午前十時の映画祭『シャイン』
原田マハさんの『キネマの神様』を読み終えた。2度目にも関わらず、心がじわじわとあったかくなり、当たり前のように映画が観たくなった。それも、テアトル銀幕のような映画館で。
大学生の頃何度か行ったことがある「午前十時の映画祭」。
調べてみると現在も様々な映画がラインナップされており、昨日は1996年に公開された『シャイン』を上映していた。内容的にも縁を感じ、思い立ったが吉日、朝少しだけ夫に協力してもらい9:30の上映開始に間に合うことができたのが今朝のこと。おそらく名画座とはこういう場所なんだろうと思わせてくれるような独特の雰囲気が漂う映画館で、久しぶりにただただ映画のことだけに集中して時間を過ごすことができた。
そして、『シャイン』が実話ということにも驚いた。ラフマニノフ交響曲第3番がピアノ史上最高難易度の曲だということは初めて知ったが、映画館で観たからこそ、音楽にも全身を傾けて作品に浸ることができたのが良かった。時々親目線となり、最後には思わず拍手してしまうほど(もちろん自粛しましたが)。
配信サービスが当たり前になった現在、家で手軽に映画を観れるというのは、子育て中の身としては本当にありがたい。気軽に手に入れることができる娯楽であり、息抜きのひとつとして重宝している。
しかし、映画館に足を運び、映画だけに集中するというのも、なくてはならない楽しみのひとつだな、なんて改めて思うなど。なにを書いても完全に『キネマの神様』に影響を受けているが、これこそが映画好きのマハさんの狙いでもあるんだろうなとも思いました。ああ、もし叶うなら、『シャイン』についてゴウとローズ・バッドが激論をぶつけ合うのを観てみたい!
映画館から足が遠のいていた私を再び映画の世界に連れ出してくれた『キネマの神様』と『シャイン』は、二本立てで心に残る作品になった。
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