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映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」感想

良かった。

桃井かおりの存在感が良い。樹木希林や田中邦衛を彷彿とさせる演技に唸った。

その桃井としっかり張りあえている清原果耶の強さも見事だった。

表情、声色、仕草の微妙な変化で感情を的確に表現できていた。

正直この作品を見るまで清原は可愛くて清楚というだけのイメージだったが、力のある女優に育つ可能性を充分に見せてくれた。

ある1シーン。

桃井演じる星ばあが、清原演じる少女に「しぶとく生きろ」「たくさん恋しろ」とメッセージを送っているが、これはまさに日本を代表する女優から、未来を担う新進女優へのエールのように、私には聞こえた。

登場人物の人間関係も分かりやすく、脚本も過不足なく2時間しっかりと物語に没入させてくれる。

清原が女優としてひと皮むけた作品といえるし、のちに彼女の代表作といわれるようになるだろう。

脇を固める父吉岡秀隆、母坂井真紀の包み込むような芝居も良かった。

特に母坂井真紀が、娘清原果耶の謝罪を受け入れる時の表情の変化で見せる演技はさすがであった。

端々に日本映画の豊かさを感じる良作だと思います。