「あの夜を覚えてる」を覚えとく
6月11日に開催された「あの夜を覚えてる 一夜限りの上映会 in 東京国際フォーラム ホールA」に参加しました。このnoteでは上映会に参加したあの夜について記録を残しておこうと思います。何だか溜まってる講義の録画がある気がしますが、まずはこのnoteを書き上げるべきだと直感しました。ツケは明日以降の自分が払います。
ものは勢い
正直なところ、私はこの上映会に参加することにそこまで積極的ではありませんでした。というのも、この手のイベントに対して一人で参加した経験がなかったもので。いきなりネガティブな話から入って非常に申し訳ないですが、このnoteの想定読者であるラジオリスナーの皆さんならこの尻込みを理解していただけるのではないでしょうか。我ながらラジオリスナーへの偏見がひどい。
しかし、先日の日比谷音楽祭でのCreepy Nuts×オールナイトニッポンのトークライブにビビって参加せず後悔した手前、今回の上映会には何が何でも参加せねば。そのまま勢いで購入した1枚のチケット。Indeedよろしくの「えいや! 大事ですね」でした。ありがとう、泉里香さん斎藤工さん。
コンパクトシティ演劇「あの夜」
昔からの心配性で、イベントの際には開場よりも先に現地に到着してしまう。今回も15時30分には有楽町に到着してしまいました。せっかくこのタイミングで有楽町に来たので、先週のオードリーのオールナイトニッポンをおともにニッポン放送社屋に寄り道してきました。私も「生まれ変わっても私」派閥です。
今になってよくよく考えるとここで撮影されて配信されてたんですよね。撮影して、配信して、広告して、ファンイベントを開いて、このすべてが有楽町というひとつの街に詰まっている、このようなイベントは非常に珍しいのではないかと、終わってから「あの夜を覚えてる」の独創性に気づかされました。
本編 ~異世界と化した有楽町~
寄り道を経て国際フォーラムに戻ると、そこには30分前とはめっきり変わった風景が広がっていました。「リトルトゥース」Tシャツや「346」キャップを身につけた人々が大勢。ビジネス街からうって変わり、エンタメ街? ラジオ街? あの夜街? 全くの異世界と化した有楽町がそこにはありました。同種の「好き」を持った方がこれだけたくさんいらっしゃる。一人で参加していた私にとってはこれ以上心強いことはありませんでした。
いざ上映。「あの夜」を観るのは初演、千秋楽、そして今回の上映会と3回目であったため、物語の流れ自体はもうさすがに覚えていました。しかし、堂島さん加野さんの「スタジオ終日押さえてあるから大丈夫」があの伏線になっていたのか! など、内容を知ったうえだからこその新たな気づきもありました。2回目で気づけという話ですけれど。
それ以上に印象的だったのが、ラジオ好きの繋がりです。私は場内(ばない)だいぶ後方の座席だったので、観客席側から観られるおおよそ全景を観ることができたのですが、これだけの人数が小宮さんの活舌で笑っているの、冷静に考えてイカれてますよね。嘘です。シンプルにめちゃくちゃ面白かったです。
他にも佐久間さんの育児本のポスターであれだけの人が笑ったり、石井さんの登場やアフタートークでの吉田さんと4階のトイレの話であれだけ盛り上がったりと、歴史上全世界をみてもあの瞬間あの空間にしか存在しない、まさに異世界が出現していたように思えます。
あの異世界を包んでいたのは、ラジオを愛する者たちによる独特の空気感でした。全員が特定の1番組を愛しているのではなく、ラジオという媒体や深夜ラジオというジャンルを愛しているからこそ発生する空気感でした。それは「私たちは一緒だ」という連帯感ではなく、「ひとりではない」という包容感であり、それがまさにあの空間の居心地の良さだったのだろうと振り返ります。
終演
本編、そしてアフタートークまで終了し、会場を後に。ほんの10分前にはあれだけ大勢いたラジオ好きの皆さんは電車のホームには誰一人として見当たりませんでした。もしやあの異世界は幻だったのではないか。そう疑ってしまうほどに会場の外にはただただ現実が広がっていました。あの夜の幻を覚えておくために、忘れたときに思い返せるようにこのnoteを書こうと決心し、先週分のオードリーのオールナイトニッポンの続きを再生しました。星野さんとせいやさんは上手だなぁ。
おわりに
「あの夜」チームの皆さん、本当にお疲れさまでした。そしてあの異世界を作り上げてくださったこと、ありがとうございました。それぞれの好きがぶつかることなくクロスオーバーするあのような居場所を作るという人生の目標を再確認できました。人生の方向性を定められる空間に出会えたあの夜は私にとって忘れられない夜になりました。
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