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【日刊ドローン情報 No.100】昆虫サイズの小型機も 急速に普及するドローンの今

 日々新たな開発がなされているドローン技術ですが,話題になるものの多くは大型,高ペイロード(積載重量)のものです。大型機は,安全性の要件も多く,技術的にも難しいので話題になりやすいですし,いろいろな用途(農業,点検等)に活用可能であることや,物流分野などの大きな市場を意識して大型化に取り組む企業が多いのではないでしょうか。
 一方で,小型機はあまり話題にはなりませんが,こちらも技術的な難しさがあります。小型機のおもな業務用途としては,屋内での点検がメインとなります。屋内では,GNSS(GPS)が受信できないことが多いため,自己位置の把握が難しく,自己位置の把握ができないと自動航行が困難になります。また,屋内では狭い場所を通る必要があるため,高い衝突回避性能が求められます。特に振動に弱い設備や,重要な設備においては衝突回避性能が重視されます。しかし,衝突回避の機能は一般的に障害物に近づくとそれ以上接近しないように停止するものですので,衝突回避性能が高すぎると,狭い箇所を通ることができなくなってしまい,使い物にならなくなるのでぎりぎりまで接近できてかつ絶対にぶつからないという,非常に困難な性能が要求されます。
 記事のような昆虫サイズの超小型ドローンについては,性能よりも高い製造技術が必要になるでしょう。超小型のものはこれまで入れなかった配管や,機械設備の内部などを目視確認できるなど,新たな用途やニーズが生まれそうです。

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