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たかが捻挫、されど捻挫 #16

https://twitter.com/maumaru018/status/1274253236577288193?s=20

Twitterで次回予告をしてしまったので、実際に書いております。
素直さが売りのわたし、おぬきです。

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記載してある通り、私はよく捻挫をします。
ヒールを履いている時や、なんならスニーカーを履いていても、
ちょっとした段差で足を挫くと即捻挫。
まぁ日常茶飯事なので全く動じないのである。

しかし、捻挫には苦い思い出がある。

小学生の頃からやっていて、命を捧げていたサッカーを辞めるトリガーになったのが、まさに捻挫なのである。

「たかが捻挫でなにゆーてんねん」

と言いたくなる気持ちもわかるし、実際言ってもらっても構わないが
まあ聞いてください。

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時は十数年前。
私は、未だに最多優勝数を誇る、全国から猛者達が集まる高校のサッカー部に所属していた。
強豪の名にふさわしく、練習の質も量も時間も日本一やっていた自信がある。

そんな猛者達も、冬の練習(主に走り)の前では、
どんどん脱落者が出るほどに厳しい、過酷な練習をしていた。

よく

「雪降ってるときはどんな練習してるの?」

と聞かれることもありますが、室内練習なんて、まぁほぼない。
当然のように雪の中を走ってました。

先生「お前らが走って雪を溶かせ!わはは!!」

さながら北斗の拳の悪役みたいな先生の一言があり、
ひたすらに雪の上を走るしかなかったし、またある時は

先生「12分間走は3000m走れなきゃ代表入れないぞ〜!わはは!!」

と言われ、さらに【全員走れなきゃダメよ】ルールが施行され、
1日の練習で合計8回走ったこともある。(1日それで終わった)

意味わかりませんよね。
1回目で3000m走りきれなかった人が、2回目で走りきれるわけないじゃないですか。8回目が終わった後に

先生「お前らダメだな、弱い」


って投げ捨てられるように言われて、
「いや、2回目あたりでわかるやろwww」
って思ってても、もうやるしかない世界。

私は高校1年のときは剥離骨折をしていて、
冬の練習に参加出来ず、高校2年のときには無事に(?)冬を迎え、
いざ練習に挑むのですが、毎日がしんどすぎて、

「あの軽自動車、あんまりスピード出てないし、
うまく受け身とれば2週間入院くらいで済むんじゃないか」

とか

「坂道ダッシュの坂、路面凍結してますように。
もしくは橋が崩壊してますように。」


って毎日思ったり、神に祈るくらい、身体も精神も追い込まれてました。
(私のメンタル弱いだけかも知らんが)


しかし、そんな厳しい冬を乗り越えると、戦場から帰還したような
戦士みたいな、生きて帰ってこれたし、これからやってやんよ…
という自信に包まれるのである。
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冬を乗り切った、やり遂げたという自信と体力だけで(それだけ)
私の未来は明るかった。
高校卒業したら専門学校に行ってサッカーを続けよう!そう思っていた。
そう。
捻挫をするまでは。
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3月、4月くらいになると、故障していた私よりも数1000倍上手い選手達が
戦場に戻ってくる。

「でも大丈夫、私頑張れる。戦える。」と思っていた。

しかし、5月。試合中に捻挫をした。(まあまあこれくらい腫れてました)

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「全治2ヶ月だね〜」

そう言われたときに、たった1つだけあった
【冬の厳しい練習を乗り切った自信】が、脆くも崩れて、
いろんな糸が切れた。

「どうせ頑張っても凡人は天才達には勝てない。
全部意味ない。意味なかった。
サッカーなんてもう二度とやるもんか。」


その日を境に、チームのみんなには申し訳ないけど、
もう辞めることしか考えてなかったし、
頑張っているみんなを見てるのがツラすぎて、
練習中、過呼吸になって、先生に

「お前は周りと自分を比べすぎだ。大丈夫だぞ。」

って言われても、何も信じることが出来なかった。
進路もサッカー部がない大学を図書室で調べて、勝手に願書を出した。

当然、先生はサッカーを続けると思ってたから、激怒されたし、
私が「推薦文書いてください」って無理やり渡しても

「俺は書かねえ」

の一点張りで、ギリギリまで書いてくれなくて本気で焦ったけど、
最終的にこれだけで大学入れちゃうんじゃない?ってくらいすごくいい推薦文を書いてくれた。

結局、大学でもボールが蹴りたくなって、ゆるーくサッカーを続けたし、
なんならフットサルに出会ってしまって、未だに蹴っているわけですが…。

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誰かにとっては「たかが」と思うことも、
違う誰かにとっては「たかが」ではないこともあるし、
「たかが」と思っていることも「されど」になることもある。

たかが捻挫で人生が変わったけど、なんにも後悔はしてない。
転んだ先に何を見つけるかが大事なんだな。って今では思うのである。

多分これから先の人生もたくさん転ぶと思うけど、人と自分を比べず、
「でもだいじょ〜ぶ!」精神でこれからも生きてやろうと思います。

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普通に捻挫は痛いけどな。

#おぬきのいきぬき

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