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LINE NEWS初の連ドラ「ミライさん」制作裏話

昨日制作発表をしたミライさん。「島村さんは俳優かと思った。谷口さんは警備の人かと思った」という愛憎溢れるコメントをもらった。私だって俳優だ。夢は。

昨年から島村さんと、どのようにスマホにあった動画を展開するかを話していたのだけど、具体的な例が必要となり、今年の初め頃からミライさんを作りはじめた。

原作なしのオリジナルドラマなので、まずは物語を量産する体制を作らないといけない。そこでキャラクターをマッピングをして価値観の対立構造を作った。物語は異なる価値観のせめぎ合いであり、キャラが出来れば物語は勝手に生まれる。

元々ミライはヒーローに設定していたのだけど、のんさんから、もっとクズな方が面白いのではないか、という提案をうけてアウトローに調整した。たしかにその方が良くなった。マッピングはあくまで方向性で、実際のキャラクターには様々な要素が入るんだけどそれは公開されてからのお楽しみで。

ストーリーのトピックとなる未来の技術はさまざまに調べたが、総務省が公開している「未来をつかむTECH戦略」がよくまとまっており、参考にさせてもらった。

世界観については内閣府の「ソサエティ5.0」も参考にした。

両省にも挨拶にいったけど、「明るい未来」がテーマだと話すと、ぜひ使ってくださいと快く受け入れてくれた。ミライさんの企画書は一行だ。

「ちょっと未来の家族の、明るい未来の話。」

このテーマでいこうという話になってから、キャステイング、脚本に入った。通常、視聴率を取ろうとおもったら、企画はまずキャスティングありき、人気原作ありき、脚本ありきになる。それだけ揃ってからやるかやらないか決める。

しかしそうしてしまうと、従来のテレビ番組と近くなってしまうため、あえてテーマだけで企画してみた。例えばネットフリックスで大ヒットした「13の理由」は「自殺を止めよう。」というシンプルなテーマだけで作っている。

そのテーマに沿って無名に近い女優を主演にキャスティングし、原作と脚本を揃えた。なぜテーマだけで作るかというと、これからのコンテンツには社会的なメッセージが強く求められるからだ。

「そのコンテンツが社会の何の役に立つのか?」

ということが問われるようになるので、実はテーマが一番大切になる。しかしテーマ自体はヒットするかどうか読みにくいので、視聴率優先だとあとまわしになりやすい。ではなにを成功の基準にするのか?

今現在、日本の未来については暗いニュースがあふれかえっている。そのほうが視聴率、PVがとれるからだ。不安を煽って見させる古典的な方法だ。しかしそんなことになんの社会的な意味があるのか?時代を逆行させる方法だ。

ミライさんのテーマは「明るい未来」だ。

暗いニュースをみて、仕事も恋愛もなんでも絶望している人がドラマをみて「こんなアホみたいな家族でも楽しくやってるのなら、未来って面白いのかもしれないな。もうちょっとだけ生きてみるか…」と思ってくれたらこのドラマは成功だ。

このような内面の変化は、LINE上のアンケートで態度変容調査を詳しく取る予定だ。つまり単に視聴率で見るのではなく、「設定したテーマが有効に働いたか?」も計測する。これによって新しいコンテンツを実験的に作り続けられるはずだ。

ミライさんの映像製作はほぼ終わってるため、次の作品作りにとりかかっている。次はどんなテーマにするか、、、どうなることやら、お楽しみに!

※ミライさんが1話5分という話が広がってますが、実際には10分ちょっとです。ドラマの見方は次を参考にしてください。


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