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今年も意気揚々とホンモノを求める旅にやってまいりましたin北海道

夏がきた。
言うまでもなく夏。
言うまでもなく猛暑。

実はいま、北海道にいる。

永年勤続20年で、連続5日間の報奨休暇が与えられ、前後の土日を入れると合計で9日連続休。

結婚以来であろうか。
平日に堂々と長期で休みをとらせてもらったのは。

“仕事なんか忘れて”、
なんて皆は口を揃えて言ってくれたが、夏休みの子どもたちとは違い、もちろん完全な自由であるはずもなく、仕事の進行具合や部署全員がやりくりできる調整、なおかつ職場同僚等さまざまな空気を読まなければならないことに変わりはない。

その上での自由だ。

そこまで徹しても、実態は
“おやすみのところ申し訳ありません……”
の冒頭で始まって、仕事なんて忘れらんねーわ、の濃い目のヤヴァィ電話がこの1週間で幾度となくかかってきた。

リーマンの宿命。
結局、平日は仕事を放ったらかしにできることなんて一切なかった。
でも。それでも、やっぱり今回の旅でも断言できた。夏の北海道を知らないのは、人生の半分ぐらい損していると。

ホンモノを求める旅。

昨年も書いた。

「ホンモノの分かるおっさん」になれるのかどうか。冗談抜きに、ボクはいま、岐路に立たされている。若造とボクの関係を決定付ける重要な局面に立っている。

ナンの頓着もないまま、
“ホンモノ”が分からずにアラフォーとなり、そしていよいよあと数年でアラフィフを迎える。

「ゆづおさん、めてんすか?」
そんなことを言いながらツーブロックの若造に、にじりよってこられても
それをサラリと一蹴いっしゅうして、服にも、靴にも、家具にも、カバンにも、ご飯にも、歳を重ねた風格をだし目利めききぶりをドヤって披露ひろうしたい。

それがボクの求めるおっさんたる“理想像”なのだ。

回らない寿司屋でウニを口にした瞬間に浮かび上がる“プッチンプリンの味がする”という自分の心の声を奈落の深淵部へとほうむり去り、どうにかして、ホンモノの分かるアラフォー男のコメントに置換したい。

そんなオトコになるために。
ボクは、ホンモノのエキスを定期的に注入する必要があるのだ。


人は誰しも何かに依存している。
ある人は旅行に、ある人はギャンブルに、ある人はアルコールに、ある人は恋愛に、ある人はセックスに。
依存すること自体は悪くはない(クスリはダメ、ぜったいに)。日常は退屈であり、非日常はドキドキのト・キ・メ・キのワンダーランドだからだ。

脳に強烈な快楽を与える刺激の注入が、
非日常を演出してくれるから、ボクたちは退屈な日々を楽しんで生きていける。

それがボクにとってはin北海道。

北の大地のナマナマしい自然はエグいぐらいに美しい。かれこれ夏の北海道にハマってから、12年近くもたったが、何回行っても飽きない。それどころか暑くなってくると禁断症状が現れる有様である。

きっとボクはここに依存している。
ここにボクの求める“非日常の世界”と、“ホンモノ”があるから。

当たり前だけど、人はホンモノを愛する。どんなに上手くできた贋作がんさくも、ホンモノにはかなわない。

オレの夏。
20年永年勤続の報奨休暇。
これは“非日常の世界”を感じる旅であり、そして、“ホンモノ”を探す旅なのだ。

苫小牧名物のホッキ丼

まあこれが凄かった。
ホッキなんて、どこで食べても同じだろ、どれもこれも似たようなもんだと思ってたけれど、こんなに圧倒的に旨くなれるんか…

生ホッキ&茹でホッキ丼 1700円

くそウマ。
海鮮丼のくくりでみても、いままで食ってきた中で一番かもしれない。

洞爺とうやでイルカ・クジラウォッチング

「イルカなんて見るのに、わざわざお金払って乗船するとかしょうもなくね?イルカショーで満足じゃね?」
正直、ボクもそう思ってた。けど行ってみたら全然違った。野生イルカ、マジサイコー。

天然のイルカ三昧、大興奮

百聞は一見にしかずだなんて言葉はこれまでも耳にタコができるほど聞いてきたけれど、旅行における体験はまさにそれ、まさにホンモノだった。

現実はいつだって想像を軽々と超えていく。

圧巻、絶品の室蘭“やきとり”

室蘭で“やきとり”といえば、豚串が出てくる。たかが焼串。そう思うことなかれ。
個人的には、これがこの旅の中で一番衝撃を受けた絶品の一品ひとしなだった。

大阪で幾度となく“串カツ”を食べてきた。
しかし今まで食べてきた中で一番おいしい。仮に大阪にやってきたら串カツ勢力図は一変するんじゃないか、と。
個人的にはそう感じた。

大自然ニセコでZIP FLIGHT

末っ子は体重が足らずにできず、あえなくボクはそれに付き添いの待機組になってしまったが、上の2人とママは、超大興奮。
あの興奮ぶりをみると大自然を飛行した2時間の想い出は、まさにホンモノ。
彼女らの一生ものの体験になったはずだ。

公式から画像を拝借

余市の柿崎商店で買い出して、小樽でグランピング、BBQ

余市の海鮮市場 柿崎商店

炭火で焼いたとれたての魚介類の旨さはちょっと他にはない。
特にホタテ。
ホタテというと、なんかあのクニャッとした食感をイメージする人が多いと思うが、とれたての新鮮プリプリのものは質が完璧に異なる別次元の味である。

刺身で食べたってさいこーだった。
新鮮なホタテは、程よく歯ごたえがありシャキシャキっとしていた。


今日が8日目。
ダレがオレの旅なんて興味あんねん、って話になるから、ざっと“衝撃ホンモノ”体験のみをレポしてみたが、その他にも乗馬に、オルゴール作りに、牛の乳搾りに、登別のぼりべつでのカヤックに、十勝の気球乗船などなど盛りだくさんの体験を行ってきた。

昨晩、小樽でビール片手に、夜風にふかれ、川の流れを眺め、この旅を家族とともに写真でふりかえると、日常ではできなかった魂の洗濯が行えているのを感じた。

北海道の夜は涼しい。

サッポロ生ビールをカップに入れて、
宙に浮かせてジッと見る。

遠くを見つめながらそれを口元まで持って行き、少しだけ口に含んだ。
グラスから伝ってきたその液体をワインのように舌の上で転がし、スッと鼻から息を逃して、全身でサッポロを感じる。

家で飲むサッポロ生ビールと旅先で夜景を眺めながら飲むサッポロ生ビールは、同じモノのはずなのに一味も二味も異なる。

それは正に「ホンモノ」としか言いようのない、ホンモノ性に溢れた、ホンモノ中のホンモノとも言える、「ホンモノ」という概念の凝縮体としてのサッポロビール。

「なるほど。分かる。さすがに分かる。間違いない。これは黒くて苦い、ホンモノのサッポロ生ビールだ。ああ、来てよかった。」

そうキザな感じでつぶやくと、

「いったいナニキャラ?」

と妻から壮大なツッコミが入る。

いいんだ。
ここはボクの非日常。依存する場所。
北海道には沢山のホンモノがある。

残り2日

今日は、ラベンダーの真っ盛り。
中富良野町の「ファーム富田」や美瑛町の「四季彩の丘」に行く。
子どもたちお待ちかねのメロン食べまくり。最終日は、札幌で菓子巡りツアー。

さあ今日もまた、魂を浄化しに行こう。

多くの人がハマり込んでいるものに興味をもち、そしてそれを楽しむのだ。

世界は広い。
ボクたちの求めるものは何だってあるのだ。

〈追伸〉
この旅でもたくさん笑って、たくさんの人と、一期一会でふれあいました。この我がnoteに辿り着いたかな?ありがとう、また来年、意気揚々とやって来るわー。

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