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”民間の心”が理解できる公務員になるために。マルシェ運営を通じて「経営」のキホンを学ぶ

都市経営プロフェッショナルスクールに通い始めてもうすぐ2ヶ月が経ちます。ここはその名のとおり、都市を経営することを学ぶスクールですから、経営とはなんぞやを理解しないことにはどうしようもありません。

公務員は「経営」なんて無関係と思っていた20代の僕

しかしながら僕は生まれてこの方「経営」というものに全く触れてこずにこれまで36年間生きてきました。
僕は今地元の市役所で公務員として働いているのですが、言ってみればサラリーマンとしてお給料もらって生活しているわけで、「とりあえずこのまま定年まで働けば普通に生きていける。何なら公務員だからよほどのことをしない限りクビにならずに安定した生活を送ることができる。」とか思ってました。
入庁したのが12年前の2008年。24歳のピュアな青年は、配属となったそれぞれの部署で、そこで出会う上司や先輩職員の働き方が正しいものと疑わず、「早く公務員の仕事に慣れよう」とか「行政のできることって、ここまでなんだ」とか、「できない理由をちゃんと論理的に伝えられるように法令読んどかないとな」とか、そんなことを勝手に学んで純粋に働いていました笑。

僕の給料はどこから出ているか、まともに考えてみる

これは公務員あるあるだと思うんですけど、市民の方から

お前ら公務員はおれらの税金から給料もらってんだろーが!
税金泥棒!

みたいな話を僕らはしょっちゅう投げかけられます。

仲のいい人から冗談めいて言われることもあれば、役場の窓口でガチ目に言われることもあります。
ずっと聞かされ続けているので今ではもう何も感じなくなってしまいましたが、働きはじめた頃は「こっちだって一生懸命働いとんじゃ!公務員だって大変なんだぞ!」とか結構心を乱されていました。

でも実際にその言葉を分解してみても、我々の給料は税金で賄われているのは紛れもない事実で、こうした苦言を呈されることが増えてきたということは世の中の経済状況が厳しいということでもあるんだろうと思います。

我が市では年間予算約400億円の概ね3割が市税などの自主財源で、残りの7割が交付税や補助金、地方債と言った依存財源で賄われています。依存財源は国県の方針で大きく変わる可能性もあるわけですから、自主財源部分を大きくしていかないと僕らの給料にも影響が出てきておかしくない話です。というか民間はそれが当たり前なわけで、僕らの給与体系からして疑問を抱くのは自然なことなのかもしれません。

民間が”自立して稼ぐ”のを支えるのが行政の役割

このスクールでこれまでブレずに学んできたこと。
それは、「民間主導のまちづくり」の重要性。

これまで、まちづくりという分野は行政が担うべきものだという認識が当たり前のように広がっていました。おそらく現在もそうであると思います。
「地方分散」だとか「地域主権」だとか「地方創生」だとかその時々で予算が地方に配られ、地方活性化のテコ入れが図られてきましたが、果たしてそれでV字回復した地域があるのでしょうか。少なくとも我が市ではそんな事ありません。

補助金に依存せず、しっかりと自分たちの力で稼ぎを生み出していく。経営の視点を持った民間がまちづくりをリードしていく。
行政はそうした”自立して稼ぐ”民間を後押しし、自主財源となる税収の増加を図っていく。
それは例えば、規制緩和であったり、制度改正であったり。
これまでの拡大社会で無秩序な開発行為や経済活動ができないように制限を設けていた厳しいルールを緩め、民間が稼ぎやすい土壌を作っていくこと。

そうした、これからの新しい行政の役割を、今まさにこのスクールで学んでいるわけです。

”民間の心”がわかんないなら、とりあえず自分で事業をやってみればいい

ひと月前にこのスクールのフルオンライン集合研修があり、各受講生がそれぞれ地域の経営課題を抽出しその解決策と具体行動を発表するというコーナーがありました。
僕はそこで「地元でマルシェをやりたい」というプレゼンをしたのですが、コーチ陣からは「マルシェやって地域経営課題がどう解決するの?」とか「マルシェは手段であって目的ではないよ」といった有り難いご指摘を頂戴しました。
このあたりはまだまだ僕の至らぬ点なので素直に受け止め、これからもっともっと精進したいと思っております。

それでも僕がマルシェをやりたいと思ったのは、もちろん地域のいいものを地元の人に理解してもらいたいとか、出店者のチャレンジの場にしてほしいいとか、そうした一般的な目的もあるんですが、実は一番は僕自身が「事業を運営する」ことを体感したいという思いがあるからです。

自分自身が”民間の心”を理解できるよう、マルシェの主催者という立場になり、事業として継続的に運営していく中で、お金の流れの仕組みや稼ぐポイントなどを実感として身につけていく。小さな小さな「経営」を、ここで学んでいければと思って始めようと思います。

そして、その思いに共感してくれたメンバーと、マルシェを開催することが決定しました。

つながるマルシェ 9/22(火・祝)開催!

ということで、2020年9月22日、秋分の日に「つながるマルシェ」を開催します。

まだ詳細が決まっていないこともたくさんありますが、とにかくまず第1回をやってみる。それだけ決めて、準備に取り掛かっています。

そして、1度の活動で終わらずに、隔月開催を基本とした”事業”として継続していけるよう取り組んでいこうと思っています。そうしないと経営感覚が養われないでしょうからね。

このマルシェに関して、詳しくはまた今後書いていこうと思います。


民間の心、プライベートマインドを身につけるためのはじめの一歩を、この歳になってようやく踏み出しました。
ここからが、僕のまちづくりのスタートです。


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