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辻村深月『盲目的な恋と友情』

この作品は、2部構成で書かれています。

ー目次ー
《恋》
《友情》
です。
ーあらすじー 裏表紙より一部抜粋
一ノ瀬蘭花は、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂美星近が、彼女の人生を一変させる。茂美との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。蘭花の友人・留利絵の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実が……。

《恋》と《友情》の“語り手”は違いますが、時系列は並行しています。

つまり、
同じ出来事に対して、二人の人物の視点で書かれているのですね?
『盲目的な~』というタイトル通り、どちらの語り手も、《一人称》で、とても視野が狭い考え方で行動しているように、私は感じました。

《恋》の語り手の蘭花は、恋愛対象の茂美星近以外は見えていない。

《友情》の語り手の留利絵は、自分が“親友”と思う相手の蘭花以外は見えていない。

私にとっては、苦手分野である
《女性同士の友人と、恋愛対象の相手との付き合いの、どちらを優先するの?》みたいな悩みも書かれているような印象でした……。

あと、私にとっては留利絵の気持ちの方が分かるような部分が多かったのです。
(うまく言えませんが……)

過去に辛い経験をして《女の敵は女》みたいな考え方を持つ部分は、分かるのですよ……。(女性同士の友情って、私にとっては“上っ面の薄っぺらいもの”ですね……。)
そんな留利絵でも、
・蘭花に対しては“(一方的な)親友”として接していること。
・蘭花が恋愛対象の茂美との関係を優先することや、他の友人との接し方(他の友人には話していることを自分には話さないこと)に対しては嫌悪感を抱くこと。
この部分は、私には(そこまで蘭花に対して執着するのは、何故?)と思ってしまいました。

対人関係……やはり難しいテーマのようですね?

読み終えたあとも、いろいろ考えることがあるように感じました。

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