COLOR OUT OF SPACE

久しぶりの記事の更新となった。昨年の記事「今年のまとめ」に書いたとおり、今年は年始から働く事になったので記事の本数も減りそうだ。現在はパソコンを使わない仕事をしているので家でテレワークはできない。そのため会社まで通勤をしている。朝はかなり早く家を出るので電車やバスも空いているのかと思いきや、想像以上に混雑している。特に電車はなかなかの混雑具合だ。ある程度予想していたとはいえ、ひどい日は寿司詰め状態だ。勤務地は都心から離れているものの、方角的には都心近郊に向かうので電車に乗る人達の人数も多い。あと1~2割くらい人が減れば密着しなくて済むよなぁ~と思うのだが、一方で仕方がないよなぁとも思う。全員がテレワークができる仕事に就いている訳ではないし、みんな生活のためにお金が必要だ。その為にはテレワークができない場合は通勤するしかないしね。それに、満員電車はコロナ以前の問題だ。だから電車の中で飛沫さえ飛ばなければ大丈夫なのではないだろうか。朝は誰も満員電車の中で会話をしていないし大丈夫だとは思う。でも咳がしたくなった時は少し困るなぁ。

さて、休日も身体が疲れているので記事を書く気にならなかったのだが、今日は久しぶりにDVDをレンタルビデオ店で借りて観たので、そのことについて書いてみようと思う。
妻が借りたいDVDがあるとの事だったので、自分も一緒に店に行ってみた。新旧含めて5本で千円だったので、自分も2本借りられる事になり、何かおもしろい映画があれば借りようと思って適当に探していたら、ニコラスケイジ主演の映画が目に留まった。パッケージの写真の印象とか説明を読んで何となく借りてみようかなぁと思った。
それが、「カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―(COLOR OUT OF SPACE)」

事前に把握していた映画の内容は、宇宙から何かがやってくる系のストーリーだという事だけ。そして、観初めの段階ではホラー的なアクションとかスリルを味わう展開になるのかと少し期待していたのだが、いっこうに静かな雰囲気のままストーリーは進んでいく。途中で隕石が家の前に落下したり、それによって奇妙な現象が主人公の家族に起きるのであるが、何となく全体的に静かなストーリー展開であるとの印象を受けた。
中盤以降になると、もしかしてつまらない映画を借りてしまったのかもしれないと思い始めた。しかし、ストーリーの中でネクロノミコンが登場したり、ストーリー後半で名状しがたい形状の生物や、遠い宇宙の惑星と思われる景色が登場するなどしたので、もしかしたらラヴクラフトの作品と関係があるかもしれないと思い始めた。すると、予想どおり原作はラヴクラフトの小説「宇宙からの色」であった。
自分は映画を観終わった後に、原作がラヴクラフトの作品であることを知ったのだが、事前にそれを知っていれば映画を観る視点も違って、もっと楽しめたかもしれなかった。また、もう何年も前に他のラヴクラフト原作の映画を観たことがあったのだが、その映画の雰囲気が今回の作品と似ていたのだ。それで最後に今回の映画もラヴクラフトの作品の可能性が高いことに気づいたのだ。
ラヴクラフトの小説の映画版を観て少し残念に思う点は、映画になると作品に登場する”名状しがたい者”、あるいは‘’奇妙な者”、”蠢いている者”である生き物(クリーチャー)が安っぽく見えてしまうことだ。今回と違う作品を観た時にも思ったのだが、例えると昔の火星人みたいな印象を受けてしまうのだ。他の例えでは、ウルトラマンに登場する怪獣みたいなイメージだ。
小説の場合は自分の頭の中で自由に空想するので、クリーチャーは定型した形を持たない事が多いのだが、映像にすると物質的に形が固定されてしまって、どうしても人形感が出てしまう。特に今回の作品でそれを感じたのはアルパカ達が一つの肉の塊になってしまった姿。それ以外のクリーチャーの姿はまあまあ良かったかもしれないが。
ただ、ストーリーとしては良かった。宇宙の彼方から隕石に乗って彼らはやってきた。彼らとは”カラー(色)”なのだ。ただし燃える。最初は井戸の中に隠れていた。水を汚染する。そして空気の中で発光して燃えて地球の生物を飲み込む。宇宙にはこのように気体のような状態で”色”として存在している生命体もいるのだ。未知のウイルスや細菌とも違っている。
そして遠い宇宙の彼らの惑星らしき映像が少しだけ登場したのも良かった。人間にとっては侵略者である”彼ら”ではあるが、彼らは何に喜びを感じ、何を楽しみとするのだろうか。いや、そんな悠長な考えを持つこともためらってしまうような残虐性と奇妙さと侵略性を”彼ら”は持っているのだ。次第に狂気に満ちていく主人公のニコラスケイジの様子が全体の作品の雰囲気を作ってくれている。ラヴクラフトの作品が好きな人には一度観ることをお勧めしたい。

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