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【レポート】PJCS2023、初めてフロアジャッジをして思ったこと

※この記事は全文無料です。

アモーレ。
CHANG(ちゃん)と申します。

僕はポケモンカードのボランティアジャッジというものの資格を持っているのですが、これを持っていると、公式大会等のイベントでジャッジとして稼働することができたりします。

今回、【ポケモンジャパンチャンピオンズシップス2023】のカードゲーム部門にて、ジャッジ稼働をさせていただいたので、簡単に思ったことを書いてみたいと思います。
ちなみについさっき稼働を終えて、近場のテーブルでPCのキーを叩いています。思ったことはさっさと感情を出してしまったほうがたぶん伝わる気がする。

※注意
ウラ事情とかそういったものは一切ありません。
期待してた人には申し訳ないので、マグロの匂いがするこれでも見てってください。

■ポケカのボランティアジャッジとは

ポケモンカードの公式資格で、持っている人は
・イベントオーガナイザー
・公認ジャッジ
それぞれを保持していることになります。
詳しくはこちらにまとめてあります。

ポケカの大型大会においては、ポケモンカード公式ホームページの資格保有者ページから、指定期間に応募することで参加することができたりします。(大会の規模や内容によって、募集人数や実際の稼働人数はさまざまです)

彼らは、人によっては、当日の大会だけでなく、事前の体制構築やもろもろの準備に力を費やしていることもありますが、多くは、当日またはそれに紐づいた前日ミーティングに基づく稼働を行っています。

■はじめてのフロアジャッジ

イメージです。

僕は、今までCL(チャンピオンズリーグ)やPJCSでは、「配信」チームに配属されていました。
配信チームとは、文字通り配信に乗る対戦卓を担当させていただくジャッジとなります。
業務としては彼らの対戦開始管理、対戦中の場の確認、選手への声がけや調整、修正ごとがあった場合は盤面修復や必要であれば裁定を出す等になりますが、一言でいってしまうと「限られた空間の中で2名の選手が正しい形で試合を進行できるよう場を守る人」みたいなイメージです。

僕はそんな配信チームでの稼働に誇りを持って稼働させていただいていたんですが、もちろんCL等におけるジャッジはそこだけではなく、さまざまなセクションがあります。
選手の方が一番目に触れるフロアジャッジも、いつかやってみたいなあと思っていました。

そして今回、フロアジャッジに拝命したのです。

正直いうと、配信とはまた別の緊張や不安がありました。
普段、シティリーグ等でフロアジャッジは担当させていただいたことはもちろんあるものの、あの3,000人以上が熱戦を繰り広げる大規模フロアを歩いたことはなく、一体どんなことに…シティの50倍の規模やで…僕の足どうなってしまうん…歩き疲れて裂けるチーズみたいになってしまうんちゃう…?
といったように少々混乱していました。

妄想的な混乱はさておき、根本的な話として
【使う筋肉が違う】
というのがあります。
配信卓での対応は
「問題が起きないように注意して場を見続ける」
のに対し、
フロアでの対応は
「起きてしまった問題に対して修復や対処を行う」
なので、脳の処理はもちろん選手へのコミュニケーションや知見も全く異なります。果たしてアタイにそんなことできるかしら…テンパっちゃって「そんなもん知らんねん!パーン!」つって平手打ちとかしちゃわないかな…?
といったように順調に混乱していきました。

配属は前日に知ることになるので、
もう夜はベッドでモゾモゾしていましたよ。
一人で。

あとベッドはなぜか2つありました。

■実際にやってみたら

イメージです。

結論からいうと、フロアジャッジはとても楽しかったです。
配置やスケジュールの調整は当然なのですが、リーダーやメンバーがお互いに敬意を持った上で「みんなで大会を成功させよう!」という意思のもと連携しあってたという部分で、しっかりとした「チームワーク」というものが感じられました。
巡回する間隔、対応が発生したときの目配せやハンドサイン、問題に対して皆の知見で解きほぐしていく流れなど、ひとつひとつは取り組んで当然の項目かもしれませんが、それを仕組み化してどのチームもできるようになっていたことは、長い歴史の中でジャッジチームが少しずつ繰り上げていった成果なのだろうなあと思います。

僕もいくつか対応をさせていただきました。
至らないながらも丁寧にコミュニケーションを取ってくださった選手の皆さま、本当にありがとうございました!
一緒に場をもとに戻していくときの独自の感覚は、とても不思議なものでしたが、役に立てたのであれば嬉しいなあ、と思います。

フロアジャッジをやってみて思ったのは、当たり前ですが
「見れる場がすごく広い」ことと、
「選手と距離が近い」ということでした。

フロアに降り立ってまず思ったのは、
「広ッ」
です。

高いパーテーション等が存在せず、遠くまで見渡すことができます。
数にして数千人。ずらーーーっと並ぶテーブルや椅子に、沢山の選手たちが着席することになります。
これにはまずワクワクしました。
何がというと、「視野を広く持つか狭く見るかの使い分けが、思った以上にたいへんだぞ」ということです。
例えば巡回していく中でそれぞれの対戦の内容をきちんと見ることは大切ではあるものの、そうではなく全体を見渡して挙手をしている人がいないかを引いた目線で把握できるかどうかも大切です。
よく「虫の目、鳥の目」と言いますが、物事をミクロを見るのとマクロで見るのは物理的にも精神的にもピントの切り替えが重要で、意図して行わないとうまいこといきません。
実際、僕はラウンド1−2においては「きちんとやらなきゃ」の考えからか若干視野が狭い動きになっていたように思えますし、それによってもしかしたら誰かのヘルプを見落としていたかもしれません。
チーム内でも「もっと視野を広くしてみよう」というお話があり、その後においては、自分の目線を魚眼レンズのように広く大局的に見る視点と、個別の盤面を問題ないか局地的に見る視点を切り替えてみましたが、これがとてもなんというか、心地よかったです。
自分が求めているものが見えるような気がしました。
合わせて、自分対選手だけでなく、同じチームのジャッジの方々の動きについても以前より把握しやすくなったように思えて、物理的な視野の切り替えは何事もだいじなんだなあ、と今更なにいってんだ的なことを思い出しました。

また、選手の方の息遣いや感情を近くに感じることができました。
挙動や対戦進行内容などとは別に、うまくいかなそうな焦燥感やヒリついた緊張感、対戦が終わったあと称え合う爽快感など、リアルのカードゲームシーンだからこそ感じられる人間的な部分を、PJCSという最高峰の舞台だからこそたくさん肌で感じました。

勝利して喜ぶ気持ちとともに相手を楽しそうに感想戦を行う人、
時間が足らず悔しさを抑えきれず強く椅子を引いて立ち去る人、
勝敗はついていろんな感情はあるけどもお互いの検討を称え合う人たち。

真剣勝負の先には、こんな世界があるんだなと改めて思いました。

■大舞台に存在する景色

稼働後のPJCS会場

試合の合間、休憩入るために会場内を歩いていたときのことです。

予選も後半、選手の皆さんも疲れが色濃く見え始めるころ、マッチングが発表され、多くの方が移動を開始していました。
僕はその人の大きな流れの中をぬるぬると進んでいたのですが、とあるひとつの言葉が、たくさん耳に入ってきたのでした。

「次、がんばってください」
「負けちゃったね。次はがんばろ」
「この流れならいける!がんばれ!」「おう!がんばる!」

大きなカードゲームの大会において、優勝者はたったのひとり。
その椅子に向かって無数の人が「ガンバ」という言葉で死ぬ気で食らいついています。
ただ自分だけが頑張るのではなくて、大切な人が頑張るのを応援したり、自分を負かせた相手に対して礼賛したり。
色んな人の色んな「ガンバ」があるんだなと、競技シーンに対する気持ちがさらに深まった瞬間がありました。

いつか、僕も息子とかと声かけあえたらいいなあ、なんて思いました。
うちの子マイペースだから対戦ごとは全くやんないんですけど。

いやあ、でもやっぱ、負けて悔しいのに相手を讃えるってすごいですよ。
ポケモンカードやってて良かったなあ。

■DAY2に進まれる方、また今後も戦い続ける人たちへ

これを書いてる現地です。

明日も激しい戦いがここ幕張で行われると思います。
前述の通り優勝はたったひとりなので、勝つ人もいれば負ける人もいます。
そんな方に「勝ち負けなんて気にせずに楽しんで!」とは口が裂けても言えませんが、せめて僕はこう言いたいです。

「悔いのない1日を!」

PJCSが終わってもWCSがありますし、
次シーズンも来年も再来年もきっと何かがあります。
選手としてかもしれないし、ジャッジとしてかもしれないし、はたまた仕事として関わってる人もたくさんいる中で、皆が皆のスタイルで戦っているんですよね。

また僕も、末席に加えていただければ幸いです。



そんじゃ、僕はDAY1のみ稼働なので、お先に失礼しやす。
おつかれっした!!!

またいつの日か!!


■おまけ

あ、そうだ。
最近Discordのシステムのサーバー代がちょっと赤字ぎみでして、良かったら少しおひねりいただけると嬉しいです。。
良ければ。

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