#ふぁぼされた数だけフォロワーさんの短歌を紹介する
先日やった#ふぁぼされた数だけフォロワーさんの短歌を紹介するのまとめです(宮本背水編)
1
NO RAIN NO RAINBOW . うつくしい再会のため降る雨がある/冨樫由美子
2
すぐそこに海、僕たちは知つてゐる青は進めと云ふ決まりごと/千葉優作
3
町はもう魔法少女の夢のなか 大人のいない戦争がある/たくあん
4
病室に閉じ込められた君のため画像フォルダを桜で満たす/えんどうけいこ
5
声がまだ発明されていないころ何処にいたのかぼくらの歌は/雀來豆
6
♪ = 100 misterioso 4/4 Bdur 祈りを捧げるように/鳴瀬諒
7
ドラえもん。結局、僕は誰ひとり愛することができなかったよ/chari
8
アレグロの速さで進むこの秋に置いてきぼりの小さな案山子/藤かづえ
9
ひらがなもことばもなくてあいしあい ほもさぴえんす だったぼくたち/いずみ 美帆
10
革命を起こさないかといふやうに冬の庭には野薔薇がひとつ/有村桔梗
11
この歌に出てくる君は君なので僕だけ好きな歌だと思う/小向大也
12
かわいくてちっとも走れない靴だもう野生には戻れないんだ/七緒
13
ハローハロー管制塔は無視します好きなところに着陸します / nu_ko
14
くれよんにさくらのいろのないことがたぶん最初の絶望でした/志稲祐子
15
ショッキングピンクのペンキぶっかける正気じゃやってられない脳に/小田たくみ
16
散る花のひとひらずつに名があると覚えておいてほしい夕暮れ/ルナク
17
いなくなったあなたの形に猫を置く「なぁ」とひとことあなたはしゃべる/えだまめ
18
でもこれはわたしのオーガズムなので君の手柄にしないで欲しい/ハナゾウ
19
それではここでヒントです ひとはみないつかやぶけるいきものである/一〇〇八
20
砲台に構えた兵士も穏やかな光の海を見つめただろう/墨田きい
21
めちゃくちゃになるまで放っておけばいい 夜空の点を繋げば星座/茉城そう
22
満月の裏の秘密を入れたままずっと開かない9番ロッカー/小泉夜雨
23
あきらめたときに叶うというけれどあきらめるのは明日にしよう/野宮のあ
24
カラフルな模造性器にかこまれて午前3時のドンキ 静かだ/黒井真砂
25
銭湯の婆さんたちに見せつけるための着替えの赤いTバック/寺村たこ
26
雨でしたひとつひとつもそれぞれもあなたに濡れる意気地のなさも/久保哲也
27
AIが愛を知る日は来るだろう本物だろうと偽物だろうと/安西大樹
28
「サービスは終了しました」優しげな声で終わりを告げるサービス/早乙女連
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ああずっと敵だと思ってきたけれど彼女は彼女で咲いていただけ/小川けいと
30
意味をよく知りもしないで愛のこと叫ぼうとしてむせてしまった/皆川せつ
31
まだ春じゃないのにサクラがきれいだね出会えない系サイトのボクら/西淳子
32
町からは出るなと言って威圧する捜査官がいる町に行きたい/淀美佑子
33
つめたさのない夏なんてあるものか さよならの著作権はぼくのだ /小野田光
34
メッセージボトルを土星に置いてくる千年経って見つかるように/堂那灼風
35
なんとなく出口が見える恋をして靴ひもは少しきつめに締める/五條ひくいち
36
まひるまの陽射しを浴びて動物をやめてもいいよ、と叩かれる肩/石勇斎朱吉
37
いつからか止まったままのアナログの時計 まさかね、そんな抒情詩/津隅もるく
38
会いたいと言うのが下手でどうしてもこけしみたいな顔になる今日/民生
39
二十余年村人Aとして過ごすあなたのたった一人になりたし/文車雨
40
きっと次は言の葉の中で会いましょうあなたの好きな私でいるから /桜望子
41
海よ海よ正直に言えたくさんの人を飲み込んだ気持ちはどうだ /遠野かなみ
42
島民割フェリー切符は往復で買うしかないのでお守りにした/いぬ
43
窒息死しそうなほどの雨が降るこれから爆死する兵たちに/田中翠香
44
余所行きの服をそれなりに着こなす為だけに街に行くこともある/深水遊脚
45
いつかの日あなたが教えてくれたからわたし零戦がいちばん好きだ/冬樹
46
まだうまく息ができない東京の西のはずれで魔女になりそう/木蓮
47
明日からはもう誰もいない学び舎にG線上のアリアが響く/岡桃代
48
君の部屋にどこでもドアが立っていてそこから波の音が聞こえる/萩野聡
49
あるけれど「あすがあるさ」はゴキブリが逃げ出すときの音に似ている/中本速
50
君の言ういつかは来ない二人から一人に戻る夏の夕暮れ /猫田馨
51
ゆびさきの感覚のみを研ぎすませハイポジションの音をとらえる/太田青磁
52
飲み干せばそれが孤独と気づくだろう異国の麦をしならせる熱/松岡拓司
53
黒鍵をえらんで叩くピアノからどうしてこんな愉快なマーチ/井筒ふみ
54
乗りだして傾けてゐる徳利ゆわれはそのままこぼれてゆきぬ/香月流霞(田上純弥)
55
アルコールランプを恐れたあの日から私は消せない火を知っていた/深影コトハ
56
「こんにちは。通りすがりの者ですが僕と結婚しませんか」「はい」/根本博基
57
純情と言い張るために自転車のサドルは盗まないと決めたよ/冬桜
58
正の字がふたつみっつと増えてゆき正義はきっとこうして決まる/中條茜
59
偽物のひとみが欲しい 偽物のイルカをイルカと思えるような/桜枝巧
60
黒板に消し残されたにんべんがある あたしたち死ねなかったね/夏山栞
61
月とは 光る荒野にすぎざれば無臭のひかり我を照らせり/梶原一人
62
診察を待つ母の手を握りおり 昼の月にも兎のおりて/詩穂
63
粉チーズ出てこないのは分かるけど別れようって時になんだよ/岩倉曰
64
星座図に載らぬ星にて地球とは ぼくらの不意なさびしさのわけ/はね
65
本当に好きだったから出来るだけ楽な姿勢で落ち込んでます/のの
66
この丘は戦場(いくさば)でした青草が耳傾ける風物語(カジムヌガタイ)/濃転季
67
現実が押し寄せてきてもいいように将来の夢は大きめにする/諏訪灯
68
踏切が「またね」の「ね」だけをかき消して二度と会えないような気がする/なぎさらさ
69
雨上がり「一服する」と席を立ちこっそり虹を見にいく部長/三田たたみ
70
指揮者などおらぬが如く降り続く雨の音にも休符はあって/野原豆
71
一度死にどこへ行っても生き返るマリオの傷跡どこへ消えたの?/シリカ
72
夕凪の海を見つめる我といて子どもに返る歩行器の母/ひぞのゆうこ
73
二十時を超えるとセックスしたいしか言わぬ上司よキャパイズオーバー/きらこ
74
この夜に理由が要るという君に今夜嵐がくればいいのに/寿々多美果
75
恋を知りアンパンマンは誰にでも優しくなんてできなくなった/街田青々
76
二杯目のワインで苦さを流し込む嘘の付けないストーリーテラー/須磨蛍
77
歩道橋を駆け上がるとまだいるようなバンコクで見たライ病患者/SAKURAKO
78
讃美歌を詠唱しながら三限に使うジャージのゼッケンを縫う/祐鈴
79
いつかまた海をみたいと言う君に二人で行こうと約束をする/小澤ほのか
80
まさかりを担いだ女子を二度見して、今ゆるやかに夏が始まる/ねむけ
81
思い出は何度も塗り替えられるけどあの夏だけは頑なに青/ことり
82
戦争になればいいと言うひとと居て私は凍えるペンギンになる/たんぽぽ
83
砂時計をくるりと返すそれだけで時は君ごと戻る気がして/雨虎俊寛
84
まっすぐに背後霊をも引き連れてスリーポイントシュートパシュって/村上航
85
そして明日になればゴドーを待たずとも銃後へひたと歩める我ら/貝澤駿一
86
唐揚げになるため生まれたニワトリと生まれた理由がわからない俺/山川創
87
孔雀青に魅せられたまま夢の国どうか好きだと言えますように/知己凛
88
ゆうぐれのまちが砂糖菓子にかわるふざけすぎてたわけじゃないのに/ルイドリツコ
89
南国で生まれた僕の目の前に難読漢字のような雪原/髙良真実
90
おつきさまきれいだねえと背なに負ふ甥二歳児に口説かれてゐる/海月ただよう
91
さよならの季節ではない春は来てはないちもんめ あなたが欲しい/桜田ねぎ
92
スポンジにひげ根をぎちと絡ませて貝割れ大根まだ生きてをり/吉村奈美
93
幸せにしたいよなろうよしてくれよ全部合わせて不幸になろうよ/藍笹キミコ
94
何年も来ないあいだに少しだけ栄えてしまった君の住む町/秘色水梨
95
きみがいつも猫を追うからデートにも適用すべきアディショナルタイム/ともえ夕雅
96
月光が優しく感じられるのは日光だった頃の残り香/三月海月
97
暁を覚えず眠るとろとろと君のシッポがバターになるまで/かのきあやか
98
火をつけたあなたの煙草が終わるまでそっと恋人役を務める/月丘ナイル
99
ヴアイオリン協奏曲のカデンツアの音符の如く櫻吹き散る/佐藤博之
100
「花束」の手話がわからず思い切り抱きしめてみる たぶん合ってる/西村曜
101
だからって泣かなくたっていいでしょう林檎はそっとうさぎになりぬ/宮下倖
102
「ほんとうのさいわい」なんて書いてみて悲しくなった短冊の色/柊
103
「現場からは以上です」という人の現実(リアル)はその後も続いているのに/深原滄
104
灰の中にまだ生きている火があったと気がつかなければダメだったのに/しま・しましま
105
きみはもうやさしい人をやめなさい両手が水でいっぱいでしょう/ナタカ
106
聴かず嫌いばっかりしてる この曲もどうせ希望にまみれてるから/渡良瀬モモ
107
その、なんだ、今夜は、月が綺麗だな。違う、お前を愛しているよ。/夢村兆
108
あと何度繋がれるだろう君用の充電器ぐるぐるとまとめる/小池佑
109
あなたなしで生きることになったのにあなたの付けたあだなで呼ばれる/湊屋
110
まだ死んでない (稲光) この人の命に雨を激しい雨を/満島せしん
111
戦犯はぼくらしいのでそれはもうよい戦争があったのだろう/御殿山みなみ
112
散ってなおぼくをさくら色に染めてこれがあなたのさよならですか/髙木一由
※
これにて終了です! 楽しかった!
フォロワーさんのたぶん300人ぐらいが短歌のひとなので、すべて引けなかったのは残念ですが、ほかにも素敵な歌がたくさんありました!
塔短歌会のひとは今回は外したので(カレー氏以外)、いつか番外編としてやりたいです♪
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