客様の声”は繰り返しベルトコンベアーから流れてくる商品で、それに対応する側も特に愛情がこもった応対は期待できず、お面をかかぶったようなものでしか無いように思えました。

相容れない2つの思想を目の当たりにして、顧客中心主義を歌っているだけに、顧客(だと考えていた人たち)との乖離については随分と悩みました。自分たちが目指す世界観はそもそも違っていたのか?こんな効率化された工場のようなやり方で良いのだろうか、と。

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そんな悩みを吹き飛ばしてくれたのがベラでした。

彼女は「顧客が望むようなものを作る、SIerのようにSaaSを作ってしまうとおしまい」と切って捨て、こう言いました。

①「問い合わせ対応の究極の目的は問い合わせをなくすことです。プロダクトとサービスがイケてないので問い合わせが無くならないんです。それなのに担当者が問題を解決できなので顧客は怒ることになるんです」

②「誰かが責任持って顧客の課題を解決し、彼らを幸せにできるようにプロダクトとサービスを掘り下げる必要があるんです」

③「誰よりも深い愛情をもって事業の説明ができるのは、その事業をとり行うあなた自身です。顧客の声を聞く態度と問題解決に対する責任も同様、あなたにあります。何でもかんでもアウトソースするのは、子育てを放り投げてどこかに預けっぱなしにしてしまうようなものなんです」

チャネルトークのミッション

こうして私たちは自分たちのミッションをより明確にし、自分たちのあるべき姿を振り返ることができました。

伝統的な窓口型のお客様センターと、私たちが目指すものはそもそも違うものであると。違うDNAから来ているものだと、そう定義できました。すでにマーケットにあるべきものはすべて存在しており、私たちが作るべきは自分たちと同じような考えを持ち、顧客との距離を縮め、仲良くなることを欲している人たちのための製品だと

そんなオペレーターたちが絶え間なく問題解決を続け、会社を成長させることによって自分も成長し、出世できるような正の循環を作ることに役立つプロダクトを作ろうと。

答えは顧客にある

ベラの言葉は、私たちが漠然と考えていたものを言語化してくれました。

「すべての製品には文化を内在します。そのプロダクトが作られた目的、込められたバリューが、その詳細な機能宿っています。そしてその製品を利用する会社は、その製品が追い求める文化をも吸収することになります」

私たちは、自分たちの製品が”答えは顧客にある”というビジョンを、すべてのチームメンバーがたった一度のクリックで顧客と対話できる環境を作りあげるというプロダクトで実現します。そして、最終的にはお客様をあなたのファンにすることを目的にしています。このオペレーターの文化を、顧客との対話を楽しむことができる文化、コーヒーテーブルの文化を広め、私たちのユーザーの皆さんにも是非取り入れてもらいたいと考えています。

全ての記事を読んでくださった皆様ありがとうございます。チャネルトークでは、CS TipsやEC Tipsなどカスタマーサクセスやカスタマーサポート、ECサイト運営社の皆様に役立つコンテンツを今後も発信していきます。ぜひ、関心をもってくださったら嬉しいです❤️スタートアップのCSを軸に一緒に成長しましょう!!



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