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日記:2月20日(月)「アラーム音を巡る冒険」

自分は「起床」という行為が苦手で、平日だろうが休日だろうが朝起きるのがとても辛い。起きてから何分かは何もすることが出来ないし、その日どんなに楽しい事が待っていようとも何故起きなければならないのかと暗い気持ちに苛まれる。

毎朝スマホのアラームで起きるのだが、自分にとってアラーム音は地獄から鳴り響く音楽であり、とても嫌いである。かといって小さい音にすれば起きられないので、最大音量かつバイブ付きにしているので尚更苦痛を感じている。

たとえどんなに好きな曲でも、アラーム音にしたら一気に嫌いな曲になってしまうだろう。

少しでもこの気持ちが軽減出来ないだろうかと思い、大学生の頃に手を出したのが、アニメキャラが起こしてくれるアラームアプリだ。何ともキモオタらしい選択である。

そして、ごちうさのチノちゃんがオリジナルボイスで起こしてくれるアプリを購入した。単純にごちうさの中でチノちゃんが一番好きという理由での選択だが、朝起きるのが辛いというだけでアラーム音に八つ当たりしている自分も、チノちゃんにはそんな事しないだろうという考えもあった。

朝になるとチノちゃん(水瀬いのりさん)の優しい声が脳や脊髄にまで染みわたり、穏やかな気持ちで起床、部屋の窓を開け、朝日を浴びながら小鳥さんにおはよう!と声をかけて爽やかな朝を迎えられる・・・と思っていたのだが、1つ引っかかる事があった。

このアプリは70種類以上ものオリジナルボイスが収録されているのだが、その中にチノちゃんが「お兄ちゃん」と呼んでくれるボイスがある。

ごちうさを見た事がある人ならばチノちゃんに実兄、またはお兄ちゃんと呼んで慕う男性はいないという事は周知の事実である(もしいたらどこかの村が焼ける)。

つまり、ここでのお兄ちゃんは利用者の事であり、この瞬間だけ自分はごちうさの世界に存在する事になる。

これまで視聴者として、もっと言えばラビットハウスの壁になったつもりでごちうさを楽しんでいた自分が、突然木組みの家の世界に入り、チノちゃんに「お兄ちゃん」と呼ばれる・・・。夢のような話ではあるが、果たして自分のような人間がごちうさの世界にいていいのだろうか?

出るとしてもそもそも人間役でいいのか?人間どころかチノちゃん達が住まう神聖なラビットハウスの壁役もおこがましい、自分は野グソ役で十分だ。待てよ、野グソが出るごちうさなんて見たいか?自分は見たくない・・・。

そんなどうでもいい事をうだうだ考えても結論など出ないし、出たところでだから何だという話なので、「これはこれ、それはそれだ」と言いながらお兄ちゃんボイスを利用し続けたのであった。

その後どうなったかというと「自分は飴ではなく鞭で叩かれなければ起きない」という事が分かり、結局アラーム音に戻ったのであった。

この間の休日にスマホの機種変をしたのだが、前と同じブランドなので今まで使っていたのと同じアラーム音が入っていた。アラーム音さんこれからも対戦よろしくお願いします。

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