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インボイス制度って何?についてのまとめ

特にフリーランスで働いている方に影響が大きいと言われている「インボイス制度」

実際、何がどうなるの?というのを参考になる動画のリンクを交えて、自分の理解を深めがてら、記事にまとめていきます。

概要としては、

■既に課税事業者の場合
登録して指定の請求書を出すだけなので、大きな変化はない登録して指定の請求書を出すだけなので、大きな変化はない。

■免税事業者の場合
売上が減るのは間違いないので、影響大。
減り幅を下げる方法はいくつかある。

ということになります。


「インボイス」「インボイス制度」とは?

「インボイス」という言葉自体は、既にいろんな分野で使われている単語で「送り状」だったり「請求書」だったりを意味することがありますが、ここでは「請求書」のことを指します。

では「インボイス制度」とは何を指すのか?
一番影響してくる部分をざっくり書くと、

国が定めた請求書(適格請求書)がないと、仕入の際に支払った消費税は払ったとみなしません(売上分の消費税をちゃんと税務署にも払ってね)

という内容になります。

これだけ見ると「適格請求書があればいいんでしょ?」となるのですが、ここで大きな影響を受けるのが免税事業者です。

免税事業者とは?

※国税庁 No.6501 納税義務の免除から引用すると、

消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されます

とあります。

免税事業者になると何が嬉しいかというと、ざっくり書くと、

売上を上げる時は消費税を受け取ってもいいけど、税務署に消費税を払わなくてもいいですよ

ということです。

つまり、

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10000円の売上に対して、消費税10%を足した11000円を請求してもいいけど、その1000円分は税務署に納めなくてもいいですよ

ということになります。(仕入が発生していない場合を想定しています)

なので、免税事業者にとって、売上の消費税分がまるっと懐に入ってきていたわけです。(これを益税といいます)


インボイス制度が始まると、免税事業者にとって何が変わる?

まず、売り上げた際に消費税を請求することができなくなります
なので、これまでと同じ金額で売り上げた場合、益税がなくなります。
(買う側としては、消費税相当の金額が本体の代金に上乗せされていたとしても関係ないという場合であれば、本体の代金を値上げするのはアリ)

また、免税事業者のままだと適格請求書を発行できません

適格請求書を発行するためには、適格請求書発行事業者として登録する必要があり、適格請求書発行時業者に登録するためには課税事業者である必要があるからです。


適格請求書が発行できないと何が困るのか?

自身に直接影響するのではなく、取引先に影響されて自身が困る、ということが考えられます。

取引先も免税事業者であれば大きな問題はないのですが、課税事業者である場合、その取引先は消費税を納税する必要があります。

先ほどの例では、仕入が発生しない場合を想定していましたが、今度は仕入れて売るモデルで、全員が適格請求書発行事業者の場合、

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税務署に支払う消費税は、売上分の10万円から仕入分の3万円を引いた7万円となります。

ここで、仕入元が適格請求書発行事業者ではない場合、仕入元から適格請求書をもらえないため、仕入分の3万円を消費税として払ったという証明ができず、税務署には10万円の消費税を納める必要があります。

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であれば、他の適格請求書発行事業者から同じ金額で仕入れる(1つ前の図)方がいいよね、ということで乗り換えられてしまう可能性があります。

乗り換えられないように、消費税の納税額を同じ金額にするためには、消費税除いた元の代金のみにする必要があり、卸す側としては実質の消費税分の値下げになってしまいます。

つまり、売上が約10%減るような形になります。


課税事業者になって、適格請求書を発行できるようなると?

乗り換えや値下げのリスクを避けるために、課税事業者になって、適格請求書発行事業者に登録し、適格請求書を発行できるようにすれば、これまでの取引に関しては、何も変わらない状況となります。

ただ、これまで売上の消費税として受け取っていた金額を納税する必要があります。

それだと、免税事業者のままで値下げ対応した時と同じように見えますが、異なる点としては2つあります。

まず1つ目としては、仕入にかかる消費税を売上にかかる消費税から差し引くことができます。

免税事業者のまま、値下げをした場合だと、仕入にかかる消費税はそのまま費用となっていましたが、売上にかかる消費税をそのまま納税するのではなく、差し引いた金額を納税する形になるので、仕入の消費税分が浮く形になります。

2つ目は、課税事業者には「本則課税事業者」と「簡易課税事業者」があり、売上が5000万円以下であれば簡易課税事業者になるという選択肢も出てきます。

簡易課税事業者になると、消費税の金額計算が簡素化され、受け取った消費前の○○%を納税する、という形になります。
(サービス業は50%、飲食店だと40%など、業種によってこの割合は変わります)

なので、益税が何割か残る形になります。

免税事業者のままで何とかならないの?

免税事業者のままでも、経過措置というものがあります。

ただ、免税事業者のための措置というよりは、免税事業者と取引する事業者向けの措置になっています。

具体的には、適格請求書がなかったとしても、

2023年10月~2026年9月の期間は、支払った消費税の8割は払ったことにしてOK(残りの2割は支払ってない扱いとなる)
2026年10月~2029年9月の期間は、支払った消費税の5割は払ったことにしてOK(残りの5割は支払ってない扱いとなる)

となります。

ただ、それを取り扱う側としては、消費税の計算がややこしくなることは間違いないため、適格請求書がない場合に仕方なく利用することはあっても、積極的に利用するという流れにはならなさそうです・・・


ということで

インボイス制度についてまとめてきました。
既に課税事業者の場合はそれほど大きな変化ではありませんが、免税事業者にとってはかなり大きな変化になりそうです。

インボイス制度は2023年10月からの開始なので、それまでに売上を順調に伸ばして、課税事業者にならざるを得ない状況になれば、悩まずに済むというのもあるので、それまでは売上を伸ばすことに専念するという考えもアリだと思います。

また、免税事業者でも一律にこの方法が一番良い、というものはなく、現状に合わせた最適な方法を探っていく必要があります。
開始まではまだ時間がありますので、それまでに概要を把握した上で、どう対応するかの準備はしておいた方がよさそうです。


最後に、この内容をまとめるのに参考にした動画を貼っておきますので、参考にしてみてください。


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