レポート
久々に試合分析のレポートを書くことにした。
というのもこの夏、およそ2年半ぶりくらいに自分が師と敬う人と再会した。
うれしい再会だった半面、長い時間ではなかったので話もあまりできなかった。
その会話の最中に師が、
「うちのチームの試合分析してレポート送ってよ。」
とおっしゃった。
最初は冗談かと思っていた。
しかし別れ際に念を押されたので、あながち冗談でもないのだなと思い、意を決して書くことにした。どうせ書くならnoteでします。
フルマッチを見るのは久々な上に、分析をするのも二年以上やってない。
だいぶ精度は落ちているが楽しそうなのでやってみることにする。
試合は朝鮮大学校vs大阪産業大学。
まずは簡単に試合のあらすじを振り返っていく。
試合のあらすじ
立ち上がりはお互いに4‐4‐2のベーシックなスタイル。
ミラーゲームなだけあって、配置論者である自分からすると、どちらが先に動いてくのかがカギを握りそうな始まりだった。
お互いのボール保持
先に動いたのは朝大。
10番がCB間に落ちていき、数的優位をつくる。大阪産業は2トップのプレスなのでどうしてもフリーマンができ、チームとして時間を得ることに成功する。そのフリーマンがボールを前進させる。そこから相手を押し込み有利に進めていった。
それに対し大阪産業は両SBが幅を取りながら高い位置を取る。そして両SHはハーフスペースに入り込みライン間で待ち構える。
よってビルドアップ隊は2CBとダブルボランチだけとなる。ただ、朝大の2トップとボランチの守備が献身的でプレスバックも旺盛だったため、CBとボランチが思いのほか時間を得られず、ボール保持が安定しない。
ボランチの一人がCB-SB間に顔を出して時間を得ようとしていたが、あまり功を奏していなかった。
その流れから有利になった朝大が一挙に3点を取り、試合を決めたかに思えた。
大阪産業の変化
3点ぶち込まれた大阪産業は、前半30分頃に一挙3枚の選手交代を行う、と同時にシステムを3‐2‐5(守備時は5‐4‐1)へと変化させ、試合を有利に進めていこうとする。どちらが本来の姿なのかは知らない。
これによって何が起こるかというと、朝大のプレス隊であるFW2枚に対し、大阪産業のビルドアップ隊が3枚と自動的に時間を得られるようになる。
もう一つ、朝大がビルドアップをする際に大阪産業のプレス隊が増えることになる。その結果、朝大に若干焦りが見え、無理くり蹴ったボールを拾われ、1点を献上することになり、前半を終えた。
ハーフタイムの修正
ハーフタイムを経て、朝大はしっかり大阪産業の変化に対応していた。
守備の際は4‐4ブロックを再整理し、相手にスペースを与えない守備を見せていた。
ビルドアップの際は、相手が5‐4‐1の時の定石ともいえる作戦を披露していた。
それは両SHが相手WBの裏に立ち、WBをピン止めするというもの。
この作戦により、朝大のSBがより時間を得て、ビルドアップを安定させようという狙いがあったように見えた。
(個人的にこれは学生コーチの入れ知恵じゃないかなとにらんでいる。外れてたら申し訳ない。笑)
SHがワイドに開くこの作戦は相手が5バックの時はいたって有効な作戦だといえる。
その反面、副作用もあったように思えた。
それはピッチをワイドに使い、両SB,SHが大外レーンに位置することで、中央のスペースが増え、トランジションへの脆弱性が増加することである。
実際3失点目にそれが露呈していたように見える。
そしてもう一つ、SBに入れた後どう前進するかがいまいちパッとしてなかった印象。そこからスムーズに運べることができれば結果は違ったかもしれない。
そういった戦術的なやり取りもあり、結果は3‐3のドローで終わった。
朝大の感想
ここからは個人的な印象の話になるので合ってるかどうかはさておいてください。
朝大の試合を見て感嘆した部分は4‐4ブロックの整理のされ方である。コンパクトであり、かつゾーンディフェンスの原則にのっとっているように見えた。これを維持できれば東京都一部で失点することはそうそうないように思える。
攻撃面に関しては、「10番にどれだけフリーで前を向かすことができるか」で攻撃の完成度が左右される印象。実際一点目も彼を経由してサイドにボールを振ってから生まれたFKだった。そのためのビルドアップを構築したい。
ビルドアップ隊で言うと、3番と14番が印象的。
3番は抜け目なくラインを超えるための方法をずっと探していて、ポジショニングもそのために行っていた。
14番は常に周りに気を配っていて、必要な場所に常にいるイメージ。ダブルボランチの見本のような感じ。
逆にちょっとおこがましいが、もう少し改善できればなというところが二つ。
一つは相手が3バックで回す際、2トップがフリーにしたCBに対して、後ろのスライドが間に合ってないのにSHが突っ込んでいく場面がいくつか見えた。
その結果、後ろで数的不利が生まれる場面があったので、せめて間に合うタイミングで行ってほしかった。
もう一つは、攻撃時に裏へ飛び出す選手が少なく思えた。特にファイナルサードで。
FWがDFラインからのロングボールに飛び出す場面はよくあったのだが、ビルドアップが成功して押し込んだ際に、裏に走る場面、選手が少なく思えた。
久々に分析をしたからこそ分かったが、精度がかなり落ちていて、全然現象が把握できていないです。。
もうちょっと定期的にしてリハビリしようと思います。
こんなものでよかったでしょうか笑
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