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誤字脱字を限りなくゼロに近づける

誤字脱字はこの世で特に苦手なものの一つである。文章を読み書きするときにポロポロと現れるそれは、道を歩いていて爪先にちょうど引っかかる小さな段差みたいな存在だ。わずらわしくて、危なっかしい。見るべきものに集中できない。少なくとも自分が書いたものに関しては、文章自体の上手い下手より先に、細かなミスだけでもなるべく撲滅しておきたい。

ライティングの世界に片足突っ込んでから数年経つが、誤字脱字を完全に防いでゼロにするのはとても難しいと実感している。言葉のプロによる何重ものチェック体制ができているならともかく、ほとんどの組織ではそこまで工数をかけられない。精度の高いチェックツールを導入するにもそれなりのコストが発生してしまうし、結局最後は人間の目が必要になる。

それでも知識と心がけ次第では多少減らすことができるので、今日はわたしが日頃行っている誤字脱字対策をいくつか挙げてみる。他の人にチェックしてもらう前に、なるべく自分でミスを殺しておきたい人はよかったらどうぞ。

※ もしこの記事で誤字脱字を見つけたら笑って許してください、筆者は赤ちゃんなので……。

1. 一度にたくさん変換しない

ほとんどの誤字脱字の原因は割とこれなんじゃないかなあ。こまめに変換するように心がけるだけでけっこう防げそう。わたしの場合はおよそ5~7文字ごとに変換キーを押している。これより字数が多いと自力でミスに気付くのが難しくなるし、少なければ入力効率が悪くなる。あと、手元ばかり見て打つと画面上のミスを見逃すので、ほぼ画面だけ見るようにしている。

2. コピペは慎重に

過去に作った文章を引っ張ってくるときにもミスは起こりやすい。たとえば下の画像のように、必要な部分をすべて選択しきれていない状態でコピペしてしまうケースや、雑に引用したことで前後の文脈を拾いきれず、意味が伝わりにくい文章になってしまうケースなど(後者は誤字脱字とは少し違うけど)。社内の誰かが過去に作った文章を他のところでも展開する、といったシーンでは特に細心の注意を払ったほうがよさそう。

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3. すべてを一度にチェックしようとしない

文章をチェックするときは「数字・日付の正誤」→「リンク先URL」→「名詞の誤り・表記ゆれ」→「てにをは」→「敬語表現」……というふうに、脳内に複数のチェック項目を作るイメージで繰り返し通読するのがよい。わたしのような粗忽者は上から下まで単純に目を通してもうまくいかないので、項目別にひとつひとつクリアしていくつもりで臨むほうがやりやすいなと感じている。

4. 一晩寝かせる

締切にまだ余裕があるなら、作った文章を一旦寝かせてみるのも手だと思う。ちょっと忘れたぐらいのタイミングで再び読み返してみると、作ったときには気付けなかったミスを見つけられることがある。

5. 端末を変えて読む

PCでWordPress上に記事を作ったら、確認用URLを発行してスマホから読んでみるのもよい。文章ミスを減らす方法のひとつに「紙に印刷する」や「声に出して読む」というものがあるが、ちょっと違う環境で目を通すという意味では、PC⇔スマホに変えるのも案外有効。

気合を入れてチェックしたいときは自分自身の環境を変えることもある。
いつもの定位置ではなく少し景色のいい席に座ったり、在宅勤務ならあえてキッチンで作業してみたり。なんとなく背筋が伸びる気がする。

以上の5つがわたしの誤字脱字対策である。

自分を過信しない

文章を作るときは自分の能力を信じすぎないようにしている。
「どうせミスしまくってるだろ」くらいの低~~~いテンションで作りながら読み、読みながら作る。慎重すぎるくらいがちょうどいい。

わたしは日頃「ちゃんと伝えたつもりだったが伝わってなかった」という事態をメチャクチャに恐れている。自分の失敗経験上、それが発覚するのって微妙に手遅れなタイミングが多いので、メールや社内連絡など、他人とコミュニケーションをとる際の文章作成とチェックにはなるべく時間を惜しまないようにしている。
わたしも読み手もテレパシーは一切使えない。前提が伝わっていないことを前提に、もしかしてここらへん言葉足らずだったかなと思えば発言後でも修正する(なのでわたしの発言の末尾にはしょっちゅう (edited) がつく)。
根っこが大雑把なくせに見栄っ張りなので、こいつ雑だなってバレたくないし、これを読んでる人たちに「いやお前偉そうに書いてるけど普段だいぶ雑だぞ」って思われてたらどうしようかとぶるぶる震えてる。テンション低いほうがミスなく文章を作れるけど、生きる上ではもう少しポジティブでありたい。

丁寧に綴り、丁寧に伝える

“この人に笑ってもらえるように作業しよう”と考えるのがいちばんいい」って、好きなアイドルが最近テレビで言っていた。その言葉はそよ風みたいに穏やかだったけど、わたしはそれに思いっきり頭をどつかれたような気持ちになった。彼のような境地で生きたこと、働いたこと、正直一度もない。そんな考え完全に抜け落ちていた。ちょっと悲しくなった。
たぶん彼は人生17周目くらいだけど、わたしはまだ1周目の赤ちゃんだから仕方ない。コミュ力のかけらもない自分ごときが彼の言葉を何か少しでも実践に移せるとしたら、せめて丁寧にものを綴り、丁寧に伝えることくらいなので、引き続き明日も低めのテンションで文章と向き合っていきます。

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