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長谷川ちゃみの本棚

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本が好き。本や読書にまつわる話題を集めました。
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#読書

新しい読書仲間に自己紹介代わりに薦めた本「『罪と罰』を読まない」

いかがお過ごしですか、長谷川ちゃみです。 私は本が好きです。 先日、新しい読書仲間ができました。 同じ会社の方なのですが、今まで仕事での接点がなく、挨拶しかしたことがない方です。 ひょんなことから読書好きということを知り、私が「私も本が好きです。お友達になってください」とストレートに言ったら、後日お薦めの本をメールしてくれました。 そこで、私が自己紹介代わりに返信したお薦めの本がこちら。 『罪と罰』を読まない どうしてこの本を紹介したかというと、この本を読んで、

ずっと日本にいるつもりの人こそ外国から来た人に日本を教えてもらおう

いかがお過ごしでしょうか、長谷川ちゃみです。 世界を股に掛けて活躍したいとか海外に移住したいとか全然考えていない人、この先もずっと日本で暮らすだろうなぁという人は、外国から日本に来た人と意識的に関わるようにするのがいいと思います。 日本は少子高齢化が急速に進んでいます。今後、働き手がますます不足し、私たちの介護はAIロボットやもっと多くの外国人にお願いすることになると予想されています。 だから、外国には興味が無い、海外に出るつもりなんて毛頭ないという人こそ、外国から来た

読まずに読書会?!「『罪と罰』を読まない」で読書はもっと楽しくなる

私が声を出して笑った大好きな本のタイトルは、「『罪と罰』を読まない」(文春文庫)。 あなたはドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことがありますか?私はありません。名作って言われているけど、なんだか難しそうで手に取ったこともありません。でもこの本、「『罪と罰』なんて読まないぞ!」という本ではないですよ。 この本は、ユニークな読書の楽しみ方を提案してくれる本です。『罪と罰』について、なんと、読んだことがないメンバーだけで読書会をするという斬新過ぎる試みのノンフィクションなので

私を動かす文学 川上弘美「神様2011」

川上弘美著「神様2011」(講談社)には、短編「神様」と「神様2011」とがこの順で収録されています。「神様」は、川上弘美さんのデビュー作。「神様2011」は、「神様」をベースに3.11原発事故の後に新たに書かれた作品です。 「神様」は、語り手である"私"が、同じマンションに住む"くま"と川へ散歩に行く話。動物のくまです。ご近所さんがくま?しかも一緒に散歩? ありえないって思うのに、その穏やかな雰囲気に、どこかでこんなことがあってもいいかもな、なんて思ったりしながら読みまし

宮部みゆき「火車」を再読したら、♪ラララむじんくん♪が聞こえた

「火車」は、1992年に発行された宮部みゆきさんの長編社会派ミステリーです。休職中の刑事が甥っ子の失踪した婚約者を探す物語で、カードローン破産がひとつのキーポイントとなっています。 「火車」を最初に読んだきっかけは、読書好きの父の本棚に文庫版(新潮文庫)を見つけたからです。文庫版の発売は1998年1月で、私が読んだのは大学生のときです。この本を読んで、クレジットカードのキャッシングサービスは怖い、と印象づけられました。 次に「火車」に触れたのは、2011年11月にテレビ朝

「ペンギンの憂鬱」ただ今読書中

今、私は「ペンギンの憂鬱」という本を読んでいます。 この作品は、ウクライナ在住ロシア語作家による長編小説で、舞台は1990年代のウクライナです。主人公はペンギンと暮らす売れない作家。小説を新聞社に売り込んだら、まだ生きている大物政治家の追悼記事をあらかじめ書いておく仕事を頼まれました。追悼記事をいくつか書いているうちに、やがて追悼記事を書いた政治家が亡くなりー 続きをベールに包んでいるのではなく、約300ページのうちまだ50ページしか読んでいないので先を語ることはできません