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ガッチャード世界の住民の民度は本当に低いのか、たっちゃんは本当に令和のヒルカワなのかを考えてみた

どうも。
今回は、仮面ライダーガッチャードの終盤展開における民度についてお話します、

結論からいうと、

「だいたい錬金術師が悪く、だいたいマッチポンプになっているのでケミー廃棄運動は必然である」
それではいきましょう。


たっちゃんの乱

仮面ライダーガッチャードの物語は、第46話「黒き占星、黒鋼の宣誓」から大きな転換点を迎えた。
それが、今まで閉ざされていたケミーの記憶の開放だ。

これにより、一般人がケミーの存在を思い出し それと同時に錬金術師たちの存在も明るみとなった。
それを扇動したのがYoutuber的な存在のたっちゃん。
たっちゃんは錬金術師たちのアジトを突き止めて配信をしたり、ケミーは悪・錬金術師たちも悪だ!という形で人々を先導する。

たびたび登場するクズ男枠、でも極悪人かというと違う


さて、このたっちゃん
第49話でも再びヘイトを集めた。

犯罪者が変身したマルガムを撃退したガッチャード。
少女に手を差し伸べようと宝太郎が駆け寄るも、「触らないで」と言われてしまう。
周りから上がるケミーを廃棄しろ!という声。
「ケミーを悪く言わないで!」と立ち上がる加治木たち。

といった形で、ここまでなら加治木たちの存在のおかげでケミーに対する風当たりが少し収まったことでしょう。
しかし、錬金術師は忘れていたのだ。
この男の存在を。

そう、たっちゃんだ。

騙されるな!

と、たっちゃんは錬金術師たちを捕まえろ!と人々の扇動をする。

これによりたっちゃんは「令和のヒルカワ」(ウルトラマンメビウスに登場する本当に良いところのないどうしようもない存在)と呼ばれてしまうのだった。

また、この一連の流れ (ヒーローたちのことを住民が糾弾する様)を見て
メガレンジャー住民の再来と揶揄する声もあった。
※メガレンジャーも高校生戦隊ゆえに高校生ライダーのガッチャードとダブる部分もある


さて、ここで今一度立ち返ろう。


果たして、本当にガッチャード世界の住民の民度は悪いのか。
果たして、本当にガッチャード世界の住民はメガレンジャー住民と同じなのか。
果たして、たっちゃんは本当に令和のヒルカワなのか。


答えはすべて「否」だと私は思う。


批判理由とケミーの現状

そもそもガッチャード世界における批判は

「ケミーを廃棄しろ」という点だ。

たっちゃんが扇動する言葉も「マルガムが現れる原因となっているのはケミーと、ケミーを生み出した錬金術師である」という内容だ。



残念ながら本当にどうしようもないほど至極、真っ当である。
たっちゃんさんのおっしゃるとおりでしかないのだ。
ケミーは錬金術師が作った => 正しい
マルガムが現れる原因はケミーだ => 正しい

どちらも真実であり、真理なのである。

また、ケミーの存在そのものが人々の社会に貢献しているという描写は実のところあまりない。
※一応ミナト先生が第3話で「ケミーが人の役に立てるよう研究してきた」という言葉があるが、実社会にどれほど浸透しているかは不明

つまり、ケミーが人々に有益であるという確たる証拠がまるでないのだ。

よく、「包丁を生み出した人は悪か?爆弾を生み出した人は悪か?」といったようなセリフがあると思う。
これは正しい使い方をすれば道具は正しい働きをするので、その制作者は悪人とは言えない。悪いように使うやつが悪いのだ、といった内容だ。

フィリップも過去に似たようなことを言っていた気がする。

では今回のケミーにこのセリフが当てはまるかどうか、というと残念ながら「否」だ。
なぜなら「一般人にとって役に立つ瞬間がない」からである。

包丁も、爆弾も一般人にとって役に立つ瞬間はある。
食材を切ったり、トンネル工事などで使われたりもする。
すなわち「正しい使い方の認知」がされているのだ。

一方、ケミーはどうだろうか。

ケミーのおかげによって生み出されたものが人々の生活になにか貢献をしていると人間が肌感覚で感じることはあるだろうか?


「否」である。


なぜなら、ケミーの存在そのものは秘匿される存在であるため、ケミーのおかげで解決した事象自体も記憶消去されてしまうからだ。
※もしかすると、薬品とかで貢献しているかもしれないが、おそらく目には見えない成分とかで貢献しているため認知されないとかもあるかもしれない。

錬金術師たちはケミーに良い部分があるのは知っている。
しかし、一般人はそういうわけではない。
役に立った実感もない。
なんならマルガムから仮面ライダーが救ってくれたとしても、それはただのマッチポンプでしかない。
ケミーが暴走したからそれを作った錬金術師たちが止めた、これだけにしか見えないのだ。

仮に人間の悪意が原因だ!といってもこの点は変わらない。

じゃあなおさらそんなもん生み出してんじゃねぇよ!デメリットしかないじゃないか!
となる。

とどのつまり、
ケミーの存在をひた隠しにしてきたツケがきているだけで、若き錬金術師たちがそのツケを払っているのが今の現状なのだ。

そのため、賛否両論にはならずに「否」一択となる。

仮にケミーに救われたんだよ!という人が現れたとしても、大多数はそんな実感が湧かないためかき消されてしまう。
実体験がない。
自分には助けられた体験はないし、伝聞だと本当かウソかもわからない。
一方でマルガムの被害は実体験だ。この差はでかすぎる。
それほど「自分にとって有益な存在だったかどうか、有益である部分を証明できたか」は大切なのだ。

同じく廃棄運動が起こったヒューマギアとの比較

その好例が仮面ライダーゼロワンにおける「ヒューマギア」だろう。

ヒューマギアもケミーと同様、脆弱性を指摘され糾弾され、廃棄運動へと繋がっていった。
一方で、今のガッチャード世界のような「ほぼ完全に悪者あつかい」をされていたかというとそうでもない。
その理由こそが「人々に有益な存在だった」からだ。

ヒューマギアは人々の生活に根付いていた。
今やなくてはならないレベル、ほぼインフラレベルにまで浸透していた。
そのためヒューマギアがいない暮らしの窮屈さ、しんどさを人々は知っている。
「たしかに悪いとこもあるし、脆弱性もあるけど便利なんだよなぁ..」という状態になるのだ。


ケミーにはそれがない。


故に、廃棄運動一択となる。


至極当然の摂理なのだ。


ヒルカワ・メガレンジャー世界との比較

じゃあたっちゃんは果たして令和のヒルカワで
ガッチャード世界は令和のメガレンジャー世界住人なのか?


否だ。


ヒルカワはゴシップでGUYSの社会的地位の失墜を狙ったり、ミライに発砲したり、メビウス = ミライを暴露したり、ジャーナリストというポジションで好き勝手をする本当に救いようのない存在だった。
しかし、メビウス世界の住民はウルトラマンやGUYSの功績を認めていたこともあり、結果的に彼がやった行動が否定された形となる。
つまり言い方は悪いが
「住民がGUYSやウルトラマンの有用性」を十分に理解できていたため、ヒルカワの言葉に耳を傾けなかったのだとも思う。

一方でたっちゃんはどうか。
同じように住民扇動自体は行っているものの、基本的に捏造はしていないのだ。
全て事実であり、また住民もケミーの有用性については把握していない。
つまり、たっちゃんは住民にとって英雄であり、真実を暴く正義マンとなる。

また、メガレンジャー世界との対比はどうだろうか?

「メガレンジャーがいるからネジレジアが来る」

因果関係は正直証明は出来ない。
事実ベースとしてメガレンジャーがいた場所をネジレジアが襲ったことはたしかだが、それよりも前に全然関係ない場所で被害が発生したりもしている。
完全な因果関係は証明出来ない。

一方でガッチャード世界の住民の主張はどうか。

「錬金術師がケミーなんか作ったからマルガムが現れたんだ!」

それはそう、としかいいようがない。

さらにその危険性もあらかじめ把握していたのだ。
ぶっちゃけタチが悪い。

つまり民度としてはメガレンジャー世界の方がぶっちゃけかなり悪い。
かつ、ガッチャード世界の住民からしたらケミー廃棄しろ!という声が上がるのも当然なのだ。



つまり誰が悪いのか


錬金術師だ

正確に言うと、それまでなんの改善も対策もしてこなかった錬金連合である。
ケミーの存在を隠し、ケミーの有用性についてのアピールもあまり出来ず、
悪意にふれるとマルガム化してしまうという脆弱性の調整も行わなかったことが一番の罪なのだ。
そもそもが胡散臭い存在でありながら、より胡散臭いことをしてしまっている。公になるとそりゃこうなるし一般人からすれば胡散臭いやつが作ったバケモノ、となるのも正直仕方ない。
加治木たちが支持者になったとしても、それは一般人から見ればカルト的な信者にしか見えないのが現状だ。

リスクがあってもヒューマギアはまぁギリギリ使えた。
ケミーは現状リスクしかない。

そりゃ廃棄運動も起こる。

つまりたっちゃんは別にドクズではないし、ガッチャード世界の民度も極端に悪いかというとそうではない。

お宝ちゃんとスパナの今後の未来がとんでもなく茨の道が広がっている。
老人たちのツケをどう払うのか、ガッチャな未来をぜひとも掴み取ってほしい。


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