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『ストーカー規制法改正2021』について、わかりやすく説明します。

 2021年にストーカー規制法が改正されます。


 それを受けて

「ストーカー規制法の改正内容を知りたいです!」

「ストーカー規制法の改正を早くして欲しい!いつからですか?」

等の声が聞かれます。


 そこで今回は

『ストーカー規制法改正2021』

についてわかりやすく説明します。


 参考資料を自身で読んで理解したい人はこちらをどうぞ。

>>>警察庁『ストーカー規制等のあり方についての報告書』へのリンク

>>>警察庁『ストーカー規制法改正概要資料』へのリンク


 この記事を読むことで

◎、ストーカー規制法の改正内容が理解できます

◎、改正前での不具合や現状もイメージできます

◎、「勉強してる暇がないよ!」という現職警察官にも勉強になります


 なお、

「規制法とか、法律の情報じゃなくて、ストーカー被害から身を守る方法を教えてよ!」

という貴方はこちらの記事をどうぞ。


 それではストーカー規制法改正2021の中身を一緒に確認しましょう!



細かく設定されて、限定されていた部分が撤廃された

 今回のストーカー規制法改正の内容を簡単に表現すると

『細かく設定されて、限定されていた部分が撤廃された』

と言えます。


 ストーカー規制法は、限定的な文言で法律が作られていたせいで、警察も中々動けない場面が多くありました。


 まだ全てとは言えませんが、今回はその部分を大きく変える改正となっています。


 と言う事で、この辺りの改正部分について4点見て行きます。

①、見張り・つきまといの改正

②、文章連続送付の改正

③、GPSの改正

④、注意・警告方法の改正


 それぞれの改正内容について、

「今まではどうだったのか?」

も含めて、更に詳しく一緒に見て行きましょう!



①見張り・つきまといの改正

 見張り・つきまといに関する部分で

『実際にいる場所』

が追加されました。


 今までは

『学校・自宅等の普段居る場所』

で見張っていたり、つきまとったりする行為が取締り対象でした。


 しかしそれでは、

「今日は気分を変えて、あそこに行ってみよう!」

というような場面や、出張先等、普段行かない場所でのつきまとい等を取り締まれません。


 そのため

「SNS等の普及によって、被害者が頻繁に行く場所以外でのストーカーも増えてるし、ここは変えて行こうよ!」

ということですね。


 だから

『被害者が今いる場所』

その周辺も全て取締り対象になったという改正です。


 これは2021年6月15日から施行となっています。



②文章連続送付の改正

 文章連続送付の部分で

『文章・意思』

が追加されました。


「はい?文章連続送付の規制に、文章・意思が追加されたってどういう事?」

と感じますよね。

 この辺りをキチンと説明します。


 今まで、連続送付してはいけない文章とは

『電話、FAX、電子メール、SNSメッセージ』

のことでした。


 つまり、手紙や投函文書、誹謗中傷ビラ等は規制対象外だったんですね!


 そこに

『文章を対象とする』

としたことで、広く文章に関する行為が規制対象になったと言う事です。


 更に意思について。

 過去のストーカー行為の中には

◎、白紙の手紙を送付する

◎、中身の入っていない封筒だけ送付する

等の行為も見らています。


 こんなモノを毎日のようにポストに入れられていたら、むしろ何か書かれている文章よりも恐怖ですよね。


 しかし、白紙の手紙、何も入っていない封筒は文章ではありません。


「いやいや、文章じゃないと言っても、これメチャクチャ怖いじゃん!」

ということで、このように文章がない物でも規制するという事になりました。


 だから

”そこにある意思も規制する”

と言うわけですね。


 これは2021年6月15日から施行となります。



③GPSの改正

 GPSの部分では

『本人の承諾なくGPSを使うこと自体が規制対象』

となりました。


 今までは、ストーカーがGPSで被害者の情報を入手していても、

『犯人が被害者の周辺で具体的につきまとっているわけではないから、規制対象外』

『もし無断でGPSを設置しても、情報を入手しなければ規制対象外』

等とされていました。


 しかし、

「そもそも無断でGPSを設置されるという行為自体が怖いんじゃん!」

と言うことで、

「細かいことをゴチャゴチャ言ってないで、無断でGPSを使うこと自体を全て規制するぞ!」

ということになったわけです。


 これは2021年8月26から施行となります。



④注意・警告方法の改正

 警察官がストーカーに対して注意・警告する方法が

『送達と公示でも良い』

となりました。


 この部分は警察官の実務上の改正ですので、主に警察官向けです。

 今までは、ストーカーに対しての注意・警告方法は

◎、電話

◎、直接口頭・文章の手渡し

◎、記録郵便

等によって行わなければなりませんでした。


 しかし、ストーカーをしている人達のところにいきなり警察から電話が掛かってきたり、手紙が来ても無視しますよね!


 実際に無視され続けて、中々注意や警告が行えないケースが多いようです。


 ストーカー規制法で取り締まる場合、いきなり逮捕ではなく、原則的にはまず注意・警告をしなければなりません。


 しかし、この初段階の注意・警告が中々出来ない状態では、その間にストーカー行為がエスカレートしてしまう恐れもあります。


 そうならない為に、注意・警告を無視されても逮捕等、次の段階に進めるようになったと言う事です。


 なお送達とは、実際にストーカーが文章を受け取らなくても

「文章を受け取らない方が悪い!それで不具合が生じても警察は知らないよ!警告しても言う事を聞かない犯人として手続きを進めるからな!」

というモノです。


 公示とは、ホームページや、警察署・交番の掲示板等でストーカーに充てた文章を広く公開する行為です。


 それにより、実際にはストーカーがそれを見ていなくても

「全然連絡が取れないのが悪い!警察はキチンと伝える努力はしたんだから、警告をしても言う事を聞かない犯人として手続きを進めるからな!」

とするモノです。


 これら改正内容を知っていると、いざ警察に相談するときに

「何で無理なの!?」

とヤキモキすることが少なくなるかもしれませんので、頭の片隅に入れておいて損はないと思います。


 なお

「改正部分だけではなく、ストーカー規制法の本体を教えてよ!」

と言う部分は、別記事にて作成予定です。

>>>ストーカー規制法とは?(今後作成予定)



まとめ

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 ストーカー規制法改正2021の内容は、細かく設定されて、限定されていた部分が撤廃されました。


 具体的には4点

①、見張り・つきまといの改正

 『限定されていた”場所”と言う部分が撤廃』


②、文章連続送付の改正

 『限定されていた”文章”という部分が撤廃』


③、GPSの改正

 『限定されていた”GPS使用”と言う部分が撤廃』


④、注意・警告方法の改正

 『実際にストーカーに連絡がついていなくても、逮捕等の次の手続きに進める』


 これでストーカー規制法の改正内容が理解できましたよね。

 改正前での不具合や現状もイメージできたと思います。


 仕事が忙しくて

「勉強してる暇がないよ!」

という現職警察官も、短時間で全体像が掴めましたよね。


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