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【日刊ドローン情報 No.163】JIWと九州電力、複数の非GPS対応自律型ドローンによる遠隔での自動・自律巡回飛行の実証を実施

 ジャパンインフラウェイマーク社(JIW)は,その名の通り,ドローンによるインフラ点検を主な事業としています。そのルーツは,NTT西日本グループの通信設備保全管理であり,NTT西日本をはじめ,東京電力パワーグリッドなど,インフラ企業が出資して設立された企業です。
 NTTグループは,主にアメリカのSkydio社製ドローンを取り扱っており,JIWもインフラ点検に用いる機体は,主にSkydio社のものです。
 Skydioの特徴は,ビジュアルスラムというビジョンセンサ(カメラ画像)による自己位置推定です。多くのドローンは,GPSにより自分が今飛んでいる位置を把握しますが,Skydioはビジョンセンサによりそれを行うので,GPSの電波が取得できない場所でも安定して飛行することができます。また,360°全方位障害物回避機能を有しており,ぶつからないことも特徴の一つです。
 特に,記事にあるような電力設備では,機体が設備にぶつかると,電気事故に至る可能性が高く,設備にぶつからないことが絶対条件であり,さらに設備と設備の狭い間隔を通過するという,設備との適切な距離を取ることが重要になります。これはあまり知られてはいませんが,Skydioの衝突回避半径は昨年まで約1m程度でしたが,機能改良により約50cm程度まで低減しているそうです。つまり,今まで幅2mよりも狭い箇所を通過しようとすると,衝突回避が働き,通過できませんでしたが,今は幅1m程度でも通過できるようになったということです。ぶつからないという安全性能はもちろん大事ですが,狭いところを通れないと使い物にならないという現場は結構多いのではないでしょうか。
 公共団体やインフラ企業などは,チャイナリスクに対して特に気を配っています。国産の高性能なドローンの登場が期待されますが,Skydioがさらに進化することで,インフラ設備の保全高度化が進むでしょう。

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