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小説「チエちゃんと私」感想

よしもとばななの小説が好きだ。

現実離れのフワフワした物語のようで、しっかりと地に足をつけて生きていこうという気持ちにさせてくれる。

押し付けがましくないのも好ましい。

与えられた持ち札で人生を切り拓き、胸を張って生きていく。

人と比べたりしない。自分にとって確かな幸せをゆっくりとじっくりと味わいながら生きていく。

そんな登場人物たちの生き方は、ほのかだけどたしかな光となって、こちらの生き方を照射してくる。

こっちはいい感じだけど、そっちはどうだい。上手くいってるといいけれど。

そんなふうに話しかけてくるほのかな光。

色々あったけれど、まあいい感じです。これからも、自分次第で、もっともっとワクワクできる予感があります。

そういうパリッとした新鮮なセロリのような気持ちを、登場人物たちと共有できるのが嬉しい。

よしもとばななの小説を読んでいると、そういう瞬間が度々訪れる。

だから、よしもとばななの物語は、フワフワして現実離れしているようで、私にとっては、どんな自己啓発本よりも実用的なのである。