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ピエロの歌

「ハッハッハッ!楽しいね。笑い物にするのは、ピエロを笑い物にするのはこうも面白い。
こんなに楽しいものとは知らなかった。」

心でピエロを嘲笑う。言葉にはしないがバカにしている。
ピエロたちが歌っているよ。真剣に心を込めて、ピエロが歌う歌はとても音痴で不愉快だった。だがそれでも、聞いている彼らは涙を流していたね。いや本当に涙を流してくれる。心優しい方もいたんだろうけどさ。

それは、笑い物にしているだけだよ。でもピエロたちは真剣に歌ってるから気づかないのさ。彼ら彼女らは笑い物にして涙を流しているのさ。

ピエロは永遠に気づかない。いやその方がずっと幸せさ。


勘づいているのかい。いや待て、気にしちゃダメだ。歌を歌い続けるんだよ。そのへんてこりんな歌を。とても素晴らしいのだから、美しいのだから。ピエロたちにしかできないのだから。

ピエロは歌い続けた。そして、聞いている彼ら達は笑い続けた。ピエロは嬉しかった。自分の歌が、誰かの心の希望になるのを、そして、心底ピエロは彼ら達を軽蔑していた。

ピエロは暇だった。暇潰しに歌っていた。本当はただそれだけだった。


勝手に笑っていただけの彼らは、ピエロを含めて、




哀れで可哀想だった。


そんな中、ピエロは歌うのをやめた。

笑い物になるのをやめた。


自分の本心を偽る事なく生きる事に決めたのさ。それが1番だ。それが1番いいんだよ。

でも、それが必ずしも幸せとは限らない。

そしたら、どうすればいい?


幸せはもうこない。


そんなことはないのさ。

ピエロは知っている。

心から笑われて、蔑まれ、排除されてきたピエロ。


ピエロが見てる世界は、だからこそ美しいんだ。当たり前のことに本当に心から感謝できるから。

ピエロは心から笑っていたよ。彼ら達とは違う自然な笑顔を手にしてね。

ゾンビのように不自然な笑いを繰り返さなければならないゲーム。


早く降りれるといいねぇ。

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