ある日々

今日も保身のために愛を求めて家を出るんだ
苦しいから自分を殺したいから
振り返ればバレンタインデーの空き箱とかいつかあの子が脱ぎ捨てた下着とかもう嫌いになったCDとかそういうのこびりついてて逆方向のベルトコンベアに乗っててそっちに俺を連れ去ろうとしてて
それでもなんとかかんとか、家を出るんだ
外にはまあたくさんの光があってどれか一つくらいは本当に掴めるんじゃないかなとか少し思ったりして
とりあえず、光の中に出てみる
光はまあ光だよ
でもさ、光源がわかんなくて交錯しまくっててぼんやりしてるとめっちゃ影にいたりしてそれっぽいとこに出たと思うと今度はさ、俺って背が高いからすんごい遮光物になってて後ろの子がすっぽり収まるような影作っちゃったりしててあーまたやっちゃったなーとか思って罪悪感とかすごくてそん時はほんとさ、一日ダメになっちゃうんだよ
ごめんごめん俺なんかとか思って陰探して歩くんだけどあれ、言うてどんな影も完全に影ってわけじゃねえなって気づいてまあなんとかやり過ごせんだよ
あー前の人とかあそこの人とかもちょっとずつずれてて全部が陰になんないように隙間作ってくれてんじゃんてこれまたちょっと気付くのよ
たまたまなのかなんなのかわからんけどすがっていいんよなこれも、わかりやすくねえけどちょっとは光りだもんなて
だからさ、きっと君もいつかちゃんと愛せるようになるよ
誰かのことちゃんと
なんとかね


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