他人のファンじゃなくて、自分自身のファンになれ。

時折「新造さんのファンです」や「応援しています」と言われることがある。私は「俺のファンになるな。あなたはあなたのファンになりなさい。」「他人の活動を、本気で素人もせずに、軽々しく期待をかけるような言葉を使うな」と思う。推しという言葉も苦手だ。自分で自分を推せ。他者を好きになること、尊敬することは、素晴らしいことだ。しかし、推しに多大なる時間を注いでいる人を知ると、どこか、自分の人生を諦めているようにも感じる。

あなたの気持ちを荒立てるかもしれないが、あなたの関与しない他人の物語に感動している暇があるならば、自分の人生を直視しろ。逃げるな、と思う。どのようにすれば、映画のような、ドラマのような時間が、傷つくことができるその身体を尋ねるのか、真剣に考えたほうがいい。画面の向こうにあるのは、照明や、音声や、台本の入った、フィクションである。世界の中心はあなたや私ではない。しかし、それぞれの生の主役はあなただ。私の生の主役は、私だ。それぞれが、それぞれの人生に命を賭けてくれ。そう願う。そしたら、どれだけドラマチックな世の中になるか。

映画は面白い。私の大好きな映画は、Trueman showとyesmanだ。この映画は何回も見ているが、最後まで観ることはほぼない。なぜなら、見ているうちに気持ちが充電されて、映画を見ているような気分じゃなくなるからだ。走り出したくなる。だから、好きな映画を100回見たとか、そんなことはどうでもいい。Little Forestを五十回見るより、一回森に行け。スラムダンクを五万回見るより、スラムダンクを一回しろ。First Loveを何億回も見てないで、大好きな人に好きって言え。ファンってなんだ。推しってなんだ。自分自身のファンにも、自分自身の推しにもなれない人間に、応援しています、とか言われても、ちっとも心が動かない。私は私の道を生きるから、どこかでまた会えたら、その時は、一緒に時を過ごそう。

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