卵子ドナーになった理由5つ
■私は2017年と2021年の合計2回、卵子提供のドナーになりました。
■現在、大学院生です。
■卵子提供ドナーは日本で数百人くらいしかいない(らしい)ので、珍しい経験だと思います。
■なぜドナーになったのか、どのような経験だったか、卵子提供で生まれてくる人に伝えたいことを忘備録的にnoteにしてみようと思いました。
■不妊治療をしている/予定している夫婦や、興味を持っている人に読んでもらえたらいいなと思います。
■あくまで個人の意見です。
今回は「なぜドナーになったのか」の理由の部分です。
ちなみに卵子ドナーのことを知ったきっかけは「精子バンク」の記事を新聞で見かけたことでした。「精子バンクがあるなら卵子バンクもあるのでは?」と思って調べたら案の定あった!というわけです。
これが2017年の4月で、すぐに登録して5月にある夫婦の卵子提供ドナーに選ばれたというメールを受け取りました。
その辺はまた今度書くので、今回は理由について。
私が卵子提供をやってみようと思った理由や価値観は以下のような感じでした。
理由1:献血感覚
・私はもともと献血するのが好きなタイプで、「健康でいるうちに人の役に立てるならラッキー」みたいなノリで献血しています。
・自分の細胞をプレゼントするという意味では卵子提供≒献血というのが私の感覚。
理由2:卵子はほっといても減るし、一生に10個も使わない
・出生時に200万個くらいあった卵母細胞は思春期に20~30万個くらいになる。何もしなくても1年に1万個くらい減っていく。なら欲しい人にあげてもいいじゃないかと思いました。
・今や10人も子供産むことは稀だし、残りは全部使わない卵子(でも元気!)って考えるともったいないと感じました。
参考:https://ivf-asada.jp/ranshi/
理由3:身近に子供が授からなかった夫婦がいた
・小さいころから可愛がってくれ、第二の家族のようだった夫婦から「子供がずっとほしかったけど、できなかった」という話を聞きました。その夫婦はすごくエレガントで子供のころから大好きで、もしこの人たちに子供がいたらどんな人だったのかなあ…と思っていました。
・もし生まれていたら、その子はとても幸せな人生を送っただろうなと思いました。
理由4:自分が出産せずに、自分の遺伝子をもつ子供が生まれてくるという現象への興味 (知的好奇心?)
・女性である以上、自分の子孫を作ろうと思ったら妊娠と出産は基本的に避けられません。でも卵子提供は会えないとはいえ、出産なしで自分の遺伝子を持つ人がこの世界のどこかに生まれるという不思議な現象を体験できるチャンスだと思いました。
理由5:人が一人増えるということは、その人にしか言えないことやできないことが実現される可能性を上げることだから
・私は人と話すのがすごく好きで、盛り上がった哲学的な話とか、研究の話とか、なんで生まれてきたと思うかとか、友達の話とか、とにかく人と話す瞬間というのは本当に大切だと思っています。
・「この会話の中で、この一言を思いつくために今までの人生があったんじゃないかな」と思うこともあります。
・生まれる赤ちゃんが一人増えれば、成長したその人は周りの人といろんな話をすると思います。
・それで救われる人がいたり、幸せになる人が増えるんじゃないかなと考えました。
・私がドナーになることがそのきっかけになるのならやってみたいと思いました。
まとめ
まとめると、私が卵子提供ドナーになった理由は「おもしろくて、新しい誰かがこの世界に生まれてくるきっかけを作ることができて、それはとても意味があるから。しかもそれは今たまたま若くて健康な自分の身体が作る細胞をプレゼントする(≒献血)という行為で、自分にとっては抵抗も少ないから」という感じでした。
もちろん身体的なリスクとかもあって、それは次回書こうと思います。
あと実際やってみたらその時ばかりは自分の下腹部をかなりいとおしく思ったというか、作業的な感じでは決してなくて、おなかで育っている細胞に対する祝福感でいっぱいな感じだった話とかも次々回に書きたいです。
ちなみに私がお世話になった卵子提供の会社では、夫婦の名前などはもちろん提供した卵子で不妊治療が成功したのかも知らされませんし、ドナー提供で生まれた子に会ったり連絡するなども未来永劫できません。
読んでくださりありがとうございました。
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