LGBT法の危険性を伝え渋谷等の女子トイレなくすな.男女二元論の生物学的性別で区別と特例法の手術要件守れと言ってくれたNoセルフID女性の人権と安全を守る会さんに感謝。

LGBT法の危険性を伝え渋谷等の女子トイレなくすな.男女二元論の生物学的性別で区別と特例法の手術要件守れと言ってくれたNoセルフID女性の人権と安全を守る会さんに感謝。
NoセルフID女性の人権と安全を守る会さんは未オペGIDMTFは性別関係なく使用できるみんなトイレ使用義務化(未オペGIDMTFが使用義務ある性別関係なく使用できるみんなトイレが木下秀吉専用トイレかぁ、ついにキター、未オペGIDMTFさん木下秀吉専用トイレ使えるよー)。
NoセルフID女性の人権と安全を守る会さんアウティングしてOKですよーっって対応はとても有り難くてうちみたいなGIDMTF患者は医師の診断書見せて性同一性障害者の〇〇ですってむしろカミングアウトして、〇〇さん性同一性障害者のMTFなんだ、女子の制服で登下校や通勤してよいよトイレはみんなのトイレ使ってねってしてもらえるからアウティング禁止はGID患者のトラブル回避を妨害する形になってて余計な条例作るなー(怒)って感じなのよね。
私個人の見解として条例に性自認の問題が放置されたまま性自認至上主義に基づく状況を悪化させかねない制服の男女別やめるなどの学校やディズニーの安易なジェンダーレス化には反対だ。
#条例や法律から性自認を削除してください
男女二元論での生物学的性別での区別を守ったうえでなければならずまずは女性スペース守れ、生物学的女性の身の安全が確保された学生生活、職場生活を送れるようにしないといけないだろう。
性的嗜好LGBと性別違和のT.性別違和のTの中でもSRS手術を必要としない身体でない性別違和のTGとSRS手術要件を必要とするTSに該当する身体の性別違和のGIDは異なるし区別して頂かなきゃね。
ですからGIDMTFの私は医師の診断書見せて性同一性障害者の〇〇ですってむしろカミングアウト・アウティング(自分から性同一性障害っていいにくい状況のシチュエーションもあるだろうから友人らに性同一性障害者だとばらされる形でもいい)で性同一性障害のMTFという疾患で障害だから女子の制服OKだよって男女二元論での生物学的性別での区別守った上で認めて貰いたいの。
だから私はジェンダーレス・ジェンダーフリーなどという男女別を撤廃しようしたり性別欄をなくそうとするなど生物学的性別を無視する性自認至上主義・トランスジェンダリズムな手法にはGID患者の一人として強く強く抗議しますー。
性自認ではなく性同一性障害の医師の診断書の有無に基づく対応して下さい、性同一性障害は疾患であり障害であるとして医師に診断とSRS手術を受けられるように特例法の手術要件守るように裁判所に言ったよ。GIDMTFのうちから見て素敵すぎるNoセルフID女性の人権と安全を守る会さんの神対応。GIDMTFのうちからすればとっても嬉しいの。
NoセルフID女性の人権と安全を守る会さんのような未オペGIDMTFとMTFSRS手術済みGIDMTFに対する対応を私は待ち望んでました。
という事でLGBT法の危険性を伝え渋谷等の女子トイレなくすな.特例法手術要件守れと言ってくれさんNoセルフID女性の人権と安全を守る会さんに感謝の気持ちでいっぱいのPDF魚拓とった資料note記事でアップするね。
NoセルフID女性の人権と安全を守る会さんの要望と資料は男女二元論での生物学的性別の区別とSRS手術要件と性同一性障害との医師の診断を必要とする私のようなGID患者にとっても有り難い記事が多いです。



「しんぶん赤旗」編集局長 小木曽陽司様

「しんぶん赤旗」記者 武田恵子様



 埼玉県の「性の多様性を尊重した社会づくり条例」は、2022年6月の埼玉県議会で採択され、同年7月8日から施行されています。この条例は、自民党埼玉県支部連合(以下、自民党埼玉県連)が積極的に推進してきたもので、自民党埼玉県連による条例骨子案(以下、条例案)に対して、私たちの会はいくつかの懸念を正式の文書の形で自民党の埼玉県連に伝えました。最大の問題は、その骨子案の中に、意味のまったく曖昧な「性自認」という文言が入っていたことです。

 当時、自民党埼玉県連は県民および国民に対してパブリックコメントを募集していたので、私たちの会だけでなく、草の根の多くの女性たちや性的マイノリティの当事者たちがこの条例案に対する反対意見を寄せました。2022年6月24日付『デイリー新潮』の記事によると、この一自治体の条例案に対して、4747件もの大量のパブリックコメントが寄せられ、その87%にあたる4120件が批判的な意見ないし反対意見だったとのことです。これらの反対意見の多くが、同性間のパートナーシップに対するものではなく(私たちの会の意見書もパートナーシップ制度に対しては一言も触れていません)、「性自認」やそれに基づく差別の禁止規定に対するものであったと考えられます。先に触れた『デイリー新潮』の記事でも、関係者の話として、次のように書かれているところからも、それはうかがえます――「関係者によると、反対の意見を出した人の中には性的マイノリティの人も少なくなく、『性自認』という文言への疑問や、『不当な差別的取り扱いをしてはならない』などの表記に対する懸念が多く寄せられたという」。

 しかしながら、2022年10月2日付『しんぶん赤旗』の記事「パートナーシップ制度と統一協会」(下)には、この埼玉県条例案に対して4000件以上の反対意見が寄せられたことには一言も触れず、その代わりに次のようなことが書かれています。

 「今年7月に制定された埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例に対し、反社会的カルト集団・統一協会(世界平和統一家庭連合)は、条例が成立すれば、「男女を前提にした性秩序や家庭の破壊につながる」「トイレなど『女性の空間』 に『女性』を自称する男性が入り込む」(「世界日報」6月21日付)と攻撃しました。」

 記事では、同条例案に反対意見を出した人がみな統一協会であるとはさすがに書いていませんが、この記事だけを読んだ読者は、この条例案に寄せられた反対意見を代表するもの、あるいはその主たるものが、『世界日報』に掲載されたこの統一協会の「攻撃」であるとの印象を受けることでしょう。これは、この条例案に反対意見を寄せた数千人の女性たちや性的マイノリティ当事者たちの存在を無視し、これらの人々に対する偏見や悪意を持たせる印象操作だと言われても当然ではないでしょうか。私たちはこのことに強い抗議の意思を表明します。

 私たちをはじめ、条例案に反対意見を寄せた人々の大多数は統一協会と何の関係もない人々であり、むしろ統一協会に批判的な立場を取っています。この記事のことが知られるようになると、ツイッター上ではたちまち、このことに強い抗議の意思を表明する何千ものツイートが投稿され、「#私たちは統一教会じゃない」というハッシュタグがトレンド入りしたほどです。

 また、そもそも、「トイレなど『女性の空間』に『女性』を自称する男性が入り込む」懸念を表明することそれ自体はけっして「攻撃」と呼ぶべきものではありませんし、その懸念を他の誰かが表明したからと言って、そのことで統一協会と同じ立場になるわけでもありません。たとえば、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐって、ある県が実施したウクライナ難民支援のクラウドファンディングに統一協会からの寄付があったとメディアで報じられていますが、ウクライナ難民支援に寄付をした他の市民の行為が統一協会と同じものになるわけではないのと同じです。

 さらに『しんぶん赤旗』の記事には続けて、「レインボーさいたまの会は、一部メディアや団体からの差別や偏見をあおるやり方が当事者の抱える困難の解消を阻むことを危惧」とあります。しかし、「一部メディアや団体からの差別や偏見をあおるやり方」とはいったい具体的に何を指しているのでしょうか。条例案に対する市民の懸念はすべて「差別や偏見をあおる」とでも言いたいのでしょうか。むしろ、この記事の書き方こそが、「性自認」の濫用を懸念する女性たちや性的マイノリティ当事者への「差別や偏見をあおるやり方」ではないでしょうか。

 件の記事は、統一協会をめぐるシリーズ記事の一環であり、したがって主として統一協会の見解が取り上げられるのは当然です。しかしながら、統一協会とはまったく無関係で、それとは正反対の立場からこの条例案に反対した多くの市民が存在するわけですから、その事実にいっさい触れず、統一協会が反対したとだけ書くことは、きわめて不当で、配慮に欠けたものです。

 『しんぶん赤旗』は真実を報道する新聞として高く評価されており、統一協会問題でもきわめて先駆的な役割を果たしたことは、私たちもよく理解しています。それだけに、今回の埼玉県条例に関して、多くの一般女性たちや性的マイノリティ当事者からの異論や批判、懸念が出されたこともきちんと報道するべきであったと考えます。ぜひとも、これを機会に、「#私たちは統一教会じゃない」というハッシュタグのついたツイートに目を通してください。そして、女性たちの悲痛な訴えに耳を傾けてください。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/10/17/%E3%80%8C%EF%BC%83%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%A3%B0%E3%81%AB%E8%80%B3%E3%82%92%E5%82%BE%E3%81%91/
「#私たちは統一教会じゃない」の声に耳を傾けてください。 2022年10月2日付『しんぶん赤旗』の記事への抗議文2022年10月17日
日本の動き, 活動報告
しんぶん赤旗, パートナーシップ条例, 埼玉県条例, 女性の空間, 性自認



自由民主党厚生労働部会「生殖補助医療についてのプロジェクトチーム」座長 古川俊治様

自由民主党政務調査会長 萩生田光一様



 日頃からの貴党の奮闘に敬意を表します。私たちは「No! セルフID 女性の人権と安全を守る会」という市民団体です。

 2022年8月29日付の『朝日新聞』記事「代理出産の条件付き容認案、自民PTまとめる。法改正案へ反映目指す」によると、自民党厚生労働部会「生殖補助医療についてのプロジェクトチーム」は先ごろ、「生殖補助医療の提供及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例法」(以下、生殖補助医療法と略記)を改正して、代理出産を条件付きで認める方向の案をまとめたとのことです。記事によると、それは「先天的に子宮がない人など」を想定し、「こうした人の妊娠を可能にする『子宮移植』が実用化されるまでの時限的な措置とする」とあります(「子宮移植」については、昨年7月に日本医学会の検討委員会が容認する立場を明らかにしており、この子宮移植にも私たちは大きな懸念を抱いていますが、ここでは触れません)。そして、この代理出産の部分的容認は、「今秋の臨時国会に出す見込みの生殖補助医療法の改正案に反映させることをめざす」とのことです。

 この記事が出てから、ツイッターなどのSNSで女性たちが憂慮と反対の声を上げ、トレンドに「#代理出産合法化に反対します」「#代理出産」とあがるほどでした。代理出産を法的に容認することについては、日本産科婦人科学会がすでに2003年4月に出した「代理懐胎に関する見解」の中で、「対価の授受の有無を問わず」「代理懐胎の実施は認められない」という明確な立場を示しています。その理由として、「生まれてくる子の福祉」への懸念、代理出産には「代理母の身体的危険性・精神的危険性」が伴うこと、「家族関係が複雑になること」「代理懐胎契約は倫理的に社会全体が許容していると認められない」という4点を挙げています。これらの懸念は現在もまったく払拭されていません。以下、具体的に見ていきます。

「子の福祉に反する可能性」……戸籍への記載の義務がないため、将来の結婚相手がもしかしたら異母兄弟姉妹、異父兄弟姉妹である可能性もあります。もしも近い遺伝子の人間が結婚し子を為す場合、遺伝性疾患の可能性が高くなります。また、代理出産で生まれた子が鬱になる可能性も高いと言われています。

「(代理母の)身体的・精神的危険性を伴う」……自身の遺伝子と違う卵子を受胎することから、妊娠中は免疫抑制剤などの薬剤の投与が必要になり、それによる副作用の問題があります。また、妊娠から出産まで他人に管理される辛さ、出産後に子から切り離されることで産後鬱の可能性も高くなります。また、代理出産かどうかに関わりなく、そもそも出産には常に危険が伴い、身体的負担が著しく重く、出産後も生涯に渡る影響が健康や生活に及ぶ場合もあります。

「家族関係が複雑になる」……生殖補助医療法には、「代理出産で他人の卵子を用いて出産した時、その出産した女性をその子の母とする」とあります。また自己以外の人の精子で受胎した場合でも、認知した男性が父となると定められています。依頼者はその子を養子縁組か特別養子縁組とすることによってしか親となることができません。後者の場合、戸籍から出生時の親を辿れないので、遺伝子上の繋がりがわからなくなり、家族関係が複雑になるのは避けられません。

「代理懐胎契約は倫理的に社会全体が許容していると認められない」……代理出産とは何よりも、他人の身体を使って、場合によっては障害や死の危険を伴う懐胎・出産という行為をさせることであり、明らかに倫理的な問題があります。たとえ代理出産に本人が同意する場合でも、上で記したさまざまな危険のすべてをあらかじめ熟知した上で同意していると想定するのはあまりに非現実的です。また立場上、断れない場合もあります。さらに、この行為は女性の人身売買であるという指摘もあります。たとえば、最初にこの手法を導入したアメリカでは、代理母を募集した際、無償では希望者がいなかったため、有償で募集することになり、結局、貧しい女性たちが生活のために応募する事態が生じました。たとえ最初は非商業的なものとして始まっても、やがて商業的な代理出産が認められる危険性があります。商業的代理出産の合法化が先行した国々ではすでに多くの深刻な問題が起きており、結局、禁止される国もしだいに増えています。この問題については、「代理出産を問い直す会」のサイトを参照していただきますよう、お願いします。

 以上見たように、たとえ部分的であれ代理出産を合法化することは女性の人権と安全を脅かし、女性の「性と生殖にかかわる権利」を後退させることになってしまいます。もし生殖補助医療法を改正するのなら、代理出産を容認するのではなく、むしろ代理出産を法的に禁止する方向で改正してください。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/09/04/%E4%BB%A3%E7%90%86%E5%87%BA%E7%94%A3%E3%81%AF%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%B8%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%A8%A9%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%81%E4%BB%A3%E7%90%86%E5%87%BA%E7%94%A3%E3%82%92%E8%AA%8D/

代理出産は女性への人権侵害です、代理出産を認めないでください2022年9月4日
日本の動き
代理出産, 代理出産を問い直す会, 代理受胎契約





 緊張した面持ちで、言葉を選びながら話す彼女の動画ツイートに対し、「これはトランスジェンダーを犯罪者とする差別的な言説だ」「恐怖を盾にした卑怯なやり方」などと、根拠なき批判が相次いで行われています。

 しかし女性たちの多くは、これまで議員の立場からこのような表明をした女性がいなかった為、驚きと感謝の言葉とともに #加賀ななえ市議を支持します  のツイッタータグで連帯を表明しました。このツイッタータグは丸一日、ツイッターの日本のトレンドにあがり続けました。加賀市議の言葉はツイートを見て分かる通り、真摯であり穏当です。

 「トランスジェンダーの人権を軽視しているわけではありません。内心の自由は内面において絶対的に自由であり、いついかなる時も保証されるべきです。しかしトランスジェンダーの方のご主張される人権が、外部的行為となって現れたとき、そこで、女性の人権と衝突しうると考えます」「埼玉県行政については、一方の人権だけを尊重するのではなく、女性・子供の人権も考えた施策を望みます」

 言論の自由が保障されている日本において、片方の言説だけが「差別だ」と断じられつつあり、主に市井の女性の声が封じられています。加賀ななえ市議は、そのことにも警鐘を鳴らしてくれました。私たちは、誹謗中傷や無根拠な批判を行っている人に強く抗議します。政策に変遷があったことを真摯に伝える姿勢には尊敬あるのみです。加賀ななえ市議に感謝と連帯を表明します。

2023年3月1日

No!セルフID  女性の人権と安全を求める会

共同代表 石上卯乃 桜田悠希

https://no-self-id.jp/wrws/2023/03/01/no%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95id-%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%A8%A9%E3%81%A8%E5%AE%89%E5%85%A8%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%8B%E4%BC%9A%E3%81%AF%EF%BC%83%E5%8A%A0%E8%B3%80%E3%81%AA/
No!セルフID 女性の人権と安全を求める会は#加賀ななえ市議を支持します2023年3月1日
日本の動き
トランスジェンダー, 女性の人権





https://no-self-id.jp/wrws/2023/03/12/lgbthouanankeeto/





https://no-self-id.jp/wrws/wp-content/uploads/2023/03/LGBT%E6%B3%95_%E6%80%A7%E8%87%AA%E8%AA%8D%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E7%94%A8150dpi-1-1.jpg




各種報道によりますと、岸田首相の秘書官による、同性愛者の方への不当な発言をきっかけに、「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律案」(以下、理解増進法案と略記)を改めて前向きに進めていく動きが急速に活発になっています。同法案は、2021年に超党派の議員連盟での協議の中で、自民党原案に対する野党からの修正がなされたうえで、与野党合意案として国会に上程される予定でしたが、合意案に対して自民党内で大きな異論が起こり、結局、国会の最終盤で上程が見送られたものです。今回、自民党が成立に向けて準備をしているのが、自民党原案をベースにしたものなのか、与野党合意案をベースにしたものなのかは、まだ不明ですが、いずれにせよ、私たちは、女性の人権と安全を守る立場から、3つの提案をさせていただきます。

1.法律の文案から「性自認」という言葉を除いてください

2.入れる場合は、「性自認」ではなく、「性同一性」にしてください

3.「運用にあたっては、女性と子供の権利と安全に最大限考慮する」という一文を入れてください

 以下、それぞれの提案理由を述べさせていただきます。

1.法律の文案から「性自認」という言葉を除いてください

 自民党原案においては、「性同一性」と表現されていたものが、与野党合意案においては、「性自認」に書き換えられ、その上で、「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」との文言が入りました。しかし、「性自認」には明確な法律上の定義はなく、また各種団体や学者研究者のあいだでも統一した見解が何ら存在せず、非常に曖昧な概念です。この「性自認」を確認する客観的な手段はなく、本人の自称にもとづくしかありません。もし、今国会での成立がめざされている理解増進法案に「性自認」という言葉が入り、それに基づく差別は許されないといった類の文言が入れば、「自分の性自認は女性だ」と主張する男性が、女性トイレや女性用の浴室・更衣室などの女性スペースに入るという事態をいっそう悪化させるでしょう。そして、自分を女性だと称する男性が女性スペースに入ってくることに反対するだけで、差別だと糾弾される事態が起きるでしょう。そして、すでに巷ではそのような事例が数多く起こっています。

「性自認」という言葉をけっして理解増進法案に入れるべきではありません。そもそも、今回の動きのきっかけとなったのは、同性愛者の方々への差別発言でした。実際、同性愛者の方々は以前からひどい偏見や差別を受けていますし、同性を性愛の対象とすることは、それが成人同士の関係であるかぎり、また当事者の合意にもとづくかぎり、誰かの人権や安全を損なうものではありません。しかし、単なる性自認にもとづいて男性が「女性」を称する場合、身体的にも社会的にも不利な立場にある女性や子供の権利と安全は著しく脅かされるのです。今回の理解増進法案は、LGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)の方々への理解増進をはかるものに特化されるべきであると私たちは考えます。

2.入れる場合は、「性自認」ではなく、「性同一性」にしてください

 しかしながら、どうしてもトランスジェンダー(T)の問題もいっしょに取り上げる必要があるというのであれば、与野党合意案にある「性自認」という曖昧な用語ではなく、自民党原案にあった「性同一性」という用語を使うべきであると私たちは考えます。どちらも「gender identity」の訳語とされていますが、実際には、「性自認」は「gender self-identification」の訳語としてよりふさわしい用語です。つまり、専門医によって客観的に診断可能な身体および心の状況というよりも、本人の単なる自己認識を強く想起させる言葉ですし、また実際にそういうものとして世間で使用されています(性別の自己決定論)。このような単なる主観的認識を法律の文言に入れることほど危険なことはありません。性別は客観的かつ生物学的に決定されており、本人の主観で変わるわけではありません。

 「性自認」と違って、「性同一性」という言葉はすでに、2003年に成立した「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(以下、特例法と略記)で使われており、「性同一性障害」という概念の一部として、以下のような具体的な規定がなされています。

 「生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう」。

 このように、生物学的性別の存在を前提にして、「心理的には別の性別であるとの持続的な確信」を持ち、「自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思」を有し、「その診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致している」ことが必要とされています。「性同一性」に関しては、このような具体的な規定が、野党を含む全会一致で採択された既存の法律でなされているのですから、それに代えて「性自認」などという、一部の学者や活動家が使っている曖昧な用語を採用するべきではありません。各法律間の整合性、統一性という観点からも、「性同一性」という言葉を引き続き使用するべきです。

3.「運用にあたっては、女性と子供の権利と安全に最大限考慮する」という一文を入れてください

 仮に「性同一性」という用語が採用されたとしても、性同一性障害であると偽る男性が女性スペースに入ってくることの懸念はぬぐえませんので、「法律の運用に当たっては、女性と子供の権利と安全に最大限配慮する」との文言が法律の中に明記されるべきです。この言葉だけで女性と子供の安全が守られるわけではありませんが、理念法として、はっきりと、女性と子供の権利と安全がないがしろにされるべきではないとの意思を示すことになり、それは大きな意味を持つことでしょう。

2023年2月15日

No!セルフID 女性の人権と安全を求める会

代表 石上卯乃、桜田悠希

https://no-self-id.jp/wrws/2023/02/15/lgbt%E7%90%86%E8%A7%A3%E5%A2%97%E9%80%B2%E6%B3%95%E6%A1%88%E3%81%AE%E6%8F%90%E5%87%BA%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%9F%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E5%8B%95%E3%81%8D%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90/






















Emi_BonJovi
@waffle_pancake
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
性犯罪の多発現場であるトイレの設置にあたり

性犯罪防止 < LGBTQ+

と区政が決定したからですよね?
女性や子供の弱者が被害者になる確率を上げてまでトレンドの多様性をアピールしたいからでは?
多様性とはLGBTQ+のことではありません。子供や女性の安全を脅かしてまで公金でやるべきですか?
午前2:00 · 2023年3月10日

外資金融ママ☀️
@fin_workingmom
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
犯罪防止の観点から目隠しとなりそうなこの木を剥がして頂きたいのもさることながら、早急に図の右下のトイレは女性専用に変更できそうですね。これならお金をかけずとも変えられます。
午前6:41 · 2023年3月10日
·
ごまさば@104→64徒歩で帰る🐸
@inu_to_niwatori
返信先:
@fin_workingmom
さん,
@sudaken_shibuya
さん
耐火加工済かチェックもした方が良さそうです。利用者配慮皆無ですから、耐火加工無しで放火されたら大惨事です。
午後8:37 · 2023年3月10日

根っこ
@yuk_xyz
返信先:
@sudaken_shibuya
さん,
@TrinityNYC
さん
これトイレなんですね。
ぱっと見て「子どもが大好きそうなワクワク隠れんぼアスレチック遊具」かと思いました。
好奇心が豊かなお子さんがひとりで近づかないことを願います。。
渋谷区は別途で女性専用トイレを建ててはいかがでしょうか?安全性はデザインの基本ですよね。アートじゃないので。
午前7:17 · 2023年3月10日

クロマ@3y🍫
@chroma1125
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
ここも見通しが悪くて隠れられる場所多数なデザインなのは何なんですかね…区長、防犯とか考慮されてませんの??
午後3:29 · 2023年3月10日


m
@mie_n73
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
スッキリで取り上げられてたの
見ました。

高橋真麻さんは
多目的トイレはベビーカーで入れるので助かる的な話してましたが

その後ですよね、問題は

ペビーカー使う人の為も必要だけど
犯罪者から守られる場所も作らないと

隠しカメラとか付けやすい
公共トイレは
女性専用ないと怖いとこ
午後4:34 · 2023年3月10日
·
シン・ムナカタ
@EFSF_Mars
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
このままだと、渋谷区内で心も身体も女性の方達から女性差別だという声が上がるんではないでしょうか?
午後6:20 · 2023年3月10日

A_SATO
@art_files12
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
死角が多くて怖いです。トイレはデザイン偏重ではなく、防犯第一で設計してほしいです。木材なので劣化が早いと思います。維持管理費も考慮に入れて作ったのでしょうか?
午後8:02 · 2023年3月10日
yuki2487398
@yuki53018182
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
画像を見る限り木材を使ったせいで余計に死角が増えた感じのデザインですね。子どもひとりでは危なくて使わせるのに躊躇します。
午後8:57 · 2023年3月10日

るいおん
@awa14458_2
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
人間の身体は、生物学的には、男と女しかないのでは?
だから、男女別の二つと、あとは身体がご不自由、赤ちゃん対応等への配慮のがあればおしまいです❗️
午前5:50 · 2023年3月11日

麦飯@
@mugimeshi_Y
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
渋谷区民ではありませんが…
トイレにデザイン性は求めてません
清潔感と安全性
午前9:11 · 2023年3月11日
榮吉
@2sYDx9Wsfuwxkoe
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
これでは男も入るのを躊躇してしまいます‼️

いちごちゃん
@picco33
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
コンビニの共用トイレですら、座面が上がったままで小便が便器周辺に撥ねていて汚く使う気になれません。
女性トイレはそれほど汚れていません。
このようなトイレは衛生的にも無理ですね。
すぐさまトイレの共用を辞めて頂きたい。
午前3:06 · 2023年3月14日
·
Takuma Miyamoto
@TakumaMiyamoto1
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
因みに、ここは男性専用も無い事を発信しないと、女性だけが排除されたと誤解されますよ?
前回の渋谷区の件も男性用は小便器のみで個室が共用と言う状態

個室便所を男女共用化 or 個室を男女別とするのか?
と言う議論をされた方が良いのでは?
午前6:37 · 2023年3月11日


DAHLIA
@DAHLIA87952667
返信先:
@sudaken_shibuya
さん
そもそも訳の分からないデザインに金かけるより、防犯設備を充実させた方がよいのでは? どんどん不便になっていく。
午前8:32 · 2023年3月11日

https://twitter.com/inu_to_niwatori/status/1634156434480074752

このツイートはたちまち何万とリツイートないし「いいね」され、大きな話題となり、現時点で2600万回以上の表示回数になっています。このトイレは、渋谷区自身の説明によると、公益財団法人日本財団と渋谷区とが協働して進めている「THE TOKYO TOILET」というプロジェクトの一環だとのことです。反響の大きさに驚いた渋谷区は、翌3月7日付で次のように回答しました。

Twitter上で渋谷区議会議員から「渋谷区としては女性トイレをなくす方向性」とのツイートがありましたが、渋谷区では今後のトイレ整備について女性トイレをなくす方向性など全くございません。

 しかし、これはまったく回答になっていません。すだ氏が紹介した写真のトイレ(渋谷区幡ヶ谷3丁目のトイレ)には、実際に女性専用トイレが設置されていないのです。それだけでもすでに女性の安全と尊厳を脅かし、性犯罪を起こしやすい環境を作るものであると言わざるをえません。にもかかわらず、渋谷区の回答はそのことについて反省の意を示すどころか、このトイレについて「性別に関わらず誰もが快適にご利用いただける環境が整った」と開き直っているのです。女性専用トイレがなくても「性別に関わらず誰もが快適にご利用いただける」のなら、今後設置する公衆トイレに関しても女性専用トイレをあえて設置しなくてもかまわないことになるでしょう。また実際、同じプロジェクトの過去のトイレにも複数、女性トイレが設置されていないものがあります(例1例2)。言葉はどうあれ、事実上、「今後のトイレ整備について女性トイレをなくす方向性」を有しているとみなされて当然でしょう。

 性差別と性暴力とが蔓延しているこの日本社会において、女性専用トイレは、女性が相対的に安全性を感じることのできるごくわずかな公的空間の一つです。盗撮や性的暴行をはじめとする性犯罪の多くは共用トイレで起こっています。また女性の尊厳と羞恥心、衛生上の必要性という観点からしても、女性専用トイレは不可欠です。現在でも女性専用トイレは著しく不足しており、女性専用トイレを減らすことなど絶対にあってはならないことです。また、少なくとも、男性専用トイレを設置しながら、女性専用トイレを設置しないことは、日本国憲法第14条に明記された性別にもとづく差別禁止規定に反するものです。

 私たちに必要なのは、安全で、使用者の尊厳が守られ、使いやすいトイレであって、それと無関係な「おしゃれ」トイレではありません。また、渋谷区が示した図を見るかぎりでは、車いすで出入りするのも非常に不便のように見えます。実際、現地を取材した記者の感想でも「これでは車椅子の人は動きづらいのではないか」とあります。女性だけでなく、車いす使用者のこともないがしろにしたトイレのようです。

 別の記事によると、このトイレを設計したのは、東京大学生産技術研究所のマイルス・ペニントン教授と同大学の「DLXデザインラボ」のようですが、その記事に掲載された写真を見るかぎりでは、全員が男性で、かつ車いすの非使用者のようです。女性も使用する公衆トイレを設計する人々が男性だけで構成されていることも、性差別的であると言わざるをえません。

 以上のことを踏まえて、私たちは緊急に以下の3点を渋谷区に要求します。

 1.幡ヶ谷の新しい公衆トイレをただちに改修して、女性専用トイレを複数設置すること。そして、 犯罪予防学にのっとって、男性専用トイレの入り口と女性専用トイレの入り口をできるだけ離すことで、安全性を確保すること。

 2.「THE TOKYO TOILET」プロジェクトで企画・設置した過去のトイレもすべて、女性の安全と尊厳、男女平等という視点から見直し、必要な改修を行なうこと。

 3.今回のプロジェクトを含めて公衆トイレを設計・設置する場合、企画者・決定者の半数を必ず女性にし、その中に車いす使用者も含めること。

 女性の生存権、尊厳、平等権を踏みにじって「おしゃれさ」や「新しさ」を追求するのは、女性をまともな人間として扱っていない証拠です。どうか私たち女性を平等で尊厳ある人間として認めてください。そしてそのことを渋谷区による現実の施策の中で示してください。

https://no-self-id.jp/wrws/2023/03/10/%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%8C%BA%E3%81%AE%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%B0%82%E7%94%A8%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%92%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%99%E5%8B%95%E3%81%8D%E3%81%AB%E6%96%AD%E5%9B%BA%E6%8A%97%E8%AD%B0/
渋谷区の女性専用トイレをなくす動きに断固抗議します2023年3月10日
日本の動き
公衆トイレ, 女性専用トイレ, 渋谷区





「女性用は必要」犯罪学の専門家が訴え 渋谷区“誰でも使えるトイレ”問題に警鐘2023/3/10ABEMATIMES


「女性用は必要」犯罪学の専門家が訴え 渋谷区“誰でも使えるトイレ”問題に警鐘2023/3/10ABEMATIMES

渋谷区が“誰でも使えるトイレ”を優先的に設置したことで、女性専用トイレがなくなってしまった問題。専門家は「防犯面から見ても危険だ」と警鐘を鳴らしている。 【映像】問題になった渋谷区のトイレの間取り(画像あり) 「女性用トイレは残すべきだと思う。皆さんはどうお考えでしょうか」  東京・渋谷区の2月に完成した“誰でも使えるトイレ”をめぐって、渋谷区議がSNSに投稿した一文。この投稿には多くの意見が寄せられ、そのほとんどは女性用トイレがないことに対して安全面を危惧するものだった。  女性専用トイレの設置は防犯上どのような意味があるのか。犯罪学が専門で、これまで世界100カ国のトイレを調査してきた立正大学の小宮信夫教授に話を聞いた。



犯罪学の専門家・立正大学の小宮信夫教授

「女性用トイレをなくすことには反対する。そもそもトイレは“犯罪の温床”と言われていて、被害者のほとんどは女性と子ども。トイレの設計をする場合、海外では女性と子どもを基準にして安全性を高くデザインすることが常識。男性が入っても怪しまれない構造は大きな問題だ」  渋谷区は性別・年齢・障害に関わらず、誰もが快適に利用できる公共トイレを区内17カ所に設置する方針だ。華やかで個性的なデザインのトイレには、これまであった暗くて汚いイメージが一新されたと好意的な声もある。 「(トイレは)誰もが必要なので、そこの快適性を高める、イメージを払拭するという意図は素晴らしい。ただ、最優先すべきは安全・防犯だ。その要素を取り入れて欲しかった。そうすれば非常に素晴らしいプロジェクトになると思います」  渋谷区が実施しているトイレプロジェクトについて、その意図を評価しながらも防犯性については苦言を呈する小宮教授。それは、渋谷区に限らず日本の公共トイレ全般に対して言えることだと指摘する。



防犯上問題のあるトイレのデザイン

「(公共トイレを利用した犯罪は)女性が歩いているときに後ろからついて行って、そのまま個室に連れ込むパターンが圧倒的に多い。日本の(公共トイレの)問題点は男女の入り口が共通していることだ。海外の場合は、男女の入り口をかなり離すなどして動線を分けて、男が女の後ろをついていけば周囲の人がすぐにおかしいと思えるようなデザイン・レイアウトにしている。日本の場合は、海外で当たり前に行われている“犯罪機会論”に基づくデザインが普及していない」  「犯罪機会論」とは、犯罪の機会を与えなければ、いくら動機があっても犯罪を起こせないという理論。小宮教授によると、男性用と女性用トイレの入り口をできるだけ離すことで、かなりの防犯効果が期待できる。だからこそ、女性専用トイレの必要性を訴えている。  誰でも使える「オールジェンダートイレ」は、設置すべきではないのだろうか。小宮教授は次のように考えを明かす。 「オールジェンダートイレはあっていい。社会全体の見えないところには、性的な差別がある。これは大いに問題とすべきだし、差別は解消すべきだ。しかし、区別と差別は全く次元が違う話だ。グローバルスタンダードの犯罪機会論を取り入れて、それに基づくデザインでトイレを作った上で『もっと便利にしよう。オールジェンダートイレ欲しいよね』ということで作るのであれば大歓迎だ」  こうした問題について、臨床心理士・公認心理師で明星大学心理学部准教授の藤井靖氏は「考えさせる仕組みはトイレに合っていない。感情論ではなく機械的に分けたほうがいい」と考えを明かす。
「大事なのはマイノリティの存在否定をしないことだ。特にジェンダーの問題は感情論になるとさまざまな意見が飛び交って結論が出ない。いろいろな人の感情を否定しないという配慮のもとに、より明確な区分が必要ではないか。女性用、男性用、それから疾患・障害者用も専用にする。そして、もう一つ“性別関係なく使いたい人用”の4つを用意すれば、大体の人がスッキリした形で使えるのでは。  根源的な人間の欲求を解消したいとき、『どう使えばいいんだろう』『どういう意図なんだろう』といった“考えさせる仕組み”は本来的ではない。考えずに利用できることが日常生活の空間では必要だ。4つあれば多くの人は悩まずに利用できるのではないか。“みんなのトイレ”も抽象的な表現であるがゆえに『いま自分が使っていいのか』と一瞬悩む場合もある。例えば『性別関係なく使いたい人用トイレ』などの直接的な表現で、より多くの人が直感的に理解できるラベリングで区別すればいいと思う」 (『ABEMAヒルズ』より)

「女性用は必要」犯罪学の専門家が訴え 渋谷区“誰でも使えるトイレ”問題に警鐘
2023/3/10ABEMATIMES


未オペGIDMTFさんはジェンダークリニックの性同一性障害のGIDMTFの診断書を共学の大学に提出して性同一性障害のGIDMTFの〇〇です宜しくお願いしますって学生にも診断書のコピー渡して貰う形で自己紹介済ませたいからアウティング・カミングアウトできないとむしろ困るのだよね。
で木下秀吉枠で入学したいというのが私の希望だから未オペGIDMTFさんはみんなのトイレ使用義務(みんなのトイレが木下秀吉専用だよー、使ってねー)。のほうがとっても有り難いのよね。
女子大って女性専用だから、医師の診断書ありのGIDMTFでも入学許可認めちゃダメなのだけどなぁ。
GIDMTFの医師の診断書ありでMTFSRS手術済み診断書ありのMTFSRS済みかつ家裁で女性に戸籍の性別変更済みなら女性スペース法と女性スポーツ法守ってる事になるからMTFSRS手術済みかつ戸籍の性別変更済みである事が、女子大に入学する条件だよね。
特例法の手続きに従ってMTFSRS手術済ませて戸籍の性別変更手続き済ませている事の条件は手術要件必要とするGIDMTFなら必須の内容でありNoセルフID女性の人権と安全を求める会さんの抗議は有り難いです。感謝感謝。



https://www.ndsu.ac.jp/life/support/pdf/transgender.pdf



ノートルダム清心女子大学 学長 シスター津田葵様

ノートルダム清心女子大学 多様な学生受入れ委員会委員長 本保恭子様

 女子大である貴学が2023年度からトランスジェンダー学生を受け入れるというニュースに接してたいへん驚きました。これは一大学の方針転換にとどまらない大きな問題だと考えます。そのため、女性の人権と安全を求める立場から、いくつかの看過できない問題を指摘するとともに、強い抗議の意思を表明いたします。

1.他者から確認することができない「自認」によって入学の可否が決められ、しかも入学後は自認が不問とされること

 『山陽新聞』の6月16日付の報道(https://www.sanyonews.jp/article/1273504)によると、「診断書の提出は求めない」とあります。つまり、医師のまったく介入しない、純粋な自己判断による性別認識での出願・入学が可能です。これは根本的に客観性を欠き、女子大学としてのあり方を根本的に損なうものです。そもそも女子大学ができたのは、女性がその生物学的性別ゆえに高等教育から排除されてきた歴史があるからです。けっして性自認が女性だから教育の場から排除されてきたのではありません。女性であるがゆえに学ぶことを許されなかった女性たちに高等教育の機会を与えるためにこそ、女子大学が設立され、存続してきたのです。貴学の新しい方針は、このような女子大学の歴史と理念を真っ向から否定するものです。

 一方、貴学ウェブサイト内の「多様な学生(トランスジェンダー女性)受入れガイドライン」(https://www.ndsu.ac.jp/life/support/pdf/transgender.pdf)(以下、ガイドライン)には、「男性が自認を偽って入学するいわゆる『なりすまし』が発覚した場合、学則に基づき退学とします」とあります。しかし、医師の判断によらない主観的な自認にもとづくかぎり、なりすましなのかそうでないのか判断材料は存在しませんし、そもそも、貴学の「多様な学生受け入れ委員会」を含む他者から確認できるものではありません。確認することができないものを根拠に入学や退学を決定するならば、そこに必然的に恣意性が生じますし、それは教育機関としてあるまじきことです。しかし、実際に「なりすまし」であったとしても、ガイドラインには「入学後に、性自認や戸籍がどのように変わっても、そのことを理由に退学になることはありません」とあるのですから、それが適用されれば、問題は何もなかったことになるでしょう。それもまた教育機関としてたいへん不誠実なありかただと言わざるをえません。



2.「トランスジェンダー女性は『多様な女性のうちの一人』です」というメッセージは、現実においては女性の人権を侵害するものであること

 前述したガイドライン、および貴学学長のメッセージにおいて「トランスジェンダー女性は『多様な女性のうちの一人』です」とされています。しかし、「トランスジェンダー女性」であることの根拠は本人の主観と自称しかなく、それをもって「多様な女性のうちの一人」と断定するのは、女性の権利と安全を脅かすものです。

 女性はその身体性が男性とは異なることで、男性に比べて低く見られ、性暴力の対象となり、搾取されてきました。つまり、体格や筋肉・骨格などが男性に比べて相対的に脆弱であること、月経があること、妊娠する可能性のある身体であること、などです。だからこそ、女性を男性による侵害の可能性から保護し、その権利を守るために、女性専用のトイレや浴室、更衣室、女子スポーツなどが存在するのです。しかし、ただ性自認だけで決まる「トランスジェンダー女性」を「多様な女性のうちの一人」とみなすことは、このような男女間の身体差を否定することと同じです。それを押し付けるならば、女性の人権と安全を根本的に侵害することになります。実際、自認に基づく性別変更を安易に認めている国々において以下のような問題が起こっています。

・ 女子スポーツに身体的男性、とくに男性器を保有したままの人たちが女性を名乗って参加し、優勝し、賞金、栄誉、奨学金を得ています(アメリカの大学水泳選手権で優勝したリア・トーマスなど)。

・ 米国などで、性犯罪者を含む男性身体者が女性を名乗るようになった結果、女子刑務所に収監されるようになり、その中で性暴力事件を起こしています。妊娠させられた女性もいます(イギリス、カナダ、カリフォルニアなど)。

・ スパ施設などの女性用エリアに男性器を露出させ半勃起させている人物が入ってくることが可能になっており、施設側は法律の規定によりその人物を追い出すことができません(カリフォルニアのWi Spa事件など)。

 以上の事例は極端なものに思われるかもしれませんが、いずれも自認優先の性別変更がなければ起こりえなかった問題です。



3.女子トイレの使用の可否および『みんなのトイレ』の問題性

 貴学のガイドラインでは、「多くのトイレは女子トイレ/男子トイレにわかれていますが、男女の区別なく使用できる『みんなのトイレ』を……2か所に設置しています。どなたでも自由に利用でき更衣室としても使用できます」とありますが、「トランスジェンダー女性」にこのトイレを使うことを義務づけるものになっていません。ということは、貴学の女子学生には、男性器を具えたトランスジェンダー学生とトイレや更衣室をいっしょにしたくないという選択権は何ら与えられていないことになります。女性にとって男性から自分の無防備な姿を見られるだけでも生涯にわたる心の傷を残す可能性があります。トランスジェンダー学生には最大限の配慮をしながら、どうして女子学生たちの選択権や意向はないがしろにされるのでしょうか? あなた方は「女子大学」を名乗っているというのに!

 他方で、トランスジェンダーの学生にこの「みんなのトイレ」を使うよう促すとすれば、おのずとそのトイレのみを使う学生がトランスジェンダーであることを外部に示してしまうことになり、したがって、「それ自体がトランス差別でありアウティングである」との非難が起こりえます。もしトランス権利運動家からトランスジェンダーの学生に女子トイレを使わせないのは差別だと非難されたら、それに反論できるでしょうか。



4.「アウティングしてはならない」という心理的負担を学生たちに負わせること



 性自認は客観的なものではありません。入学審査はパスしたとしても、日々ともに過ごす女子学生たちの間で、「女性」として受け入れることに抵抗が生じる可能性は十分にあります。そうしたときにも、ガイドラインに従うならば、アウティングは「絶対にしてはいけない」ものとして「ハラスメントとして対処」されるものであるため、疑問に思ってもその感情を学生同士で話し合うことができません。  十代後半から二十代初めは、見聞を広めそれらについて考えをめぐらせ、その後の人生の基盤となる考えや価値観を形成する大切な時期です。その際に重要なことは、真実の追求が妨げられることなく、欺瞞なく、所与のものを疑ったり検討したりする場や雰囲気を持つことであり、大学とはそのような空間であるべきです。しかし、「トランス女性は女性である」と掲げられている大学の中では、自分の感覚や考えがそれに沿わないと入学後に気づいても、逃げ場がありません。それは思想信条の自由が十全に保障されないということであり、青年期の心の発達に対してもマイナスの影響が生じかねません。これもまた、教育機関としてあるまじきことです。



 貴学は来年の2023年度からトランスジェンダー学生の受け入れを開始するとの方針を公表しています。他の女子大学では、在学生の抵抗感を考慮して、在学生が卒業してからのトランスジェンダー学生の入学を決めた女子大学もあります。しかし、貴学はそのような配慮すらせず、2022年5月にガイドラインを発表し、6月1日に学長メッセージで全学生に伝えました。安心で安全な女子大学に入ったつもりなのに、何の相談も受けることなく、いきなり来年度から、男性器を有した学生といっしょに大学生活を送らなければならなくなった女子学生の気持ちを考えたことがあるでしょうか?

 貴学の教育理念の一つは、「時のしるしをよみとりながらも、時代の流れにおしながされることなく、人々が真に求めるものにまなざしを向け、人びとに奉仕する大学である」となっています。しかし、貴学の新しい方針のもととなるトランスジェンダリズム(性自認至上主義)は、「人びとに奉仕する」思想ではありません。それは女性を迫害し、女性の人権を抑圧する思想と運動です。どうか、人権擁護や多様性という美名に「おしながされることなく」、実際に世界中で何が起きているのかをよく調べ、貴学の方針をどうか再検討してください。貴学の女子学生たちの人権と尊厳を守ってください。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/06/24/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%A0%E6%B8%85%E5%BF%83%E5%A5%B3%E5%AD%90%E5%A4%A7%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC/

ノートルダム清心女子大の「トランスジェンダー学生」受け入れに抗議します2022年6月24日
日本の動き
トランスジェンダー, 女子大, 性自認




12月7日、新聞各社は、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下、特例法)の手術要件が違憲であるかどうかの判断が、最高裁判所の小法廷から大法廷に回付されることになったと報じました。

https://mainichi.jp/articles/20221207/k00/00m/040/170000c

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221207-OYT1T50184/

https://www.asahi.com/articles/ASQD76CVMQD7UTIL017.html





 もし特例法の「手術要件」が憲法違反と判断されれば、深刻な問題が生じます。新聞報道では十分に語られていなかったこれらの点について、当会は女性の立場から声明を出し、広く社会に訴えるとともに、最高裁判事のみなさまに国民の声として届けることにいたしました。

1.違憲判決が出れば、同法を本来の主旨に沿わない法律へと作り替えることになる

 2003年に特例法が成立した際の参議院本会議での提案においては、「生物学的な性と性の自己意識が一致しない疾患」と説明されていました。また、「おおよそ男性三万人に一人、女性十万人に一人の割合で存在するとも言われております」と、稀な疾患であることも強調されていました。

 あくまでも特別な疾患の人たちが特別な条件に合致してこそ、法的な性別変更は認められる、という法律でした。性器や生殖腺が生物学的な性別のままであることが耐えがたいという疾患であり、なおかつ、それに対処するために性別適合手術を受け、裁判所において法的性別の変更が認められた人のみが、この法律の対象者でした。

 同法第2条の性同一性障害者の定義には、「自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者」とあります。この意思を性別適合手術というかたちで示してこそ、一般社会はこれらの人たちの法的な性別取り扱いの変更を受け入れてきました。つまり、性別適合手術を受けることを望まない人や、手術を受けられないことに折り合いをつけていける人は、そもそも同法の対象者ではありません。手術要件などを違憲として削除すれば、同法はもともとの主旨から大きく踏み外したものになります。

2.性別の定義を変えることになり、女性を脅威にさらす

 生まれ持った性器・生殖腺はそのままに、法的社会的な性別の取り扱いだけ変更を受けたいというのであれば、それは性別の定義そのものを変えることになります。

 性別とは身体の型のことです。臓器、筋肉量、骨格、性ホルモンの分泌、妊孕性、妊娠させる機能、それらによって分けられる身体の型によって、一方を女性、一方を男性と呼びます。性別は2つしかなく、性分化疾患の方も男性か女性かのどちらかです。性別とは「生物学的性別」のことを指し、現在の日本の法律も制度も社会的ルールもそれに則って作られており、特例法自体も、性別とは生物学的性別であることを踏まえたものになっています。

 特例法の手術要件が大法廷で違憲とされれば、それにもとづいて法律の変更が求められ、特例法から手術要件がなくなります。これは性別の定義を、身体の型の違いから、もっぱら性自認、つまり一個人が自分自身の性別をどう認識するのかという、主観的なものに委ねることになります。そうなれば、「ペニスのある女性」が法的に可能になり、女性の身体が無防備になる場所でも、そうした人々が利用することが可能になります。本来そこを使う権利があった女性たちが、「ここにペニスのある人間がいるべきではない」と言ったとしても、法律の力によって完全に無効化されることになります。

 実際に、手術要件なしに性自認をもって法的性別を変えることが可能になっている諸外国においては、すでにさまざまな事件が起きています。たとえば、スパの女性用エリアに勃起したペニスを持つ人が入っていても、その人を追い出すことが法的にはできなくなりました。女性のみが使えるプールを利用していたイスラム教徒の女性は、そのプールにペニスを持つ人が女性だと名乗って入るようになり、利用を避けざるをえなくなりました。このような例はたくさんあります。

 現代の日本社会において、性別でエリアを分けているのは、主に性的に侵害されやすい女性と少女の安全と人権を守るためです。このルールが無効化されたなら、たとえ何らかの加害行為がなくても、人として当然の羞恥心を傷つけられ、尊厳が損なわれますし、場合によってはより直接的な被害を受けやすくなるでしょう。人口の半分を占める女性たちの人権と安全が深刻な脅威にさらされることになるのです。

 3.手術要件の撤廃は日本国憲法の第13条と第14条に反する

 記事によると、最高裁大法廷では、特例法の手術要件が憲法第13条に照らして違憲ではないかを審査するとのことです。憲法13条は、公共の福祉に反しないかぎり個人の自由権、幸福追求権を保障するものですが、特例法の手術要件を撤廃して、ペニスのある法的女性が発生するなら、その人たちが女性専用スペースに入ることで女性の側に生じる甚大な被害は、十分に公共の福祉に反するものです。また、すでに述べたように、国の法律も制度も社会的ルールもすべて生物学的性別を前提にして構築されており、性別の基本を性自認にもとづかせることは、このような社会的秩序を根底から毀損することになるでしょう。

 また、法の下の平等を定めた憲法第14条にも照らして審査するとのことですが、手術要件が撤廃されれば、女性が平等に社会に参加するために不可欠な女性の安全と人権が脅かされることになるわけですから、これは性別による差別を禁じたこの14条に真っ向から反することになります。

 特例法の手術要件は、女性の安全と人権を守るために絶対に必要なものです。性別の境界は、なし崩しにされてはなりません。私たちは、手術要件の撤廃に断固反対し、国民のみなさまにこの問題の重大さを広く訴えるとともに、女性と少女の人権と安全を守ってくださるよう、切に最高裁の判事のみなさまに呼びかけるものです。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/12/19/%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E5%A4%A7%E6%B3%95%E5%BB%B7%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%9F%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%81%AE%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%95%E3%81%BE/
最高裁大法廷での審査にあたって国民のみなさまと最高裁判事の方に訴えます。性同一性障害特例法の改悪は女性の人権と安全を脅かします2022年12月19日
日本の動き
合憲, 性自認, 手術要件, 最高裁大法廷, 特例法, 違憲





社会民主党 党首 福島みずほ様

日本共産党委員長 志位和夫様

立憲民主党代表 泉健太様

れいわ新選組代表 山本太郎様

緑の党グリーンズジャパン共同代表 中山均様、松本なみほ様、尾形慶子様、橋本久雄様

新社会党中央本部委員長 岡﨑宏美様

国民民主党代表 玉木雄一郎様

新宿区議会議員 高月まな様

愛媛県松山市議会議員 わたなべひろゆき様

北海道議会議員 渕上綾子様

 みなさまの日頃の奮闘に敬意を表します。言うまでもなく、トランスジェンダーであることを理由とした進学・就職・昇進・昇給・住居などのさまざまな社会的差別はあってはならないことであり、そうした差別の撤廃を求めることは当然であると私たちは考えています。

 さて、今年の11月12日に新宿で「東京トランスマーチ2022」が取り組まれ、1000人近い当事者とアライが参加したと報道されています。上に列挙した政党と議員のみなさまは、この東京トランスマーチに賛同と連帯の挨拶を送っており、東京トランスマーチのサイトに掲載されています。

 このトランスマーチにおいて2つの大きな問題が生じました。

 一つは、このマーチの賛同団体の一つでもあり、このマーチの開催に中心的役割を果たしたフリーター全般労働組合(以下、フリーター全般労組と略記)のTwitter公式アカウントが、「ターフや反売買春フェミを踏みしだいてこれからも我々は生きていく」と投稿したことです。言うまでもなく、日本では売春防止法によって売買春は法律で禁止されており、国際的に見ても、1949年に国連総会で採択された人身売買禁止条約は、その第1条で「売春を目的として他の者を、その者の同意があった場合においても、勧誘、誘引すること」と「本人の同意があっても、その売春から搾取すること」を禁じており、第2条は売春店の経営を禁じています。国内的にも国際的にも売買春は禁止されているのです。また法律とは別に売買春が(主として)女性の性と身体を搾取する行為であるのは明らかであり、それに反対することはフェミニストだけでなく、良識あるあらゆる人にとって当然のことです。にもかかわらず、トランスマーチの賛同団体であるフリーター全般労組の公式Twitterアカウントは、売買春に反対する「フェミ」(フェミニストの意味)を「踏みしだく」と宣言しているのです。「踏みしだく」とは辞書によると、「踏みにじる、踏み荒らす、足で強く踏んでいためつける」という意味です。売買春に反対するフェミニストを「踏みにじる」「踏み荒らす」「いためつける」と宣言しているわけです。これは女性に対する暴力あるいは暴力的な脅迫を公然と表明するものであり、絶対に許されるべきものではありません。

 また、このツイートは「ターフ」をも「踏みしだく」と宣言しています、この「ターフ」とは、後でも見るように、「Trans Exclusionary Radical Feminist(トランス排除的ラディカル・フェミニスト)」の頭文字をとって「TERF」(ターフ)と呼んだものであり、トランスジェンダリズムないし性自認至上主義に同意しないフェミニストに対する蔑称として用いられています。この問題については、次の第2の問題とも共通するので、以下にまとめて論じます。

 第2に、トランスマーチの参加者の一人が「Fuck the TERF」というプラカードを掲げて行進していたことが、他の参加者による複数の写真で確認できます。これは一参加者のプラカードですが、トランスマーチの主催者自身がこのプラカードについて正式に見解を出し、「全く問題ありません」と断言しています。したがって、「Fuck the TERF」というスローガンはトランスマーチ全体として「全く問題ない」ものとみなされたということです。

 このスローガンには2つの重大な問題があります。まず、「TERF」という蔑称で呼ばれた女性やフェミニストを名指しして「Fuck(犯す、レイプする)」と表現していることです。もちろん、罵倒語としての「fuck」にはさまざまな意味がありますが、特定の人を目的語として「Fuck ~」と言った場合には、当然にも、その相手に対する性的威嚇、性暴力の脅しといった意味を持つのは絶対に避けがたいものです。そして、今回、その対象とされているのは、日々、性暴力の脅威にさらされている女性という集団なのです。トランスマーチという、本来は多様性と人権を尊重する平和的デモ行進において、そのようなプラカードが堂々と掲げられ、それが主催者からたしなめられるどころか、「全く問題ありません」とされるのは、まさに異常であると言わざるをえません。

 次に、「TERF」という表現が持つ問題です。すでに述べたように、「TERF」というのは、「Trans Exclusionary Radical Feminist」の頭文字を組み合わせたものですが、この「TERF」という用語は世界の一部のトランス権利活動家たちやそのアライの人々によって、このレッテルを貼られた女性たちに対するあらゆる暴力、脅迫、レイプ、拷問、非人間化、虐殺、等々を表現するのに常に用いられているものです。「Kill TERFs」「Punch TERFs」、「ターフは人にあらず」、そして「Fuck TERFs」等々、です(今回のプラカードでは「Fuck the TERF」という文法的に奇妙な表現になっていましたが、それは大きな問題ではありません)。このような文脈で、そして女性を暴力的に脅しつけ、レイプや虐殺を示唆して沈黙させ、排除し、従わせるという目的のために頻繁に用いられているのが、この「TERF」という用語なのです。

 しかし、このレッテルを貼られる女性たちは、一部の偏った人たちではありませんし、問題のある女性たちでもありません。女性が性被害に遭う危険性を高めたくないと考える、ごく普通の女性たちです。しかし、そのために女性専用のトイレや浴室、更衣室、シェルターなどを維持したいと主張をすることが、「TERF」であり差別者であるとされ、非難の対象にされているのです。

 このトランスマーチが行なわれた日は同時に、内閣府が定めた「女性に対する暴力をなくす運動」(11月12日から25日まで)の開始日でもありました。そうした時期に、「ともにあるためのフェミニズム」などのプラカードも掲げて行進されたトランスマーチにおいて、自分たちと意見の異なるフェミニストや女性に対して性暴力的な威嚇を意味するプラカードを掲げ、それを主催者が全面的に擁護するとは、驚きです。

 以上の点を踏まえて、以下に、この東京トランスマーチ2022に賛同と連帯のあいさつを寄せたすべての政党と議員のみなさんに、以下の公開質問をしますので、12月10日までにemailにて当会no.self.id.jp@gmail.com にご回答くださるようお願い申し上げます。



1.貴党ないしあなたは、今回の東京トランスマーチ2022においては、賛同団体の一つがTwitterの公式アカウントで「ターフや反売買春フェミを踏みしだいて」とツイートしたことはご存じでしたか。

2.ご存じだとしたら、あるいは、今回の公開状により知ったとしたら、それはトランスマーチにふさわしいものであるとお考えでしょうか、それとも、それはトランスマーチにふさわしくない暴力的なものであるというお考えでしょうか。その具体的な理由を添えて、お答えください。

3.貴党ないしあなたは、売買春に賛成でしょうか、それとも反対でしょうか。その具体的な理由を添えて、お答えください。

4.もし売買春に賛成ならば、売春防止法および人身売買禁止条約に反する立場を表明することになりますが、それでも問題ないというお考えでしょうか。またもし売買春に反対ならば、貴党ないしあなたも「反売買春フェミ」の範疇に入ることになるので、トランスマーチの賛同団体によって「踏みしだかれる」対象となりますが、その点についてどのようにお考えかお教えください。

5.貴党ないしあなたは、「Fuck the TERF」というプラカードが今回の東京トランスマーチ2022において掲げられ、主催者が「全く問題ありません」と擁護した事実について、ご存じでしたか。

6.ご存じだとしたら、あるいは、今回の公開状により知ったとしたら、それはトランスマーチにふさわしいものとお考えでしょうか、それともふさわしくないとお考えでしょうか。具体的な理由を添えて、お答えください。

7.以上の問題について、これらのツイートやプラカードがトランスマーチにふさわしくないと判断されている場合、この問題に関して主催者に抗議する予定はありますか。予定がない場合、その理由は何ですか。

8.東京トランスマーチは来年も開催されると思われますが、貴党ないしあなたは、来年も賛同と連帯のあいさつを送る予定ですか。予定がある場合もない場合も、具体的な理由を添えてお答えください。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/11/15/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%812022%E3%81%AB%E8%B3%9B%E5%90%8C%E3%81%A8%E9%80%A3%E5%B8%AF%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8/
東京トランスマーチ2022に賛同と連帯のメッセージを送った政党・個人への公開質問状2022年11月15日
日本の動き
トランスジェンダー, 公開質問状, 東京トランスマーチ




法律上の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで今まで未成年者であった18歳、19歳に認められていた保護者による無条件取消権がなくなってしまいました。そこで、新たな被害者救済法(以下、AV新法と略記)を成立させようと、多くの議員、当事者および支援団体のみなさまが、日夜、大変な奮闘をされています。私たちはまずもって、このことに心からの敬意を表し、感謝を申し上げます。しかし、AV出演被害者の救済のためには、当面する問題だけに捉われるのではなく、真の救済法案となるべく時間をかけて議論を深めることが必要であると私たちは考えます。被害当事者や支援者のみなさまの納得の得られない拙速な法案の成立は避けられますよう切にお願いいたします。

 私たち、「No!セルフID 女性の人権と安全を求める会」は、すべての女性の人権と安全を守るためには、アダルトビデオの実態を踏まえたAV新法の見直しが必要だと考えています。日本国憲法の第25条は「①すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とあります。これまで、AVに出演した多くの女性たちは生きていくために、実際の性交をさせられたり性的姿態をビデオに撮られて、世間に流布されるという「仕事」をさせられてきました。これ自体が女性の尊厳を傷つけるものであるだけでなく、その後の生活に大変な困難を強い、広く女性の人権と安全を深刻に脅かすものであって、健康で文化的な生活を営む権利を侵害するものであると私たちは考えます。したがって、実際の性交や異物の挿入などを伴う撮影の禁止を法案に明記することが必要不可欠です。

 アダルトビデオが今まで放置されてきたことで、さまざまな問題が山積みになっていますが、ひとつひとつ、力を合わせて取り組んでいけば、必ず解決への道は開けます。今回のAV新法は、18、19歳の人権を守るだけではなく、すべての年齢の女性の尊厳と人権を守るためのものであると言われています。私たちは、同法案が本当にそのようなものになることを心から願い、そのために日夜奮闘しておられる当事者、支援者、議員のみなさまに心からの敬意を表します。このAV新法が性交契約の合法化に踏み出した法案だったと言われないためにも、議論に時間をかけ、実際の性交や異物の挿入などを伴う撮影の禁止を法案に明記されますよう、重ねてお願い申し上げます。以上をもって、私たちのささやかな声明とさせていただきます。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/05/22/av%E5%87%BA%E6%BC%94%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E9%98%B2%E6%AD%A2%E3%83%BB%E6%95%91%E6%B8%88%E6%B3%95%E6%A1%88%E3%81%AE%E6%8B%99%E9%80%9F%E3%81%AA%E6%88%90%E7%AB%8B%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%BE/

AV出演被害防止・救済法案の拙速な成立に反対します2022年5月22日
日本の動き
AV新法, 性交契約







READYFOR株式会社 代表取締役 CEO 米良はるか様

READYFOR株式会社 代表取締役 COO 樋浦直樹様



 私たちは「NO! セルフID 女性の人権と安全を守る会」という市民団体です。私たちは、女性と子どもの人権と安全、そして表現の自由と民主主義を守る立場から、クラウドファンディング企業READYFOR株式会社に対して、以下の抗議を行ないます。

 貴社は、そのサイトにおいて「国内最大手」であることを強調し、「誰かのために立ち上がる人を応援するソーシャルNo.1クラウドファンディング」と謳っています。このような大手クラウドファンディング会社である貴社は、まさに「女性のために立ち上がる」プロジェクトである「電子書籍『#TERFと呼ばれる私達』を出版したい!」を中止に追い込みました。貴社は、同プロジェクトを事前審査でパスさせておきながら、そして、そのクラウドファンディングで目標額をはるかに上回る支援金が募集開始から1日足らずで集まったにもかかわらず(8月13日閲覧時点で、目標額21万円に対して64万9000円が集まっている)、つまりプロジェクトとして十分に成功を収めたにもかかわらず、トランス差別反対を唱える人々からの抗議を受けて、このプロジェクトの根幹にかかわる内容および文言の変更をプロジェクト提起者に迫りました。その結果、プロジェクト提起者は、抗議者たちからの攻撃がREADYFORの事務局員にまで及ぶことを心配し、プロジェクトを自ら撤回することを余儀なくされました。形式的にはプロジェクトの撤回ですが、実質的には、外部からの圧力とそれへの貴社の迎合によってプロジェクトそのものが中止に追い込まれたということです。

 以上の過程と結果には、いくつかの点で重大な問題があると思われます。

 第1に、事前審査で承認しておきながら、外部からの圧力に屈して、プロジェクトの根幹を揺るがすような改変をプロジェクト提起者に迫ったことです。これはもちろん、このクラウドファンディング企業に対する市民の信頼を大きく損ねるものですが、単に、一企業と消費者との関係にとどまらない問題をはらんでいます。クラウドファンディングとは基本的に、大手の企業や公的機関からは対象外とされるような小規模で将来性の未知なプロジェクトに対して、一般市民から資金を募って事業として出発させようとする試みです。クラウドファンディング企業はその試みを仲介し、手数料を取ることで成り立っています。ところが、そのクラウドファンディング企業による事前審査を通っているにもかかわらず、つまり、同企業による倫理規定を含むさまざまなハードルをクリアしているにもかかわらず、外部からの一方的な圧力に屈することは、市民のそうした草の根の試みを阻害し、クラウドファンディング企業としての根本理念を否定するものです。このようなことがまかり通れば、クラウドファンディング企業に圧力をかけることのできるあらゆる外部勢力の好むプロジェクトしかクラウドファンディングの仕組みを利用できなくなるでしょう。これはクラウドファンディングという仕組みが目指していたはずの「多様性」そのものを自ら否定することに他なりません。

 第2に、「性自認に沿ったスペースの利用の否定」を「差別的な表現」と断じていることです。READYFOR事務局が今回の件で同プロジェクトへの支援者に宛てて送ったメールには、「プロジェクトページにおいて、トランスジェンダーの方々の性自認への配慮を欠くなどの差別的な表現であるなど当社として不適切と考える表現が複数存在した」として、「プロジェクトページの全文を削除する」措置を取ったと述べています。では何が「差別的な表現」なのでしょうか? 事務局のメールは、その一例として、「女性用・男性用と分かれている施設・スペースについて、性自認に沿ったスペースの利用を否定する……ことは、その方の性自認を尊重しない姿勢として評価されると考えます」としています。つまり、男女別の施設で「性自認に沿ったスペースの利用を否定する」ことが容認できない差別だというわけです。しかし、男女で分かれている施設(公衆トイレ、公衆浴場、更衣室、刑務所など)において、「性自認に沿ったスペースの利用」(つまり、身体が男性のままでも性自認が「女性」なら女性用のトイレ・公衆浴場・更衣室等を利用すること)を認めている法律は、今のところ日本には存在しません。にもかかわらず、「性自認に沿ったスペースの利用を否定する」ことが、総じて差別であり、クラウドファンディングに値しないというのは、まったく法的根拠のない恣意的な基準を一方的に押しつけるものであると言わざるをえません。

 第3に、性別で区切られたスペースそのものの必要性を否定していることです。READYFOR事務局は同じメールの中で、「防犯・治安維持の観点」や「シスジェンダーの女性が抱く恐怖心への配慮も重要」と言いながら(「シスジェンダー」という表現そのものが侮辱的ですが)、その対案として「そもそも女性用・男性用の区別をなくす」ことを提案しています。これは、トイレの男女区別をなくしてすべて個室トイレにすることを念頭に置いていると思われます。しかし、女性用スペースはトイレだけではありませんし(それとも公衆浴場や刑務所もすべて男女の区別をなくして個室にせよということでしょうか)、そもそも、個室トイレでは女性の安全は守られません。直接に排泄する場だけでなく、それらの個室を含む全体としての女性専用の空間が確保されなければ、女性の安全は守られないし、安心して社会生活を送ることもできなくなります。

 第4に、「性自認が女性であるだけで女性」という極端な思想をもとに当該プロジェクトの意義を否定したことです。事務局はメールの中で、プロジェクトページにあった「女性の安全」や「女性の人権」、「女性に関することは女性の声を聞いてほしい」などの表現に対して、「性自認が女性であるだけでは『女性』ではないという前提に立っており、性自認の尊重に欠く差別的な表現と考えます」と書いています。まったく驚くべき非難です。まずもってREADYFORのサイトに記載されている他のプロジェクトでも「女性」という言葉は頻繁に使われており、その中に「性自認が女性であるだけ」の人が含まれているかどうかは不明です。女性の健康や妊娠出産、生理についてのプロジェクトも多数存在しますが、それらにおける「女性」という言葉が示すのは、明らかに、女性として生まれた女性のことです。今回の件でREADYFOR事務局が主張している「性自認が女性であるだけで女性である」という思想は、きわめて偏ったごく一部の人々だけが信奉しているものです。にもかかわらず、あたかもそれが公理であるかのように扱って、「女性の安全」「女性の人権」と書いてあるだけでそれを「差別」とみなすのは、異様であると言わざるをえません。これは特定の思想信条にもとづいて、それとは異なる思想信条を排除し抑圧するものです。そして何よりそれは、「女性の安全と人権」それ自体を差別とみなすものであって、最も直接的であからさまな女性差別であると言わざるをえません。

 以上、見たように、貴社が、「電子書籍『#TERFと呼ばれる私達』を出版したい!」というプロジェクトを中止に追い込んだことは、市民の正当な権利と多様性を否定し、思想信条の自由を侵害し、女性の安全と人権を深刻に脅かすものです。私たちはそのことに厳重に抗議するとともに、READYFOR運営者に対して、今回のプロジェクトに対する「トランス差別」という不当な非難を撤回し、プロジェクトを中止に追い込んだことに関してプロジェクト提起者とその支援者全員に真摯な謝罪をするよう強く求めます。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/08/12/%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%A8%A9%E3%81%A8%E5%AE%89%E5%85%A8%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3/

女性の人権と安全のためのクラウドファンディングを中止に追い込んだREADYFORへの抗議声明



法務大臣 古川 禎久 様

 男女別の区分が設けられている公衆トイレ、公的施設内のトイレ、および企業等の施設内のトイレの利用に関して、昨今、従来とは異なる見解が見受けられるようになりました。関連する刑法第一三〇条および軽犯罪法第一条二十三の形骸化のおそれと、それに伴い性的被害を受けやすい性別である女性・女児の安全が損なわれるおそれが増大しています。

 つきましては、法秩序の維持と国民の権利擁護のために、法務省から、「浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」の利用について、女性の安全を重視する見解を出してくださいますようお願い申し上げます。

 添付の資料1(※NHK )と資料2(※産経新聞 )は、同じ出来事についての別媒体からの報道です。法的な男性が法的な女性の専用区分である「浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」に侵入した事件であり、従来であれば即刻、刑法及び軽犯罪法違反として取り締まられていた事例が、そのように扱うことを警察が躊躇するようになっています。

 昨今新しく主張されている見解は、法的な男性が法的な女性の専用区分である「浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」に立ち入った場合も「正当な理由」があれば問題ないというこの「正当な理由」のうちに、施設側の清掃や修理保全等の理由のみならず、各人の性自認を含めるとするものです。

 しかしながら、性自認についての法的な定義はありません。他者からは判断できない心の中のことです。しかも、当該事件の人物のように、平素は男性として働き週末に女性の装いをして商業施設内の女性専用トイレを使用している場合も、法的な性別の如何にかかわらず心の中の性別を考慮されるべきということになると、性自認が女性であると主張する男性が女性専用の区分に入ることが容易になり、窃視・盗撮・盗聴、ひいては直接の身体的加害に及ぶおそれが増大します。このような社会では、女性が安心して外出したり働いたりすることも困難になり、文化国家としての基盤も揺らぎます。

 国民生活の安定と法秩序の維持のために、トイレや浴場、更衣室などの使用は法的性別にもとづくという原則を改めて確認し、法務省の見解として周知してくださいますよう、心よりお願い申し上げます。

https://no-self-id.jp/wrws/2021/12/18/%E6%84%8F%E8%A6%8B%E6%9B%B8-%E3%80%80%E7%94%B7%E5%A5%B3%E5%88%A5%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%8B%99%E7%9C%81%E3%81%AE%E8%A6%8B/
意見書  男女別トイレの利用に関する法務省の見解の必要性について2021年12月18日
日本の動き, 活動報告
女性用トイレ, 男女共用トイレ



東京大学総長 藤井 輝夫 様

東京大学教養学部長 森山 工 様



 貴学の運営にあたられる日ごろのご努力に敬意を表します。私たちは「No!セルフID 女性の人権と安全を求める会」という市民団体です。

 本年8月18日の「東京大学フェミニズム研究会」のツイッター上での発信により、貴学では、教養学部が新築する講義棟に「ジェンダー化されていない『だれでもトイレ』」の設置を確約したことが明らかになりました。私たちは、この「だれでもトイレの」設置それ自体に異議をさしはさむものではありません。しかしながら、貴学がもし、この研究会がウェブサイト上の「追記」で提起している提案に応じて「ジェンダー化されたトイレ」、つまり男女別トイレを「オールジェンダートイレ」に置き換えることまでも企図するのであれば、そこには以下に示す重大な問題があることをお伝えします。

1.「ジェンダー化されたトイレ」という表現は、生物学的性別とそれにもとづく女性差別を軽視する表現です

 そもそも、「ジェンダー化されたトイレ」「ジェンダー化されていないトイレ」という用語法は、生物学的性別を軽視した表現です。性別で区切られているトイレなどの空間は、gender(社会的に構築された性別)ではなくsex(生物学的性別)にもとづいて分けられています。性自認、ふるまい、衣服、装飾、髪型は、この区別に代わるものではありません。日本国の法律においても、「性別」とは基本的に生物学的性別をさしています。

 社会のさまざまな領域において、女性が男性に対して従属的な地位に置かれているのは、男女の生物学的な違いにもとづいています。平均的に女性の体格は男性よりも小さく、筋力や骨格も弱くできており、また女性の身体構造上、月経と妊娠の可能性があります。男女格差の克服とは、本来は、「身体の性別上の特徴が違うからといって、女性が社会的な不利を被ったり、従属的な立場に置かれてはならない」という意味だったはずであり、そしてこの課題の克服はいまだまったく不十分です。性的マイノリティの権利保護は、このような女性差別の存在を十分踏まえたうえで目指されるべき課題です。身体が女性だからこそ被っている差別や不平等の問題を解決するという努力が、投げ捨てられてはならないのです。

2.女性専用トイレは女性の権利と尊厳の要です

 政治の場や公衆の場、男性の多い職場などに女性が進出していくときに、「女性専用のトイレ」があるかどうかというのは大きな問題でした。公衆の場や職場において女性が、男性からの性的侮辱を受けたり羞恥心を感じることなく尊厳をもってトイレを利用するには、女性専用トイレが不可欠でした。このことは、多くの女性たちが書き残しています。

 学業の場である大学も同じです。「3.」で述べる性犯罪の危険性を別にしても、無防備に排泄する場である個室からドア一枚隔てたところに異性がいるというのは、十分に恐怖と羞恥心を掻き立てるものです。いまだ男性が圧倒的多数を占める東京大学において、女性専用トイレがない、あるいは少ないことによって、女子学生が不安や羞恥心によって神経をすり減らことになれば、教育機関として女性の権利と尊厳を踏みにじるものと言わざるをえません。このことが遠因となって退学する女子学生があらわれるとしたら、たとえそれが少数であったとしても深刻な事態です。

 また、「トイレの男女共用を受け入れる学生のみ入学すればよい」というのであれば、それは、女子学生に一方的に我慢を強い、その尊厳と権利を奪う性差別的条件を課すものです。国立大学たるものがこのようなことを行なうことは断じて許されるものではありません。

3.女子学生が性犯罪の被害者になるおそれが高まります

 男女別に分けられているトイレがなくなるか、今より少なくなるならば、男性による覗き、盗撮、盗聴、使用済み生理用品の窃盗などのさまざまな性被害を受ける可能性を高めることになるでしょう。盗撮の恐れが増大することは特に懸念すべきことです。現在、きわめて高性能の盗撮用機器が公然と売買されています。男女別トイレの代わりに「だれでもトイレ」が設置されるようになれば、それらの機器をトイレ個室内に設置することがより容易になります。

「本学学生に限ってそのような犯罪行為をしない」と言うのであれば、そのような根拠なき発言がもたらすリスクを負わされるのは女子学生です。他の犯罪と同様、性犯罪も、それが起きにくい環境を整えることでその多くを防止することができます。その当然の努力を大学の運営者が怠るならば、女子学生たちはそれによって、男子学生よりも大きな負担、不安、リスクを押しつけられることになります。

 性犯罪被害によって身の安全と尊厳が奪われたら、その女子学生にとって、大学は二度と以前とは同じ場所になりません。そのようなことを可能にする環境をわざわざ整えた、つまりは女性の安全を危険にさらしてよいと考えた大学そのものへの信頼が失われるのです。女子学生を守るという強い意志がない大学に、はたして女子学生の安全を委ねてよいものでしょうか。

4.他大学の例は参考になりません

 国際基督教大学でも一部のトイレが男女共用になっている、という記事が、東京大学フェミニズム研究会でも参考例として紹介されています。まずもって、国際基督教大学にあっても少なからぬ学生が不安を感じています(紹介されている記事ではアンケート回答者の15%)。とはいえ、国際基督教大学は男子学生約1000人に対して女子学生が約2000人です。性加害者の不審な行動に気づく女性のアンテナは、ずっと多いということです。翻って、東京大学は、女子学生は2割程度しかいません。女性がマイノリティである貴学において、条件が全く違うということは念頭に置くべきです。

 女性が使うことをためらうトイレは、安全の面でも衛生の面でも、ほどなく女性が使えないトイレになります。そのようなトイレばかりになれば、女性は自宅から出られなくなります。女性が使えるトイレがなければ女児や女性が学業や仕事の場にいられなくなる社会問題は諸外国でも共通しており、urinary leashという言葉で説明がなされています。イギリスは、少し前まで男女共用トイレを国の方針として進めていました。しかし、学校では子どもたちがトイレを階で男女別に分けるなどして用いるようになったことも報告されています。女子学生がトイレに行けなくなったせいで不登校になったり、健康被害のおそれが増大したという報道も出ています。現在イギリスでは、新設の公共の建物に男女別トイレを義務付ける計画などが出ており、生物学的性別でトイレを分ける方向にむかっています。

 貴学がダイバーシティ&インクルージョンを唱えるのであれば、このような世界の動向にも注目し、女性の人権と安全を常に考慮していくべきです。女性専用トイレは、まさに女性の人権と安全に関わる重大な施設です。必要なことは、現在でも少ない女性トイレを減らしたり、ましてやなくすことではなく、それを大幅に増やすことです。その上で、「オールジェンダートイレ」を別途設置することで、すべての学生たちの人権と安全が守られることでしょう。

 貴学は日本をリードする研究教育機関であり、日本社会全体に大きな影響力を持つ大学です。また、貴学が国から受け取る運営費交付金は年間約800億円であり、その元は国民の税金です。したがって、貴大学の学内方針に関わることではありますが、女性の権利と安全を重視する立場から、また納税者としても、以上、意見を述べさせていただきました。なにとぞ慎重に検討くださいますよう、重ねてお願い申し上げます。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/08/27/%E6%84%8F%E8%A6%8B%E6%9B%B8%EF%BC%9A%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%8B%E3%82%89%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%B0%82%E7%94%A8%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%92%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%95%E3%81%AA/
意見書:東京大学から女性専用トイレをなくさないでください2022年8月27日
日本の動き
ジェンダー化, 女性用トイレ, 意見書








大阪地方検察庁 御中

 各種報道によりますと、大阪市内にある商業施設の女性用トイレに正当な理由なく入ったとして、大阪府警は1月6日、建造物侵入の疑いで、戸籍上の性別は男性だが、性自認は女性だとする大阪府の40代の利用客を書類送検し、その際、検察に刑事処分の判断を委ねる「相当処分」の意見を付けたとのことです。

 同じく報道によると、この利用客は、「戸籍上は男性なので駄目だと分かっていたが、女性と認められている気がして女性用トイレに入った」と話しているとのことです。容疑は昨年5月末、大阪市内の商業施設の女性用トイレに正当な理由なく侵入したというものでした。同じフロアに男女問わず利用できる多目的トイレがあったにも関わらず、わざわざ女性用トイレに入っています。職場では普段、男性として働き、休日は女性の服を着て外出していたとのことです。また、性同一性障害であることを示す診断書も取得していなかったとも報じられています。つまり、事実に即して判断するならば、この人物は、本人の主張や内心がどうあれ、休日に趣味として女装をする男性ということになります。

 私たちは、法の正義を実現する機関としての貴庁に対し、法に忠実に、この侵入犯を必ずや起訴してくださいますよう訴えます。世論あるいは検察庁内においても、女性用トイレに入るくらいのことは大目に見てもよいという意見があるかもしれませんが、そのような意見は根本的に間違っています。職場であれ、電車内であれ、路上であれ、そして家庭内でさえ、女性に対する性暴力は頻発しています。この社会に女性がある程度安心して過ごせる空間は、女性用トイレや女性用シェルター、女性用のバスルーム等の女性専用施設だけです。そのような場所に、自分が女性として認められたいという承認欲求を満たす目的の男性が侵入することを許せば、女性にとっての安全地帯が危険にさらされます。それは女性の生存権を脅かします。

 もし貴庁がこの人物を不起訴処分とするならば、女性用トイレへの侵入が露見して警察に通報されても、結局は犯罪として裁かれることはないという誤ったメッセージを社会に発することになります。それは同種の行為を企図する男性たちをそそのかし、また、被害者である女性たちが通報をためらうことにつながるでしょう。さらに、単に女性用トイレを使うだけではなく、女性用トイレに盗撮器を仕掛けたり、使用済みの生理用品を漁ったり、用を足している女性を覗いたりする犯罪をもくろむ男性たちの行為をもより容易にするでしょう。

 したがって、この侵入犯を不起訴にすることは、社会の安全弁を破壊し、女性に対するさまざまな性犯罪に許可を与えることと同じです。そのようなことを許してはなりません。どうか、法の規定に照らして、この人物を正当に起訴してください。

https://no-self-id.jp/wrws/2022/01/11/%E5%A5%B3%E6%80%A7%E7%94%A8%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%81%B8%E3%81%AE%E4%BE%B5%E5%85%A5%E7%8A%AF%E3%82%92%E6%B3%95%E3%81%AB%E7%85%A7%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%A6%E8%B5%B7%E8%A8%B4%E3%81%97%E3%81%A6/
女性用トイレへの侵入犯を法に照らして起訴してください2022年1月11日
日本の動き, 活動報告
不起訴処分, 大阪, 女性用トイレ




【この議事録から見えてくること】

❶「原則は維持」して例外を認めるこの改正案を、厚労省はこのまま実現化を図る考えである

❷その「例外」にあたる事業所が日本全国の事業所の大多数と言ってよい数を占めることに言及がない

❸パブリックコメントを寄せた人々はたんに誤解をしている、通達で周知すれば済む問題である、と厚労省は考えている

私たちは、女性専用スペースの縮小に繋がる全ての規定に反対します。厚生労働大臣および厚生労働省に申入書を送りました。

https://no-self-id.jp/wrws/2021/09/05/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81%E3%81%8C%E8%81%B7%E5%A0%B4%E3%81%AE%E5%A5%B3%E6%80%A7%E7%94%A8%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC/
厚生労働省が職場の女性用トイレについてのルールを変更しようとしています 2021年9月5日
問題点, 日本の動き
オールジェンダートイレ, 男女共用トイレ




小規模事業所での男女別トイレ設置に関する事業所規則改正案に反対します



厚生労働大臣 田村 憲久 様

厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課 御中

 厚生労働省が2021年6月28日に発表した「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要」において、現行の「事務所則第17条第1項」を改訂して、「同時に就業する労働者が常時十人以内である場合は、現行で求めている、便所を男性用と女性用に区別することの例外として、独立個室型の便所を設けることで足りることとする」とすることを提案しています。

 この事実がインターネットで知られると、7月25日からのわずか3日ほどの間に1500件ものパブリックコメントが女性たちから寄せられ、その大部分が今回の改定に反対する内容のものであったことは、厚労省のご担当者もよく知るところであると思います。

 私たち「No!セルフID 女性の人権と安全を求める会」は、10人以下の小規模事業所において男女共同のトイレ一つ設置するだけでよいとするこの改定案に強く反対します。事業規模に関わらず、女性にとって専用トイレは基本的人権の一つです。わずか30~40年前までは一部の大学や官公庁、公共の場でも女子トイレがないか、極端に少なく、女性の社会進出が著しく制限されていました。このような状況をこの数十年間で女性たちの運動や世間の意識変化を通じて少しずつ克服してきたにもかかわらず、それを法的に後退させるのは言語道断です。しかもすべての事業所の75%以上は10人以下の小規模事業所なのです。

 男性であれば、異性といっしょにトイレを共有していてもあまり羞恥心や不快感を感じないでしょうが、女性は違います。とくに小規模事業所の場合、お互いによく顔を見知った状態にあるので、たとえば女性が使った直後に男性が使うことに大いに羞恥心を感じるでしょうし、その逆も同じです。生理中などの場合はなおさらです。

 さらに深刻なのは、昨今、盗撮機器が著しく発達して、容易に目立たない形で盗撮機器を設置できるようになっていることです。すでにこの種の被害が多数発生していることはインターネットのニュースを見ても明らかです。職場における男女共用トイレが法的に認められるようになれば、このような盗撮被害がいっそう生じやすくなるでしょう。

 現在、すでに多くの小規模事業所では、男女共用のトイレが一つしか設置されていないという違法状況にあることが、指摘されています。したがって、この改定は現在ある男女別トイレをなくすものではないと厚労省は説明しています。

 しかし、市井の女性たちがこの改定案に反対しているのは、趣旨を誤解したからではありません。現在すでに男女別のトイレという原則がないがしろにされている中で、この逸脱を適法にしてしまうことへの当然の危惧を抱いたからです。

 労働者の権利と安全を守る立場である省庁として本来なすべきことは、事業者側の都合に合わせてこのような違反状態を追認することではなく、むしろ逆に中小零細事業所への予算支援などを行なうことで、男女別の専用トイレの設置を積極的に促すことです。

 もし法的に小規模事業所での男女共用トイレが合法的なものとして追認されてしまったなら、今後、小規模事業所において新たにトイレが設置される場合、男女別の専用トイレ設置に後ろ向きの発想が事業者に生じるのは明らかです。さらに、すでにトイレが男女に分かれている場合であっても、経営上の厳しさの増大とか、それ以外の用途での場所の確保などの理由で、共用トイレに後退しても法的に問題ないことになってしまうでしょう。

 世界的に男女平等の流れが存在する中で、女性の社会進出にとって決定的な意味を持つ男女別トイレの設置義務を法的に後退させることは、日本の国際的地位をいっそう引き下げることになるでしょう。日本において痴漢や盗撮の被害が多いこと、長年これらの犯罪の抑止ができていないことは、海外でもよく知られています。そのような中で、外国からの労働者や来客が来た場合に、日本の事業所の大部分を占める事業所で男女別のトイレがないことを知ったら、心底驚くことでしょう。

 どうか社会的に高い地位にある人々の声だけを聴くのではなく、市井の普通の女性たちの声を聴いてください。ツイッターのハッシュタグ「#厚労省は職場の女性用トイレをなくすな」を検索して、多くの女性たちの切実な声に耳を傾けてください。1500通以上も寄せられたパブリックコメントこそ草の根の女性たちの切実な声です。どうか、私たち女性の声を無視しないでください。

https://no-self-id.jp/wrws/2021/09/08/2021%E5%B9%B4%E3%80%80%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81%E3%81%B8%E7%94%B3%E3%81%97%E5%85%A5%E3%82%8C%E6%96%87%E9%80%81%E4%BB%98/
厚生労働省に「女子トイレ問題」について申し入れ状を送付2021年9月8日
日本の動き, 活動報告
厚労省, 女性専用トイレ, 男女共用トイレ




労働組合に「職場の女性用トイレ問題」で申し入れ書を送りました

厚生労働省労働政策審議会安全衛生分科会に委員を送っている労組(全国労働組合総連合、日本労働組合総連合会、全国建設労働組合総連合、日本基幹産業労働組合連合会、全国交通運輸労働組合総連合、全国ガス労働組合連合会、全国林野関連労働組合、全日本自治団体労働組合)、および全国労働組合連絡協議会、全労協全国一般東京労働組合に、こちらの書状をFAXまたは郵便で送りました。





小規模事業所での男女別トイレ設置に関する事業所規則改正案に、労働組合として反対してください





 厚生労働省が2021年6月28日に発表した「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要」において、現行の「事務所則第17条第1項」を改訂して、「同時に就業する労働者が常時十人以内である場合は、現行で求めている、便所を男性用と女性用に区別することの例外として、独立個室型の便所を設けることで足りることとする」とすることを提案しています。

 この事実がインターネットで知られると、わずか3日ほどの間に1500件ものパブリックコメントが女性たちから寄せられ、その大部分が今回の改定に反対する内容のものでした。ところが、7月28日に開催された第139回労働政策審議会安全衛生分科会の議事録を見ますと、このような強い反対があったにもかかわらず、基本方針は変わっておらず、厚労省の方針に関して誤解がないよう通達で丁寧に周知していきたいとの厚労省側の立場が表明されています。この分科会には労働側の代表者の方もかなり参加していたにもかかわらず、労働条件の大幅な後退を生みかねないこのような新方針に十分反対の声が上がらなかったように見受けられます。

 私たち「No!セルフID 女性の人権と安全を求める会」は、10人以下の小規模事業所において男女共同のトイレ一つ設置するだけでよいとするこの改定案に強く反対します。事業規模に関わらず、女性にとって専用トイレは基本的人権の一つです。わずか30~40年前までは一部の大学や官公庁、公共の場でも女子トイレがないか、極端に少なく、女性の社会進出が著しく制限されていました。このような状況をこの数十年間で女性たちの運動や世間の意識変化を通じて少しずつ克服してきたにもかかわらず、それを法的に後退させるのは言語道断です。しかもすべての事業所の75%以上は10人以下の小規模事業所なのです。

 このような小規模事業所の場合、労働者同士、お互いによく顔を見知った状態にあるので、たとえば女性労働者が使った直後に男性労働者が使うことに大いに羞恥心を感じるでしょうし、その逆も同じです。女性が生理中の場合はなおさらです。職場のトイレは労働者にとって基本的人権であり、どんな事業所であっても男性労働者だけでなく女性労働者がいる以上、男女別のトイレは男女労働者にとっての基本的人権です。

 さらに深刻なのは、昨今、盗撮機器が著しく発達して、容易に目立たない形で盗撮機器を設置できるようになっていることです。すでにこの種の被害が多数発生していることはインターネットのニュースを見ても明らかです。職場における男女共用トイレが法的に認められるようになれば、このような盗撮被害がいっそう生じやすくなるでしょう。

 現在、すでに多くの小規模事業所では、男女共用のトイレが一つしか設置されていないという違法状況にあることが、指摘されています。したがって、この改定は現在ある男女別トイレをなくすものではないと厚労省は説明しています。しかし、市井の女性たちがこの改定案に反対しているのは、趣旨を誤解したからではありません。現在すでに男女別のトイレという原則がないがしろにされている中で、この逸脱を適法にしてしまうことへの当然の危惧を抱いたからです。

労働者の権利と安全を守ることをその使命としている労働組合は本来、事業者側の都合に合わせてこのような違反状態を追認するべきではなく、むしろ逆に中小零細事業所への予算支援などを政府に行なわせることで、違法状態を速やかになくし、男女別の専用トイレの設置を積極的に促すよう求めるべきなのです。

 もし法的に小規模事業所での男女共用トイレが合法的なものとして追認されてしまったなら、今後、小規模事業所において新たにトイレが設置される場合、男女別の専用トイレ設置に後ろ向きの発想が事業者に生じるのは明らかです。さらに、すでにトイレが男女に分かれている場合であっても、経営上の厳しさの増大とか、それ以外の用途での場所の確保などの理由で、共用トイレに後退しても法的に問題ないことになってしまうでしょう。これは女性の権利の侵害であるとともに、労働者の権利に対する侵害でもあります。

 世界的に労働条件の改善と男女平等の流れが存在する中で、女性の社会進出と職場における男女平等にとって決定的な意味を持つ男女別トイレの設置義務を法的に後退させることは、日本の国際的地位をいっそう引き下げることになるでしょう。日本において痴漢や盗撮の被害が多いこと、長年これらの犯罪の抑止ができていないことは、海外でもよく知られています。そのような中で、外国からの労働者や来客が来た場合に、日本の事業所の大部分を占める事業所で男女別のトイレがないことを知ったら、心底驚くことでしょう。

 事業者の声だけを聴くのではなく、市井の普通の女性たちの声、普通の労働者の声を聴いてください。ツイッターのハッシュタグ「#厚労省は職場の女性用トイレをなくすな」を検索して、多くの女性たちの切実な声に耳を傾けてください。1500通以上も寄せられたパブリックコメントこそ草の根の女性たちの切実な声です。どうか、私たち女性の声を無視しないでください。どうか労働組合としてのその本来の使命を果たしてください。

https://no-self-id.jp/wrws/2021/09/15/%E5%B0%8F%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%89%80%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%94%B7%E5%A5%B3%E5%88%A5%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E8%A8%AD%E7%BD%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/
小規模事業所での男女別トイレ設置に関する事業所規則改正案に労働組合として反対してください2021年9月15日
日本の動き, 活動報告
女性用トイレ, 男女共用トイレ




鉄道会社では性自認を気にする人への配慮として、女性専用車両 をなくして「みんなの車両」にしようという動きがある、という記事が出されました。※

  ※(外部リンク)産経新聞の記事へ 女性専用車、将来は「多目的車」に?

痴漢が横行し、女性が安心して公共交通機関を利用する事が困難な日本社会では、「女性専用車両 」がどうしても必要になります。女性専用車両は、女性たちの長い活動の末、ようやく手に入れたものです。

このニュースはまだネットニュ ースの記事に過ぎず 、鉄道会社の公式発表ではありませんでした。しかし、このようなことが現実に起こらないように、女性たちは声を上げています。

https://no-self-id.jp/wrws/2021/09/05/%E9%89%84%E9%81%93%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%8C%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%B0%82%E7%94%A8%E8%BB%8A%E4%B8%A1%E5%BB%83%E6%AD%A2/
鉄道会社が女性専用車両廃止?2021年9月5日
問題点, 日本の動き




https://news.yahoo.co.jp/byline/yahooroupeiroedit/20230317-00341383
性暴力問題は前進しているのか? 当事者たちの声を記録し続ける小川たまかさんの思いとは Yahoo!ニュース個人編集部編集部 3/17(金) 12:01

10年間でインターネットの言論空間は変化している



――性暴力について発信するようになったきっかけは何だったのでしょうか?



2015年1月、とあるメディアのネットニュースで発信されていた、公共交通機関の女性専用車両に関する記事を読んだのがきっかけです。20~60代までの女性を対象に実施したアンケートに基づく内容で、「60代の女性のうち7割もが女性専用車両を必要だと思っている」と報告されていました。それに対して記事内で「痴漢も人を選ぶと思いますけどね」と書いてあり一部炎上していましたが、私もすごくひどいなと思って。



当時は、インターネット上で女性専用車両を茶化すような風潮もありました。痴漢に関して「それは冤罪かもしれない」とか、「女性が自意識過剰みたいだ」というふうに言われていることもあって。個人的には嫌だなと思っていたのですが、発信しても変な反応しか返ってこないだろうなと諦めの気持ちもありました。



しかし、これはネット掲示板の書き込みではなく、ニュースサイトが制作している記事です。私もインターネットで記事を書いているライターとして、嫌だと思ったことを発信したいと思い、「書いた方とお話がしたいです」とニュースサイトに問い合わせました。結局お話しすることはできなかったのですが、執筆したのはインターンの学生ライターで、その学生のSNSに飛ぶと、「(痴漢も人を選ぶと)書くセンスがすごいです」と友人たちにもてはやされていたりして、全然違う世界を見ていて、電車内の痴漢について実態を知らないんだろうなと思いました。
2000年代後半から2010年代前半あたりまで、インターネットの言論空間は主に男性の意見で構成されていた印象があるという。そのため性暴力の問題について、話をする土壌があまりなかったと感じている



そこで自分のブログで、高校生のときに痴漢に遭遇したこと、同級生たちも日常的に痴漢被害にあっていたことを赤裸々に発信したところ、幼い頃から痴漢にあっていた人や子どもが被害にあって裁判をしたという人などから、たくさん反応があったんです。それから痴漢の問題を調べ始め、性暴力について発信するようになりました。



――この10年間で、インターネットの言論空間は変化していると感じますか?



時代は変わっていると思います。2014年に『共働き家庭の子どもは「かわいそう」ですか?』という記事を書きました。そのときは、「何を言っているんだ、子どもが可哀想じゃないか」「子どもが小さいときはお母さんがそばにいたほうがいいですよ」というメッセージがたくさん来ました。その記事がYahoo!ニュース トピックスに掲載され多くの人に読まれると、「あなたは女性差別があると思っているかもしれないですが、もうないですよ」というようなメッセージも来ましたね。一方でお母さんたちから「書いてくれて本当にありがとうございました」というメッセージもたくさん来て、当時は受け取られ方のギャップにびっくりしました。でも10年経った今は「女の人が子どもを預けて働くなんてわがままだ」なんていう人はもういないですよね。時代は変わるんだなと思います。



――最近ではジェンダーや性暴力に関する報道やSNSでの発信も多くなっているように感じます。10年間で課題解決へ前進しているように思いますか?



発信が増えることによって、関心を持つ学生が増えているという話も聞くし、問題を認識している人が増えたという点では、前進していると思います。一方で、女性や性的マイノリティの人の声が強くなることによって、それに対して「息苦しい」と反発する人の声も大きくなっているように感じます。



最後まで原稿を調整できるから当事者のそのままの声を届けられる
SNSなどネット上の差別的な発信は、社会の実態を表している部分もあり問題が可視化されている一方で、過激な人の意見が目立ちすぎているようにも感じるという



――小川さんはさまざまな媒体で発信していますが、その中でもYahoo!ニュース 個人で発信することはどのような意義があると感じますか?



他の媒体で執筆する際は、編集者の方がいて、スケジュールやタイトルは編集者の方が決める場合が多いです。私は性暴力被害にあった方を取材することが多いので、タイトルや見出しなど細かい部分や、内容についても最後まで被害者の方の希望に沿って「やっぱりこれは書くのはやめよう」と調整することもあります。Yahoo!ニュース 個人は最後に公開ボタンを押すまで自分で調整することができるので、すごくやりやすいと感じています。



――性暴力について発信するにあたって小川さんはどんなところに難しさを感じますか?



言葉の選び方がとても難しいです。性暴力に限らず、当事者運動は言葉を選び取っていく作業です。言葉一つに込められている思いがたくさんあるんです。例えば性暴力と性犯罪という言葉は使い分けられていて、性暴力のなかでも性犯罪として認められるものはわずかだから、包括的に見るために性犯罪被害者ではなく性暴力被害者という言葉を使うとか。



特に自分の専門外については、軽はずみに発言すると言葉選びを間違えてしまうことがあるのではないかと怖いです。Yahoo!ニュース 個人では、オーサーやコメンテーターは専門分野のことだけ執筆するというルールがあるので、すごくいい仕組みだな、大事なことだよなと思います。



――メディアが報道する際に気をつけるべきことはどんなことだと思いますか?
(写真:イメージマート)



日頃から性暴力の問題に関心を持って取材をしている記者さんが各新聞社に何人かずついらして、そういう方の場合は、記者会見や当事者取材の際に失敗してしまうことが、ないとは言いませんが少ないのではないかと思います。しかし、例えば芸能人や政治家周辺の性暴力に関する報道などで、普段は性暴力を専門としていない記者が取材をするような場合は、二次加害にあたる質問がされてしまったり、性暴力がエンタメのように消費される方向にいってしまったりすることがあります。そういった実態について細かく見て課題を分析することが必要だと感じます。



苦しんでいた「トナカイさん」に記事を届けたい

https://news.yahoo.co.jp/byline/yahooroupeiroedit/20230317-00341383
性暴力問題は前進しているのか? 当事者たちの声を記録し続ける小川たまかさんの思いとは Yahoo!ニュース個人編集部編集部 3/17(金) 12:01





https://www.moj.go.jp/content/001389393.pdf





▲2022年12月14日のオンラインイベント



 こういった声が届いたのか、2月3日にまとめられた要綱案の中では試案にあった「拒絶困難」の文字が削られ、代わりに「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ」という文言が入った。





●「性交」と「同意」がセットで語られることの意味



 「同意しない意思」という言葉が入った意義は大きく、問題を訴えてきた当事者・支援団体からは活動の一定の成果を得られたと評価されていた。



 そしてさらに今回、この条文の文言に合わせて罪名が「不同意性交罪」に変わる可能性が発表された。



 2017年に行われた性犯罪刑法の改正の際には、「暴行・脅迫」要件の緩和・撤廃はにべもなく見送られ、「不同意性交罪」は検討の余地すらなかったように見えた。
2017年の改正で見送られた点が、今回の再検討課題だった。これに加え、撮影罪や懐柔罪が新設された



 それから6年で「不同意性交罪」が国会を通る可能性が見えてきたのは、被害当事者らによる改正の訴えかけや、複数の大学で行われている「性的同意」を学ぶための学生によるアクション、性犯罪無罪判決への抗議をきっかけに始まったフラワーデモ、あるいはタブーとされてきた性暴力を可視化するためのさまざまな立場からのアクション、それらによる世論の高まりがあったからだろう。



 北海道新聞による報道(「性犯罪規定見直し*処罰要件を明確化*被害者実態により近く」2023年2月4日)によれば、ある法務省幹部は「イエス・ミーンズ・イエス(イエスの明示しか同意を意味しない)」型と呼ばれるスウェーデンのような制度について「スウェーデンのような制度には、行為時に同意を取ることが当然だという一般通念が必要だ。今の日本社会はそこまで熟していない」と説明したという。



 不同意性交罪への難しさを語ったものかもしれないが、法務省関係者が、今の日本社会の性的行為に対する考え方が未成熟であるという認識を持っていたことに驚いた。これまでは「未成熟」ではなく、性行為の同意を曖昧にすることが日本の文化だと言われることがあったからだ。



 2017年の改正時、当事者らが行ったキャンペーンの一つは「嫌よ嫌よは嫌なんです(ノー・ミーンズ・ノー)」だった。「嫌よ嫌よも好きのうち」と語られ、性的行為を行うにあたって明確な同意を取るのはむしろ無粋であるとされてきた日本社会への問題提起だった。
2017年の改正に向けてオンライン上で行われた署名キャンペーン(画面のスクリーンショット)



 「不同意性交」という言葉が社会に馴染み、「同意」と「性交」がセットで語られるようになることの影響は大きいはずである。



 インターネット上の一部では、「性交する際にいちいち書類契約が必要なのか」といった揶揄の声が聞かれるが、そのように反発を覚える人にも同意の必要性が刷り込まれていくことに意味があると考える。



 また、「罪名変更よりも厳罰化を」といった意見もネットニュースのコメント欄などに見られるが、現実的な改正を見据えてロビイングを行ってきた当事者たちが今回望んでいた論点は不同意性交罪の創設や性交同意年齢の引き上げであり、これがこれまで被害を犯罪と認められなかった当事者を救う可能性のある改正であることをぜひ知ってもらいたい。いわゆる「厳罰化」と言われる量刑の引き上げなどは2017年の改正で行われている。2017年の改正に向けてオンライン上で行われた署名キャンペーン(画面のスクリーンショット)



 「不同意性交」という言葉が社会に馴染み、「同意」と「性交」がセットで語られるようになることの影響は大きいはずである。



 インターネット上の一部では、「性交する際にいちいち書類契約が必要なのか」といった揶揄の声が聞かれるが、そのように反発を覚える人にも同意の必要性が刷り込まれていくことに意味があると考える。



 また、「罪名変更よりも厳罰化を」といった意見もネットニュースのコメント欄などに見られるが、現実的な改正を見据えてロビイングを行ってきた当事者たちが今回望んでいた論点は不同意性交罪の創設や性交同意年齢の引き上げであり、これがこれまで被害を犯罪と認められなかった当事者を救う可能性のある改正であることをぜひ知ってもらいたい。いわゆる「厳罰化」と言われる量刑の引き上げなどは2017年の改正で行われている。
2021年3月8日の国際女性デーに合わせて行われたフラワーデモで参加者が掲げたプラカード(筆者撮影)



●性交同意年齢に残った「年齢差要件」



 一方で惜しまれるのが、性交同意年齢の引き上げに年齢差要件が残ったことである。



 性交同意年齢は現行刑法では13歳であり、2017年の改正時にも引き上げが議論されたが見送られた。性交同意年齢は14歳〜18歳に設定する国が多く、2020年には韓国でも16歳に引き上げられたことから、日本でも引き上げの声が高まっていた。



 今回の要綱案では16歳に引き上げられたものの、13歳以上16歳未満については「5歳以上」という年齢差要件がついている。



 たとえば18歳と13歳が性交をして13歳が「被害」を訴えた場合、性交の事実が認められれば18歳は罪に問われることになる。しかし17歳と13歳の場合、13歳が「被害」を訴えても17歳が否認すれば、それが本当に「被害」だったのか、同意の性交ではなかったのかについて13歳の側が立証責任を持たされることとなる。



 年齢差要件が残った理由は、同年代での性的行為を処罰しないためと説明されている。



 13歳と17歳とはたとえば、中学1年生と高校2年生の年頃である。被害者支援側の検討委員たちは、10代にとっての4歳差は大きく、対等に意見が言える関係とは言えないことから、年齢差要件の撤廃や「せめて3歳以上」を主張してきたが叶わなかった。



 ある被害者支援関係者は「13歳〜15歳との性交を望む17歳〜19歳を許すだけの条文」と落胆を見せた。



 筆者が性交同意年齢を考えるときに感じるのは、性交を単に「楽しいもの」と考える人と、「性的好奇心は多くの人にあるものの、相手や自分の心身に影響を及ぼすリスクがあるもの」と考える人の間で認識の差があるのではないかという点だ。



 日本では2000年代に自民党議員が主導したバックラッシュの影響から、今も充分な性教育が行われていない状況が続いている。その中で「13歳になれば自分がその相手と性交するかどうかの判断が可能(たとえ相手とどれだけ年齢差があったとしても)」とする、これまでの「性交同意年齢=13歳」は、あまりにも無理があった。



 今回16歳に引き上げられたものの、検討会議事録によれば、年齢差要件にこだわった検討委員の意見は
たとえば、21歳の者と15歳の者との間には、真摯な合意に基づく性的関係はあり得ないと言い切ってよいのかについては、私は躊躇を覚えるところです。
といったものだ。



 これに対して、年齢差要件に抵抗する委員は、
「真摯な恋愛」とか、そういう心理学的な要素を含んだ言葉は、偏見がある社会の中ではきちんと使われない可能性が非常に高い
今でも多くのケースの中で、実際にはパワーのコントロール(※)があるにもかかわらず、そのことが明らかにならずに、例えば無罪になっているようなケースがあるわけです。 ※(筆者注)年長者などが関係の優位性を利用して抵抗を奪い従わせること
お互いに対等な関係で同意のある性交というためには、性的同意と性的コミュニケーション、性行為と妊娠、出産の過程を学び、きちんとコンドームの使用方法を守って、性感染症の防止も行い、異性間の性交だったら妊娠がありますから、女子に関しては毎月三、四千円分のピルを買える経済的な力も必要になりますそれがあった上で、毎回、性的行為のときに同意をお互いにかわすことができるというのが、対等な性的同意であると考えています・
 などと答えている。13歳〜15歳の心身の発達が未成熟な児童に対してあえて性交を望む17歳〜19歳の態度は果たして「真摯」と言えるのか。個人的には非常に疑問がある。これはもちろん、年齢が下の者が男性で上の者が女性の場合でも、または同性間の行為であっても同様に疑問である。



●保護者にも子どもにも、性に関する知識や尊厳を学ぶ機会が必要



 「強制性交罪」の罪名が「不同意性交罪」に変わる可能性が示されたことで、最後に残った論点が性交同意年齢の問題となった。基本的に16歳に引き上げられたことは間違いなく前進である。一方で、年齢差要件という今後の課題は残っている。



 ほんの数年前まで、日本の性交同意年齢が13歳ということを知らなかった人の方が多いだろうし、今でもそうかもしれない。年齢差要件については少しややこしい議論かもしれないが、この課題を多くの人と考えていくことが必要だ。



 被害者支援に携わる人から「13歳の誕生日に被害に遭うなど、13歳になった直後の被害が多いのは、加害に及ぶ側が性的同意年齢を把握しているからではないか」という話を聞いたことがある。今回のような法律の改正や議論を「加害者」となる側の人間は熟知していることがある一方、子どもを持つ保護者の中には知らない人も多い。



 性交同意年齢が13歳だと聞けば「知らなかった」と驚く人は多いが、その一方で引き上げに反対する人たちの意見は強固であり、性交同意年齢の引き上げを望む発信をした人に対してネット上などで攻撃的な言葉や嘲笑が飛ばされることも少なくなかった。



 今回の法改正とその意味を周知していくことが今後必要であろうし、保護者にも子どもにも性に関する知識や尊厳を学ぶ機会が必要だ。法務省幹部を持ってして「そこまで熟していない」と言わしめた日本社会の性に関する考え方は、今後もアップデートされていく必要がある。



【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

「嫌よ嫌よも好きのうち」ではない 強制性交罪が「不同意性交罪」に変わる意味 #日本のモヤモヤ



小川たまかライター

3/8(水) 12:00






 


性暴力被害の“その後”を生きる女性たち。脚本家・野木亜紀子さんが、沖縄で闘う人々から学んだこと2023/3/25HUFFPOST


性暴力被害の“その後”を生きる女性たち。脚本家・野木亜紀子さんが、沖縄で闘う人々から学んだこと2023/3/25HUFFPOST


性暴力被害の“その後”を生きる女性たち。脚本家・野木亜紀子さんが、沖縄で闘う人々から学んだこと2023/3/25HUFFPOST