2023年度神奈川県知事選挙で黒岩知事は信任されてない.つまり不信任。神奈川県知事選再選挙して快住かながわの田嶋陽子さんか快住かながわ系議員さんを知事にする投票出来ると良いと思う件。

神奈川県知事選挙で黒岩知事は信任されてない.つまり不信任。神奈川県知事選再選挙して快住かながわの田嶋陽子さんか快住かながわ系議員さんを知事にする投票出来ると良いと思う件。
外国人参政権と選択的夫婦別姓受け入れられるなら、企業・団体献金は一切受け取りません.知事交際費の全ての情報を公開します.地産地消.入札の10%以上を「社会的弱者」経営の企業へ.県立病院に女性専門外来設置.乳幼児医療費の無料化.少人数学級の推進.性教育の徹底.定時制高校の維持など良い政策多いですし公共新建造物への自然エネルギー装置設置義務化にはなってしまいますが脱原発は必要ですし快住かながわの田嶋陽子さんか快住かながわ系議員さんを神奈川県知事にするのはありだと思いますよ。

「日本で最悪な選挙だった」神奈川・黒岩知事 不倫&卑猥メールでも圧勝に県民が嘆く“選択肢のなさ” 2023年4月10日 14時53分 女性自身

「失った信頼は仕事でお返しをしていきたい。今回はマイナスからのスタートだと自分で受け止めていますので、これまで以上に全力を尽くして参りたい」

こう語ったのは、4月9日投開票の統一地方選挙で4選を果たした神奈川県の現職・黒岩祐治知事(68)。当選後の花束を受け取るも「万歳がない異例の形になった」とコメントし、神妙な面持ちで笑顔を見せることはなかった。

黒岩知事は過去3期12年にわたる実績と与野党の推薦を受け、優位な選挙戦を展開してきた。しかし投開票日が間近に迫った5日に飛び出た不倫報道は、世間を大きく騒がせる事態に。

「まず5日夕方に『文春オンライン』で、黒岩氏がフジテレビ局員時代に知人女性と11年にも及ぶ不倫関係にあったと報じられました。黒岩氏は先だって同日午前にブログを更新し、《12年前、急に立候補することとなった際、関係を清算しなくてはと、相手の女性と話し合いをいたしました》と釈明。翌6日には記者会見を開き、改めて不倫を認め謝罪しました。

ですが、黒岩氏の対応は“火消し”とはなりませんでした。文春の記事には不倫相手に送っていたとされるメールが複数掲載され、それが強烈な下ネタのオンパレードだったのです。黒岩氏の“卑猥メール”はネットを中心に拡散し、《もう無理》《気持ち悪い》といった声が続出。フジテレビ時代は情報番組のキャスターを務め、退職後も大学院教授に着任するなど真面目なイメージで通っていただけに、引いてしまった人が多かったようです」(週刊誌記者)

そうした醜聞は、得票数にも表れていたようで……。黒岩知事は今回の選挙で193万3753票を獲得したが、200万票を下回るのは初当選となった2011年以来だ。

「今年は現職の黒岩氏以外に、2度目の挑戦となる共産党推薦の岸牧子氏、政治家女子48党の大津綾香氏、医師の加藤健一郎氏の新人3名が出馬。しかし実績や知名度は黒岩氏に比べて乏しく、得票数も大幅に下回りました。

黒岩氏は2015年の選挙で219万5764票、2019年の選挙では225万1289票と年々得票数が増加傾向にありました。今回の選挙戦では『国をリードした』と自負する新型コロナ対策の実績を掲げ、子育て支援や防災などの面でデジタル活用をアピール。しかし不倫報道による打撃は大きく、“他に入れたいと思う人がいない”との理由から仕方がなく黒岩氏に投票した人や白票を投じた人も少なくなかったようです」(政治担当記者)

200万票を切ったのは、そうした県民の戸惑いが映し出されたのだろうか。ネット上では黒岩知事の“圧勝”に、嘆息を漏らす声が広がっている。

《消去法ですから、、、》
《ここまで後ろ向きな気持ちで投票するのは初めてでした》
《選択肢のない厳しい選挙だった。日本で最悪な選挙だったといってもいい》
《再選と言っても選択肢がなかっただけ。致し方なく黒岩氏になってしまった。支持されたのでも信任されたのでもないから、くれぐれも勘違いをしないでくださいね》

「日本で最悪な選挙だった」神奈川・黒岩知事 不倫&卑猥メールでも圧勝に県民が嘆く“選択肢のなさ” 2023年4月10日 14時53分 女性自身



「汚らわしい!」「娘や孫に見せたくない」知事選圧勝も黒岩“消去法”知事のお下劣不倫メールに横浜マダムたちが怒り心頭!〈山手エリア100人のマダムに聞いた〉2023/4/12集英社
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4月9日に投開票された神奈川県知事選挙。現職の黒岩祐治知事の不倫相手へのお下劣メールの内容が週刊誌によって報じられたことで、一部のネットユーザーからは“投票したい人がいない地獄の顔ぶれ”とまで揶揄された候補者たち。結果的に黒岩氏が圧勝したが、横浜のマダムたちは何を思ったのか。 【画像】「あの報道は娘には見てほしくない」黒岩知事に怒り心頭…有権者の横浜マダムたち

街頭アンケートでも圧勝するも“積極支持”はほぼなし

「A子だけに本音を放出! ドッピュ~‼ ところでモロホンのドッピュ~は18日(月)でいかがカナ?」 「A子の料理ってどんなかな? アワビにバナナをさしたやつとか」 これらは黒岩祐治神奈川県知事が不倫相手のA子さんに送ったとされる下ネタメール(原文ママ)だ。 投票日直前に不倫スキャンダルが発覚し、背水の戦いを強いられていた黒岩知事だが、蓋を開けてみれば次点候補者に130万票という大差をつける193万票余りを得て、4選を決めた。 有権者との直接対話を避けるため、街頭演説はいっさいなし。当選しても万歳三唱もなしという自粛モードの選挙だっただけに、当選後の会見も「マイナスからのスタートと肝に命じている。仕事でお返ししたい」と反省しきり。 しかし、有権者の反発は収まりそうにない。SNS上でも、 「まじで黒岩は見かけるたびに気持ち悪い」 「これでみそぎがすんだと思うな!」 「エロ知事が誕生してしまった。あの(ひわいな)メールがちらついて気持ち悪い」 と、黒岩県政継続を嫌悪する書き込みがいまだに絶えないのだ。 とはいえ、選挙は圧勝。はたして神奈川県民はどんな思いで票を投じたのか? 富裕層の女性たちが多いことで知られる横浜みなとみらい周辺の高級住宅街、山手エリアを歩く40~60歳代のマダム100人にアンケートを実施してみた。 今回アンケートを行った100人のうち、投票に行っていたのは64名。そのうち、21人が黒岩知事に票を投じていたことがわかった。有効得票の3割近くが黒岩票だったことになる。 しかし、じっくり話を聞いてみると、積極支持はほとんどなし。 知事選での黒岩陣営の対立候補は、共産党が推薦する岸牧子氏(65万1473票)、政治家女子党の大塚綾香氏(15万1361票)、無所属の加藤健一郎氏(12万3922票)の3人。いずれも知名度のない新人ばかりで、有権者にすれば、「黒岩さん以外を選びたくても、だれに投票すればいいの?」と悩んでもおかしくない顔ぶれだった。 つまり、3期12年の実績がある黒岩知事を、消去法の末、選択したにすぎなかったのだ。 これから紹介する山手マダムたちのコメントがそれを証明しているだろう。
「消去法で黒岩氏」「全員消去で白票」マダムたちの呆れと怒り

「すごく不潔な内容の不倫スキャンダルで嫌だったけど、黒岩さんには一応、知事を3期も務めてきたという実績がありますから。他のよくわからない候補が知事になるよりはマシだと思い直し、渋々黒岩さんに票を入れました」(50代女性) 「不倫報道はあまりに汚らわしくて、最後まで読めませんでした。ただ、投票は仕方なく消去法で黒岩さんに投じました。地元紙で選挙前の各候補の抱負を読んだんですが、まともな公約を掲げていたのは黒岩さんだけ。他の候補は無回答だったり、答えていてもほんのひと言、ふた言だけだったりと、いまひとつ信用できませんでした」(60代女性) 「人としてダメでも知事としてはある程度信用できると諦めて、黒岩さんに投じた人が少なくなかったのでしょうね。私もその1人です(ため息)」(60代女性) 「汚職や犯罪ではなく、下半身の問題であるということ、そして発覚後にすぐに非を認めて謝罪したのを見て黒岩さんに票を投じました。他の3候補には県政を任せられる気がしませんでしたから」(50代女性) 上記のように、投票したとはいえ知事に対する嫌悪感が薄らいでいるわけではない。一方で黒岩知事を選択肢から排除したマダムたちからはこんな怒りのコメントも。 「本当に汚い下半身スキャンダル。娘や孫も神奈川在住ですけど、あの報道だけは絶対に見せたくない。他の候補と支持率が拮抗していたら、とてもではないけど、県知事に選ばれるような人じゃありません!」(50代女性) 「当選後の会見で、黒岩さんは白票の多さに、『自分への批判票と受けとめる』と発言していましたけど、まったくその通りです。今回の知事選挙には知り合いと数人で投票所に出かけたんですが、みんなで白票を投じました」(50代女性) 「不倫メールがあまりにもお下劣だったので、抗議の意味も込めて白票を入れました。黒岩さんを支持しているとは思われたくありませんから! 黒岩さん以外の候補も知らない人ばかりで、今回の知事選は低レベルな選挙だったと怒っています」(60代女性)
「不倫の事実をもっと早く知っていれば…」

今回のアンケートの回答では、黒岩知事への投票の次に多い10人が白票を投じていた。取材に応じてくれた山手マダムたちの10人に1人は、今回の知事選において「該当者なし」と判断したようだ。 知事選後の選管発表によれば、19年の知事選では白票などの無効票が8万8964票(2.93%)だったのが、今回は21万2148票(6.91%)へと倍増。 期日前投票を悔やむ声があったことも特記されるべきだろう。黒岩知事に不倫騒動が発覚したのは投票日3日前のこと。そのため、期日前投票をすませた人で「知っていたら、別の投票行動をとっていた」と漏らす人も少なくなかった。 「事前に不倫を知っていれば、抗議の意味を込めて黒岩票でなく、白票を投じていたはず。何だか悔しくてなりません」(60代女性) 「こんな不快でドロ沼のような選挙を体験したのは初めてのこと。腹立たしいです」(50代女性) 再選後の初登庁となった4月10日、黒岩知事は職員の前で殊勝な口調でこう訓示したのだとか。 「途中で知事職を投げ出すことはない。課題が浮かび上がったら、ただちに実行する。県民目線でともにやっていきましょう」 そうは言ってもある種の“消去法知事”。果たして県民の信頼を回復できる仕事ぶりを見せつけられるか。黒岩県政4期目には荒波が待ち受けている。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

「汚らわしい!」「娘や孫に見せたくない」知事選圧勝も黒岩“消去法”知事のお下劣不倫メールに横浜マダムたちが怒り心頭!〈山手エリア100人のマダムに聞いた〉2023/4/12集英社


黒岩神奈川県知事「初心に返って全力」宣言するも「初心のときからもみ消し」11年不倫にやまぬ批判2023/5/4SmartFLASH

 神奈川県知事選の真っ最中、民放キャスター時代から11年間にわたる不倫を『週刊文春』に報じられた黒岩祐治知事【写真】11年間にわたる不倫が発覚した街頭演説中の黒岩知事  4月9日の投開票では、白票が約21万票、黒岩氏の票数も前回に比べて32万票も減ったが、結果は圧勝だった。10日に県庁で記者会見を開いた黒岩知事は、「まさに私に対する批判の票だったと、しっかり受け止めておきたい」と神妙な表情で語り、さらに「失われた信頼を取り戻すため、全力をあげて県政運営にあたり、仕事でお返ししたい」と付け加えた。 「文春の記事では、フジテレビ局員としてキャスターを務めていた時代から、2011年、知事に就任するまで11年間にわたった不倫関係の生々しい描写が描かれています。  黒岩知事が不倫相手に送った《生放送前のナマだよ~!!ニュルニュル~~~》といった強烈な下ネタメールも公開され、世間にかなりの衝撃を与えました。2人の関係は、知事選のタイミングで黒岩知事の態度が豹変し、終わりを迎えたといいます」(芸能記者)  5月1日には、黒岩知事の4期めが始まった。「神奈川新聞」のインタビューに応じた知事は、「初心に返って県政課題の解決に全力を注ぐ。県職員と一丸で、コロナ禍で停滞を余儀なくされた政策の推進に努めたい」と意気込む姿を見せている。  これまでの記者会見でも「初心に戻って頑張りたい」といった発言を繰り返している黒岩知事。だが、初心、つまり初当選の前後は “11年不倫” 精算の真っ最中だった時期でもある。SNSでは、黒岩知事の「初心」発言にツッコミが続出している。 《初心たってさ…立候補するので愛人と別れるのが超ヘタクソだったってのがスタート位置なんだが?》 《初心の時から、もみ消しをして立候補した訳。県民を馬鹿にしているし、2人の女性の人権を貶めておいてこの見解か。職務続行できる厚顔無恥さに呆れる。神奈川県民は気の毒だね。》 《黒岩知事、「初心にかえって頑張ります」的なアレを県の広報に書いてるが、そもそも初当選前からキモいメール書いて不倫してたので、初心が問題なのでは。》  初心どころか、人生をやり直すレベルの覚悟が必要なのかもしれない。

黒岩神奈川県知事「初心に返って全力」宣言するも「初心のときからもみ消し」11年不倫にやまぬ批判2023/5/4SmartFLASH

それではうちが神奈川県知事になった方が良いと思う「快住かながわ」の田嶋陽子さんか「快住かながわ」系議員さんの政策伝えてゆくよ。



神奈川県知事選立候補2003年

恵まれた条件がありながら、長く続いた政党相乗り知事のもとで、三兆円にのぼる借金を抱え「財政非常事態」の神奈川県。二十一世紀の初代知事に求められるのは、公共事業の見直し、三セクや外郭団体の整理、情報公開の徹底や入札制度の改革などによって税金の無駄使いをなくす一方、行政サービスを向上させながら新しい産業を育成し、雇用を拡大するという難しい仕事です。
私は、県民ひとりひとりの経験、能力、知恵と県内各地域の特性を生かして、全ての人々に仕事があり、必要な福祉・医療・教育が受けられ、自立・共生できる地域循環型のまちづくりを進め、透明・公平・簡素な県政へ大改革して、“快住かながわ”を実現するために「五つの約束」と「五つの提案」をいたします。

<5つの約束>


1. 政党・団体の応援を受けず、ボランティア選挙に徹します。
2. 企業・団体献金は一切受け取りません。
3. 当選したら知事の給料を20%以上カットします。
4. 知事交際費の全ての情報を公開します。
5. 手紙、電話、FAX、メールで知事ホットラインを開設します。

<5つの提案>

地域自立支援条例

●“地産地消”で、食の安全、ゴミ減量、交通渋滞の緩和、雇用拡大
● 地場産業、環境・福祉事業の育成・支援
● ムダな高速道路はつくらない
● ゴミ処理広域化の見直し


共生社会推進条例

● 女性・高齢者・障害者・外国人などの「社会的弱者」による起業援助
● 入札の10%以上を「社会的弱者」経営の企業へ
● 入札は「社会的弱者の雇用条件」クリア企業を優先
● 心理的物理的バリアフリーの徹底
● 県立病院に女性専門外来設置


子育つ支援条例 

● 0歳児保育・24時間保育の拡充
● 乳幼児医療費の無料化
● 少人数学級の推進
● 性教育の徹底
● 定時制高校の維持


エネルギー転換促進条例 

● 自然エネルギーの研究・開発・実用化・設置への補助
● 公共新建造物への自然エネルギー装置設置義務化
● 電柱の地中埋設
● 公用車削減、エコカー導入


自治基本条例

● 知事、県議の10分の1以上、市町村長、15歳以上の県民10万人以上の署名、による要求で県民投票実施(投票権も15歳以上)
● 電子投票の導入
● 1年間以上在住の外国人に地方参政権付与
● 市町村への権限委譲の推進

https://tajimayoko.com/politics/entry-74.html
田嶋陽子の「快住かながわ」政策



斎藤まさし
昨日の今日で緊急のご案内であるにもかかわらず雨のなかこんなにたくさん集まっていただいてありがとうございます。今日司会をさせていただきます斉藤まさしと申します。

昨夜、田嶋陽子参議院議員が神奈川県知事選挙への出馬を決断をさせていただきましたので今日緊急に記者会見をしていただくことになりました。時間もありませんのでさっそく、田嶋陽子参議院議員から神奈川県知事選の出馬の挨拶と決意を述べていただきたいと思います。





田嶋陽子
参議院議員の田嶋陽子です。27日に告示します。23日の日に家族に出馬したいということを話しました。ちゃんと決めたのは夕べと言っていいかもしれません。まあ、それでも、私なりに準備してまいりました。今、地方から国政を変えるというひとつの流れがありますが、私もそれはやってみたいなと思って、1年ちょっとの短い参議院議員生活でしたけれど、色々思うことがありまして、やっぱり首長になってみたい。なりたいという全く単純な個人の意思でして誰からの推薦も誰からの応援もまだありません。それで、無党派で、無所属で、そしてボランティア選挙でやります。私の今までの人生の中で自分の意思ではっきり方向を決めようと思ったのはもしかしたら今回が初めてかもしれません。それまではいろんなかたちでセカンドチョイスをしてきたと思いますが、今度はファーストチョイスです。





斎藤
全くご挨拶の通りだと思います。私は故あって田嶋さんの選挙のお手伝いをさせていただくことになりました。まだ、二人だけで昨日相談して決めたということで、選挙の態勢その他まだ詳しく決まっておりませんけれど。選挙の方は私がお手伝いさせていただくということになりました。選挙関係のことは私の方に言っていただければと思います。皆さんのほうからご質問される方は社名とお名前をお願いします。





産経新聞
田嶋さんがなぜ神奈川県の知事選に出るのかお聞きしたい。









田嶋陽子
神奈川が今、知事を求めているというのがまずひとつ。
それから、私は神奈川に親戚がいるわけでも自分がそこで育ったわけでもないですけれども、地理的に言うと、東京に18歳で出てきてから沼津の実家に帰るのにいつも神奈川を通過して帰るんですね。川があって、海と山と自然があって都会もあれば田舎もあれば、工業地帯もあればベッドタウンでもあるという何でもありのところで、そういう意味では日本のいい縮図だと思うんですね。それともうひとつは神奈川はいろいろな意味で意識が高いところですから、私がやりたいような政策、皆と相談しながらやるにはとてもやりやすい、とそう思います。今いろいろな市民活動が活発ですよね。そういう意味で、神奈川だったら皆と一緒に県政変えられるんじゃないかなと思いました。斉藤さんからは私への言葉をいただきました。「明るく元気でおおまじめ」まさに私その通りです。それで、私からは「快住(かいじゅう)かながわ」という言葉を神奈川県にプレゼントします。そういう県になるように思いっきり活躍したいと思っています。





東スポ
神奈川は馴染みがないとおっしゃいましたけれど、遠くさかのぼって、若いころデートでいったとかそういうこともないんですか?





田嶋陽子
あります。私はテレビに出はじめたのが90年ごろだと思うんですがその3年前、女性学がまだそんなに盛んではなかったころ、神奈川県に約10回近く公民館とか市役所などに講義をしに来ていました。神奈川女性センターとか、明治公民館には4回も行っています。あとは、藤沢市民会館2階会議室とかで女性学を教えていました。そういうところで4年に渡って、神奈川の女性たちが私をよんでくださって、そこで皆さんと一緒に女性学の勉強をしました。今でもそのころの人たちとはずっとお付き合いがあります。そういう形で、神奈川とは関係があるといえばあります。あと、やはり地縁がなくて何故といわれますけれど、なまじ、私が横浜や川崎の出身だと、えこひいきがあるかな、横浜偏重とか川崎偏重とかそういうことってありますよね。私は単に神奈川いいなと思って行くわけですから公平な政治ができるんじゃないかと自分なりに評価しています。





朝日新聞
今、参議院議員現職ですけれども辞職願いのほうはどうされるんでしょうか。自動失職ということになるんでしょうか?





田嶋陽子
はい。27日に告示をしたら自動失職ということになると思います。ですから私はめいっぱい質疑させていただいて、今日もやってまいりました。明日も最後の予算委員会の委嘱審査がありますのでそれをやってから終わります。





読売新聞
この時期に出馬表明というのはやはり後出しじゃんけんじゃないかと言われるわけですけれども。昨日おととい決められた決断の理由をもう一度ご説明いただきたいと思います。









田嶋陽子
私は離党したときからずっと首長になりたいと思っていて、チャンスがあったら出たいと思っていたんです。ほかの選挙の方でも声がかかったりしていましたけれども、ちょっと違うかなと。今、もうどうやったのか分かりませんけれど、読売新聞に出馬の記事が出たりとか、インターネットで出たりして、福田官房長官も質疑の間でしたけれど、「本当?」というような顔したから、そうだよって言ったら頭ふってましたけれど、そうしたら早速、民主党の人がやってきて出ないでくれっていわれました。自分達には神奈川県から国政を変えていきたいという人がいるから、出ないでくれって質疑の最中に来たんですね。こういうことを想定して多分本当に私が出たいと思ってもいろいろな思惑があるのでぎりぎりまでそういうことは公表しない方が、たった一人で出る人間とってはそれぐらいが身をまもる術かなと思ったのが大半の理由です。





産経新聞
あと4年以上も参議員の立場を残されていてそれを捨ててまで知事選に出られるということで、失礼ですが、勝つ自信はあるのでしょうか。





田嶋陽子
勝つ自信ね。でも勝たなきゃね。私もこのことはほとんど家族にも話していませんでしたし、知っているのは私の秘書2人だけでした。結局、私が決心固めて、じゃまが入らないようにするためには誰にも知らせないでおくことしかなかったものですから。あと斉藤さんと4人の人間しか知らなくって、それで、ずっとここ2ヶ月すごしてきたんです。それでも、いろいろグラグラしましたけれど。私は参議員になりましたが社民党に一生懸命推していただいてなったんですが、政治は初めてです。そして、60歳での転職でした。私は、なってみたら、まあ、いろいろ国会のことは言われていましたが、私は政治ずれしてないし、政治のこと知らないから、全く感覚汚れないままで来たわけです。
そして「あ、ここは違う。私が住む場所ではない」ということを最初から感じました。それは、党に関してもそうでしたし、国会というところもそうでした。私には合わない洋服を着せられているという印象がありまして、私はこのままだったら窒息死してしまう。私のリズムと国会のリズムが違いすぎる。私はやはり自分が生き生き活動できるところで自分の政策を生き生きと自分のリズムで実現していきたい、もちろん相手がいることですから一緒にやりながらですけれど。でも国会にいるよりは知事になって首長になった方が自分の政策を実現しやすい。私の自信が唯一あるとしたら、私が生き生き活動できたら、いい政治ができるんじゃないかなと。まだやってもいないんですけれど、この一年半の自分の国内、国会内それから海外での自分の歩みを見つめながらもうすこし鎖が長かったら、あるいは鎖がなかったら、もっと活躍できるのにっていう思いがずっとありました。
それで、ちょっと早すぎるかもしれませんけれども、思い立ったら吉日ということで。皆からは5年くらい我慢したらって言われました。5年なんていたら、65歳です。私は60歳で政治家になったんだから、この10年が勝負だと思ってますから5年なんて待てない。この10年をフルに使いたい。もし知事になったら2期はやりたいと思っています。2期やったら私は70歳になりますから、それからまた元気だったら国政に帰ってきてもいいけれども、とりあえず私が元気なうちのこの10年を十分に生かしたいというのが本音です。





日本テレビ
先ほどの説明を伺っていると、社民党時代も参議院時代も自分には合わないと、窒息しそうだとおっしゃっていましたが、そうしますと、仮に知事に当選した場合にまた次も合わない、鎖が短いと思った場合は、また短い期間でおやめになるお考えなんでしょうか?





田嶋陽子
そんなことはないと思いますね。誰でも転職したときは思った状況と違うから転々としてしまうことありますよね。それは誰でもそうだと思うんですけれども。私は30年間大学教授やってまいりました。30年間というのは長いです。その間いろいろな工夫をしながら自分で生きてきました。本も10冊近く書きましたし、テレビにも出していただきましたし、私は自分の主義主張を生かすために私なりに頑張ってきました。30年は長いです。その間ちゃんと仕事やってまいりました。ですから、今度も自分に適した水のところであれば、自分の意思をきちんと表現できるところであれば、私は、もしそうでなくても、今度は首長ですから自分で変えていきます。





長野新聞
知事になられたら何をしたいと思いますか。





田嶋陽子
私は公約というのをよしました。まず環境、福祉、教育で仕事を作ろう。仕事がなくちゃしょうがないんで、環境も福祉も教育も全部仕事にする。そして5つの約束と5つの提案をしました。5つの約束のひとつはまずボランティア選挙に徹底するということ、どこかの労働組合だとかいろいろな組織とかありますよね、そういうところからの支援は一切受けない。一度受けたら、私は気が弱いですから相手の言うこと聞いちゃうかもしれない。それはいやです。私はいつも自分のやりたいようにやりたい。ですから、企業献金は一切受けない。当選したら知事の給料20パーセントかそれ以上カットします。これは私の姿勢です。無駄金は使いたくないなと。それで生活できるかどうか分かりませんが。それから、知事の交際費はすべて情報公開します。それからホットラインを作りたい。ファックス、e-mail で直接皆の声を聞きたい。私は今回政策を作るに当たって神奈川新聞を購読しましたし e-mail なども見ました。それを参考に提案の基礎を作りました。それが「快住かながわ」を作るにあたっての5つの提案です。





東スポ
もともと、田嶋さんの意思でお始めになったとおっしゃっていましたが、神奈川知事選があって、それに出たいと言うのは、田嶋さんからつくろう会の方に頼んでいるということなんですか?それともつくろう会が頼んだんですか?





田嶋陽子
それは、私が自分から選挙に出たいから助けてくれって言ったんです。大渕絹子さんが、私の後に社民党を離党した人ですが、斉藤さんを紹介してくださって。そういう感じです。本当に私の純粋意志です。





東スポ
いつごろですかその一番最初は。





田嶋陽子
斉藤さんにお会いしたのは、1、2ヶ月前だったかしら。





斉藤まさし
去年一回会ってますよ。そのときは全然そんな話じゃなかったです。





東スポ
都知事選じゃなくて神奈川県知事選というのはその方が勝算があるからということですか?





田嶋陽子
そうね。そうかもね。でも、最初、都知事選のお話をいただいこともあるんですけれどやっぱり石原さん強いよ。でも、樋口さんが出てくれてうれしいし、ぜひ勝っていただきたい。そして夢としては一都二県で女性知事。いいですね、世界にないですよ。





(会社名不明)
社民党を離党してまだ半年もたっていないですけれども、やはり、有権者の中には「社民党をやめて今度は県知事かよ節操ないんじゃない」というひともいると思いますがそれについてはどう説明しますか。





田嶋陽子
私の中ではすべて一貫しているんですけれども。わたしは、一番節操があると思っているんですけどね。どこにもくみしないで自分のものの考えと感性とで、人から何を批判されようとひたすら生きてきた。私自身としては一番誰よりも節操がある存在だと思っています。日本では変わると言うことは節操ないことというのがあるのかもしれませんが。私は、自分が間違ったと思ったら道を変えるのが正しいと思っています。





(会社名不明)
今の関連で意地悪な質問かもしれませんが、昨年10月に社民党離党した時に首長のことは当然おっしゃってませんでしたし、むしろ、党の体質を批判しておやめになった。今まで議員でいたのは知事選に出るための腰掛だったということですか。





田嶋陽子
そんなことはありません。私は誰よりも議員として働いたと思いますよ。特に離党した後は蝶々のようによく飛び回って働きました。質疑だって新米議員なのに冒険したりこの1年ちょっとのうちで46回しました。もちろん、社民党からもチャンスいただいたわけなんですけれども。法案も作る過程にあるものもあります。そういう意味で、私は自分のした仕事に悔いはないと思っています。でも、もう何でも時間がかかるんですね。委員会、委員会で。今回、田嶋陽子が知事選に出るといったら男女共同参画というのがついてまわると周りの方達は分かってくださると思っています。私はどこへ行こうと田嶋陽子だし、私と女性学や男女共同参画は切り離せない。そのことに関しては自信があります。私は離党した時、阿川佐和子さんと文春で対談しまして、そこで、社民党には幻滅したけれど、政治家を辞めようとは思わない。もっと自分の考えを生かせるところに行きたいな、それには地方自治の政治の方がいいかもしれない、市町村でも知事でもいいって言っているんです。だから、腰掛ということはないです。仕事も怠けていません。





(会社名不明)
先ほど国会とはリズムが違いすぎるとおっしゃいましたがもうちょっと具体的に、どうして参議員議員ではダメなのかお聞きしたい。





田嶋陽子
私は社民党から離党してから無所属になりましたが、すべての党から一緒にやらないかと声をかけていただきました。でも、私はもう党とかそういうものがいやでした。じゃあ自分で女性党を作ったらという誘いも話もありましたが、ちょっと違うんじゃないかなと思いました。国会の中を見ましてもやっぱり与党は連立を組んだら何をどうしようと与党の言うままですよね。これって絶望的です。ましてや私はどこの党にも入らないで1人でいて無所属ですと、法案通すのに、超党派でやらなければならない。法案作ったら20人の議員に声をかけて集めて戦います。今、従軍慰安婦のことをやっていますが大変です。いろんな取引があって、でも最後は却下されて。それで、また法案提出して。もう10年かかっても法案ひとつ通らないんですね。それって、議員としてすごく屈辱的です。私は51万票とってるのに、全然とってないひとでも大きな党にいれば思い通りのことができるとか非常に矛盾があって民主的なところじゃないと感じます。私は51万票の人たちが何かをしてほしくって国会に来たわけですけれども、時間がかかりすぎる。ここで私の大事な60代の10年間を過ごすのはもったいなすぎます。無所属で力がなくて負けたんだろうと言う人がいるかもしれませんが、私は自分では負けたとは思っていません。私は、通達を出してもらったり、願い事も通してもらったりいろいろな成果を出しています。それは世間に知らされていないけれど。法案を作っても私は無所属ですから最後は自民党にとられます。超党派でやっても結局自民党の人達が通したことになるんです。本当に下働きです。下働きはいいけど時間がかかりすぎてもったいない。それが本音ですね。でも戦争になるとなんでこんなに早く決着が付いちゃうのか不思議ですけれど。





共同通信
国政のほうで時間がかかるとおっしゃいましたけど。国政を変えてほしいと思う人達が前回の参議院選挙で田嶋さんに投票していると思うんですが、そういう有権者の方達にはどう説明するんですか。





田嶋陽子
そうですね本当にその51万人の人たちには、せっかく国会に送ってくださったのに申し訳なく思います。でも、その人達は田嶋陽子の名前を書いて田嶋陽子を支持してくださったということですから、私がやろうとしている政策を実現してもらいたい、国会を通して国を変えてほしいと思っている人達だと思うんです。でも、今いろんな県知事になっている人たちも国政にいると思うように行かないから、地方から国政を変えていこうとしている。今回のイラク攻撃だって80%の人が反対しているのに国会はちがいますよね。そのギャップがすごくあって。本当に日本という国を変えたいならど真ん中にいるよりは、外から皆と一緒に声を合わせて変えていく方向に行く。そういう方法をとっても私がしようとしていることは同じだと思います。どこにいても田嶋陽子だし、どこにいても日本だと思っています。県民とは言いますが国民です。





東スポ
61歳だそうですが健康面、体調面の不安はありますか。





田嶋陽子
4月で62歳になりますが、何にもないですね。歩かせてくれれば元気です。散歩さえしてれば元気です。でも、最初の選挙で喉を痛めましてね。それ以来喉が気になってますけれども。あとは、年なりですね。





読売新聞
今の神奈川県政今の課題は何だと認識されていますか。





田嶋陽子
やはり財政難じゃないですかね。赤字があるんじゃないですか。一番の問題ですよね。





(会社名不明)
それに対して、どのようにその赤字財政を改善していこうと思っていますか。









田嶋陽子
まず入って県庁の人にあって話を聞いてそれからですね。私は国会にいてつくづく思いましたけれども、男の人の金の使い方は雑すぎる。宵越の金は持たないとかきっぷがいいといえばそうなのかもしれないけれど。予算のたて方にしても。やっぱり台所にたってないと、子育てしないとだめなのかなと思うくらい、無駄金使いすぎていると思います。ふつうは健康な感性でやったらそんな変なことにはならないと思う。人の金だと思うから平気で借金したりするんじゃないですか。でも、背後に公共事業とか組織があったらノーと言えなくなるのかもしれませんが、私はそういうのはいっさいありませんから。





NHK
首長に向いているという最大の理由は。





田嶋陽子
これは現実にやってみないとわからないですけれど、でも首長は小さな大統領って言われていますよね。だから、超党派の議員20人集めて頭下げてこの法案をっていうのとはちょっと違うと思います。条例があるし。私はこんな条例作ったらどうって提案していますけれども、むしろ総理大臣よりも首長のほうがいろんなこと実現しやすいんじゃないかなという夢はもっています。




(会社名不明)
公約じゃなくて約束なのはなぜ。





田嶋陽子
公約って言ったら、自分がかってに決めてしまうことでしょう?それでその公約を実現するとかしないとか言うけれど、県民からみたらそんな公約要らないよってなるかもしれないじゃないですか。私は神奈川に住んでないから、一生懸命インターネットと新聞とで、今何が問題になっているのか調べていますけれども。だから、私が、現実に知事になってから皆と話し合いながら意見聞きながら改めて公約を作ってもいいかなあって思っているんです。





(会社名不明)
仕事を作ると言うことはどういうことですか









田嶋陽子
お金稼ぐこと。例えば今公共事業やっているけど、皆仕事が必要だから公共事業やるんでしょう?だからそこで働くおじさん達とかおばさん達がいたとしたら、その人たちを福祉とか教育とかそういうところへ職業訓練してもっていく。介護だっていろんな仕事がありますよね。福祉だけでも五万と仕事がある。だから、公共事業で働いている人たちをそういう方向に振り向ける。福祉が盛んになればそういう仕事も増える。それでまたいろんな問題出てきますから、そういうことを解決しながらやっていく。そういうことです。





(会社名不明)
団体などの推薦を受けずに全く個人でやられるということでよろしいですか。





田嶋陽子
そういうつもりですよね
一切企業献金を受けない。ボランティア選挙。
勝手連みたいなのを誰か勝手につくってくれたらいいけれど、だからそこは自信ないですね、自分が勝手に出たんですから。





斉藤まさし
全く今のところ、どこにもお願いしていません。一切団体にも依頼はしないつもりです。





田嶋陽子
今、みんな無党派とか言っているけれどみんな付いてるでしょう?皆お願いしてもらっているんでしょう?無党派無所属なんて嘘ですよ。だからそういう風にはなりたくないんです。本当に無党派なら無党派でやってみたいと思います。





朝日新聞
今回の選挙戦は何か進め方を考えていますか?前回はサンバを踊っていましたけれども。今回は何か差別化をはかる作戦はあるんでしょうか。





田嶋陽子
今回はサンバは戦争中だから不謹慎かなと思うけれど。不謹慎でも踊れるなら踊ってもいいと思います、やっぱり戦争したくないっていう人が増えればいいわけだから。今の選挙とても大事だと思っています。でもサンバを踊るかどうか。あれは最初から意図したんじゃなくて、私が喉を痛めてあまり喋れなくなってから、学生たちから自然発生的に出てきたものなんです。今回も何かが起きたらまた何か工夫するかもしれません。





朝日新聞
その関連でもう一問これは斉藤さんにお聞きしますけれども、
今回、6人目の神奈川知事立候補表明なんですけれども、皆自分は無党派だと言っていますよね。田嶋さんも社民統系になると思うんですけれども、他の候補者達と何が違うんでしょうか。本当に無党派だという差別化できる理由はなんですか。





斉藤まさし
まあ、無党派かどうかそれは有権者が判断することだと思いますが、先ほども言ったように、どんな団体、組織にも一切後援はいただかないということです。私はそういう選挙でないと応援しないんですね。首長は政党の色が付いたらいけないと思っています。直接選であるわけだから。国政だったら、基本的に政党政治じゃないと機能しませんけれど。地方自治体は直接制ですから大統領制に近いわけですから。議会が本来持つべき役割は多様な意見を代表すること。それが特定の政党の推薦を受けていたら議会は本来の役割ははたせないわけです。そういうあり方自身が間違っていたわけです。
今、各地で、例えば、長野でも、千葉でも、広島でも新潟でも全くボランティアだけの選挙で首長が生まれているんです。与党的な立場は政令市議会ではたった1人しかいない。それでも、喧嘩しながらでも首長であれば、あの大きな政令市でも20何年つづいた赤字を4年間で黒にしているんです。何故これができたかと言えば、一切の政党や団体の後援がないから、逆にそういう大胆な改革ができるというのが僕の実感です。
そういう意味で今回も応援する根拠は田嶋さんがそういう選挙をやるというから、それだったらお手伝いしたいことにしました。他にそういう候補がいないとは言いません。ただ私の知る限り、神奈川の選挙区は、今まで立候補している人の多くは実際上は政党のシナリオで作られた候補であり、政党の応援で成り立っていると私は思っています、及び、宗教団体とか労働組合とか。それが悪いという意味ではないんです。それは今までのあり方で、私はそういうやりかたがいやなんです。実際はそういう選挙をやっていながら無党派とか無所属とか。市長選挙があるときには本当の無党派しか応援したことしかない。今回も田嶋さんだから、田嶋さんがそういう選挙をやりたいというので応援しているんです。





毎日新聞
無党派の関連で徳島の知事が無党派で出て県議会とけんかしたということがありましたが、徳島知事に対する田嶋さんの評価をお聞かせいただきたい。





田嶋陽子
私、徳島の方は良く分からなくて。ただ、田中さんの場合は、田中さんのようなやり方をしなくても他にやり方がいろいろあると私は思う。いつかアエラで取材受けたときに鳥取の片山さんのやり方を勉強したほうがいいよっていったことがあります。





(会社名不明)
先ほど、2期はやりたいとおっしゃいましたがその根拠と、それから自分の任期を3期までとかにされている方がいますが、それについてどうお考えですか。





田嶋陽子
知事って初めてなるから分からないですよね。よく言われるのは、1期は前やった人のことを整理するのに時間がかかるって。本当かなと思いますが、そういうことが頭にあるので、だったら自分の政策を重んじるには2期ぐらいやらなければいけないかなと、それぐらいのレベルのことです。




(会社名不明)
今、他県の知事の話が出ましたけれども、今、岡崎知事がやられているんですが、評価するとしたらどうですか。





田嶋陽子
私は岡崎さんの県政は良く知りません。ただ借金があるっていうのはきいています。どうして、そんな借金しちゃったんだろう。





日本テレビ
神奈川の現状をあまりご存知とは思えないんですけど、出馬されるんですか。神奈川に縁がないのに出馬すると言うのはどういう理由ですか。









田嶋陽子
田中さんだってあまり関係ないし、堂本さんだって、ご先祖は千葉にいらしてもずっと東京に住んでいましたし、そういう方は多いんじゃないですか。皆さん高い志持って頑張って、今のような政治やってらっしゃいますよね。一番最初に説明したように、なまじ縁がない方が公平な政治が出来るっていうのが私の方針です。縁がないから出るなっていうならそれはちょっと違うと思います。
あと、これは言っていいのか分かりませんが、私はいろんなことをやりたいんですが、例えば専門にしてきた女性のことに関してとか、国の男女共同参画局の福田官房長官としょっちゅうやりあっていますが、そこをみていれば日本全国、女の問題に関して、全部構造は変わらないんですね。ただ神奈川は県民の皆さんの意識が明るいから一緒にやっていくのにやりやすいかなという希望が持てる県なんですね。





(会社名不明)
要するにイラクでどんぱちやってますがその関係でマスコミにとりあげられる機会が少ないと思いますが、それについてはどう思いますか。





斉藤まさし
それは勝てるかどうかという可能性という意味でしょうか。0.1パーセントであっても可能性がないと思った時はやったことがないです。でもそれがたとえ0.1パーセントでも勝てる可能性があれば、絶対に通らないと言われる選挙もやってきました。今回は勝てる可能性はあると思います。神奈川県民にはその力があると思います。今の候補者から神奈川県民が選ばなければならないとすればとても悲しいことだと思います。ここで、田嶋さんに出ていただくことで、神奈川県民に最後の選択肢を提供できると私は思っています。





(会社名不明)
正直言って、松沢君と芥川氏の票をちょっとくって宝田さんのほうに寄与するだけじゃないかという危惧があるんだけれど。





斉藤まさし
まあ、結果を見ていただきたいと思います。






毎日新聞
市民の党の代表ということで、神奈川のほうの市民の党の地方議員が動いていると思うんですけれども。





斉藤まさし
本当に最終的に決まったのが昨日なので、誰かを出さなきゃいけないということで、去年から神奈川の議員さん達や市民運動のかた達から相談はずっと受けていました。それで僕も誰かを出さなきゃいけないと思っていました。市民や議員の中から、そういう思いがあるのは事実です。田嶋さん以外に、誰もいなければやろうという人もいました。そうとうの知名度のある方ですが、かなり早い段階から話をいただいていました。田嶋さんからは最近でした。名前がなかなか出せない状況があって。名前を出すとつぶれちゃうと言うのが今までよくあったので。田嶋さんがやりたいということで決断なさって。田嶋さんじゃいやだという人もいるかもしれませんし、田嶋さんならボランティアをやろうという人がいるかもしれないし、ぜんぜんきてくれないかもしれない。まったくやってみないと分かりません。二人で大丈夫かねといっていますが。今回は神奈川は本当に選択肢を求めていると感じていますので。短期間ですけれど、ボランティア選挙は十分に可能だと思います。少なくとも千葉県知事選挙の時よりははるかに可能性があると思います。





(会社名不明)
先ほど、平和の問題で国会の中を批判していましたけれども、仮に知事になって地方自治体の長という立場で平和の問題をどうしようと思っていますか。





田嶋陽子
教育ですね。やっぱり男の人もちゃんと子育てして、家庭に参加したらそう簡単に戦争はできないです。それから男の人も、きちんと家庭を大事にしながら仕事ができるような生活環境が整ったら、そう簡単に戦争はできないと思います。今、戦争やることを決定している人たちはそういうことは女まかせで、頭だけでやっている人が多いと思います。
家庭内暴力、ドメスティックバイオレンスがありますが、例えば、アメリカがお父さんなら日本はお母さん。お父さんが武器でイラクをひっぱたくと、お母さんが後から行って復興支援だといっておつむいい子いい子している。だから、家庭内暴力の昔の家父長制タイプがそのままイラクや日本の関係に現れています。それがどこからくるかと言えば、やはり、言うことを聞いてしまう日本がいるのと同じで、言うことを聞かざるを得ない女がいる構造と同じです。あるいは、強い人の言うことを聞かざるを得ない弱い立場の人たちを作ってしまう社会構造。それは、もう男女差別ばっかりじゃなくていろんな弱者と強者の間のそういうことをなるべくなくしていく、本当の意味での構造改革を県政の中でキチンとやっていきたい。教育から福祉からあらゆるとこをやっていく。ブレアさんが昔「Education、education、education」て言ってたように、あらゆるところの、死ぬまでのお互いの教育なのだと思います。戦争のない幸せな「快住かながわ」を作るためには、そのへんは単なる戦争反対のデモとはちがいます。もう生活の抜本から、人と人とが慈しみ合いながら、対等な関係が築けるような関係をつくっていけるような政策を作っていきたい。






神奈川新聞
無所属の国会議員から横浜市長になられた中田市長がいますが、その影響を受けられたのかどうかということと、神奈川県は政令市で横浜と神奈川2つ抱えていて、知事の権限や、やることに制約がかなり出てくると思いますがそれについてはどうお考えですか?





田嶋陽子
本当に限られてきますか?政令都市が二つあるから?あまりそういうことは考えてなかったです。





(会社名不明)
知名度が圧倒的にあるので、誹謗中傷などのビラがまかれるなどの類が予測されるんですが。





田嶋陽子
社民党離党した時は誹謗中傷がひどかったですよ。5分の3が誹謗中傷の e-mail その他。それから5分の2が「あんた、よくやった」って、「だいたい入るのまちがってたんだよ」って。誹謗中傷は e-mail が多いですね。ところがね、不思議だけど、町を歩いていると、離党したあと結構男性達が寄ってきて、がんばってねって言ってくれる。誹謗中傷は慣れました。テレビに出て以来、「ぶっ殺すぞ」に始まってさんざん誹謗中傷されてきて、怖くて郵便物もあけられないことが長くありました。でも世間てそういうもんだなと思っています。今回もそういうことがあるとは思いますが、それって本当に傷つきますけど、しょうがない、我慢します。





斉藤まさし
それではこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

https://tajimayoko.com/politics/entry-76.html
神奈川県知事選出馬表明記者会見



○田嶋陽子君



 社民党の田嶋陽子です。

 福田官房長官は男女共生参画社会の大臣でもいらして、そのことについてお伺いします。

 福田さんは、男女共同参画社会の実現は内閣の最重要課題の一つとおっしゃっていらっしゃいますね。何でそう思われたのか、教えてください。







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○国務大臣(福田康夫君)



 私は、内閣において男女共同参画担当大臣ということで、男女共同参画問題の責任者、唯一の責任者だと、総理大臣も担っておりますけれども。そういう立場で、やはりこの男女共同参画社会が二十一世紀により活力を与える社会になるだろうと、そのことによって明るい社会になるんじゃないかと、こう思っておりますので、ぜひこれは進めたいと、こう思ったわけでございます。







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○田嶋陽子君



 それでは、男女対等になれば二十一世紀の社会は明るく活力のある社会になるとお考えでいらっしゃるんですね。







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○国務大臣(福田康夫君)



 そうでない社会の典型がアフガニスタンであろうかと思っております。

 そういうことで、私は、我が国においてこの男女共同参画社会が実現する、かなり私はその道に向かって改善されていると思いますけれども、なおまだ追求しなければいけない問題があるだろうと思っておりますので、しっかりやりたいと思います。







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○田嶋陽子君



 お見事です。そのとおりです。男女差別のあるところでは必ず暴力的な行為が横行します。

 それで、選択的夫婦別姓というところの中間まとめが出ましたけれども、そこのところで官房長官は、政府としても具体的な検討を進めていく必要がある、法務省を中心に全力を挙げていくということを十月十七日の新聞でおっしゃっていらっしゃいますけれども、具体的には現在どのような取り組みをなさっていらっしゃいますでしょうか。







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○国務大臣(福田康夫君)



 具体的に今これから進めようとしていることについてお尋ねでございますけれども、これはこれから関係方面の理解を得るための作業を速やかに進めるということがございます。これは、政府としては、法務省を中心に具体的な検討を進めていきたいと、こういうふうに思っております。

 それと同時に、これは政治家の方で政治家としてやはりどういう考えを持つか、その夫婦別姓、選択的夫婦別姓を進める意思ですね、これを確認していただかなきゃいかぬと、こう思っております。男女共同参画社会をより充実したものにするために、政治家の御協力をいただかなければいけない、このことについての説得もしていかなければいけない、そのように思っております。ぜひ御協力をお願いしたいと思います。







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○田嶋陽子君



 それでは、官房長官は、政治家としてこの夫婦別姓、選択的夫婦別姓というものをどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。







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○国務大臣(福田康夫君)



 我が国はまだこの制度を始めていないし、これからということでございますから、こういう社会がどういうことになるかということについてのイメージが、まだもう一つはっきりしていないというところがあるんじゃないかと思います。しかし、先進諸国ではもう既に実施をしているということもございますし、そのことによって、選択的というこのことによって私は理解をしていただき、そして本当に自分が、それを選択する人がそれを選択できるわけですから、ですからそのことで皆さんが御理解をしていただき、そしてその制度が定着してくればそういう社会というものはこういうものだということを体得できるわけですから、ですからそういう時期が早く来ればいいなというように思っておるところです。

https://tajimayoko.com/politics/entry-263.html
夫婦別姓制度に関する質疑



2002年11月12日

会議名:内閣委員会

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○田嶋陽子君

 無所属の田嶋陽子です。
 私は、昨日、おととい、男女平等省とそれから男女平等政策特区を提案させていただきました。特に経済特区については、鴻池大臣からも強い御賛同をいただいて、意を強くしているところです。
 そうはいいましても、その男女平等省ができるまでの間は、福田官房長官にも坂東局長にも厚生労働省にも頑張っていただかなければいけません。今日は、福田官房長官と今の男女共同参画局始め各省庁にどういう方向で頑張っていただきたいのか質問して、意見を述べさせていただきたいと思います。
 今日は、内閣府にある総合調整機能について質問させていただくことになっていたんですけれども、実は今朝から亀井郁夫議員のお話を伺ったり、それから新聞記事を見たりして、その前にちょっといろいろお聞きしたいことが出てきましたので、今日はそのことを最初にやります。
 まず、例の、ちょっと今朝亀井さんとお話ししたんですけれども、やっぱり意見が合わないようでして、そこで私は、やっぱり亀井先生の考えていらっしゃることが世間の大方の考えかなとも思いますので、それに対して異論を唱えたいと思います。聞いてください。


 亀井議員は、「ラブ&ボディBOOK」というこれを、厚生労働省の団体である、どこでしたっけ、冊子を作って配ったんですね。それに対して、これを絶版にせよという意見があります。この本というのは、この冊子は、異性とどのように付き合ったらよいのか、望まない妊娠を避けるためのコンドームやピルの紹介、それから性感染症にはどのようなものがあるのかなどについて詳しく紹介しています。その詳しさがあだになったのか、なぜかこの小冊子に関しては国会議員の間でも賛否両論が入り乱れています。
 衆議院議員では、山谷えり子議員が、中学生に危険性もあるピルを勧めるのはよくないと、そういう委員会で質問もなさって、回収を強硬に主張されています。質問主意書でも、中学生に危険なピルを勧める悪い本であるといって主張なさっていらっしゃいます。ここにいらっしゃる亀井議員も、八月三十一日の朝日新聞で、やはりこの本はいかがなものかと。「ラブ&ボディBOOK」はいかがなものか、産む、産まないを決めるのは女性本人であると言っているということは堕胎を勧めていることにもなると、今朝もこの本を批判なさっていらっしゃいます。どうもこのお二方の主張は、中学生にピルの使用を教えたり、それからコンドームの着け方まで教えるのは早過ぎるんじゃないかということだろうと思います。
 でも、一方では、民主党の女性議員が最近の朝日新聞で、小宮山さんが、是非この本は絶版にしないでほしいと言っていらっしゃいます。私も、この本は是非絶版にしないでほしいと思います。もし私が中学生のころにこのような本ができていたら人生変わっていたと思いますね、マッチベターに。
 例えば、私が中学生のころなんかは、足首の細い女はいいとか、それから男は千人斬りが男らしいとか、女は逆に、何しちゃいけない、これしちゃいけないって。そして、女性の中には、いろんな社会事情、家庭事情もあったんでしょうが、お兄さんとかお父さんにいたずらされて、その結果、今みたいにこういうケアがなかったものですから、結局は、性虐待という言葉ですね、今で言えば、そういう行為を受けて、女の子は自分が悪かったんだと自殺して悪い評判になったり、かわいそうな女の子たちがいました。
 それに対して、こういう本があったとしたら、「ラブ&ボディBOOK」ですね、どんなにか子供たちは救われると、私は自分が子供だったころを思い出して思うんですね。
 例えば、亀井先生はいろいろ気になさるところだけを挙げていらっしゃると思うんですが、私なんかはとてもいいと思うところはどういうことかといいますと、さっきの千人斬りのところでいきますと、男の子でも、初体験をしなきゃいけない、早くしなきゃいけないってせっつかれている、それも先輩の男の子たちから言われて。でも、そんな必要はないんだよと、みんなそれぞれなんだよと。そういうことにだけ気を遣っている子供というのは、学校がつまらないとか、親とうまくいかないとか、自分を受け入れる人がいないとか、もっと人に認められたいとか、何かほかの原因があるかもしれないんだから、ただそのことだけをうのみにしちゃいけないよとか。

 それから、例えばこういうこともあります。女性で援助交際している子たちが何十%かいますね。そういう子たちに対しても、やっぱりこれは性犯罪なんだということ。そして、そういうことをやるのは性犯罪であってよくないんだけれども、でも、それにはまっちゃっているあなたはそうせざるを得ない心の痛みがあるんじゃないか。だから、はまるのはSOSなんだから、何があなたを苦しめているのか。その正体を少しでも知るためには、気持ちを聞いてくれる学校の先生とか、あるいはあのカウンセリングの先生に相談した方がいいよとか、こういうことというのは私たちのころは全然言ってもらえなかったですよね。
 それから、ここには、男の子が毛深いとか、いろんなペニスがどうたらこうたらとか、昔ながらのにきびの話も、いろいろ悩みがありますね。女の子だったら、ぺったんこの胸がどうたらこうたらとか、そういうものに対してもきちんと答えてくれている。私らのころはそんなこと答えてくれなくて、あなたは生きている価値もないんだよみたいな、そういう言われ方をしたものです。
 それから、ここでマスターベーションに夢中になる男の子の話もあります。別に、マスターベーションたくさんしたからって頭悪くはなるわけじゃないんだよと。自分のペースでちゃんと考えてやりなさいと。
 ちょっと私の言い方は乱暴ですけれども、もっと丁寧に分かりやすくそういうことをいろいろ書いてあるんですね。性器の形や色のこともです。
 これは、もう本当に思春期のころというのは、皆さんも思い出してみてください、非常に不安なものだと思うんですね。ですけれども、これを実行するためには、例えば、ここにこういう言葉があります。この本の中に、男の子と女の子に向かって言うメッセージが違います。例えばこういうメッセージがあります。女の子はノーを言おうということですね。
 私たちのころは、男の人にノーを言うと男の人に嫌われるからノーと言っちゃいけないという、みんな暗黙の了解でそういうものがありました。だから、うまくうまくしなを作って逃げるとか、けんかしちゃいけないんですね。
 だけれども、女の人はちゃんと自分がどうしたいか主体性を持つことが大事だと。自分の体と人生は自分で守らなくちゃいけないんだよって。自分で決めていく権利があなたにはあるんだよって。もうそういう練習を中学生のときからさせようとしているんですね。いきなり大人になってから大人になれなんて無理なんですね。だから、やっぱり中学生のときからそういうことを言ってほしい。
 じゃ、男の子に何と言っているかというと、本当の男の人というのは、女性を対等のパートナーとして認められる力量のある人、尊重できる男の人、これが本当の男なんだって。だから、男の人は、おれは男だなんて強がっていないで、もっと自分らしく生きていようよと、こういうことを言っているんですね。
 女の人にはノーと言おうよというんですけれども、このノーと言うというのは、石原慎太郎さんも「「NO」と言える日本」なんという本を書いていますけれども、男と女の関係というのはちょっとアメリカと日本の関係に似ているんですね、ちょっと語弊があるかもしれませんが。結構お互いに利用し合っていながら、いざとなるとノーと言えないのがアメリカに対する日本と同じで、男と女の関係でも、いざとなると女の人は男にノーと言えない状況があるんですね。それは、弱いからでなくて、そういう状況があるということを私は言いたいわけです。特に中学生のセックスの場合、大人になっても女の人は実はノーと言えない状況があると。

 そこで、皆様にお配りしたこれを見てほしいんです。男らしさ女らしさの一枚の表をお配りしましたけれども、ちょっとこれを見てください。左側から見てください。
 男らしさと女らしさを上下に書いてあります。女らしさを上に持っていきたいところですが、どうしてもこの表はこうでなくてはいけないんですね。まず、男らしさのプラスイメージを見てください。男の人というのは子供のころから、今はちょっと違っていると思いますが、少なくともここにいらっしゃる方たちはどういうふうに男らしさというものをしつけられたというと、男はでかい夢を持てよ、野望を持てよ。そして、男は沈着冷静でなくちゃいけないぞ。そして、男は自分で考えて、決断力、実行する、大胆に実行するんだよ、行動するんだよ。そして、社会のリーダーシップ握って、経済性身に付けて、そして強くなったら男というのは優しくなるんだよ、社会性もできてくるんだよ、包容力もできるんだよ。そして、おれに任せておけと、これが男ですよね。そういう男の人は、りりしくて、たくましくて、めったに泣かなくて、視野が広くて、そして私たちは、そういう男の人に女はみんなあこがれるわけです。おれに付いてこいなんて言わなくたって、こういう男の人がいたら、私たちはみんな吸い寄せられるように付いていってしまう。
 そして、それで男の人たちも、結構これって男らしさの理想のイメージですからストレスなんですね。その結果どうするかというと、会社や国会でいい顔をしても、うちに帰ると結構暴力振るっちゃったりする男の人がいる。身勝手で、威張っていて、そして戦争好きで、嫉妬深くて、そういう男の人は結構奥さんには暴力を振るっちゃったり、子供に暴力を振るっちゃったり、横柄だし、乱暴だし、そういうことですよね。ワンマンで、頑固で、どなって、乱暴でと。これが言ってみれば、一生懸命男らしさを生きている男の人の言ってみれば裏ですね、ストレスですね。これが事件を引き起こすものです。だから、男らしく生きよう生きようとしている人は逆にこういうストレスがたまっている人もいる、もちろんそうでない人もほとんどかもしれませんが。
 じゃ、ちょっと女らしさの方を見てください。女らしさというのは、らしさです。男もらしさですから本物ではないということです。らしさというのは社会規範なんですね。だれかが作ったものなんです。文化の操作なんですね。
 女らしさ、左側から見てください。男の人たちが、ある年代層の男たちが好きな女、従順、おとなしい、そのくせしんが強い。家事は何言ったってきちんとやってくれる。料理がうまい。忍耐、しかも控え目で、素直で、料理はできる、洗濯は黙っていてもやる、それからお茶と言えば給茶器のようにお茶も出てくる。明るい、蛍光灯じゃないんだから女にだけ明るさを求めるなと私は言うんですけれども。でも、女は愛きょうがあって、しかもきれいでなくちゃいけない。気配りがあって、きゃしゃで、美しくて、優しくて、上品で。洗濯して手が荒れているのに、料理して手が荒れるのに、手は白魚のような手を求められる、これが女です。
 この女らしさというのは、上の男らしさと比べてみてください、価値は同じではないんです。男らしさというのは、これは一人前の人格を持った人間になる素質です。自分で考えて、行動して、何かをなす。すなわち、自立して、独立して、一人前になる人間の資質なんですね。だけれども、女らしさを見てください。しんが強いとか、優しいとか、控え目とか、従順と、ここには人格になる要素は何もないんですね。ないんです。言ってみれば、人の世話をして、だれかからいい人ねと便利がられる素質なんですね。
 すなわち、これは女は女にしかなれない、人間になれない。だから、女の人には不定愁訴が多い。こうやって女の人は一人の、もしかしたら、さっき、今朝、亀井議員は男らしい女の人もいるとおっしゃいました。ここにいる例えば女性議員を見てください、あるいは官僚の方たち見てください。それぞれ仕事を持っている女性たちはみんなこの男らしさを持っています。自分で考え、決断し、行動する。これを悪口を言って男勝りだとか言いますが、私ら人間ですから、こういうものをみんな持っています。みんな持っているんだけれども、もし女らしく生きろと言われて、この下の部分だけを生きさせられた女たちはみんな病気になっちゃうんですね。だから、実に女の人の病気は神経症とか何かは非常に多いです。働いている女の人の方が少ないですね、家庭の主婦よりは。これは統計で出ています。
 そうやって健全な人間性を抑圧された女性の、右側見てください、これが自己主張できない女性はふて腐れたり、すねたりします。ふて腐れたり、すねたりする女性は男性から見るとかわいいかもしれませんが、これは自分を生きていない女性です。そして、ヒステリーだったり、暴力を振るったり、社会性がないのはそうですよね、持っちゃいけないんですから。浅はかですし、女は意地悪です。みんなどこか意地悪というのは健全な人間性をある意味で抑圧されているからですよね。すなわち、女の人は女らしさを生きると自己主張がない。すなわち、自分がないわけですから、人間になれないわけですから、人格が作りにくいわけですから、ノーが言えないんですよね。
 そして、このプラスイメージの男らしさを持っている人とプラスイメージの女らしさを持っている人が一緒になったら、必ず女らしさを生きている人は男らしさを生きている人に支配されちゃうんです。だから、おれに付いてこいなんて言われなくたって、男らしさを、この社会規範を生きている男の人は嫌でも女の人が付いてきてくれるんですね。こういう構造になっています。これが、悪いですけれども、この言葉嫌いでしょうが、男社会が作った男と女の在り方。ですから、らしさなんですね。あくまでもらしさです。
 そして、男らしさと女らしさは同じ価値ではありません。これは上下関係です。ですから、ボーボワールが、男を生きた人は、男は一級市民、女は二級市民と言ったのはこのことなんですね。すなわち、男は作られる、女は作られるというのは、このらしさで、こうやって生まれたときから作られていくわけです。私らはみんなこれに苦しんできました。

 そして、何で、じゃこの「ラブ&ボディ」の本の中で、男の子に対するメッセージと女の子に対するメッセージが違うのかといえば、こういう背景があるからですね。すなわち、女の子はノーが言えないような、そういう育てられ方をしてしまっている。男は、大きく大きく象さんになれ、昔、テレビ番組にあったそうです。女は小さく、女はそう言っていないです。大きく大きく象さんになれ、小さく小さくアリさんになれ。それを私は言葉を当てはめると、大きく大きく男は象さんになって、女はアリさんになる。すると、アリンコになった女は、象に踏み付けられたって、象はアリンコを踏み付けてもへでもないですね。もうごろっともしないですね。そうやって、ある意味では、女の人たちは男の人たちに日常的に踏み付けられる状況にいる。それが男らしさと女らしさの社会規範であり、その背後にあるのは支配という構造なんですね。
 これを見てほしいです。そして、何でこの「ラブ&ボディ」が大事かといえば、私が今申し上げたように、あからさまなことは言っていないけれども、そのことを踏まえた上で、女の人がノーと言えるということ、あるいは男の人と話し合って、避妊を決めたり、あるいはセックスするか決める、そのことがどんなにか大事か、それを中学生のころからきちんと練習していかなくてはいけない、そういう考えですね。
 でも、今朝、亀井先生からお伺いしたお話だと、今もって女は見ざる言わざる聞かざるがいいと。要するに、子供というのは大の大人から見ると、女子供は守ってやればいいんだと。すなわち、見ないでいい、聞かないでいい、知らないでいい。すなわち、子供と女に対してだけはまだこの国は封建制度なんですね。見ざる言わざる聞かざるを子供と女はやっていれ、それに対して私たちは、いや違うんだよ、だから男女共同参画社会にしてほしいと。
 すなわち、この世の中に抑圧された人たちがたくさんいればいるほど社会は不穏になるんですね。ですから、むしろみんながセックスをやって楽しければ、それで男の人も女の人も幸せなら、むしろその方が犯罪が増えるよりはいいわけです。ただし、ほっておけば男の人が勝手にしてしまうから、女の人が少し自立、しっかり自立心を持ってノーが言えるようになれば、そこに事件性は少なくなってくるわけですよね。だから子供にもきちんと情報を与える。


 そして、今一番増えているのは感染症です。性病です。十代の子供たちの間に、避妊もしないでするセックス、きちんとした知識もない状態でするセックス、そのせいで非常に子供たちの間に性病が増えています。HIVのことは余り言われませんが、これも少しずつ少しずつ増えています。アジアでは、八百万人の人たちがHIVそれからエイズにかかっている人たちがいて、一日に一万五千人ずつ増えていると言われています。
 そして、日本は、私のかつての学生たちもそうでしたが、アジアに行く学生たちが非常に多いです。困ったことは、大人の男のまねをして、学生のくせして百円で買える女の人を買うということです。そういうことに対して、日本は国内できちんとした性教育をしなければいけない。その性教育を道徳教育とおっしゃっているけれども、道徳教育ではなくて、きちんと自分の体は自分で管理をする、相手を痛め付けない、相手と話し合える能力を身に付けるという、そのことが、それこそが道徳だと思うんですね。セックスするのが早いか遅いか、そういうことを決めることでもない、純潔教育を推し進めることでもない。
 例えば、こういうことを言ったら分かっていただけるかもしれません。今朝の話で面白かったのは、政務官の方が、電子商取引から予想もしなかった問題が出てきたと、こういうことをおっしゃっています。電子商取引から予想もしなかった問題が。すると今、こういう本がコンビニで売られています。こういう本には、十四歳、十五歳、十六歳の女の子がどうやってセックスをしているかということがたくさん載っています。これはいろんな統計とまた違う状況です。これを見たら、ここでやっている、国会でやっていることがいかに時代後れか。
 私たちはこの情報にきちんと向き合って、しかもばかにしたり切り捨てたりするんでなくて、この人たちがきちんとある時期もういいよと言うまでもしかしたら教えていかなきゃいけないんですね。

 例えば、十五歳で、脱処女と言っています。脱処女と言うんですね。十五歳で二八・五%、十四歳で二二・七%、十六歳で二一%。十五歳、一番多いですよね。中学三年生です。ここにある私のところの統計によれば、これは例えば東京都の幼稚園・小・中・高等学校性教育研究会が今年の一月──これはさっきスーパーで買ってきた雑誌です。これは、一月に東京都内の高校生男女総計三千六十四人を対象に実施した調査では、高校三年生に対していつ初体験をしたのかと聞いたところ、中学三年生と答えたのが男子が一二・三%。どれだけ正直か、どっちが正直か分かりませんね。こっちはもしかして頑張っちゃってうそを言っているのかもしれないし、こっちはちょっと先生の調査だからと思ってうそを言っているのかもしれない。分からないけれども、とにかくこういう数字が出ています。女子は九・一%です、中学一年生で。現在の中学三年生にじゃ初体験済みかと聞いたところ、男子の六・八%、女子の八・七%、それが経験済みと答えています。経験済みの前にはいろんな段階があるわけですよね。
 問題なのは、厚生労働省の母体保護統計では二十歳未満の人工妊娠中絶が二〇〇一年度は四万六千五百十一件です。六年連続で増加していて過去最高なんですね。二十歳未満の妊娠中絶が一三・六%を占めている。もうこうなってきたら、ただセックスをするなとかそういうことではなくてきちんとした情報を与えてやる、後は、するかどうかはあなたがきちんと決めるんだということで、ほったらかさないで徹底して一緒に話をしてあげる、そういう性教育をできる大人と先生がいなければいけないんですが、現実に学校には先生いないんですね。その話ができる先生がいないんです。
 みんな先生まで、私らなんか言われたのは、おい、おまえ足首太いな、そんなの男に嫌われるぞと、私らの先生でさえそう言いました。それから、私たちの中学校の先生はセクハラしましたね。キャンプに行って悪いことをしました。今の先生だってそういうセクハラ先生が一杯です。おまえでぶっているなとか、おまえそれじゃ男に嫌われるぞとか、とてもひどいです。そういうの一杯あるんですね。大学でもそうです。そういう中で女の子たちはとても傷付いていて、勉強どころではなくなって、男の子に好かれるためにはどうしたらいいかとか、そんな方向に行ってしまう子供もいるぐらいなんですね。
 じゃ、お母さんとお父さんはそういう教育ができるのかというと、お母さんとお父さんは絶対にそんなことは話してくれないわけですね。きちんとした性教育のできる人はほんの数%しか親ではいません。それほど親も性というものを自分なりに克服していないんですね。克服と言うとおかしいですが、自分なりにコントロールできる自分の体と心という立場で性を考えていないということですね。
 そういう日本において、やっぱり学校教育に意味があるとしたら、私はこういう副読本をきちんと配って教室で先生たちが学生ときちんと話してくれることだと思うんですね。学校が私にとっては救いだと思うんです。私も子供のころはまだ家庭よりは学校の方が救いだったし、先生のことを信じていました。ですから、これは絶対に絶版なんかしてはいけないと、私はそういうふうに思っています。
 それで、坂東眞理子男女共同参画局長にお伺いします。この本は男女共同参画の視点の目的に合致していますでしょうか、いかがでしょうか。



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○政府参考人(坂東眞理子君)

 この「ラブ&ボディBOOK」については誤解を招く表現があったというふうに指摘があったということを聞いておりますけれども、それに対してどういうふうに判断をするか、男女共同参画の視点も含めましてどう対応するかということにつきましては、この団体の所管省庁である厚生労働省の方で適切に対応していらっしゃるというふうに認識しております。



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○田嶋陽子君

 それでは、岩田喜美枝厚生労働省雇用均等・児童家庭局長にお伺いします。
 厚生労働省としては、この母子衛生研究会がどのような意図で「ラブ&ボディBOOK」を作成配付なさったと把握していらっしゃいますでしょうか。



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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 「ラブ&ボディBOOK」は、旧厚生省の中に女性健康手帳検討委員会という検討委員会が設置されまして、その研究結果を参考にいたしまして、母子衛生研究会が独自の事業として、もちろん専門家の意見も聞かれて作成し、希望する自治体に意向を聞いた上で無料で配付をしたというふうに承知をしております。
 この冊子の内容については例えばピルの副作用についての記述がないなど各方面からの御意見もありましたので、そういう御意見も踏まえて財団としては追加資料を作成をし、また要望のある自治体に配付をしております。
 財団といたしましては、事業は今年度で終了し、この冊子を更に増刷する、更に配付をするという予定はないというふうに聞いております。



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○田嶋陽子君

 済みません、確かめたいんですけれども、財団ではもう配付する予定はない。厚生労働省はどうなさるんですか。



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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 答弁の中でも御説明させていただいたんですが、この事業は財団の独自事業でおやりになりましたので、継続すべきであるとか中断すべきであるとか、私どもは言う立場にはないというふうに思います。
 そして、今回作成しましたものはすべて希望する自治体に配付済みでございまして、これ以上増刷するとか配付するという予定はないということでございますし、また自治体、特に教育委員会の中には、いったんは受け取ったけれども使用しないというふうに方針を決めたところも、少数ですけれどもおありのようで、そういうところは財団の方が引取りをするというふうに聞いております。
 そして、厚生労働省としてどうするかということですけれども、今、委員が言われましたように、十代の人工妊娠中絶が増えていることとか性感染症が増えているということ、そしてまた性に関する情報が非常に興味本位で、子供たちがそれに取り囲まれているという状況は、大変危機的な状況であるというふうに思っております。
 したがって、やはり二つのことを教えないといけないと思うんですね。一つは、性についての健全な意識というんでしょうか、やはり性についての規範をどう考えるかということを、我々親の世代も含めて、それもしっかり教えるべきことは教えないといけないというふうに思います。あわせて、性に関する知識、科学的な知識を具体的な避妊方法も含めて早い段階からそれは教えていくということも併せて必要ではないかというふうに思っております。
 こういう考え方に立ちまして、思春期の性の問題に家庭がどういうふうに対応したらいいんだろうか、あるいは地域社会がどういうふうに対応したらいいんだろうかということがございますので、厚生労働省としての学習の教材を早急に開発したいというふうに考えておりまして、そのための予算を財務省の方に来年度要求をしているところです。



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○田嶋陽子君


 せっかくいいものを作ったのに、確かにピルに関してはもう少し補足した方がいいと思います。ですけれども、認可されるのはバイアグラは一年で、ピルは三十八年もたって認可されたわけですね。その間に何を検討なさっていたのか。
 私はイギリス、フランスで状況を見てきましたけれども、ほとんどの女性がピルを使っています。そして、ピルの危険もきちんと告知した上で、その上で、みんな危ないと思えば分かるわけですね、お医者さんとの相談で使っているわけですから、それをやめる。それはもう大人としての本人の選択ですよね。その場合はやっぱり見ざる聞かざる言わざるじゃなくて、きちんと情報提供する。もう使っていない人はいないぐらい使っているわけで、この危険性ということはもう世界保健機構がきちんと血栓症その他のことも出しているわけですね、何%オーケーかオーケーでないか。それを何で今、日本のこの三十八年もたってやっと許可にしたのに今の時点でこんな先祖返りみたいな変なことが起きるのか。これはもう時代錯誤も甚だしいと私は思うんですね。
 中学生にピルの話なんかというんだけれども、あのピルというのは毎日の犬の散歩と、ちょっと例え悪いかもしれない、犬の散歩と同じで、もうきちんきちんきちんとやらないと駄目なんですね。だから、避妊をするということは、人の体を抑圧するということはどんなに大変かということをやっぱりもう生理が来た段階から子供たちに教えていく。その上でその手段を選ぶか選ばないか、違う手段を選ぶかどうするかというのは子供たちと先生とでしっかり考えて決めていくことだと思うんですね。
 私は、厚生労働省はせっかくこの財団がやったこれだけのいい本を、どう補てんしようと追加しようと構わないのでそれを何とかして使うと。わざわざ予算取ってこれから作ってと、また何年掛かるんでしょうか。それよりも私は、その財団を援護してきちんと話合いをして、絶版にしないで発行し続けてほしい、もう続けてやってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。



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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 この財団が作りました冊子は、国が補助しているわけでもなくて財団が独自の判断で作られたものでございますので、それを絶版にすべきであるとか、逆に増刷、継続使用するために国が予算を投入して作成すべきであるとかということについては、やはり政府と公益法人との関係で、適切な関係といいましょうか、適切な距離を置くということが必要ではないかというふうに思います。
 厚生労働省として、先ほど申し上げましたように、そんなに時間は掛からないというふうに思いますけれども、厚生労働省としては納得が、私どもとしてこれが最もいいというような教材を是非、様々なお立場の専門家の御意見も聞いて、早い段階で作成したいと考えております。



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○委員長(小川敏夫君)

 時間が来ていますが。



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○田嶋陽子君 来ていますか。

https://tajimayoko.com/politics/entry-295.html
「ラブ&ボディBOOK」についての質疑



2002年2月27日

会議名:共生社会に関する調査会

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○田嶋陽子君

 社民党の田嶋陽子です。
 最初に、厚生労働省の狩野副大臣にお伺いいたします。
 婦人相談員のサポートについてですけれども、これまで婦人相談員は公務員として中立的な立場であったと思いますけれども、この配偶者暴力相談支援センターでは被害者側に立つことになります。その結果、DV加害者は、被害者を取り返すために、直接被害者をサポートする婦人相談員に対して脅迫とか嫌がらせとかストーカー行為などを、個人攻撃ですね、それをしている事実があります。このことをどのように認識していらっしゃいますでしょうか。


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○副大臣(狩野安君)

 御指摘のとおり、婦人相談員は被害者からの相談に応じるなど被害者と密接な関係を持つので、被害者を追跡する加害者からの攻撃にさらされるおそれがあります。
 このため、厚生労働省では、平成十三年度予算において婦人相談所の夜間警備体制の強化のため費用を計上したほか、被害者に対応した婦人相談員の氏名が加害者に知られないように、婦人相談所がDV法に基づき地方裁判所へ提出する相談記録の書面について、婦人相談員の氏名ではなく、婦人相談所長の氏名を記入する取扱いとするなど、婦人相談員の安全確保に配慮しているところです。
 今後とも、婦人相談員の安全に配慮しつつ、被害者保護を推進してまいりたいと思っております。


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○田嶋陽子君

 はい、ありがとうございます。
 被害者保護の前面に立つことになる婦人相談員を組織を挙げて守る必要があると思うんですが、今の氏名を流出させないとか所長の名前を使うとか、そのほかにどのようなことを、方策を考えていらっしゃいますでしょうか。


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○副大臣(狩野安君)

 婦人相談員など暴力の被害者の支援に従事する職員には、被害者から深刻な暴力の相談を受けるうちに自分も同様の心理状態に陥るいわゆる代理受傷や、納得のいく解決策が容易に見出せないまま今まで熱心に行ってきた業務に対して急に意欲を失うバーンアウト状態に陥りやすいとの指摘がありますので、被害者の支援には相談員自身の心身の健康が重要であることから、相談業務が相談員のメンタルヘルスに与える影響についても調査研究を行っていきたいと思っています。


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○田嶋陽子君

 それでは、調査研究の段階で、まだカウンセリングを置くとかそういうことにはなっていないということですか。かなり緊急な問題だと思うんですが。


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○副大臣(狩野安君)

 これからいろいろと研究をして取り組んでいきたいというふうに思っています。


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○田嶋陽子君

 私の手元にある資料では、平成十一年ですけれども、それでも既にそういうストーカー行為があったりした県が十七県あるんですね。ないところは三十県。ですから、五〇%以上でそういうことが起きています。これから、DV法が施行されてからはもっと増えると思うので、緊急に対処をよろしくお願いいたします。
 それから次に、警察庁に対してお伺いいたします。
 警察庁は、ドメスティック・バイオレンスの加害者から個人攻撃される婦人相談員を守る必要性についてはどのような認識を持っていらっしゃいますでしょうか。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 もちろん危険に脅かされているそういうような状況はあってはならないことでございますので、事案に応じまして適切に対応してまいりたい、かように存じます。


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○田嶋陽子君

 今のはちょっと不安ですね。適切に対応してとか言われても、私が駆け込んでも、何を言っているんですかそんなのとか、何か言われそうな気がして安心できないですよ。
 例えば、ここには警察官職務執行法第五条にあります。「警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害を受ける虞があつて、急を要する場合においては、その行為を制止することができる。」とあります。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 当然、警察は、警察法、警職法に基づきまして、法の要件というのが今、先生読み上げられたところにもございますけれども、そのような要件にのっとって正に適切に対応するということでございます。


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○田嶋陽子君

 適切、適切といつもおっしゃる。そこがよくわからなくて、具体的にじゃどんなふうになさいますか。私が交番に駆け込んだら、あるいは電話をしたら、そこにいるお巡りさんはどうしてくれますか。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 正にケース・バイ・ケースでございまして、例えば今、正に犯罪の被害に遭おうとしておる、それは制止をするでしょうし、そしてまた犯罪に遭った、今、正に遭ったということであれば、それは何々罪で現行犯逮捕するということもあるでしょうし、それは正に事案に応じて異なるわけでございまして、それを適切に対応してまいりたい、かように申し上げておるわけでございます。


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○田嶋陽子君

 話にならないというか、不安ですよ。非常に不安です。だって、さっき、骨折した人を見たって、こんなことで訴えられるかみたいなお巡りさん、いらっしゃるわけですから、私はやっぱりきちんとした教育を徹底させていただきたいと思います。末端の末端までお巡りさんたちにこのことをよく伝えてほしいと思います。よろしくお願いします。
 それから次は、被害者以外の女性の福祉についてなんですけれども、厚生労働副大臣にお伺いいたします。
 一部の婦人相談所では、現在、福祉事務所の窓口に来た相談者がこういうことを言われるんですね、ドメスティック・バイオレンス被害者かそうでないですかと。もしそうでないと言うと受入れを拒否されることもある。すなわち、ちょっとここにフリップがあるんですけれども、(資料を示す)駆け込む人で、婦人相談所に駆け込む人は、夫の暴力は例えば四八%だとすると、そうでなくて、帰る場所もないとかそういう人が二〇%いるわけですけれども、その人たちも今度DV法が施行されてからはそちらの方が重んじられてしまって、そうでない人はDVではないと言うと対応してもらえないようなことも起きているという話を聞いています。それって恐ろしいことだと思うんですね。
 というか、何ですか、不手際ですか何ですか、それともうまく伝わっていないといいますか、行政に。その辺の対応を、事を分けてきちんとしていただきたいと思うんですけれども。運用が間違っているといいましょうか。


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○副大臣(狩野安君)

 婦人相談所は、DV法施行の前から、売春防止法に基づき、現に売春を行うおそれのある女性のほかに、配偶者からの暴力被害者や恋人からの暴力被害者などについても婦人保護事業の対象者として相談や保護を行ってきております。
 ですから、厚生労働省では御指摘のような事態は承知はしておりませんけれども、婦人相談所はDV法施行以降も、恋人からの暴力被害者など、配偶者からの暴力被害者以外の者に対して従前どおり相談や保護を実施するものと考えております。今後とも、配偶者からの暴力被害者はもちろん、それ以外の相談者に対しても積極的にその保護に取り組んでいきたいと思っております。


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○田嶋陽子君

 御指導のほどよろしくお願いいたします。いろんな勘違いも起きていることと思いますので、本当によろしくお願いいたします。
 それから次は、先ほどから加害者のメンタルケアというものが出て、お話が出ていますけれども、私は、このことに関してはむしろ意見というか、先ほどの内閣府のお話ではもっと外国のことを勉強してからというお話もありました。それはそうだと思いますが、既に日本でも、市民団体で日本DV加害者プログラム協会とか、あるいは市民団体の日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオンとか、いろいろできています。その人たちの思想というのは、DVを振るう加害者というのは一つのアルコール中毒や何かと同じ嗜癖といいますか依存症だという発想に基づいていて、私もそんなふうに思っています。
 ですから、私は内閣府の方にお願いしたいんですが、これをぜひとも、加害者はもうカウンセリングを義務づける、それをやっぱり法的措置を取らないといけないというふうにしてほしいんですね。要するに病気ですから、嗜癖というのは、依存症は。ですから、その病気を治してからということをもっと考えておく。じゃないと、その人たち、逃げちゃえば終わりですね。
 それで、私の考えですけれども、というか、もう皆さんも既におっしゃっていることですけれども、この間、長野県で起きた、餓死させた、女の人を家の中に取り込んで。その男の人も、一人の女の人が逃げるとまた女の人を連れ込んでは暴力を振るって、また逃げるとまた連れ込んで最後が餓死させるような、三年掛かって緩慢なる殺害を行ったわけですよね。それを近所の人たちもみんな知っているわけです。知っているけれども通報しなかったというのは、さっきからお話に出ているように、まだ一般にそういうことは流布していなかった。だから、言ってみれば近所の人たちもある意味では加害者だったわけですね。殺される、痛いと言ってもう三年間わめいていても、それを通報しなかったという、これは重大事だと思いますから、これはもう皆さんがお願いしていらっしゃるように本当に周知してほしいということ。
 もう一つは、その加害者に義務づける、病気なんだからきちんともうこれは法的措置を取って病気を治療してから外に出る。先ほどのお話ですと、生育歴に関係があると横内副大臣もおっしゃっていらっしゃいました。それを義務づけて、病気を治すという形で社会に出してほしいということをひとつお願いしたいと思います。
 それからもう一つですけれども、今度は子ども、先ほどから皆さんも子どものことをおっしゃっていて、本当に私もその意見に同感なんですが、子どもは今度、母と一緒に暴力を受けるだけではなくて、子どものメンタルケアというのは非常に大事で、私は教師を三十年間近くやってきまして、大学生を見ていて思ったことは、今、恋人を殴っている子、殴られている子の話を聞きますとどういうことを言うかというと、男の子は女は殴るものだと思ったと言うんですね。なぜかと聞いたら、うちのおやじが殴っていたから。そういう男の学生は、もう一つのパターンは、絶対におれはああいうおやじのようになりたくないということを親のやったとおりにやる子と、それから女の子も、お母さんのようにはなりたくないと言いながら、気が付いたら殴られる男と一緒になっていたと。気が付いて別れて、またいつの間にか殴る男と一緒になるという、このパターンの繰り返しなんですね。
 結局、子どもたちは夫婦の暴力を見ていると、それを学習して、大方が学習して繰り返していく、遺伝みたいに。メンタルの遺伝ですよね。それを阻止するためには、母親が暴力を受けて一緒に母親と逃げてきた子どものメンタルケアを徹底してやらないといけないと思うんです。そのことも私はきちんと予算を取ってやっていただきたいなということを、もうお願いしちゃいます。はい。
 まだあるんです。もう一つあります。
 それから、自立支援対策なんですけれども、私は厚生労働省の狩野副大臣にお聞きしたいと思いますが、自立支援対策の究極のイメージとして、女性がどうあったらいいというふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。


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○副大臣(狩野安君)

 自立支援のイメージということですか。ごめんなさい。


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○田嶋陽子君

 恐れ入ります。済みません。
 自立支援は具体的だと思うんですが、その具体策を作るに当たっては、まず被害を受けた女性たちが将来どう生きていってほしいかということを厚生労働省がきちんとイメージしていないと対策は立てられないと思うんですね。その意味で、女性がどうあってほしいとイメージされているのか、具体的に考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。


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○副大臣(狩野安君)

 田嶋議員のおっしゃることは、本当に私自身もよく理解をしております。
 やっぱり女性が一番精神的にも、それから自立することがとても大事なことだと思いますので、いろんな意味で婦人相談所も福祉事務所や母子相談員など関係機関と連絡しながら、就職についての相談とか、それから公営住宅への入居の仕方とか、生活保護などの受給や母子福祉資金の貸付けについての説明などを行いながら自立支援を実施していきたいと、してきておりますけれども、これからもそれを支援をしていきたいと思っております。
 経済的にも、それから精神的にも自立するということをいろんな面で理解をしていただけるように私たちも努力をしていくことが一番大事なことじゃないかというふうに考えておりますので、力を入れてやっていきたいと思っております。


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○田嶋陽子君

 はい、ありがとうございます。
 例えば、こんな状況はどんなふうにお考えになりますか。暴力を振るう夫から逃げてきたときには、まず住民票がないという状態から再出発ですよね。生活の具体的な手段として生活保護の受給なんかが必要なわけですけれども、先ほどもお話ちょっと出ましたけれども、生活保護を受けるに当たって、関係の悪くなっている家族に、あるいは夫に扶養照会というものをするんだそうですね。要するに、福祉事務所が言うことは、その夫とか家族に対して、彼女を扶養しますかどうかとか、そういうことを尋ねるんだそうですね。それで扶養しないと家族が答えると、生活保護を受けるために一つのハードルをクリアしたという、それが被害者にとっては非常に屈辱的でストレスになると。ここまできてなおかつ扶養照会をしなきゃいけないのかどうかと私は疑問なんですが、その点はどんなふうにお考えになりますか。


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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 ちょっと直接の担当でございませんので、担当局の方とまた議論してみたいというふうに思いますけれども、やはり婦人相談所と、そういう生活保護などをお世話しているのは福祉事務所ですから、福祉事務所などが本当によく連携をして、そして適切なサービスが速やかに提供できるということが大事だというふうに思うんですね。
 ですから、生活保護に依存せずに、何とか経済的に自立していかれる、そちらの方が望ましいわけですから、そのために、今言いましたような機関、それにプラスして公共職業安定所その他の関係機関がありますから、そのケースごとに自立支援を助けるためのチームを関係機関で作るぐらいの気持ちで自立支援をやるべきだというふうに思います。
 それでもできない方については生活保護ということになると思いますが、その生活保護の手続をするときに、もし極めて何か不都合なことがあればそれは再検討しないといけないというふうに思いますので、今日御質問があったことについては、担当局の方とまた御相談してみたいと思います。


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○田嶋陽子君

 はい、ありがとうございました……


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○会長(小野清子君)

 時間。


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○田嶋陽子君

 あと一つ。


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○会長(小野清子君)

 田嶋陽子君。




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○田嶋陽子君

 はい、ありがとうございます。
 では、例えばその被害者はいろんな後遺症があるわけですね。うつ状態になっていたり対人恐怖になっていたりするわけですけれども、それでも福祉事務所の対応する人いかんだと思うんですけれども、子どもを抱えながら働けと言われてしまうという、これはうつ状態になっている人は大変ですよね、そういうような対応をしてしまうところ。それから後は、出ていってアパートを借りるんですが、保証人がいなくて断られてしまう。それから、仕事もフルタイムがほとんどない。せめて私なんかは、保証人なんかは何か、保証人いないんですよね、逃げてくるんですから。それなのに、保証人を見付けろとか保証人出せ、じゃなきゃアパートに入れないという、こういうのってもう青信号と赤信号を一緒に出しているようなもので、非常に残酷だと思うんですけれども、そういうのの対応はどんなふうになさっていらっしゃるんでしょうか。


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○政府参考人(岩田喜美枝君)

 これも直接の所管でございませんで、国土交通省の方でおやりになっていると思いますが、今、母子家庭対策を検討している中でその問題がやっぱり出てきておりまして、公営住宅には優先的に母子家庭を入居させていただくようにという、こういう仕組みがありますけれども、それだけでは足りない場合に、民間のアパートなどをお借りになる場合に保証人をどうするかということについて、今そういう保証業務を行う民間の会社も活用するという道もあるそうでございますから、そういうことを活用していただくということにプラスして何が、母子家庭の住宅の安定のために何ができるかということを正に今、国土交通省で御検討されているというふうに理解しております。

https://tajimayoko.com/politics/entry-287.html
DV法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)施行後の状況に関する質疑



2002年3月26日

会議名:内閣委員会

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○田嶋陽子君

 村井大臣は所信表明で、女性や子供を被害者とする犯罪が多発しているとおっしゃっています。
 昨年、横浜で第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議が開かれました。日本はスウェーデンで開かれた第一回の世界会議で世界最大の児童ポルノ発信国との汚名をもらいました。その汚名返上のために、児童買春、児童ポルノ禁止法が成立したわけです。その後、日本国内の事件に関する対応はかなり進んだと思いますが、まだ海外で児童買春した日本人が日本国内で裁かれるケースが少ないように思います。
 今年はその児童買春、児童ポルノ禁止法が改正される時期ですので、現行の法律の見直しをも視野に入れてお伺いします。
 児童買春や児童ポルノを販売して捕まった人は、二〇〇一年一月から十二月、去年です、一年間で検挙された人は千二十六人、検挙された件数は千五百六十二件、それは前年に比べて三五・二%増加しています。
 村井大臣は、第二回世界会議を受けて、また今年は法改正の時期を迎えますけれども、この問題にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、所感をお聞かせください。


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○国務大臣(村井仁君)

 私も、昨年の十二月に横浜で開催されました会議にも、懇親の席でございましたけれども、参加をさせていただき、諸外国から参加された方とも懇談をさせていただきましたが、児童買春でございますとか児童ポルノに代表されるような児童の性的搾取というのは、その防止、根絶、これを図りますのは国際的にも重要な課題でございますし、文明国としての日本のもう本当に恥ずかしい問題だと思っておりますので、全力を尽くさなければならない問題だと思っております。
 今後とも、国外犯を含めまして、この種の事犯の取締りの強化を進めますとともに、一つ重要な問題は、ダメージを受けた児童被害の精神的負担を軽減するためのカウンセリングの継続的な支援でございますとか、あるいは児童買春、児童ポルノを根絶するための広報啓発活動でございますとか、こういったことを一層推進して、警察として児童の権利擁護にできるだけのことをしてまいる、これが大切なことではないか、こんな認識を持っております。


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○田嶋陽子君

 黒澤生活安全局長にお伺いします。
 前年に比べて検挙者数が三五・二%も増加したのにはどのような要因があるとお考えでしょうか。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 警察といたしまして、児童買春、児童ポルノ禁止法に基づきまして積極的な取締りを行っております結果だと存じますが、殊に、児童買春事件のうちテレクラあるいは出会い系サイトを利用したものが、前年対比で十三年見てみますと、件数で三百六十六件、二百五十四人、人員で増加をいたしておりまして、これらテレクラ又は出会い系サイトを利用した児童買春事件の増加が要因の一つとも考えておるところでございます。


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○田嶋陽子君

 先ほど申し上げた千二十六人という検挙者数のうちで、児童買春で捕まった人は八七・五%、出会い系サイト、テレクラで捕まった人は六六・一%で、とても多いんですね、出会い系サイト、テレクラ。
 例えば、皆さんも御存じのように、高等裁判所裁判官四十三歳は、携帯電話の伝言サービスで知り合った児童を介して紹介された女子中学生二年生十四歳に対して対象供与、お金を上げるとか何か欲しいものを買ってあげるとか、そういう約束を交わして性交をしたとか、そういう似たような例が幾つかありますが、みんなテレホンクラブとか、最近はやり出した競りクラ、店外デートをする料金を競りで決める新手の営業方法なんというのも出てきています。すごいです。
 それで、第二回世界会議では衆議院議員の谷垣禎一さんもこう言っていらっしゃいます。携帯電話、私の携帯電話にも多くのメールが来ると。このように、出会い系サイトは言わば無店舗タイプの買春あっせんの一形態になっていると思います。しかも、多くの子供たちが持っている携帯電話からたやすくアクセスできて、お手軽に会う約束ができるのは大変危険だと思います。私は、すべてを取り締まればいいとは思いませんが、野放しにしてはおけないと思います。
 私は、このテレクラというのをどういうのか分からなかったものですから、今日は質疑ですから、昨日、うちの事務所でみんなでテレクラに電話をしました。実態は、いきなり電話に出た人が、四月一日から風俗営業法規則が変わって、電話を掛ける側も受ける側も十八歳以上だということを仲介業者に確認しなければいけないということを向こうから言ってきました。私の声で言ったんじゃないです、若い女性が電話をしました、秘書。
 最初に出た取次ぎの人から、まず生年月日とえとを聞かれたんですね。そして、取り次いでもらった後で、電話に出た相手側の男の客はそんな法律のことは全く知らないと話していました。仲介業者は知っているけれども、客は知らないんですね。たまたまそのとき、本当に偶然なんですけれども、私の秘書の携帯電話にも出会い系サイトのコマーシャルが入りました。これは先ほども申し上げた谷垣議員のところに入ってくるものと同じものだと思います。
 この出会い系サイトについてですけれども、岩下久美子さんという方が「ヴァーチャルLOVE」という本の中で、どういう書き込み内容があるかというと、まず友達になってください、ドライブに一緒に行けるといいなとか、海を見に行きたいとか、そういう言い方がベストスリーなんだそうです。
 昨日、電話をしていまして、私は、秘書が電話しているのを隣で聞いていますと、非常に会話が弾むんですね。私はどきどきしてしまって、秘書はもしかしたら付いていってしまうんではないかしらとか心配したほど会話が弾むんですね。非常にそれが軽やかな調子で進んでいって、楽しげに進んでいって、こういう調子だとハードルを越えるのは非常に簡単だという思いがしました。
 すなわち、本当に日常生活のレベルで一歩向こうはがけっ縁という、そういう危険が待ち受けている、うっかりそこに行ってしまうという、本当に何か際どいものを感じました。でも、一方でこういう出会いを渇望している人が多いということも事実だと思います。
 そこで、黒澤生活安全局長にお伺いします。
 出会い系サイトが児童買春の温床の一つになっているということ、このことに関して警察庁ではどのような対策を考えておいででしょうか。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 委員御指摘のとおり、出会い系サイト、大変大きな問題になっておるわけでございますけれども、この児童買春に限らず、出会い系サイトにおきましては、やはり出会いがあるわけでございますので、児童買春が多いわけでございますけれども、それ以外に、例えば殺人事件でありますとか強盗でありますとか強制わいせつ、恐喝、傷害、こういった事件の被害者にもなる状況が出ておりまして、しかも、これは十八歳未満じゃなくて未成年者でございますけれども、平成十三年中には出会い系サイトに関係した事件の検挙件数が八百八十八件となっておりまして、大変増えておるわけですが、その約八割が未成年者、被害者が未成年者八割という状況にございます。
 出会い系サイト利用に係る児童買春事件につきましては、これは十八歳未満ということでございますけれども、平成十二年中が四十件であったものが、昨年は十倍の三百七十九件に増加をいたしておるわけでございます。
 警察では、こういった現状にかんがみまして、事件に少年が巻き込まれることのないように、広報啓発に努めているところであります。また、今申し上げました事件の検挙にも努めておるところでございまして、更に今後とも出会い系サイトの実態の把握と、それを踏まえました諸対策を講じてまいる所存でございます。


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○田嶋陽子君

 広報啓発だけですか、今のところは。対策は。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 広報啓発以外に、今申し上げましたが、紹介をいたしましたが、各種事犯の取締り、検挙、更にはもろもろの対策の中には制度面を含めた検討というのも行っておるところでございます。


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○田嶋陽子君

 もう一度黒澤生活安全局長にお伺いします。
 ちょっと角度を変えます。児童買春事件や児童ポルノ事件で検挙された人の性別、年齢層、職業を教えてください。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 昨年の数字でございますが、先ほど来出ておりますが、児童買春、児童ポルノ禁止法違反で千二十六人検挙いたしておりますが、男女別で見ますと、男性が九百九十五人、女性が三十一人でございます。
 年齢別では、三十歳代が最も多くなっておりまして、三百九十八人、次いで二十歳代が三百十六人、十四歳から十九歳までの少年が四十人、六十歳代が二十一人、七十歳代が五人とそれぞれなっておるところでございます。
 職業別でございますけれども、自営業者が百五十人と最も多くなっております。次いで販売従事者が百三十六人、無職が百三十人の順となっております。それから、これは被用者、勤め人の中に入るんですが、会社役員等の管理的な職業あるいは教員でありますとかそういった職業、これは、その他医療でありますとか保健従事者なども含めた統計の取り方をいたしておりますが、専門技術職というような統計の取り方でございますけれども、大きなくくりでは被用者、勤め人でございますが、そういった会社役員等の管理的職業、専門的技術職に従事する者の検挙人員が百十二人となっておりまして、この全体に占める割合が約一一%でございまして、この種職業に従事する者、同じ数字、比較ができるんですが、全刑法犯に比べると極めて高いというようなことが特徴として挙げられるかと存じます。
 以上でございます。


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○田嶋陽子君

 私たち一般に偏見だったと思いますけれども、こういうことをする人はある種の職業の人とか学歴が低い人とか、そういうふうに思っていましたが、近ごろそうでないということがだんだん分かってきまして、今お話にあったような、管理職だとか専門技術的な職業だとか、会社の社長だとかあるいは学校の先生だとか、いろいろそういうことが出てきました。例えば、先ほど申し上げたように、高等裁判所裁判官のような方でもこういうことをなさったわけですね。
 もしかしたら、これはちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆる買春者らしくないという偏見、例えば私がかつて持っていたような、そういう偏見で捜査が遅れるというようなことはないでしょうか。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 そのような御指摘はないと考えております。
 私どもはこの種事犯につきましていろんな端緒を得まして捜査をいたしておるところでございまして、さらにまた、児童ポルノ等についてはサイバーパトロールでありますとか、あるいは当然のことながら、外国との連携でありますとかもろもろの活動を行う中でこの種事犯に対応いたしておりますので、そういったことはないと考えておるところでございます。


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○田嶋陽子君

 児童買春をする人が必ずしも小児性愛者だとは限らないと思いますが、例えばここで、ロン・オグレディという人が「アジアの子どもと買春」という本を書いていて、その中で、典型的な小児性愛者、いわゆるペドファイル、ペドファイル像は専門的職業を持つ中年男性である、医者なら小児科医であることが多かったり、教師とかソーシャルワーカーとか宗教関係といった職に就いている人も多いと。それから、困ったことは、ボーイスカウトとか少年聖歌隊やYMCAなど、子供に関連した地域活動に参加している人も多いということです。
 私は、子供の性的虐待常習者だったり秘密結社のように仲間内で情報交換する真性ペドファイルタイプと、それから子供を買春したことで結果的にペドファイルになってしまう仮性タイプの両方の方がいると思うんですね。
 真性ペドファイルの人は治療しなければ治らないんです。あるいは釈放されなければ治りませんが、この人たちは釈放された後に次々と治さないと犠牲者を増やすということが予想されると思います。また、児童ポルノのホームページを見たり、海外に行って買春をする際、エイズの心配もなくて済むなどの理由でより若い子を求めた結果が買春、売春につながり、眠っていたペドファイル度が増して仮性ペドファイルが常習者に転じる可能性もあると思います。
 児童買春や児童ポルノの需要を喚起しないようにすることが必要だと思うんですが、その点について何かお考えになっていらっしゃることはありますでしょうか。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 いわゆるペドファイルでございますけれども、今お話ございましたように、大変正確に実態をつかむということは難しいと考えておるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、児童買春、児童ポルノ事犯の検挙等を通じまして実態把握に努めてまいりたい、また外国の事例なども含めて今後検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。


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○田嶋陽子君

 すると、真性ペドファイルと仮性ペドファイルの区分けといいますか、その見分け方に関する研究はまだ付いていないということですね。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 御指摘のように、この分野につきまして私ども専門的知見の蓄積等はございませんと言っていいかと思いますので、今後の課題というようなことで検討してまいりたいと存じます。


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○田嶋陽子君

 私たちはやっぱり結果が欲しいわけでして、子供が一人でも二人でも傷付けられない状況が欲しいと思います。
 例えばほかの国を参考にしますと、アメリカやイギリスですが、アメリカは大変はっきりした対策を打ち立てているわけですね。イギリスでも一九九七年にアメリカを模倣してそこを修正しながら性犯罪法が制定されました。一定の犯罪者は自分の住所などを警察に届けなければならないという制度が設けられたわけですね。ここで、性犯罪者の情報というものを警察で記録するだけじゃなくて、必要な場合には関係機関や個人に教えてほしい。
 例えば公園があって、学校があって、子供たちがよく遊んだり通ったりするところの校長先生だとか保護者だとかに、その近所にそういう人がいるかもしれないということは、もしかしたら教える義務があるんではないのか、そんなふうに思います。その点に関してはどうでしょうか。


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○国務大臣(村井仁君)

 立法の問題ということになりますと、やはり衆参両院のいろいろな御議論が必要なことかと存じますので、私の立場から特段のことを今の段階で申し上げる用意がございませんが、やはり犯罪、どういう形態の犯罪でもあれ、それを犯す可能性があるという人につきまして、どの程度の情報を開示していいかという問題というのは、これはもう申し上げるまでもなく人権の問題と非常に密接にかかわる問題でございまして、田嶋委員の御懸念、問題意識は分かりますけれども、なかなか各国法制の違いもございましたり、直ちにその方向でいくべきだというふうなことを申し上げる用意がないというのが私の今の心境でございましょうか。
 ついでながら、例えば犯罪の捜査あるいは逮捕等々における手続につきましても、英米法の国と日本の場合は随分違うわけでございまして、日本の場合は非常に厳密な手続を要求しているということはもう委員十分御案内で御発言になっていらっしゃると思います。

 


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○田嶋陽子君

 国情の違いもありますし、いろいろあると思いますけれども、毎日のように子供か女性が殺されているという事実は重く見て、是非、村井大臣ならではの方法があるならば、是非考え付いて、即座にでも私はこういう人たちを守ってほしいと思います。
 それから次に、外国との関連でお伺いします。日本国内では法律や人の目があってできないことを海外でする日本人がいます。旅の恥はかき捨てとか昔よく言ったものですけれども、それが性的なことでも行われています。法律ができてから、日本人が海外で児童買春を行った場合にも処罰されることになりました、することができることになりました。
 児童買春についてですけれども、例えばその日本人がフィリピンで行った子供買春についてですが、いろんな例があるんですけれども、例えば弁護士の坪井節子さんが、明石書店から出した「アジアの蝕まれる子ども」という本の中で、例えばこんな例があります。日本の男性が行ったことですが、実業家の息子で会社員で四十代で、マニラ市内に住む自宅に十三歳から十七歳までの三人の子供を軟禁し、暴行、脅迫をしてレイプしたほか、少女らとのセックスの様子を自らビデオや写真に撮影していたこと。それから、逮捕時には六本のビデオと五百枚以上の写真が押収されているということ。この男性が自宅に軟禁してレイプした少女の数は三十人に上ると報道されています。また、次の例は、自称小児科医、三十九歳の男性ですが、宿泊先のホテルに五歳から六歳、十歳前後の少年少女を部屋に連れ込んで、子供たち同士に性行為をさせたり、自分のペニスを吸わせたり、縄で縛ったりして写真に撮影したと。
 このほかに、もっとひどい例は、加害者は日本ではありませんけれども、フィリピンでは子供を物扱いしている人たちもいます。児童買春に関して、大変悲惨な事件ですけれども、ロザリオちゃんという人が、十一歳の女の子ですけれども、ストリートチルドレンです。外国人から膣にバイブレーターを入れられて、それが取れなくなってしまったまま、生活のために体を売らなければならず、体内に残ったバイブレーターが腐食して亡くなったという、これは一冊の本にもなっている事実です。
 やはり、子供が大人の性の道具として物扱いされてはいけないと思います。この法が施行された後、何人の日本人が国外犯として児童買春、児童ポルノ禁止法によって逮捕されておりますでしょうか。


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○政府参考人(黒澤正和君)

 これまでに三件の事件、児童買春、児童ポルノ、国外犯、検挙をいたしております。法施行以後、平成十二年十一月にタイ王国における児童ポルノ製造事件、平成十三年一月、カンボジア王国における児童ポルノ製造事件、そして平成十三年十二月、カンボジア王国における児童買春事件、三事件計九人を検挙いたしておるところでございます。


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○田嶋陽子君

 今おっしゃられたカンボジア王国での事件ですね。この男性は三十歳です。土木作業員で、そして販売目的で子供の裸体を撮影し児童ポルノを製造した罪で、二〇〇一年一月、大阪で立件されました。この男性は、日本に帰国して大阪府警察が必要な調査を行って、二〇〇一年一月九日に大阪地方検察庁に書類送致されたわけですけれども、まだ現在も裁判が続行していると聞きました。
 この事件は、当初、個人的趣味の範囲では立件が難しいと言われていたものだそうです。なぜなら、児童買春、児童ポルノ禁止法で、頒布、販売、貸与、公然陳列目的での児童ポルノ製造と定められているからで、それ以外では取り締まれないということ、要するに個人的趣味の範囲ではということですよね。しかし、頒布、販売を目的にしていなくても、その写真やビデオテープには紛れもなく性的虐待があった事実が残されているわけですね。ですから、販売目的であろうとなかろうと処罰の対象にしなければいけないのではないかと思います。
 法律を作るときの議論では、児童ポルノの単純所持、ただ持っているだけでも罪になるという、このことを含めるかどうかで議論になったわけですが、頒布・販売目的になったんですが、頒布・販売目的に限定したのだと聞いています。もし、この規定があるために個人的趣味の範囲で販売目的ではないというケースを立件できないようなら、法律を変えることが必要だと思います。
 この男性は、何年間も児童買春目的で東南アジアに旅行に訪れていたようですが、その間、何回くらい児童買春を繰り返していたのか分からないわけで、考えただけでも身の毛がよだつ気がします。
 この土木作業員のように、児童買春、児童ポルノ禁止法で捕まった人が、再度海外旅行をしようとするときに、パスポートを返納させて国外に出さないようにすることはできるものでしょうか。


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○政府参考人(小野正昭君)

 御質問の買春の国外犯についてでございますが、旅券法に基づく旅券の返納命令の適用ということは可能と考えております。実際の法令の運用につきましては、法務省等の関係機関から通報を受けまして、外務省として個々のケースについて検討をしていくということとなると思います。


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○田嶋陽子君

 この件に関しての質疑はこれで終わりますが、ちなみに最近、女性議員たちで会った女性にニコル・カスティオーネさんというスイスの代議士がいらっしゃいます。この女性の代議士の方は代議士になったパリの娼婦という、この方は元娼婦だったわけですね。その人が言うには、欧米の調査では売春している人の八五%が少年期、少女期に体と心に傷を受けている。この娼婦から代議士になった女性も、実は五年間、知っているおじさんに小さいときから性的虐待を受けていたと。この人が言うには、このために自信がなくなって、世の中の事柄で何に価値があるのか分からなくなってしまったと言っています。すなわち、性的虐待を受けた人は、すべて売春をするわけではありませんが、幼児期の虐待によって女性の自己評価が低くなる、その後、自分の人生を全うできなくなる可能性が多いということです。
 そして、もう一つ言いたいことは、これはもう日本でも皆さんだんだん分かるようになってきましたけれども、被害を受けた人が、必ずと言ってはいけませんが、数字が出ていますね、何十%かは将来加害者になる可能性があるということです。
 ですから、たかが子供のこと、たかが女のことという発想は毛頭持ち合わせていらっしゃらないと思いますけれども、やっぱり子供を今傷付けるということは、将来の日本に不安要因を残すということです。将来の日本が幸せになるためには、今の子供たちを傷付けるようなことは、限りなく傷付けてはいけないということだけ、そのための協力をしていただきたいということをお願いしておきます。
 あと三分あります。
 次は、警察の、警察官の増員についてお伺いします。
 先ほど山根議員が村井国家公安委員長に質疑をなさいましたが、そのときに村井大臣は警察官にふさわしい人材をそろえたいということをおっしゃいましたが、警察官にふさわしい人材とはどういう人材ですか。


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○国務大臣(村井仁君)

 大変難しい御指摘でございますけれども、基本的にはまず、健全な常識を持った社会人であるということが私はまず第一に大事なことだろうと思っておりますし、そういう意味で、いろいろな不祥事案などを見ておりますと、やっぱりいささか適性を欠くのではないかというようなケースがないわけではない。そういう意味で、そういう適性のある人を選びたいという意味を申し上げたつもりでございます。

 


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○田嶋陽子君

 この健全な常識を持った人というのが一番危ないような気がします。
 私は元大学で教えておりましたが、私の学生たちが電車の中で痴漢に遭ったり、教師にセクハラに遭ったり、いろんな人にセクハラに遭った場合、警察に訴えていた場合、そこでもう一度セクハラを受けます。どういうセクハラかというと、あんた、遅く帰るのが悪いんだよとか、そんな服装をしているから悪いんだよ、女のくせにその口の利き方は生意気だ。すなわち、その警察官たちは、男らしさ、女らしさでがんじがらめになっていて、人を見る視点がないんですね。女だろう、男だろう、そこが常識なんです、その警察官たちの。そこで、みんながそこでもう一度セクハラに遭ったり、セカンドレイプを受けたりするケースが多いんですね。
 ですから、私は、ふさわしい人材というあいまいな言い方ではなくて、警察官にきちんとジェンダーフリーの教育を、トレーニングをする必要があると思うんですね。そのことを私は前にもお願いしたと思うんですが、私は具体的にそのことをきちんと、計画を見せてほしいと思います。
 私も警察官の人と時々お話ししますが、とてもいい人たちです、いい人たちなんですが、ちょっと話を進めていくと、先生、独りだろう、寂しいんだろうとか、結婚していようとしていまいとこっちの勝手だいと、そう思うんですけれども、そういうことをちょっと親しくなると、でも、それは親切心なんですね。先生、もうちょっと口の利き方気を付けたらいい人見付かるよとか、余計なお世話だ。でも、そういうことを平気で言う。それが健全な常識人の警官なんです。それが一般人なんですね。
 それって、もうこの時代では時代遅れで、健全でも常識人でもなければ、非常識人なんですね。そこを私は、警察の中はマッチョだから、もう少し村井大臣に、そこのところの教育をきちんと先生を呼んでしていただきたいと思うんですね。
 なぜなら、これから、実はちょっと調べたんですが、警察増員するに当たって、山口県と長崎県には警察の増員がありません。ゼロです。ところが、調べてみましたら、これは婦人相談所の統計ですけれども、何と長崎県はドメスティック・バイオレンスの相談が、県のうちで十一位です。三千九百四十四件もあるということは、その背後にどれだけドメスティック・バイオレンスに遭う人がいるかということ。ということは、それだけ警察の用事が増えるということですよね。そして、山口県でも二十六位。これは日本全国の半数以下ですが、私としては、もう具体的に警察官の人がどういう作業をしてくださるのか、仕事をしてくださるのか、女の人の命を救ってくださるのかどうか、そこがうんと大事なんですね。
 だから、警察官を増員なさるときにも、もう時間が来たからお願いです、ちゃんとカウンセリング能力のある人と、もし署内でできないならばそういう人を募集してください。それから、ちゃんとジェンダーフリー教育を受けるという、受けた人を採る、それがふさわしい人です。そういう人を採っていただきたいと思います。もし、そうでない人を採ったんなら、署内で教育してほしいと思います。
 それともう一つ。なぜ警察官の女性はスカートをはいているのですか。あれでは銃は撃てないでしょう、あれでは走れないでしょう、おかしいと思うんですね。そのこともできたらお伺いしたいと思います。
 終わりなんですけれども。


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○委員長(佐藤泰介君)

 最後のところだけ、じゃ村井大臣。


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○国務大臣(村井仁君)

 御意見はよく承りまして、また勉強させていただきますが、ちなみに女性の警察官はスカートだけじゃございませんで、もちろんいわゆるパンツも使っております。そのことは申し上げておいた方がよろしいかと存じます。
 それから、今、委員いろいろ仰せになられました中で、私がイメージする良識のある、何といいましょうか、警察官というイメージの人物は、多分、田嶋委員に対して、あるいは田嶋さんに対してそのようなことを多分言わないんじゃないかと理解している次第でございます。


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○委員長(佐藤泰介君) 時間です。また続きは後日お願いします。

https://tajimayoko.com/politics/entry-282.html
児童買春についての質疑



2002年4月3日

会議名:共生社会に関する調査会

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○田嶋陽子君

 性的虐待について坪井節子さんにお伺いします。
 恩寵園という千葉県に児童養護施設があって、そのことは坪井さんも論文で取り上げていらっしゃるんですけれども、その中の少女の発言に、両親を失って養護施設で育って、そして独りで生きていくために売春を続けるしかなかった少女の事件。養護施設で育って、そして売春をしていくという。この少女が言っていることは、大人は悪魔だと思っていた、大人にはなりたくないと思っていたということですが、実際その恩寵園で起きたことは、施設長の息子が施設の児童に対して強制わいせつや婦女暴行をしていて、二〇〇〇年には懲役四年の実刑判決が言い渡されたわけですね。実際、この施設長の息子は、判決によると、一九九九年九月には十二歳の女の子の手を両手で触ってカメラで撮影して、別の日には強姦していたという、そういう事件で、この人は懲役四年になったわけですけれども。
 もう一つ坪井さんが言及していらっしゃるので、おじいさん、義理のおじいさんから性的虐待を一年以上受けていた十二歳の少女なんですが、これは先ほどもちょっとお話にあったように五年後に、時効二日前でこのおじいさんがきちんと罪を犯したことを認めて、そして懲役四年の実刑判決が出たわけで、そのときに、その少女は坪井さんに対して大人を信じて良かったと。大人を信じて良かったと言うのにこの少女の場合、後者の少女の場合でも五年掛かっているわけですね。
 これからまだ質問はいろいろあるんですが、今一つと言われました。三分以内なら二つでもいいんですね。
 一つは、坪井さんはこの少女と五年間かかわっていらしたわけですけれども、性的虐待を受けた子どもから話を聞くときにはどのような点に注意されているのか。これは先ほど不合理な話にも耳を傾けるとかいろいろありましたが、そのほかにもあったら教えていただきたいと思います。そして、同時に、被害者の子どもとの関係で最も重要視してきたことはどういうことなのかということです。
 それで、もう一つは、厚生労働省は被害を受けた子どもはその間各児童施設などでケアを続行してもらうと書いているんですけれども、私に言わせれば、施設長とか施設長の息子、実はさっきの恩寵園では施設長や職員が罰と称して子どもたちを乾燥機に入れたり、かまやバットや竹の刀で殴ったり、鳥の死骸と一緒に寝かすとか、そういうことをやっていたんですね、しつけの名において。
 そういう雰囲気のあるところで、たとえ加害者が罰を受けてそこにいなくなっても、私が思うには、その養護施設でそういう行為を全体に容認する何かの雰囲気とか何かがあると思うんですね。ですから、厚生労働省はそこでケアを、いろんな心理カウンセラーとか何かを出してケアをそこで受けさせるとあるんですけれども、私はそのことを非常に疑問に思うんですね。お三人の方、どなたかにお聞きしたいこと。
 それからもう一つ、厚生労働省はこういうことを言っているんですね。児童福祉施設内に苦情解決の仕組みを作れと言うんですが、私はこういう虐待を受けた子どもは、例えばオンブズパーソンのような人が来たって告白できないと思うんですね、後で、おまえ何言ったんだろうといじめられたら終わりですから。
 すると、この厚生労働省が言っていることは、もしかしたら血で血を洗うようなことを推薦するようなことにもなるんじゃないかと。私が子どもだったら非常に怖くてこんなシステムには乗れないなと思うんですけれども、その辺りもお話を伺えたらと思います。

 


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○参考人(坪井節子君)

 虐待を受けた子どもたちから話を聞くというのは、最初は言葉が全く出てこないところから始まります。それで、まずは自分がどういう人間かということを子どもに分かってもらう。そういう意味では、私は、弁護士として大人の相談者の前に座るより子どもの前に座るときの方がずっと緊張をします。子どもたちが私を選んでくれるかどうかというところから始まるという、そういう意味では非常に緊張するんですが。
 しかし、特に子どもたちが陥っている状態というのは、虐待を受けた子どもたちは、先ほどもちょっと申し上げましたが、自分が生まれてきたことは意味がなかったというところに陥っています。そして、自分が悪い子だから殴られたのだ、自分が間違った存在だったからそういう虐待を受けたんだという、物すごい自分を責めているのです。先ほど出た女の子も、私は生まれてこなかった方が良かったんだ、私はまともな大人にはなれないんだ、私は汚れ切った子なんだ、まともな恋愛もできないんだということでずっと自分を責め抜いて、そして自殺まで図った子だったんですね。ですから、私たちはまず、あなたが生まれてきたことは間違いじゃなかったんだよ、生まれてきて良かったんだよという、まず話を聞く前に、そこにあなたがいてくれること自体私たちの喜びなんだという、それを手を替え品を替え子どもたちに伝えるというところから始まっているというのが現実です。
 そうした中で、自分はここで受け入れられているんだ、虐待をされたことが間違っていたんだ、本当は生きていていいんだというところにまず行き着かないと子どもたちは重い口を開いてくれないんですね。ですから、そこまでの信頼関係を作るということが、ゆっくりゆっくり時間を掛けて、しゃべりたくなかったらいいんだよという中で話をしていく。
 でも、不思議なことに、一回二回これをやりますと子どもたちは話し始めますね。やはり子どもたちが人に対する、傷付けられるのも早いけれども、これは大丈夫だと思ったときの信頼回復は大人たちよりもずっと早いという、そこに私は希望を持っています。その意味では、子どもたちの回復の早さというのに、逆に言うと勇気付けられてこの活動をしているんですね。だから、全く絶望することないんです。いつも子どもに助けられます。
 それで、被害者の子どもとの関係の重要という、何を私がしていかなければいけないか。支援者としてと言うよりは、初めは、まず必要なのは、私なんかが体験したこともない苦しみをこの子は独りで耐えてきているという、敬意を払うということなんですね、子どもに対して。よくぞ生き抜いてきたねという敬意を払うという視点でまず子どもたちに対応することと、そして、この子どもたちが傷付けられた人間としての尊厳を回復したい、そのために私が何ができるかという視点で子どもたちと一緒に歩いていこうということだと思っています。
 その中で、子どもたちの中で最後に自分たちの中に持ってほしいのは、生まれてきて良かったんだという確信と独りぼっちじゃないんだという確信を持ってくれるようになれば、それが支援の最終目的じゃないかなというふうに思っているんですね。
 そういう意味で、傷付けられた人権の回復と言っちゃえばそういうことなんですが、別の言葉で言うと、生まれてきて良かったんだ、生きていていいんだ、自分の人生なんだ、独りぼっちじゃないんだという意味での人権の回復ということになろうかと思います。
 それから、ケアの問題なんですが、虐待が行われているような施設の中で、ケアという本当に矛盾した状況が今の児童養護施設の中にあるというのは事実であります。確かに、もちろんそうじゃない施設もたくさんあるわけで、すべてが恩寵園のような施設だとは言いません。ですから、大変難しい。ですから、とにかくまずは、施設の中でどのような状態に子どもたちが置かれているかをたくさんの人に知っていただくことからしか始まらないかなと。
 何人の子どもたちが一体何人の職員に見てもらっている状況か、その中で虐待を受けた子どもたちが今六割、七割を超えるような状況で職員の人たちがどれほどバーンアウト状況になってしまっているか、そして、今必要な支援は何なのか。物的、人的な施設の基準を上げないことにはもうどうにもならなくなっているというまず現場を知っていただいた上で、その中で虐待ケアは、もしかしたら養護施設に入る前に情短施設のようなところで短期的なケアも必要なのかもしれないというような気がしているんですね。養護施設に入る前のケアも必要なんじゃないかというふうに思っています。そうした意味での制度的なケアを考えていただきたい。
 それから、苦情解決の仕組みについてもちょっと申し上げておきますと、おっしゃるとおりなんです。それで、私もある養護施設の第三者機関の委員をしているんですけれども、ただ、毎月のように子どもたちに会いに行きます。そして顔見知りになっていって、なかなかそれを、子どもたちが自分の受けている苦しみをそこでよその第三者に語るというふうにはならないだろうとは思うんですが、そういった中でもしかしたら小さな声でも聞こえてこないかなということ。私に限らず、今、第三者委員になった人たちはそうした形で少しずつ動きを取り始めています。
 それから、東京都を始めといたします子どもの人権ネットというような電話相談ですね。施設の子どもたちに、匿名でもいいから施設名を言って相談ができるんだという、そのことを子どもたちに知らせておくという、そのシステム。ここで虐待が大分発見されてきましたので、施設内虐待が発見されたという実績がありますので、こうしたことの仕組みの整備も必要かというふうに思っています。





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○田嶋陽子君

 ペドファイル、小児性愛者についてお伺いします。汐見さんと坪井さん、よろしくお願いします。
 坪井さんは、特に日本人の小児性愛者、ペドファイルが海外で買春をしているその担当弁護士さんでもいらっしゃいますけれども、NGOの国際ECPATのロン・オグレディさんは「アジアの子どもと買春」という本の中で、典型的な小児性愛者というのは専門的な職業を持つ中年男性であるというようなことを言っているわけですね。もちろんすべてというわけではないですけれども、その中にそういう人たちが多いということで、特に、医者は小児科医の医者、それから教師、ソーシャルワーカー、宗教関係者、いずれもこの人たちは子どもたちを救う立場にある人たちですが、その人たちが小児性愛者だということで性的虐待をする可能性があるということですね。ボーイスカウトとか少年聖歌隊とか、最近も司祭さんが少年聖歌隊の少年を虐待していたということがニュースになりましたけれども、例えば、YMCAの子どもに関連した地域活動に参加している大人がそういうことをするということで、こういう人を教える立場、道徳的にしっかりしていないといけない人たちが就く職業に小児性愛者が多いということは本当に、さっき血で血を洗うという言葉を出しましたが、すべての職員がそうであるということではもちろんないんですけれども、児童福祉施設にもそういうペドファイルが、目的として入るかどうかは別として、現にいるということをどんなふうに考えていらっしゃるのか、それに対する対応策は日本ではどうなのか、あるいは外国で知っていらっしゃる対応策など、また御自身の御意見をお伺いしたいんですけれども、お願いします。


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○参考人(坪井節子君)

 私どもが当たった例でも、例えば外交官であったり、それから大学の助教授でして、それから小児科医を名のっている人、向こうでは小児科のお医者さんで通っていた人とか、ソーシャルワーカー的な人もいます。そういう意味で、おっしゃるとおり現実は、そういう人たちの中にペドファイルが多いかどうかは分かりませんが、いないことはないというのは実感です。
 非常に難しいと思っているんですが、なぜペドファイルになるのかというのも、これも今はまだ研究途上で、生来のやはりそういう人たちもいれば、自分ではそうではなかったんだけれども体験を重ねるうちにそちらにのめり込んでいった人もいるというようなことで、様々なこの治療法を今から考えなければいけないという状況だそうです。
 その意味で、私がすぐにここで解答は申し上げられないんですが、一つには、やはりホモセクシュアルということに関してが特にどうなんだろうかという問題を考えていく。それから、異性愛者であったとしても、とにかくホモセクシュアルであれ異性愛者であれ、そうしたものは別にマイノリティーとしてさげすまれるべきではないんだ、ただ、子どもに対してそういうことをすることが許されないのだというようなやはり社会内の意識を作っていかなければならないのかなというふうにまず思いますね。
 やはり、子どもの人権ということで、性侵害をされることの、子どもたちの被害の大きさというのを多くの人に知ってもらう。それ以上その人の嗜好性というものに関して踏み込んで、例えば就職の採用のときにどうこうするなんというのはとても難しいことだというふうに思うのです。それから、やはりそれを現場の教育の中で子どもの人権教育というものをしていくしかちょっと私も今、治療方法が見出せないというような状況です。


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○参考人(汐見稔幸君)

 率直に言って、なかなかというか大変難しい問題なんで、私はちょっとまだ判断ができないところがあります。
 今、坪井参考人もおっしゃっていましたけれども、歴史的に見たらホモセクシュアル、当然長い歴史があるわけで、それから小児性愛者も古代ギリシャからずっとあって、それは病的な性格だというふうに判断できるのかということになりますと、性的な関係というのは多様であったというふうな分析も実はあるわけですから、その辺のまず判断が私にはまだちょっとし切れないところがある。
 ただ、いずれであったとしても、子どもとの、例えば合意を全く抜きに、あるいは商売的な関係でそういう関係を強制するということに対しては、これは最大の人権侵害だと思いますので、それは私はかなり厳しい対応をしなければいけないというふうには思っていますが、ただ、そういうふうになる人の、何というか、精神というのがある種のやはり問題を抱えているということであれば、同時に治療的なプログラムということを併せて開発するというか、研究するということなしに断定するということはなかなか難しいので、私は、個人的にはちょっとまだ十分な判断ができないような状況でいます。

https://tajimayoko.com/politics/entry-281.html
児童虐待防止についての質疑



2001年10月24日

会議名:外交防衛委員会、国土交通委員会、内閣委員会連合審査



○田嶋陽子君 
 
 議員になってまだ二カ月ちょっとの田嶋です。よろしくお願いします。
 私は、まだ半分しゃばにいまして、まだ政治家になり切っていません。ですから、ちょっとピント外れの質問もあるかもしれないですけれども、私にとっては必死な質問です。(「頑張れよ」と呼ぶ者あり)はい。
 小泉首相にお尋ねします。
 今、この法案はもしかしたら出さなかった方がよかったかなとか思っていらっしゃいませんか。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 

 出す必要があったと思っております。


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○田嶋陽子君 

 じゃ、出す必要があったとお考えになったということですけれども、そして、よかったと思っていらっしゃるわけですね。
 私は、できればこの法案は廃案にしていただきたいと思っております。特に自衛隊法一部改正、それは余り意味がないように思っております。
 ですけれども、そこに至るまでに、よく言われていますけれども、顔が見えないと言われた。あの顔が見えないという言葉、その言葉はだれがいつどこで言った言葉なのか。別に大橋巨泉さんのまねをするわけではないんですけれども、私は調べましたが、ちっとも出典がわかりません。どなたがいつ言った言葉と受けとめていらっしゃるんでしょうか。小泉首相、お願いします。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 わかりませんね。顔が見えない、テロリストの顔が見えない、いろんな言葉使いますね。


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○田嶋陽子君 

 そうですね。みんな顔が見えない。
 百三十億円出したのに日本が評価されなかったということなんですけれども、そのときに日本は金だけ出して人を出さないで顔が見えないということを言われたわけですね。(発言する者あり)百三十億ドル。ありがとうございます。
 それで、どうも、よく世間では、それがトラウマとなっているんじゃないかと言われるんですけれども、私も何かそういうものがあるんじゃないかというふうに考えているんですが、小泉首相はその件に関してどんなふうにお感じになっていらっしゃいますか。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 

 全然そんなトラウマ感覚はありません。日本が今何をしなければならないか、国際社会の中で日本の責任をどう果たしていけばいいかということでこの新法を提出したわけであります。


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○田嶋陽子君

 わかりました。
 タクシーの運転手さんとか……


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○委員長(北澤俊美君)

 田嶋陽子君。


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○田嶋陽子君 

 あ、ごめんなさい。
 ちょっと世間の意見を聞きますと、みんなも……(発言する者あり)もっとゆっくりしゃべれ。はい。早口ですかね。


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○委員長(北澤俊美君)

 後ろにはお答えにならぬで結構ですから。


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○田嶋陽子君

 はい。まずいな。(発言する者あり)はい。何か──何だったかな。(発言する者あり)そう、タクシーの運転手さんたちの話を聞きますと、今度は兵を出さなきゃいけないんだろうな、自衛隊を出さなきゃいけないんだろうなって、やっぱりそんなふうに思っている人がもしかしたら国民の中には半分ぐらいいるような気もします。
 すなわち、小泉さんに、自衛隊を出すことに賛成な人は約半分、そして反対の人も半分ぐらいという、そういう状況ですよね。そこにはやっぱりあのときに人を出さなかったのはという思いがあると思うんですけれども、私の考えでは、あのときに日本は顔が見えないと言った人たち、その人たちは同時に、そう文句を言いながらわかったことは、そうか、日本には平和憲法があるんだ、憲法があるんだからもう日本は兵は出せないんだということをみんな認識したんですね。ちょうど酒を飲めない人に一緒に飲みに行こうと言って、おれは行けないって言ったら、何回か言うと、ああそうか、おまえは下戸だったなというのを認めるのと同じです。
 特に、個人主義の西洋世界では相手を認めるんですよね。相手を受け入れるんです。その上で物を要求してくるわけですよね。その証拠に、今回はブッシュ大統領も、ああ、日本には憲法があったんだなと言ったし、パウエル国務長官だって、別に──うん、発音悪いか。パウエル国務長官だって出さなくたっていいって言ったし、それから、もっと戦後の意味深い貢献はアフガン復興への支援なんだということをパウエル長官は言ったわけです。要するに、認めているんですよね。それなのに、なぜ。
 もう一度お聞きしたいと思います。首相はどうして、自衛隊法までお変えになって、テロ法案までおつくりになって、みんながこれだけ反対しているかもしれない法案をお通しになるんですか。通したいんですか。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 

 いや、社民党は反対しているかもしれませんが、国民多数は支持していると思いますよ。今回、自衛隊を派遣する場合におきましても、武力行使はしない、戦闘行為には参加しない、その他の面で自衛隊の能力を発揮できるところがあれば自衛隊にも活躍の場を与えて、しっかりとした法的裏づけのもとで精いっぱい、使命感、責任感のもとで働いてもらおうという法案でありますから、別に戦争に行くんじゃないんですから。一方では戦争に行く戦争に行くという不安をあおり立てている勢力もあると思いますが、そうじゃないんです。自衛隊としての能力、機能が必要なときには、戦争に参加するんじゃない、武力行使はしない、そういう前提のもとで自衛隊に新たな活躍の場を担ってもらおうというのが今回の法案でございます。


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○田嶋陽子君 
 
 先ほど小泉さんは、やっぱりアメリカは物的支援でなくて激励と精神的支援が必要なんだと言ったとおっしゃっていましたよね。だから、アメリカは別に自衛隊、法律まで変えて日本がアメリカの後をついていくことは期待していなかった、私はそう見てますし、新聞にもそう書いてありますし、というか、そういう記事、私だけ集めたのかな。もうそういうふうに解釈しております。今回、必要なかった。
 そして自衛隊の人たちは、これは新聞の記事です。新聞の記事だってインチキあるから一概には信じられないけれども、ましてやスポーツ新聞ですけれども、近ごろ自衛隊員は風俗に来る男性がふえているそうですね。そこに行って泣くんだそうです、自分は行くのは嫌だって。みんな、そんな自衛隊の能力を生かそうと言うけれども、別に生かしてもらわなくたっていいということもあるわけですよね。
 答えてください。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 自衛隊はみんな志願して入ってくるんですよ、志願して。徴兵制はないんです、強制じゃないんです。みずからの任務に誇りを持ちながら、そして日ごろ報われないであろう訓練にいそしみながら必死に努力している人たち、そういう方々が私はみずからの役割を十分認識して、もし自分たちの機能が生かされるのなら進んで働こうということで行ってもらうわけですから、無理やり戦争に駆り立てるとか戦場に行かせるとかいうのは全くのうそでありまして、日本政府としては、自衛隊だから働いてはいけない、自衛隊だから活躍の場を与えていけないという政党もいますが、そうじゃないんです。国力に応じて、日本としてのふさわしい国際社会の中でこのテロと戦う責任を果たしたい、普通の人ができないところを自衛隊がやらなきゃならない場合もあるかもしれません。普通の組織ではできないところを訓練している自衛隊だからこそできる……


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○田嶋陽子君

 わかりました。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 という点もあると思います。そういうときには、民間が嫌がらないところをどうして政府はやらないんだという声もあります。できるところはまず政府機関がやろう、民間でできるところがあったら民間もやってもらおう、その活躍の場を与える法案であるということを御理解いただきたい。


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○田嶋陽子君

 そういうことは何回も聞きました。もっとほかのことが聞きたいと思っていました。
 しかも、自衛隊員は自衛隊員になるとき、今回アフガン戦争に行くなんて思って、アフガンの後方支援に行くなんて思っていなくてなった人たちですね。ですから本当は、これは私に言わせれば契約違反なんですよ。ですけれども、これは公務員だからそういうことはないと言われましたけれども、そうでしょう、入るときは死ななくていいということだったんだから、それが戦争に行くことになったんだから。(発言する者あり)


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○委員長(北澤俊美君)

 御静粛に願います。


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○田嶋陽子君

 いいですか、次行きます。(発言する者あり)正確に質問しろ、言葉が正確でなかったんですかね、済みません。


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○委員長(北澤俊美君)

 御静粛に願います。


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○田嶋陽子君

 じゃ、どこが間違っていましたか。
 私は、言いたいことは、日本、小泉さんがよく主体的主体的ということをおっしゃります。小泉さんもイギリスに留学していらしたと思います。私も小泉さんがいらしている六〇年代に行っておりました。
 小泉さんにお聞きしたいと思います。小泉さんはイギリスに留学していらしたときに、その反対側の国から日本はどんなふうに見えましたか。そしてどんなふうな国でありたいと思いましたか、お答え願います。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 イギリスという国は多様性があり、多くの外国人も訪問し、ロンドンも緑が多いし、いい国だな、日本も学ぶべき点がたくさんあるなと。そして、インド人もパキスタン人も、いろんな方々が白人の皆さんと生活し、ある場合には仲よく、ある場合には人種差別的な運動を目の当たりに見て、そういう点では日本にはそういう人種差別運動というのがなくていい面もあるなと。いろいろ得るところが多かった、充実した留学期間だと思っております。


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○田嶋陽子君

 私がそのロンドンに行ったときにはいじめられました。それはどういうことかというと……(発言する者あり)いじめられたんだよ。(発言する者あり)えっ、何ですか。
 どういうことかというと、日本人が第二次世界大戦のときに捕虜の扱い方でひどいことをしたということで、さんざんどこでも議論を吹っかけられてつらい思いをしました。小泉さんはそういう思いをなさらなかったんですね。すなわち、自分たちの親のやったこと、戦争……(発言する者あり)うるさいな。黙れ。そういうことがありました。
 それで、もとの話に戻ります。私が、後でそのイギリスのことをもう少し話しますけれども、私は、小泉さんが主体的主体的とおっしゃいますけれども、どうもこの主体的の意味が、私はアメリカの言うこと、アメリカの御機嫌伺いに終始しているような気がして、今回のテロ法案もポチ法案、ワン法案と呼んでおります。私はこの法案は好きではありません。
 そして、私は、やっぱり顔が見えないと言われても、平和憲法を持っているこの国は世界に一つしかない国と考えていいぐらい個性のある独特の国だと思います。武力が強くなくてもいい、優しくて豊かで文化の豊かな国だという、そういう評判を得ることが日本の将来にとってはとても大事だと思います。ですから、例えば湾岸戦争のときに、顔が見えないと言われても、顔が見えなくて大いに結構、愚直にそのまま引き下がっていればよかったと思います。今回、それなのに、私は何か浮き足立っているような気がするんです。
 そして、小泉さんのおっしゃる国際性とか、国際という言葉に私は非常に疑問を感じます。例えば、小泉さんはこんなふうにおっしゃいます。国際社会から孤立したくないとか、国際協力とか、そういう言葉を頻繁にお使いになりますけれども、質問です。小泉さんは、この国際という言葉をお使いになるときにどの国をイメージしていらっしゃいますか。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 国際社会、まあ世界ですね。いろんな国がありますね。
 これは、日本だけが唯我独善的な行動をとっちゃいかぬ、世界のいろいろな声に耳を傾け、独善に陥らないように、偏見を持たないように国際社会と協力していくことが日本の平和と繁栄の道だという意味で、国際社会と協調とか、国際責任を果たすとかいう言葉を使います。国際というのはいろんな使われ方があると思いますが、国際協調というのは大事な視点ではないでしょうか。


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○田嶋陽子君

 いやいや……


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○委員長(北澤俊美君)

 ちょっと待ってください。
 この際、委員諸君に申し上げますが、極めて重要な法案を連合審査で審査している議場であります。いささか常軌を逸した不規則発言も出ております。お気をつけをいただきたい。
 なお、閣僚諸君においても不規則発言が出ておりますが、もう時間も迫ってきています中で、もう少しきりっとした参議院らしい審議をさせていただきたいと思います。
 なお、ルーキーに対しては、いろいろ感情もありましょうけれども、優しく試練の場を与えるのも諸君のジェントルマンシップだと思いますので、よろしくお願いをします。


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○田嶋陽子君

 議長、ありがとうございます。


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○委員長(北澤俊美君)
 議長じゃないよ。


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○田嶋陽子君

 済みません、間違えましたか。ごめんなさい。
 小泉さんは、国際社会で孤立したくないからということをおっしゃるんですが、私は、小泉さんが考えていらっしゃる国際社会というのは、アメリカでありイギリスであり、あるいはもっとまとめてNATOであり西欧諸国であるように思います。なぜなら、靖国の問題、靖国参拝のことや教科書問題では、小泉さんは後からその国をお訪ねになりましたが、ちっともその国の言うことには、今、耳を傾けるとおっしゃいましたが、傾けていらしたようには私は思われません。
 それから、今度のAPECの会議のときにも、やっぱりあんなに会議で暗い顔をした人たちを見たことがありません。どの写真を見ても、みんな苦虫をかみつぶしたような顔をしています。普通ああいう会議では談笑しているシーンが出たりするものですが、一つもありません。ということは、何も一致していなかったし、みんなが言いたいことが言えなかったと、私はそういうふうに見ています。
 そして、実際に、例えばマレーシアのマハティール首相の言ったこと、あるいはインドネシアのメガワティ大統領が言ったこと、それはやっぱり武力行使には反対だということですが、このAPECの会議では全会一致で武力行使に賛成したということが言われています。でも、それはそうではなかったということですよね。すなわち、私はやっぱりここには西洋重視で、そして自分たちの近隣諸国である東南アジアだとか経済的に弱い国に対するそこはかとない、もっと言ってしまえば、はっきり言ってしまえば差別意識が私はあるように思います。
 そして、もっと言うと、私は小泉さんの態度も余り好きではありませんでした。例えば、ブッシュ大統領にこう言った。三つ挙げましたね。兵力は出せないけれども、例えばこういうことはする、こういうことはすると言って、自衛隊、ブッシュ大統領の賛同を得たという言い方は、一つの同盟国として、独立国として私は嫌です。賛同を得たというのもおかしいと思います。賛同を得たってどういうことですか。それから、賛同を得るってどういうことですか。賛同を得るってどういうことですか、小泉首相。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 私の言ったことに賛成したということです。いけませんか、賛成してくれて。反対するよりいいでしょう。


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○田嶋陽子君

 同盟国ですよね。私がさっき言った、ポチ法案と言ったのは、賛同を得るとか……(発言する者あり)しようがないです、私はそう思っているんですから。
 それから、もう一つ言っておきますけれども、さっき首相は私のことを社民党はと言いましたが、私は社民党の議員でありますけれども、その前に田嶋陽子が先に来ます。社民党は社民党はと、何かというとそういう批判がありますが、そういう言い方はよしていただきたいと思います。
 続きに行きます。
 私は、同盟国として小泉首相にとっていただきたい態度は、やっぱり大きな国の意見だけでなくて小さな国の意見を聞いて、それをむしろその強い国々に紹介するような、そういうような立場をとっていただきたいんです。ですから、例えば、賛同してもらうかわりに、そうでしょう、これだけのことを自分がするんだから、外交としてそれと対等な取引があっていいんじゃないですか、ネゴシエーションが。だから、だったら空爆はよしてほしいとか、何かもう一つ、単なる賛同を得ていい子いい子と頭をなでられるんじゃなくて、きちんとした取引をしてほしいと思うんですよ。
 私は、あの空爆、そして──じゃ、もう一つ、その主体性ということ、国際性ということで日本が浮き足立っているんじゃないか、そういうことの一つの証拠に、日本で今起きていることをちょっと紹介します。
 今、厚木の相模原補給廠でこのような状況が起きています。(資料を示す)それは、市民に向けて、これは市民は写っていませんが、ここには、この銃口は市民に向けられています。市民たちは非常に不安だと言っています。この記事が出たのは九月二十三日です。ところが、不思議なことに、私はおとといこれをコピーを頼んだんですが、その翌朝この状況はなくなったそうです。すごいですね。これは偶然かもしれませんけれども、ということをお伝えしておきます。
 すなわち、もう銃口は向けなくなったということです。でも、だれがこういう指図をしたのか、米国がしたのか、日本がしたのか、それは知りません。
 ただ、もう一つお聞きしたいことがあります。
 十月八日に中部及び九州管区の機動隊が、四百五十人が沖縄県警の応援のために沖縄に派遣されました。そのことについて防衛庁長官にお伺いします。これは米軍からの要請なんでしょうか。──私は答えられる方で結構です。




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○国務大臣(村井仁君)

 委員御指摘のとおり、沖縄県警に対しまして機動隊、管区機動隊約四百五十名、これを派遣をいたしております。これにつきましては、念のために申し上げますけれども、沖縄県に在日米軍関連施設等警戒すべき対象が多数所在していることから、沖縄県警の負担を軽減する、その目的のために私どもの判断といたしまして派遣をいたしましたものでございます。


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○田嶋陽子君

 済みません、ちょっと今、人が来たので気が散っちゃって聞こえなかったんですが、米軍からの要請ではなくて日本側からのということですか。


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○国務大臣(村井仁君)

 米軍の基地が存在することは一つの要素でありますけれども、あくまで警察としての判断で派遣をいたしたものでございます。


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○田嶋陽子君

 ありがとうございました。
 それでは、この米軍基地周辺の機動隊は具体的にはどのような任務についていらっしゃるんですか。


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○国務大臣(村井仁君)

 警備の任務というものは、これは警備の実施の上のいろいろな、警備の実施の上で支障を生ずるといけませんので、余り詳細につきまして御答弁申し上げるのは控えさせていただきたいと存じますが、警察官を米軍の基地の周りに常駐させましたり、あるいは基地周辺のパトロールをやらせましたり、そういうことで所要の警戒をさせているところでございます。


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○田嶋陽子君

 それでは、これからは、自衛隊法一部改正されたら、この機動隊がやっていたことを自衛隊がやるということになりますか。


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○国務大臣(村井仁君)

 まず機動隊がやっておりますといいますか警察がやっておりますのは、警察はいわゆる一般の治安の維持に任じているわけでございまして、米軍基地の、今、委員お尋ねの場合でございましたら、米軍基地の周辺につきまして警戒を行っていると、こういうことでございます。
 その状態は、今お尋ねのお話でございますけれども、警護活動というものが新しく設定されますけれども、その場合でもなお一般の治安の維持というのは警察がその責めに任ずるということでございますから、周辺は基本的に警察がやる、そのように御理解いただきたいと存じます。


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○田嶋陽子君

 すると、一部改正された場合、自衛隊がそのアメリカの米軍基地を守るというのは、非常事態に関してだけということで、常時守るというわけではないんですね。


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○国務大臣(中谷元君)

 おっしゃるとおりで、総理の御命令がいただいたら守るということになります。


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○田嶋陽子君
 お二方どちらでもいいんですが、ほかの国ではどうなっておりますでしょうか。


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○国務大臣(中谷元君)

 他国においての実施要領等は、それぞれ能力等にかかわるものでありまして、明らかにしておりません、内容は。


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○国務大臣(村井仁君)

 外国における軍関係の施設の警備というような御趣旨かと存じますけれども、これにつきましては、一般的に申しますと、周辺につきましてはやはり警察が、周囲につきましては警察が治安の維持に任じているというのが一般であると、そのように承知しております。


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○田嶋陽子君

 一般にはと言われるともうあれなんですけれども、でも、日本はこれからは自衛隊が守ると考えてよろしいんですか。それは非常時だけということですか。外国では、こちらで調べた限りでは、韓国もイタリアもドイツも全部警察が守っています。自衛隊ではありません。


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○国務大臣(村井仁君)

 私は先ほども、仮に警備活動というものが発令されたといたしましても、外側はこれは警察がその治安の維持に任ずるということを申


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○田嶋陽子君

 沖縄では今、四百五十人の機動隊が行ったということで、非常にみんな不安を抱えています。そのことに関しては、きのうも尾身さんから、尾身沖縄長官から答弁をいただいたので即刻対処していただいていると思いますけれども、こういうことに大変不安を感じるということを一言つけ加えておきます。
 それから、要するに銃口が市民に向けられているわけですね、自衛隊の場合、厚木基地の場合もそうですけれども。ですから、自衛隊は一体だれから何を守るのかということを私たちにはっきり示してほしいということです。
 ついでにお答え願えますか。


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○国務大臣(中谷元君)

 最初に米軍の例を挙げて、米軍が市民に銃口を向けているということでありますけれども、田嶋議員は米軍人とお話をしたことがあるでしょうか。特に若手の、階級の下のクラスの人ともぜひお話ししていただきたいと思いますが、彼らは、日本がいざ危機に際した場合に、有事の場合に、命令があれば日本のために命をかけて戦うと、そういう意識を徹底しておりまして、決して日本を憎むという気持ちじゃなくて、日本を愛して、日本国民を非常に好きな人たちなんです。
 そういう人が銃口を市民に向けるというようなことを聞いたら、非常に寂しい、残念だと思いますが、彼らの今やっている行為というのは、テロ攻撃に対して、そういった不測の事態に対応して警備活動を行っているということであります。
 そして、米軍というのは、日米安保条約に基づきまして、我が国の安全に寄与するとともに、極東における国際平和、安全のために寄与している、そういう目的のために駐留しているということをぜひ御理解をしていただきたいと思います。
 自衛隊も全く同じであります。日本国民のために、自分たちの仕事に誇りと名誉を持って日本の安全を守るために勤務しているという点もぜひ御理解いただきたいと思います。


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○田嶋陽子君

 ありがとうございました。
 次、行きます。
 田中外務大臣にお伺いします。
 今月の十日に開かれたイスラム諸国の、長い、会議機構、緊急、これ英語で言った方がよさそうですね、外相会議で、テロ攻撃を非難して、米英の攻撃に対する住民への被害に懸念を表明する共同声明を採択したということですが、具体的に少しお話しいただけませんか。
 要するに、例えば、アフガンの国と国境を接している国は六カ国あるわけですけれども、その六カ国の方たちとどういうお話をなさったのか。先ほどの答弁では四十カ国の国と電話でお話しなさったということですが、私はその具体的な内容を聞きたいです。少し、空爆や地上戦に関してどんなふうに感じているか、お話しください。済みません、その国の人たちがです。


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○国務大臣(田中眞紀子君)

 二つのことを一遍にお聞きになったように感じましたので、別々に分けてお答え申し上げます。
 まず、イスラム諸国会議機構の緊急外相会議についてお尋ねかと思います。これは今月の十日に開かれたものかと思いますけれども、これはイスラムですからもちろん私は行っておりませんけれども。
 そこでは、要するにテロを断固として非難するという、イスラム、これはテロ対世界の国々でありますから、私たちはイスラムの国全部を非難しているわけじゃないんですね。したがいまして、イスラム国家の中にも、テロリスト、テロリズムを憎むという国がたくさんございます。ですから、そういうテロに対して非難をし、そうした認識を基本で共有しながら、国際的取り組みを持っていこうではないかという意見がございます。そして、こういう意見は、トルコでありますとか、イスラム国家ですが、パキスタンとかエジプトとかジョルダン、そうした国々がこういうテロに対する考えを共有しておられます。これが一つです。
 それから、二つ目のお尋ねですけれども、三十九から四十ぐらい、九月十一日のニューヨークのビルに対するアタックです、ワールド・トレード・センターに対するアタック等以降ですけれども、これは私が国際会議にシンガポールに参りましたり、その他のときにじかにお話をしていることもございますし、それから日本についおとといもアイスランドが来られたり、その前はオーストリアの外務大臣が来られたり、それからきょうもこれからはビルマの通産大臣が来られたりもいたします、外務大臣ばかりではございません。それから、電話ももちろんかけますし、かかってもきますが、そういう中でいろいろな話をしていまして、今現在起こっていることについての非難、批判というようなことではなくて、それぞれの国の立場でもって、テロリズムは決していいものではないということはどの国も共通して基本的認識としておっしゃっているということを申し上げます。


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○田嶋陽子君

 残念です。私は内容を聞いています。
 いつもこういう答弁を聞いているので、私は本当にその国境を接している国の人たちが何を考えているのか知りたくて、自分なりに会いに行きました。イラン大使館に行って、イランの大使に会いました。もちろん、大使の意見は公の意見ですからここで出すわけにいかないので、出す部分は許可を得てあります。
 イランの人が何を考えていたかというと、何を感じているのかというと、イランという国は、アメリカにもイギリスにも、それからタリバンにもいろんな目に遭わされた国です。それでも今、簡潔に言ってしまうと、イランという国が何が一番困っているかというと、アメリカの空爆によって物すごい数の、九百五十キロメートル、日本の三分の一がアフガンに接しているわけですから、難民が入ってくるということですね。そして、入ってきた難民によって大変な経済的な不安が生じているということですね。だから、この空爆はあるいは内戦は、内戦じゃなくて地上戦はすぐにもやめてほしい、だからといってテロがいいと言っているわけではないけれども、ということを言っていらっしゃいました。
 とにかく大使がおっしゃるには、一人一人の経済格差が大きいこと、教育格差が大きいこと、この貧困の問題をきちんと考えないとテロはなくならないという、そういうことを言っていらっしゃいました。
 そして、先ほどの、小泉首相が日本の国をどんなふうにイメージなさりたいのか、なさるのか、そのことに関してですけれども、イランの大使はこんなふうに言っていました。遠くから見ると、日本という国は第二次世界大戦後平和を維持してきているすばらしい国だ、そしてみんな優しくて、そして豊かで、今こそそういうイメージを広めるときではないか、そんなふうにもおっしゃっていました。ですけれども、これは大使の個人としての意見です。その個人の意見に関しては、きょうここで話す許可をとってあります。
 そして、それに関してですが、もしこの後方支援を日本がするということになって、後方支援をした後にもなおかつ日本はアフガンの復興に参加できるんだろうか、みんなはそれを喜んで受け入れるのだろうかということを私はこの大使との話から感じました。
 田中外務大臣、どんなふうにお考えになるでしょうか。


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○国務大臣(田中眞紀子君)

 たくさんのことを一遍におっしゃったので、なかなかうまく整理がつきませんけれども。
 イランの大使、マジェディさんでしょうか、にお会いになったのかと思いますけれども、この方は大変興味深いことを、私が四十人近くお会いした中で大変興味深いことをおっしゃっておりまして、ハタミ大統領が文明間の対話というものを提唱していると、対話を通じてお互いに協力をし合うこと、文明の衝突があってはいけないということ、すなわち宗教とかその他の国籍等の違いを越えて共存するための知恵と勇気を出し合うべきではないか、それからイランもテロを非難しているんだという話をおっしゃっています。もちろんパキスタンにしろイランにしろ、難民の問題はございますけれども、基本的なスタンスとしては、テロリズムは決して許さないという考えを持っておられるということを正式声明として伺っております。
 それから、アフガンとこうして、いろいろもめたこういう状態でいると、悪感情を一般の民衆の方が日本に対して持たれるのではないかということを多分委員は危惧していらっしゃるのではないかと思いますけれども、しかし結論として、結果としてアフガン及びその周辺国が安定的に発展できる平和、それを築くことが最終目的でありまして、そうした結論を早く導き出すために私たちは今一生懸命努力をして、苦労をして国際社会が手をとり合っているわけでございますから、そうした努力を導き出すということが私たちの今現在やっている措置、世界のやっている行為が十二分に理解を得られることになるというふうに思っています。
 アフガニスタンには永続的な和平を実現する、そのために私たちみんなが前から、紛争予防もそうですし、今後もしなければいけないことですけれども、ポジティブなエネルギーを出していく。そのことが究極として、アフガニスタン及びその周辺の一般の国民の皆様たちに御理解をいただけることに帰結するというふうに信じております。


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○田嶋陽子君

 私は、APECの会議で小泉さんを初めブッシュ大統領も、アフガンへの攻撃後の復興会議とか、どういう国つくりをするかとか、アフガンの頭の上でそういうことを話しているのを聞いて、しかも、小泉さんが引用していらっしゃいましたよね。日本の戦後をどう占領するのか、どういう国つくりをするのか、アメリカはもう真珠湾攻撃の、その前ですか、後ですか、そのぐらいから考えていたのを聞いて非常に感心したとおっしゃっていらっしゃるのを聞いて、私はとても残念に思いました。
 今、小泉さんは日本の憲法を余り大事にしていらっしゃらないようなふうに見えますけれども、それも結局は、その憲法も日本人がつくったのでないということもあって、すなわち、そうやって勝手に国つくりを先にだれかがやっていて、そして日本という戦後の国ができたわけですが、それと同じことを小泉さんは大国のまねをしてなさろうとしているような気がして、私はそのことを非常に不愉快に思ったし、アフガンの人たちに対しても傲慢だと思いました。そのことをどうお考えになりますか。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 私がブッシュ大統領に言ったのは、アフガンの軍事活動、戦争終結だけを考える問題じゃないと、この問題は。この軍事行動が終結した後、アフガンにどういう安定政権をもたらすべきか、アフガン国民にとってどのような政権が望ましいのか、復興していくためには各国どういう協力をすればいいかと。今はもうテロリスト、テロリストの拠点、タリバン政権をたたくのに必死でしょう。しかし、それだけに夢中になるべきじゃない。むしろ戦後、戦後のことも、後々を考えた、そういう長期的視点から今どういう軍事行動が必要かということを考えるべきだということを言ったんです。
 そういうことで、私は、憲法を軽んじているとか、日本が大国だとか、そう言うよりも、日本としてはそういう中に軍事行動、軍事戦略には参加できないけれども、安定政権をもたらすための政治戦略、アフガン国民のための復興戦略、このためには日本は協力する用意があるということを言ったんです。


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○田嶋陽子君

 私は、まださっきも言いましたようにしゃばに半分足を突っ込んでいますから、そっちからしか見えません。政治的視点からというよりも、むしろアフガンの土地の人たちの立場に立って見てしまいます。すると、自分たちの頭の上で戦後がもうトークされている。
 そこで、現実に、さっき共産党の小泉さんがおっしゃったように、いろんな爆弾を投げられて死んでいる、日々犠牲になっている人たちがいるわけですね。それって何なんだろうと、変だと思うわけです。
 それで、変ついでにお聞きしますけれども、イスラム、ビンラディンとタリバン政権を倒す、そして、イスラム教徒に対する攻撃ではないと言いながら、誤爆があったり、現実にはクラスター爆弾があったりして大勢の市民が、もう千人以上が亡くなっている。それに対して、仕方がない、誤爆が多少あっても仕方がない、小泉さんは自衛隊の人が多少は死んでも仕方がないとおっしゃったのと同じに、みんな多少は仕方がないと思っているわけですけれども、それってやっぱりおかしいと思うんですね。
 私は、もし仕方がないと思ったら、アメリカの今やっていることは国家テロと同じだと思うんですね。もし国家テロでなかったら、そこで誤爆で死んだ方たち一人一人に私は補償すべきだと思います。どう思われますか。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 アメリカのやっていることは、今、国家テロだという認識を持っている国はほとんどいないんじゃないでしょうか。これには私はちょっと驚きましたけれども、見解が違うんだからしようがないでしょう。
 私は、自衛隊員に対しても、多少死んでも仕方がないなんということは一言も言っていません。


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○田嶋陽子君

 言いました。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 一言も言っていません。どこで言ったのかも、あったら教えていただきたいんだけれども。そういう余りうそを言わないでください。
 それと、すべて安全なところであるとは限らないということは言いました。それは日本にいても安全じゃないんですから。いつテロリストの攻撃を受けるかわからない。そういう意味において、世界どこの地域も安全でなくなったのがこの九月十一日以来のテロ事件じゃないですかと、そういうことを言ったのであって、私は、自衛隊が別に戦場に行くのでもない、戦争に行くのでもない、多少死んでも仕方ないなんということは一言も言っていないということをよく頭に入れて、いいかげんなことは言わないでくださいね。


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○田嶋陽子君 いいかげんなことではありません。これはちゃんと引用したもの、今ここに持っていませんが、後でお見せします。
 時間が来たようですけれども、頑張っちゃいますから聞いてください。
 私は、イギリス大使館に空爆やめてほしいと抗議に行きました。そのときに、攻撃する理由として証拠を出せと言ったらこんな書類をぱあんと出してくれたんですね。ですけれども、衆議院ではちょっと小泉首相はお話しになりましたけれども、私たちこうやって参議院でこういうことを話しているのに証拠一つ見せてもらえない、アメリカが出しちゃいけない、うんだらくんだら言って証拠一つ見せていただけないところで後方支援を決めていくわけですね。
 私は、小泉さんにまねしてほしいことの一つは、私はイギリスの空爆はいいとは思っていません。ですけれども、あの方は、空爆するに当たって、戦後二百人の国民が殺されたと、それも理由。それから、今あそこで麻薬がつくられていて、それで若い人たちがみんな麻薬で今イギリスだめになりつつあるから、どうしても麻薬はつくらせたくないという理由。それで、実際に麻薬畑を空爆して壊してしまいましたよね。でも、ちょっとそれは置いておいて、だから空爆はいいと言っているんじゃないです。ですけれども、その後ブレアさんは五つのイスラムの国々と会って、しかもアラファト議長まで自国に呼んで、そしてパレスチナとイスラエルの問題を解決しようとか、空爆と同時に物すごい外交活動をなさっているわけですよね。それでも、その証拠を出して、だから議会で空爆する了解を得たわけですけれども。
 きょうのニュース、CNNによれば、イギリス労働党の若手四十名がブレア首相のアフガニスタンへの軍派遣、参戦、それをやめてほしいという運動を開始したそうです。すなわち、やっぱりこのテロ攻撃とはいえ、空爆すること、地上戦をすること、それに対しては、今世界じゅうが、日本もそうですけれども運動を始めているんですね。ここで万々歳で、イスラエル攻撃とテロ攻撃は違うからといって空爆や地上戦を繰り返していくことは、私は本当におかしなことだと思うんです。これは絶対もうやめてほしい。そして、訴えです、もう。
 さっき、最悪のシナリオと言いましたけれども、私は最善のシナリオを提案します。さっき、国家テロは変な考えだと言ったけれども、私はそういう考えを持っているんだから仕方がありません。
 それで、どういう最善のシナリオかといいますと、ビンラディンを捕らえようなんてしないことです。ビンラディンを捕らえようとしてタリバン政権を打倒しようとすればするほど、軍需産業に手をかすことにはなっても、国の平和は来ないと思います。それよりも、さっき小泉さんは、あの人たちは話してもわからない人だと言ったけれども、国連憲章やいろんなものをいじくり回して法案、法律つくりましたけれども、出てくるはずないじゃないですか。それよりも、私は、代表を募って、ビンラディンがあんなひどいことをした、六千人もの人を、まだ見つからないようなあんなひどいことをした。そこまでした、何でそういうことをしたのか、その意図というものをきちんと受け取って、(発言する者あり)だからテロはいいなんと言っているんじゃない。だけど、戦ってばかりいたってどうしようもないでしょう。人が死ぬだけです。
 だから、私は、最善のシナリオというのは、代表を出して、どういう条件をかなえたらやめるのか、テロをやめるのか、それをきちんと話し合っていく、それがネゴシエーションだと思います。それが交渉だと思います。笑わないでください、塩じい。
 小泉さん、どう思われますか。


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○内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 どうですかと言われても、それは田嶋さんの御意見なんでしょう。我々は違うんですから。
 だって、イギリスではそういう一部で反対運動が起こっているといいますけれども、この新法審議でも日本も反対運動は起こっておりますし、イギリスはやっぱり武力行使しているんですからね、アメリカと一緒に。イギリスの活動をたたえておられましたけれども、日本は、日本とイギリスとは違うんです。日本はこのテロには毅然として立ち向かっていきますが、武力行使はしないんです。イギリスとは違うんです。それぞれの立場はある、意見が違いがある。多様な中で、お互い国情が違う、国力が違う中でテロに対して毅然と立ち向かうことが必要ではないかと思います。


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○委員長(北澤俊美君)

 田嶋さんにお願いしますが、時間が迫っておりますからまとめてください。


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○田嶋陽子君

 はい、ありがとうございます。
 私はやっぱり、日本は武力行使しないからいい、さっきのクラスター爆弾じゃないけれども、自分は使っているのを知らないからいいじゃ済まされないと思います。同盟国だったら、相手が何をしているのかきちんと調べるべきだと思います。
 そして、私はやっぱり、確かに考えが違うで終わってしまえばそのまんまですけれども、みんな考えが違うから怒ったり泣いたり笑ったりしているわけですよね。そこをきちんとやるのが外交じゃないんですか。首相の役目なんじゃないですか。APECじゃないんですか、そうでしょう。
 私は首相に頑張ってほしいと思います。違う考えに耳かすのが三人の人間のうちの一人だと、さっきおっしゃったでしょう。小泉さんはそういう人間でしょう、そうでしょう。だから、国民も支持しているんですよね。積極的に出てください。そういう意味で主体的に積極的に最善策で頑張ってください。
 以上、終わります。(拍手)

https://tajimayoko.com/politics/entry-265.html
テロ対策措置法案に関する質疑



2003年3月25日

会議名:内閣委員会


○田嶋陽子君 

 無所属の田嶋陽子です。
 今日は、従軍慰安婦の方たちの八百名の名簿が見付かったので、そのことについて質疑をする予定だったんですが、やはりちょっと戦争のことが気になりまして、その前に戦争のことで少し福田官房長官にお伺いしたいと思います。
 私は、今回の開戦に関しては、非常にその理由も不可解だし、不愉快な展開をしているように思います。小泉総理を始め政府関係者は米国支持をうたっていらっしゃるわけですけれども、その理由に関しては、同盟国だということ、それから北朝鮮問題があるからということを言っています。それでも日本は戦争はしないと。これはだれが聞いてもちょっと矛盾があると思います。
 北朝鮮問題があるからということは、だれでもが、北朝鮮問題が起きたら同盟国のアメリカに守ってもらうからと思っているわけで、だったら、自分の国を守ってもらうためにはアメリカを支持することによってイラクの人たちは殺されてもいいのか。そこのところ、どんなふうにお考えになられますか、官房長官。






○国務大臣(福田康夫君)

 これも何度もお答えをしているんですけれども、米国が武力攻撃をするという根源は何かということを考えていただかなきゃいけない。それは、大量破壊兵器を持つフセイン大統領が自ら決断すれば平和的な解決はできるということ、これは我々も本当に願ってきたことなんです。しかし、それがかなわなかったという事態においてこの武力攻撃というような今の状況になっていると。このことはやっぱり一番の根源だということでございます。





○田嶋陽子君

 ここに三月二十四日の新聞記事があります。日経新聞の夕刊です。ここでこう言っています。「米政府がイラク国内で戦争終結後にただちに着手する道路復旧などの初期復興事業は、すべて米企業が受注する公算が大きい。」。その復興事業の主なものは、戦争で被害を受けた道路や橋、学校などの復旧事業ですよね。この受注先は、企業の身元審査などを速やかに進めるために、名目上は、当面は米企業に限定する、外国企業は参加できないと言っています。で、入札参加を複数の米企業に呼び掛けていると。しかも、その企業の一つは、これはチェイニー副大統領が最高経営責任者だった、CEO、その油田開発サービス大手ハリバートンだと言っているんですね。このことについて、官房長官、どうお思いになりますか。





○国務大臣(福田康夫君)

 私は、そういう復興の具体的なことについて、まだ動きがあるというふうに思っておりません。私も全く聞いておりませんし、正にこの今の事態がどういう展開をするか、そのことによってすべては決まってくるわけで、まだとてもそんな判断をできるような状況じゃないと思っております。
 また、復興支援については、それは米国ももちろんするでしょう、当然。しかし、国際社会がやはり協力してやらないとうまくいかない部分が多いんじゃないかというように考えております。





○田嶋陽子君

 この記事を見る限り、日本も復興支援としてお金を出すわけですよね。すると、この米の公共事業に、米のやる公共事業に日本が税金でお金を出して、そのお金でアメリカの企業がもうけると。そして、もうけて、税金を払って、その税金はアメリカの国に入るわけで、しかもチェイニー副大統領ですね、これって、このイラク戦争は大型の公共事業だと言われてもおかしくないですよね。そのことに関してどう思われますか。





○国務大臣(福田康夫君)

 そういうのを大型公共事業というのかどうか知りませんけれども、情報そのものを私どもは承知していないということです。





○田嶋陽子君

 二十五日、今日ですよね、日経新聞でやはり、今度は奥田日本経団連会長さんがこういうことを言っています。
 これは個人的な見解だけれども、個々の企業もそれ相応に負担すべきだと。そして、世界第二位の経済大国が人も金も出さないというのでは責任を果たせないから、どうするかというと、法人税などの臨時増税で捻出すべきだと。
 この記事に関しては、福田官房長官、どうお考えになりますか。





○国務大臣(福田康夫君)

 それは、個人的見解と、こういうふうに断っておられるわけですから、丁寧に断っているわけですから、ですから、それは個人的な見解だろうというように私どもは思っております。
 しかし、この復興については、いずれそういう国際的な話合いの中で協力しなければいけないということになろうかと思います。また、我が国としても、それは日本の力にふさわしい協力をするのは、これは国際社会に対する日本の義務だろうと、こういうふうに考えておりますので、その復興支援について否定するものではございません。





○田嶋陽子君

 私も復興支援に否定するものではありませんけれども、その出た金が同盟国であるアメリカの懐に入っていく、そして日本からアメリカへと、そして企業を通してアメリカへと。これって何かおかしいですよね。そして、お金がぐるぐる回っていく過程で人がどんどん殺されて人柱になっている。
 これは、想像するだけに、この戦争というのは何ら正義の香りもない、においもない。何か私たち国民全員がだまされているような気がするんですよね。この会長さんも、奥田会長もどうしてそういうふうに思ったかというと、湾岸戦争時にそうやったから今回も同じ方法でというんですね。だったら、湾岸戦争のときも実はそんなふうにして人柱にして、金は金で巡って、企業からアメリカに、日本からアメリカにと巡っていったんだろうかと疑ってしまうんですが、官房長官、どう思われますか。





○国務大臣(福田康夫君)

 今の新聞報道、それも一紙でしょう。方々へ出ているんですか。
 その報道がどういう性質のものか、本当なのかどうか、それも分かりません。私どもは確認しておりませんから、その報道を基にしていろいろ話を組み立てられても困るんですよね。もう少しきちんとした根拠のあるものを基にして議論をしていただきたい、そういうふうに思います。
 しかし、我が国としては、イラクが一日も早く再建されて、そして、人々が自由で豊かな社会の中で暮らしていけるように、今後の事態を見守りながら、復旧復興のためにできる限りの措置を検討してまいりたいと、こう考えているところです。





○田嶋陽子君

 おっしゃることはよく分かるんですけれども、最初におっしゃっていたような、アメリカが苦渋の決断をしたというところもよく分かりません。
 ということは、あんなにトマホークを始め兵器を使っているわけですね。そしたら、それを使った分、やっぱり支払うわけですよね、アメリカ政府は。支払ったところは大量の税金をアメリカ政府に返していくわけですよね。そのときに大統領選挙がまた来年にあるとなると、私たち庶民は、ごく普通に考えれば、やっぱりこの戦争って苦渋の決断じゃなくて意図があってやったんだろうと。別に、イラクが大量破壊兵器を持っていて国際社会が不安だというけれども、それは理由ではなくて、それは単なる口実なんじゃないか。この戦争は即刻やめるべきじゃないんだろうか。
 日本は戦争はしないと小泉首相もおっしゃっている、それなのにアメリカを支持していると、こういう矛盾をしてはいけないと思いますが、福田官房長官、どのようにお考えでしょうか。





○国務大臣(福田康夫君)

 決断をするまでは、苦渋の決断、これはあり得るでしょう。しかし、その後は、やっぱりいったん始めたらば成功させなきゃいけないでしょう。途中でやめちゃったら、大量破壊兵器、一体どうなっちゃうんですか。そういう大量破壊兵器を全世界に拡散させる可能性があると、そういう独裁者が相手なんですよ。そこのところはやっぱりきちんと見なきゃいけないんじゃないでしょうか。





○田嶋陽子君

 そんなふうにおっしゃられるとそんなふうに思うんですけれども、でも、おかしいですよ。おかしいです。今、戦争はしていないとおっしゃったけれども、間接的に支援しているんですから、しているんですよね。
 これはちょうど、家の中でお父さんが息子をぶん殴って、後でお母さんが息子をいい子いい子してやっているというあの昔のドメスティック・バイオレンスと児童虐待の構図と同じですよ。アメリカがお父さんなら日本はお母さん役をやって、後で人が死んじゃってから、そんないい子いい子したってしようがないわけですよね。これって、家庭内で起きている家父長的なとても暴力的な家庭が世界規模で行われているのと同じであって、日本はお母さん役なんか務めちゃいけないんですよね。お父さんの暴力止めないといけないんですよね。そういうふうに思います。
 しかも、この奥田会長は法人税で、臨時法人税で払えというけれども、巡り巡ってその法人税は私たちの税金なんですよ。でも、今回の戦争に反対している人は六〇%近くいるんですよね。そのことをどう思われますか。私らは反対していても税金は払わせられる、ごめんなさい、法人税を払うのは会社ですが、結局それだけの法人税を払ったら、物の物価が高くなって、私ら買うもの全部にその戦争の代金は入ってくるわけですよね。戦争反対だって払わされちゃったりしたら、これは民主的な政治じゃないですよね。どうお考えになりますか、官房長官。





○国務大臣(福田康夫君)

 まだどういう状況になるか分からない、またどういう復興をするのか、また何年掛けてやるのか、どのぐらいの金額が要るのか、全く白紙と言っていいような、に近い状況だというふうに思います。ですから、例えば奥田会長がどういうふうに言われたかというふうに個人的な見解を述べられて、だから政府はそういうふうにするんだというように決め付けるのは、これは少しせっかち過ぎるんじゃないでしょうか。もう少し事態をよく見て、そして判断する時期はいろいろあると思います。





○田嶋陽子君

 決め付けてはいません。
 ただ、湾岸戦争もそうだったから今回もそうやったらという御意見だから、もしかしたらそれは参考意見として……(発言する者あり)お話を聞いた方がいいかと思っただけです。(「やじに答えなくていいよ」と呼ぶ者あり)はい。つい反応してしまいますね。
 それで、実は……(発言する者あり)





○委員長(小川敏夫君)

 質問を続けてください。





○田嶋陽子君

 この間、デモがずっとあります。よく政治家の方たちはおっしゃいます、戦争はそんな単純なものじゃないから戦争反対だけ言っていればいいものじゃないだろうと、こういうふうに言います。みんな物知り顔に言いますが、でも、デモというのは一つの国が行きたい方向を示しているものです。ある意味では哲学です。国民の意思です。ですから、そういうものをばかにすることは私はできないと思います。
 三月二十一日に東京で戦争反対の大規模なデモが行われました。それから三月二十一日には、その日には五万人の大きなデモでした。それから三月八日にも、これもデモが行われて、四万人も超える参加者がいました。そこで、若い世代の人たちがSMAPの歌を歌ってデモをしました。
 ここに、歌を全部紹介するわけにはいきませんけれども、そのうちの一つを紹介しますと、一つじゃなくて部分ですね。それは、花を買った人を見て、この人はこんなふうに言います。


 名前も知らなかったけれど
 あの日僕に笑顔をくれた
 誰も気づかないような場所で
 咲いてた花のように
これは花を買った人の喜んでいる顔を言っているんですね。その後続けます。これ歌です。
 そうさ僕らも
 世界に一つだけの花
 一人一人違う種を持つ
 その花を咲かせることだけに
 一生懸命になればいい
 小さい花や大きな花
 一つとして同じものはないから
 ナンバーワンにならなくてもいい
 もともと特別なオンリーワン
なんだから。
 これは、与謝野晶子が「君死にたまふことなかれ」と言って弟のことを歌いました。でも、これは、日本国憲法では、みんな国民は戦争で死にたもうことなかれということに、その精神は通じていると思います。やはり、このSMAPだけではなくて、若者に人気の宇多田ヒカルさんがホームページで、「正しい戦争なんて無い。」と、やはり反戦を訴えています。
 私はここに、若い世代と、それからここにいる国会議員の世代との間に、でも、これは単に若者だけじゃなくて国会の中にもこの戦争に反対な人たちはたくさんいます。ですけれども、ここに大きな意識のギャップがあるように思います。私は、このギャップを何とかして大人の側からもうずめていかなければいけないと思います。そして、もし本当に勇気があるんだったら、私は、この国は即刻戦争はやめるべきだと思います。始めたから続ける、終わるまで続けるというのは変な精神だと思いますが、そのことに関してもう一度、福田官房長官、よろしくお願いします。





○国務大臣(福田康夫君)

 御質問なのかどうかよく分からないんですけれども、しかし、戦争をやめるかどうかということであるならば、戦争はいいことではありませんよ。しかし、同時に、大量破壊兵器を独裁者が持っているということのこの恐ろしさも忘れてはならないと思います。
 そういうことでお答えにさせていただきたいと思います。





○田嶋陽子君

 独裁者が破壊兵器を持っているといったって、アメリカだって破壊兵器を持ってどんどこどんどこやっているわけですから、これは、総体的に見たらどっちもどっち、同じ穴のムジナですよ、私に言わせれば。だから私は、アメリカは正義なんかでは全然ないと思います。
 それで、何よりも今回のことで悔しいのは、私たちの、国民の意思がきちんと代弁されないということですよね。そして、三月二十二日の朝日新聞によると、米英軍のイラク攻撃を不支持とした人が五九%を占めました。これは「支持する」の三一%を大きく上回っています。しかも、その「支持しない」のうちの七〇%近くを女性が占めているという記事がありました。
 私たち、いつも被害を受けるのは女性なんですけれども、女性あるいは弱者ですね。男の子もそうです。女の子もそうです。結局、こうした若者たちや女性たちや、それから反戦を唱える男性たちの意見も否定された形で日本政府はアメリカ支持を打ち出したわけですよね。現在も、戦争が続く限り女性への人権侵害は続いているわけです。
 例えばこういう記事があります、皆さん御存じかどうか分かりませんが。昨年の二月に国連難民高等弁務官事務所、UNHCRでは、西アフリカのリベリア、ギニア、シエラレオネで、同事務所や非政府組織で働く多数の現地職員が人道支援物資と引換えに難民の少女らに性的虐待を行っていたという、こういう報告が毎日新聞、去年の二月二十八日にあります。これは国連職員が食べ物と引換えに難民の少女たちに性的虐待をやっていたというものです、これは現地に駐留する国際平和維持部隊の兵士ら約四十組織の七十人以上の男性大半が。被害者の多くは難民キャンプなどに住む十三歳から十八歳の少女で、年長の女性は今度男の子に性的虐待をしている例もあると。被害者の人数は現段階では不明なんですけれども、ただ問題は、被害者の話を総合すると、現地職員らは食糧や生活物資などを支給する見返りに、要するに支援物資ですね、それを支援する見返りに少女との性行為などを要求。断れば物資がもらえないために家族も承知で少女を提供していたという。これは戦前の日本と似ています。その結果、多くの少女が妊娠し、現地の法律で中絶が禁止されているため十代で出産した例も多い。中には精神異常に陥った少女もいるという。これが現代です。
 そしてもう一つは、戦時下でなくても、トラフィッキングといって少女たちの人身売買があります。これは政府も法律を作らないといけないと思います、これから私たちはやっていかなければいけないんですが。こうして社会的弱者とされる女性たちはひどい目に遭っています。戦争でも戦争でなくても、でも特に戦争の状況ではひどいわけですね。
 私が取り組んでいるこの従軍慰安婦問題も、被害者の心と体の傷は五十年たった今でもまだいえていないんですね。ですから、今朝ほど岡崎議員が報告なさったように、五百五十一回にわたるデモ、ギネスブックに載るぐらいの回数のデモが今もって行われているわけです。被害者は納得できないわけですね。
 そこで、今日はその名簿のお話に入る前に、前に官房長官がお約束してくださった窓口のことでお伺いいたします。
 昨年の十一月五日に内閣委員会で福田官房長官にお願いしました。そのときお約束いただきました戦後補償窓口がついに今月、三月三日のNHKニュースの速報の報道によりますと、一般化されようとしているということです。このことに関しては官房長官の御努力に感謝したいと思います。ありがとうございます。
 ただ、問題があります。官房長官にお伺いします。三月のNHKニュース速報によると、政府はこれまで外務省、厚生労働省、総務省などに分かれていた窓口を、括弧です、外務省を窓口にして政府政策、総合政策調整は内閣官房の官房副長官補室、官房副長官補室、あっ、官房長官補室が行う、変な言葉ですね、というものです。分かりました。で、具体的にこの総合政策調整というのはどのような役割を果たすのでしょうか。





○国務大臣(福田康夫君)

 この戦後補償は各省にまたがることも多いんです。ですから、そういう意味でそういうものをまとめようという、そういう意味合いです。
 そういうこともございますけれども、同時に、いろいろな新しい問題も出てくるかもしれぬという、そういうときには、まずは内閣官房が受けようと、こういうことであります。特に政策的な判断を伴うようなことについては、これは特に、例えば委員のような方が来られればこれは内閣官房で対応しようと。委員のような政策的な判断を必要とされるような立場の方については内閣官房で対応しようと、こういうことなんです。





○田嶋陽子君

 でも、機能していないんじゃないですか。





○国務大臣(福田康夫君)

 来てくださいよ。





○田嶋陽子君

 来てください、あっ、そうですか。でも、余りうまくいっていないと思うんですけれども、余りにもいろんなことが遅過ぎるような気がするんですけれども。





○国務大臣(福田康夫君)

 それは、今までとどれだけ違うのかといえば、それほど違わないんです。だけれども、はっきりと内閣官房で総合的な政策調整を行うと、こういうことを明言したということはこれは大きなことで、これだけ進むのに大変な時間が掛かるんですよ。そんなものですよ、役所というのは。





○田嶋陽子君

 ですから、ありがとうございます、もう本当に早いですよね、これに関しては。でも、でも私はその総合調整という名前がいい加減だと思うんですよね。総合というのは、ナッシングですよね、ないに等しいんじゃないですか。
 ということは、例えば慰安婦問題を取り組むセクションということでいうと、果たしてここに女性の人権を考えられる人、理解できる人、どのぐらいいるんでしょうか。





○国務大臣(福田康夫君)

 ちょっと数えたことがないので分かりません。





○田嶋陽子君

 前は外務省がたしか担当でもいらしたと思うんですけれども、外務省の方は結構女性差別的な発言をなさる方が多かったりして、失礼しました、齋木さん。ですけれども、そうですよね、笑っていらっしゃいますけれども。何か頼りないといいますか心もとないといいますか、総合といいますと、本当にそこに専門家がいないような気がして心配なんですね。それが一つです。
 それから、戦後補償窓口って私が提案したのは、いわゆる先ほど大臣もおっしゃったように縦割りでしたわけですよね。その縦割り行政を横つながりに統括していただきたいという考えからお願いしたものでした。
 私が取り組んでいるその慰安婦問題というのは、女性の人権に深くかかわっているわけですね。慰安婦問題は戦後補償問題であるには違いないんですけれども、女性の人間としての尊厳を守ること、それから被害者の人権や気持ちを考えること、そういうことができる人たちが取り組まないと問題解決にならないんですよね。現在の外務省は、先ほど申し上げちゃったんですけれども、外から見る限り余り、女性の人権なんてふんという感じのところが、そういう人たちが多いような気がして、私たちはとても心もとない思いをしているんですね。
 ですから、ここからは官房長官に対するお願いなんですけれども、総合イコールナッシングではなくて、総合イコール豊かな、相乗効果のある、そういう政策機能が果たせるようなそういうところであることを、人材をそろえて、お約束していただきたいんですけれども。





○国務大臣(福田康夫君)

 総合という意味は、内閣には調整機能というのがあるんですよ。要するに、各省でもっていろいろ少しずつ分担している、それをまとめ上げるということですね。それを内閣機能をもってまとめるということなんですよ。ですから、ナッシングじゃないんです。これはもう全く逆なんですね。そこのところはよく理解をしていただきたい。
 それで、これはどういう問題が今後起こるか分かりませんけれども、それはそれでできるだけ的確な対応ができるように努力はしてまいるつもりでございます。





○田嶋陽子君

 よろしくお願いします。
 それでは、いよいよ、このいわゆる従軍慰安婦が存在していたという事実を証明する「上海韓国婦女共済会名簿」というものをお見せします。(資料を示す)これは、ちょっと個人のプライバシーがありますからわざと薄くコピーを取ってあります。ですけれども、これは私が、今年の何月でしたか忘れちゃった、二月だと思いますけれども、韓国に行ってこの名簿を独立記念館でいただいてきました。これは半世紀ぶりに発見されたものです。
 この名簿に関しては、去年、岡崎議員が言及されたもので、そのときに福田官房長官は、この件については承知しているけれども、まだ見ていないので詳細は差し控えさせていただきたいと思っていると答弁なさいました。また、岡崎議員が更にこういうことをおっしゃいました。日本においては九三年云々ということで、これはちょっと時間がないので省略しますけれども、そのとき福田官房長官は、「しかし、事柄の性質上、今後も新しい資料が発見されるという可能性がないわけじゃないということでございますので、民間の研究も含めて引き続き十分な関心を払ってまいりたいと思っております。」と答弁されました。
 そこで、福田官房長官にお伺いします。岡崎議員の質問から一年たちましたが、その後、政府はどのような調査をなさいましたでしょうか。福田官房長官、答弁をなさった責任と、官房長官の総合調整役としての答弁をお願いいたします。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 お答えいたします。
 ただいまの御指摘のお話ですけれども、早速、去年の委員会での御指摘を踏まえて外交ルートで韓国の方に照会いたしました。それで、韓国政府のいろんな関係機関がこれかかわっているわけですけれども、名簿を手に入れたいということで向こうに話をいたしましたけれども、残念ながら、この名簿の写しも含めてそれを外に出すということは、さっき先生も正におっしゃいましたようにプライバシー、それぞれの方々のプライバシーの問題等もいろいろあるんでそれは駄目であるということを私ども外交ルートで回答をもらった次第でございます。
 そういう状況でございます。





○田嶋陽子君

 それでは、私がここに持っているこれはもらえなかったわけですか。それでは、これは後で許可を得てそちらに見ていただきたいと思います。
 この名簿はどういう名簿かといいますと、これは先ほども申し上げたように、上海韓国婦女共済会という団体が作った名簿ですが、この婦女共済会という団体は、日本軍が中国各地に連行して放置したその元慰安婦の女性たちを救った団体なんですね。
 一九四五年の八月、日本が敗戦が決まると現地に慰安婦たちを残して敗走しました。中国各地に連行されて放置された女性たちは故国にも帰れず路頭に迷っていたわけです。戦後、見るに見かねた韓国人の有志四人がこうした女性たちを朝鮮への帰国を援助するために保護施設を造って収容しました。そのとき作った名簿がこの名簿なんですね。この名簿には八百三十人分の名前が記されています。
 この名簿から本籍地を起こして分布図を作ってみました。皆さんのお手元に分布図が行っていると思います。韓国から北朝鮮全部にわたっています。この地図をごらんになられて官房長官はどのように思われますでしょうか。
 地図行っていませんか、そこの。





○国務大臣(福田康夫君)

 これ。





○田嶋陽子君

 はい、そうです。





○国務大臣(福田康夫君)

 そうですね。これ、ちょっと今見て感想を述べろと、こういうことですか。感想は、これだけだったのかどうだったのか、いずれにしても私も具体的によく調べたわけでありませんので、これだけ言えば結構たくさんありますなということですね。





○田嶋陽子君

 官房長官は何も聞いていらっしゃいませんね。その図はこの名簿の名前に載っている人たちの出身地の印を付けたものですから、八百人ちょっとですね。それが放浪していたわけですね、路頭に。故国に帰れないで、日本軍が敗走した後置いていかれたわけですね。その人たちを収容して、故国に帰すために収容した、できた名簿です。ですから、従軍慰安婦全部の数ではありません。
 しかも、こちらで調べたところによりますと、今、韓国でです、これ北朝鮮も入っていますが、韓国で名のりを上げた二百数名の方たちはこの名簿と重なっていません。ですから、まだ亡くなられた方とか、もう戦中に亡くなられた方、帰ってから亡くなられた方、皆さん御高齢ですから、その数は何万とも何十万とも言われるわけですけれども。
 この婦女共済会の名簿の中には既に慰安婦という言葉がありまして、もう一枚の紙をお配りしたのを見てください。これは四六年、一九四六年の新聞記事ですが、この上海韓国婦女共済会の関係者のインタビュー記事もこの韓国の新聞に掲載されています。そこに日本語の訳が付いています。そこで慰安婦という文字がはっきりと確認されます。
 齋木参事官にお伺いいたします。日本の公式文書で初めて慰安婦という言葉が使われているのは、どの文書にどのような形で使われているのか、お願いします。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 済みません。手元にちょっと今資料がございませんから、調べる時間をいただければこの御質問時間中にお答えできるようにいたします。





○田嶋陽子君

 質問通告をしてあったと思うんですけれども。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 そうですか。





○田嶋陽子君

 はい。どこかにメモありませんか。
 それでは、調べていらっしゃる間にもう一つお伺いします。
 先ほども申し上げましたけれども、この名簿には八百三十名の名前が連なっていますけれども、名簿を見ますと幼い子供ですね、それから乳幼児、十歳未満の子供など三十人ほど含まれています。つまり、日本軍兵士の子供である可能性が高いわけですね。つまり、この子供たちは日本人ということになります。そのことに関して齋木参事官はどのようにお考えになりますか。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 今、先生がおっしゃっているその名簿というのは、さっき申し上げましたように、私ども入手しておらないんでございます。
 ですから、それをまずちょっと拝見した上じゃないと何とも申し上げかねるんですけれども、いずれにしましても、先ほどの別の委員の先生からの御質問がございましたとおり、そもそも慰安婦の方々の人数というのを把握する努力は、日本政府としてもたしか九三年だったと思いますけれども調査結果出しましたけれども、その過程で全力を挙げて調べたんでございますけれども、プライバシーの問題とか、あるいは御本人の方からお申出がないとかいろんなことがあったものでございますから、正確な数を把握するということが非常に難しいという状況だったわけでございます。にもかかわらず、調査結果は私どもとしては公表して、そしてそれを全体としてまとめて発表したという、そういう状況でございます。





○委員長(小川敏夫君)

 田嶋さん、時間過ぎました。(発言する者あり)





○田嶋陽子君

 すごいですね。委員長が四人もいらして。
 それでは、今日はこれで終わります。次、委嘱審査で続きをやりますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

https://tajimayoko.com/politics/entry-298.html
アメリカのイラク攻撃と、いわゆる「従軍慰安婦」の名簿についての質疑




2003年3月26日

会議名:内閣委員会


○田嶋陽子君

 無所属の田嶋陽子です。
 昨日、齋木参事官に質問しましたけれどもお答えをいただいていなかったので、再度同じ質問をいたします。
 日本政府の政府関係資料の中で初めて慰安婦という言葉が使われたのはいつでしょうか。そして、どの文書にどのような形で使われていたのか教えてください。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 お答えいたします。
 昨日の段階では質問通告いただいてなかったものですから、昨日の夕方……





○田嶋陽子君

 しました。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 いえ、いただいておりません。
 いずれにいたしましても、この話は九一年の十二月に──政府、一九九一年の十二月に政府が調査いたしまして、そのときに、膨大な資料の中からいろいろな事実関係探していったんでございますけれども、慰安婦という言葉を示唆する表現というのは、いろんな表現の中で最も古い資料ということで私どもが把握しておりますのは、昭和七年、いわゆる上海事変が勃発いたしましたそのころに、この上海の辺りの軍の駐屯部隊のために慰安所というのが設置されたという、そういう資料があることを把握しております。





○田嶋陽子君

 私は、よくEメールとか電話とか、罵倒する言葉をもらいます。おまえのやっていることはでたらめだと、慰安婦問題はでっち上げだと、そんなことはしていないと。今でも質疑の後、それから私が物をしゃべった後にそういうEメールが来ます。
 それってすごく私はその方たちはお気の毒だと思います。日本の教科書にもきちんと載っていないし、それから日本の政府もそういうことをきちんと国民に表明していないということで、自分の国に関することで大変無知だということですね。その人たちは私を批判することでうっぷんを晴らしているんでしょうけれども、私はやっぱりこういう事実、私もこの昭和七年ということを私なりに調べて知っております。
 ですけれども、外務省も、こういう事実があったなら、私は、何らかの形を通してきちんとやっぱり国民に伝えること、情報公開することが役目だと思いますが、そのことに関してはいかがでしょうか、齋木参事官。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 ただいま申し上げました調査の結果は、九三年の八月に調査結果ということで発表、公表いたしてございます。
 それで、結構膨大な資料なものですから、ごらんになる方々がどのくらい、全部通してごらんになる方がどれぐらいいらっしゃるか分かりませんけれども、それをまとめたものというのが本になって出ておりまして、その中で、今私が申し上げたように、その昭和七年の駐屯地、駐屯部隊のための慰安所設置というくだりが実は書いてあるんでございます。





○田嶋陽子君

 ありがとうございます。
 それではまた、これからも折に触れて、膨大な本で出ていても普通の人の目には触れないわけですよね。ですから、折に触れてやはりそういうことは積極的に表に出していっていただきたいと思います。
 それから、昨日に引き続きまして、上海韓国婦女共済会の名簿について質問いたします。
 昨年、岡崎議員がこの名簿のことで質疑をなさいました。そのとき、その日本政府は名簿を手に入れたいと、そして韓国政府関係機関に申し出たというところを、昨日の参事官のお話ではプライバシーの問題もあるということで拒絶されたというお答えでした。
 それについてですが、日本政府の申入れを断ったのに、私は今年その名簿を手に入れてきました。韓国政府から拒否されたのか、なぜ拒否されたのか、そのことに関して参事官はどのようにお考えでしょうか。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 昨日もちょっとお答え申し上げましたけれども、昨年のたしかこれ国会で取り上げられて、それで報道もたしかございましたけれども、私どもとしてもすぐに調査いたしまして、外交ルートで韓国の政府関係機関に名簿の入手ができるかどうかということを問い合わせいたしまして、また今回こういう御質問をいただくということもあったものでございますから、最近またこの件についてどうであるかということを改めて外交ルートで問い合わせをいたしたわけでございます。
 結果的には、昨日もちょっと申し上げましたけれども、やはり個々人の方々のプライバシー等の問題があるので、韓国の政府としてはこの名簿の写しを外に出すことについてはこれはできないということを明確に私どもに対して言ってまいったわけでございます。
 私どもとしましては、この種の問い合わせをやる相手としては、やはり外交関係持っておる国につきましては、窓口としては、先方に対して外交ルートでこれは照会せざるを得ないという立場でございますので、重ねての私どもからの問い合わせに対してそういう先方政府からのお答えがあったということは、私どもとしては、これは受け止めざるを得ないというふうに考えております。





○田嶋陽子君

 でも、私は一介の代議士、代議士じゃなくて、何ですか、国会議員です。それに対して、のこのこ独立記念館に行ってお願いしたら、くれたわけですよね。というのは、政府よりも私の方が信頼されたということです。──何ですか、その笑顔は。でも、それっておかしくありませんか。どう思われますか。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 恐縮でございますけれども、田嶋先生、大変に信頼が厚いんだと思いますが、私どもは、あくまでもこれは相手国の政府の機関の中での仕切りなものでございますから、一義的には、窓口としては、向こうのそういう言わば外交通商部を通じていろいろとお願いをせざるを得ないということでございます。
 また、これやっぱりプライバシーに本当にかかわっている話だということを、向こうは大変にそこの部分については神経質になっているものでございますから、私どもは、そういうことで、昨日先生がお持ちになっていらっしゃったその名簿の写しも、先方はそういう扱いを恐らく望んでおるんだろうというふうに思っております。





○田嶋陽子君

 しつこく言うつもりはありませんが、私は、やはりそれは韓国の人たちも韓国の政府も日本の外務省を信頼してないんだと思うんですよね。やっぱりそれは今までの外務省や政府の態度と無関係ではないと思います。ですから、日本政府が真摯に調査を重ねて、被害者や被害国に対して誠実な責任を取ろうとしてきたんだったら、私はやはり喜んで提供してくれたと思うんですね。私に渡した方がプライバシーの侵害は大きいと思います。ですけれども、そういうことをしてくれたということは、私はそのためにも頑張らなければいけないと思っているんですけれども。
 そのときに韓国の国会議員たちは決議案を出してくれると約束してくれまして、何と、一か月もたたないうちにこの促進法案を通してほしいという決議案を、決議文を出して、送ってくれました。
 ですから、やっぱり相手国が必死になってやろうとしていることに対して、日本政府は少し誠実さが私はやっぱりないと思います。国対国のことですので、どうかこれから真摯にこの問題に取り組んでいただきたいと思うんですが、そのことに関していかがでしょうか、参事官、お約束いただけますでしょうか。もしお約束いただけるんなら、私は、独立記念館との間のクッションになって、この名簿を渡してもいいかどうか話を付けて名簿をお渡ししますが、その辺りはいかがでしょうか。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 先生のお言葉は重く受け止めさせていただきました。
 引き続き、私ども真摯にこの問題については取り組んでまいるつもりでございます。





○田嶋陽子君

 名簿は要りませんか。





○政府参考人(齋木昭隆君)

 ここは韓国政府との関係もございますので、私どもはそこの外交関係に対する配慮というのをちょっとしないといかぬかなという感じは持っております。





○田嶋陽子君

 それではよろしくお願いします。
 次に、男女共同参画社会のことについてお話しいたします。
 福田官房長官は、今日はお忙しくてお出にならないということでしたが、いらしてくださってありがとうございます。それとも途中からいなくなるんですか。そんなことはないですね。





○国務大臣(福田康夫君)

 しばらくいます。





○田嶋陽子君

 ああ、そうですか。それでは一生懸命頑張ります。
 男女共同参画基本法が公布施行されました。一九九九年ですね。それからもうすぐ四年になります。昨年十一月の質疑で私は、女性省を作ってくださいと申し上げました。そこで総合的な政策を進めてほしいと提案しました。その際、坂東局長の方から、政府の中央に近いところ、局でやっていく方がいろいろ参画、男女共同参画の視点を反映させやすいし効果的だというようなお返事をいただきました。そのときに局長は、努力はしているけれども十分であるかと言われればまだまだなすべきことが多いという答弁もいただきました。
 そこで、福田官房長官にお尋ねします。
 今日は、まず初めに、その後の進捗状況について、局として何がどう進んだのかを具体的にお聞かせ願いたいと思います。
 前回から四か月しかたっていませんが、政府としては、所信のところでも本当に力をやっているんだということをおっしゃっていました。ですから、全体の統括責任者として、男女共同参画担当大臣の福田官房長官にお聞きします。





○国務大臣(福田康夫君)

 昨年十一月ですから、四か月かそこらですね。それ以降どういうことをしたかということになりますが、例えば女性のライフスタイルに中立的な制度ということがありまして、これは影響調査専門調査会ですね、ここでもって昨年の四月に税制を中心に取りまとめを行いました。これは、昨年の十二月に社会保障制度を中心とする提言として取りまとめまして、税制改革に間に合わすことができたわけですね。御案内のとおりでございます。
 また、意欲と能力のある女性が社会で十分活躍できるようにするための女性のチャレンジ支援ということについても、基本問題専門調査会において約一年間検討を進めてまいりました議論も、これもうそろそろ結論を出す段階に至りまして、その結果が本年四月の男女共同参画会議に報告される予定でございます。
 いろいろなことをやっておりますけれども、みんな一瞬にしてできるという話じゃないものばかりでございまして、問題は、こういう施策を作りました、それを後どういうふうに定着させるかと、日本国内全部に、そのことが大変大事でございまして、そういうことについても鋭意努力をしておるところでございます。





○田嶋陽子君

 税制のことも頑張ってくださって、特別配偶者控除はなくなることになりました。これに関しては、それを増税にしないで今おっしゃたような分野に振り分けて使っていただきたいと思います。それに続いて、やはり配偶者控除の点でも続けて努力していただきたいと願っております。
 一つお伺いしたいんですが、そのいろんな施策をおやりになった場合、チェックといいますか、おかしなところで今バックラッシュというものが起きていることは御存じだと思いますが、その件に関して、坂東局長は今どんなふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。





○政府参考人(坂東眞理子君)

 二点御質問をいただいたと思いますが、まず一つ、その男女共同参画に関する施策がどのように進んでいるかということがチェックされているかという御質問に対しましては、私どもの男女共同参画会議に苦情処理・監視専門調査会というのがございます。ここがその政府関係の施策、男女共同参画推進関係の施策が十分に推進されているかどうかについて監視、モニタリングをしていただいております。言わば第三者といいますか、外部評価を政府の施策についてやっていただいているというふうに受け止めております。現に、例えば女性の国家公務員の登用について、女性の審議会委員の登用について、そしてまた仕事と子育ての両立支援について監視をしていただき、意見をいただいております。
 それからまた、バックラッシュというふうにお尋ねがございましたが、地方の方で今、四十一の都道府県、百三の市町村で条例作りが進んでおります。それぞれの議会でそれぞれの地域の実情に応じた条例を制定していただいているわけですが、その過程でいろいろな御議論がなされているということについては十分承知しております。





○田嶋陽子君

 その過程で、早いところでは、私は去年、質疑した中で言及したんですけれども、例えば宇部市なんかでは、女性の生涯にわたる健康、生殖のことをちゃんとやろうという、そういうものが入っていたのに途中からなくなっちゃったり、それから、例えば専業主婦に配慮しようとか、全く違う言葉が入ってきたりとか、いろいろ反動的なものも出てきたりするわけですよね。
 その場合、どんなふうに政府はかかわっていらっしゃるんですか。それはそのまま地方自治体の自治ということに任しておしまいになるんですか。それとも、基本法にのっとってきちんと言うべきことは言うシステムがあるのでしょうか。





○政府参考人(坂東眞理子君)

 地方公共団体の施策につきましては、特に男女共同参画関係行政はいわゆる法定事務ではございませんで、自治事務ということで、一応政府としては技術的な助言をするということでございますけれども、地方公共団体の取組を支援するために内閣府では、基本法の趣旨について都道府県・政令指定都市男女共同参画主管課長会議、あるいは基礎研修あるいは政策研修など各種の研修を行いまして情報提供を行っております。
 また、男女共同参画社会形成の目的や理念について十分誤解なく理解していただくために、広報誌共同参画21という雑誌を創刊いたしましたり、あるいはホームページ等でいろいろな専門調査会会議の議事、報告書すべて公開をする等、様々な機会をとらえて広報啓発に努めておりますし、また国会における関連質疑を取りまとめた資料を都道府県に昨年十二月に送付しております。こうした形で情報提供、広報等を行う。
 そしてまた、二十一世紀の我が国社会にとって、どうしてこれが重要なのかということについて十分啓発広報に努めまして、いやしくも誤解されることがないように最善の努力を尽くしていきたいと思っております。





○田嶋陽子君

 それでは、広い意味で教育を通して、情報を通してということですよね。よろしくお願いいたします。
 ただ、じゃ、国会内の議員に対するそういう教育はどのようになっておりますでしょうか。





○政府参考人(坂東眞理子君)

 国会議員の方たちは、皆さん大変高い見識をお持ちで国民から選ばれた方たちばかりでございますので、もう啓発ということは必要ないと思いますけれども、十分な情報を提供するように努めております。





○田嶋陽子君

 皆さんに選ばれた方で偉い方だとは思いますが、私は、やっぱりこの男女共同参画に関しては偏見を持っていらっしゃる方が非常に多いように思います。それから、やっぱり世代というものがありまして、これが非常に問題になっているように思うんですね。私は、単にこの国会の議員たちには情報公開という、情報を十分に出してとかいうのは効果ないと思います。皆さん大変お忙しいですし、首根っこつかまえてきて、一人ずつやっぱりお話しなさるとか、やっぱり委員会作るとか何か工夫をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
 というのは、やっぱり国の政策を決める人たちが一番先端に行っていてほしいと思うわけですよね。でも、ここがもしかしたら一番古いかもしれないという、率直に申し上げますと、私はじくじたる思いがするんですけれども、いかがでしょうか。





○国務大臣(福田康夫君)

 議員のことですから私からお答えしますけれども、いろいろこの問題については見解の相違というものがあるんだろうと思います。私も正直申しまして、この仕事を始めて、これを担当しまして、それで、ああこういうものかというように気が付いた部分がたくさんあります。本当、正直言って。
 ですから、今はいろいろな意見言っておられる方も、田嶋先生の意に反するようなことを言っておられる方も、田嶋先生に怖い顔してにらみ付けられれば、それでもって自分の考えがどういうものかということが恐らく分かるんだろうというように思います。決して焦ってはいけない。これは焦らないで、やっぱり意識の変革を、変化を見ていかなければいけない、そう思っています。
 そういう意味においては、かなり効果は上げているんじゃないかと思いますよ。だんだんだんだん変なこと言う人は減ってくるという、そういうように私は思っておりますので、私は希望を持っております。





○田嶋陽子君

 福田官房長官でさえもお変わりになられたというんですから、そばにいらっしゃる坂東局長の力は大変なものだろうと思います。やっぱり変わられた官房長官は大変に偉いと、私は尊敬いたします。ですけれども、現実はやっぱりとても政策の足を引っ張るようなことが多いし、やっぱり多勢に無勢で女は負けがちなところもあると思うんですね、悔しいんですけれども。
 例えば、ここはその後、どうなったんでしょうか。十一月十二日、内閣委員会の亀井議員の質疑ですね。ここで亀井議員は、ジェンダーフリーという言葉はない、アメリカでは使われていないと。確かに坂東局長も、その用語はアメリカでは使われていないと。日本の男女共同参画社会基本法、その中の法令においても使用されていないと。そのときに、亀井議員は大変調べていらして、ジェンダーイクオリティーとかジェンダーフェアネスとかいう言葉を紹介なさってくださいました。
 それ以後、私はその坂東局長の答え方がもしかしたらバックラッシュの引き金を引いたんじゃないかと、済みませんね、一生懸命頑張っていらっしゃるのに、でもそんなふうに思うときがあります。(「日本語で」と呼ぶ者あり)バックラッシュですか、反動的な動きです。例えば、亀井議員が男らしさ女らしさを否定しちゃいけないと言うと、そうだそうだといって産経新聞なんかでも言いますよね。それから、男女差別を助長するような言葉遣いをしちゃいけないとか、そういうふうに言うと、それは表現の自由を損なうものだとかまた新聞で言いますよね、亀井議員の影響力は大きいですから。反動的な新聞はみんなそういうのを取り上げて喜んじゃいますね。Eメールとかなんかでも今すごいですね。そういうことです。
 それで、私がお聞きしたいのは、そのとき坂東局長は、男らしさ女らしさは否定するものではないというようなことをおっしゃって、その後亀井議員が否定なさったジェンダーフリーという言葉、それに代わるものとしてじゃ現在今何を使われておられるのか、それもはっきりしない。それから、男らしさ女らしさというのはこれは生来的なものでなくて、生まれ付きのものではなくて、ジェンダーというのは文化、社会的に作られたものですから、それが男女性差別を作る役割をしているわけですね。それに対して、坂東局長が必ずしもそれを否定するものではないというふうにおっしゃられると、これは大変国民に混乱を引き起こすわけですよね。
 その意味で、その二つの点において、坂東局長はそれ以後どんなふうにお考えになっていらっしゃるのか。





○政府参考人(坂東眞理子君)

 申し訳ございません、二つの点ということで、私の理解が十分でなかったらまた御訂正いただきたいと思いますけれども。
 そのジェンダーフリーという言葉を男性と女性の区別を認めない画一的という意味では、男女共同参画という言葉、我々の言葉で目指していないということ、そしてまたジェンダーフリーというのは公的な文書で使っておりませんし、我々としては、こうである、ああであるということを解釈する権限がないというふうにまずお答えしたかというように思います。
 それから、いわゆるその男らしさ女らしさに代わってどういうような言葉を作っているのかというふうなお尋ねに関しましては、基本法に書いてございますように、性別にかかわりなくすべての人、男性も女性もすべての人が個性、能力、適性を発揮できるような社会を目指していくということを行政の使命というふうに理解して取り組んでおります。恐らく人々の心の中でいろいろなことを思われることにつきましては、行政としては直接申し上げる立場にはないかなと思います。





○田嶋陽子君

 でも、そのジェンダーフリーという言葉は世間で皆さん使っていらっしゃいますよね。その言葉が普通英語としては使われないといったときに、坂東局長はやっぱり長としてそこにいらっしゃるわけですから、それでも日本はいろいろ英語をも変わった形で使う国ですからそのまま使いますよとか、じゃ、ジェンダーフリーってとても簡素な便利な言葉ですから、その代わりにこういう言葉を使おうとか、提案はおありですか、その後していらっしゃいますか。というのは、ジェンダーフリーという言葉は余りにもある意味では九四年以降定着していますね、ここずっと十年、それを否定されたわけですから。





○政府参考人(坂東眞理子君)

 否定をしたというよりは、ジェンダーフリーという言葉でいろいろな解釈が人によって異なっていると。特に例えば一部にはそのジェンダーフリーという言葉は男性と女性の区別をなくするんだ、画一的に扱おうとするんだという意味でお使いになっていらっしゃる方がいると。だから、そういう意味では使っていただきたくない。もし、それこそ我々は公的文書では使っておりませんけれども、いろいろな場でお使いになるときは差別や抑圧から解放するという意味できちんと定義をなさってお使いいただければというふうに思っております。





○田嶋陽子君

 普通、ジェンダーフリーといったら性別役割分業反対、その性別役割分業を形容詞で言うと男らしさ女らしさという、そういう男には男らしく、女には女らしくという、こういう一人の人間の在り方を政策で決めることは、それは人権侵害なんだよって、その人はその人なりでいいんだよという意味でジェンダーフリー、男らしさ、いわゆる括弧付きの男らしさ女らしさというのは抑圧になるからよそうよ、生きたい人はそう生きればいいけれど、政策の中でそんな言葉を使うのは良くないし、人にああせいこうせいって男らしくしろとか女らしくしろとか、子供をそう教育するのもそれも性差別を助長することになるし人権侵害になるからよそうよって、そういう意味だと思ってみんなはそういうふうに理解していると思います。それをたまたまそんなふうに理解しない人たちがその言葉に対して異議を唱えていらっしゃると思うんですね。
 問題は、じゃアメリカで使われていないからって亀井議員がせっかく二つの選択肢を出してくださったわけですが、そのジェンダーイクオリティーとフェアネスをお使いになりますか。それとも、解釈さえ正しければ今までどおりジェンダーフリーを使っていってオーケーですか。局長でいらっしゃるわけですから、それを使っていませんで終わられると困るわけですね。





○政府参考人(坂東眞理子君)

 先ほども申しましたように、我々は公式の文書では使っていないということを申し上げただけでございまして、それぞれの場でどういう定義でお使いになるかという分について、私たちは干渉する権限はございません。
 それからまた、ちなみにジェンダーイクオリティーについては私どもの方の英文の文書等でいろいろ使わせていただいております。





○委員長(小川敏夫君)

 田嶋さん、そろそろまとめてください。





○田嶋陽子君

 まとめる、まとまります。まだあるんですけれども、済みません、時間がうまくいかなくて。でも、ありがとうございました。じゃそういうことで終わります。(「一言ないの、最後に」と呼ぶ者あり)一言ですか。
 いろいろお世話になりました。ありがとうございました。(拍手)

https://tajimayoko.com/politics/entry-297.html
いわゆる「従軍慰安婦」の名簿と、男女共同参画についての質疑



2002年9月26日

会議名:決算委員会

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○田嶋陽子君

 社民党の田嶋陽子です。私で最後です。頑張ってください。よろしくお願いします。もうちょっと、大変ですね。
 今回の、ちょうど日朝平壌宣言を聞いたのはデンマークでしたが、胸が熱くなりました。国内、国外からも評価されて、歴史に残るエポックメーキングな出来事だったと思います。
 ただ、身内の方々を拉致された御家族の方々は、その安否に心を煩わされながら、希望と絶望の中でつらい毎日をお過ごしになっていられて、その御苦労はいかばかりかと心痛む思いでおります。社民党は、旧社会党時代に始まって、朝鮮労働党とは友党の関係であると強調しながら、結果としては、過去、拉致問題に関しては何もできなかったということを私個人としてはとても残念に思います。
 ところで、日本側がこの拉致問題の解決がない限り関係改善はあり得ないと思う人がいるように、北朝鮮側にも、過去の清算を関係改善の一里塚にしてきたと思います。今回の日朝首脳会談では、小泉首相も謝罪し、過去の清算は経済協力で実施するということが合意されました。
 そこでお伺いします、川口大臣に。日本側としては、この経済協力をする場合にどのようなことを重点的に考えるか、あるいは主眼点にしているのか、あるいは気を付けようとしているのか、その辺りのプランといいますか、ありましたら教えてください。


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○国務大臣(川口順子君)

 この日朝の会談については、委員もおっしゃいましたように、御家族の、拉致された被害者の御家族のことを考えますと、私も心が痛みます。我が国として、委員がもう一つ御指摘になられました日本と北朝鮮との間の他の問題、日本の植民地支配によって朝鮮の人々に多大な損害と苦痛を与えたという歴史があったということについては、平壌宣言の第二番目の項目で述べておりますが、こういった歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを総理が表明をなさったということでございます。
 そうした中で、その財産及び請求権を相互に放棄をし、そしてここに、平壌宣言に書かれているような、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたって無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施をしていく、後続きますが、ということが書いてあるわけでございます。
 そういった経済面での協力の具体的な内容あるいは規模といったようなことについては、これから国交正常化交渉の中で北朝鮮側と誠実に協議をしていくということでございます。
 それから、北朝鮮の市民の生活向上に資するようにということでございますけれども、今申しましたように、それも今の段階でどういう形でということをあらかじめお答えをするのは、正に北朝鮮とこれからお話をすることでございますので、予断をすることは控えたいと思います。


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○田嶋陽子君

 私はたった二十分しか時間がありませんので、申し訳ございませんが、簡潔にお答えを願います。
 すべてこれからということですので、これから私が申し上げることは、質疑というよりはお願いになると思います。
 今もおっしゃったように、北朝鮮に対して経済協力をすると。ですけれども、今回のことの対応は韓国への対応を踏襲していると言われていますよね。韓国に対しては、戦後補償というのを国への経済協力方式で行ったわけです。個人補償というのはしていないわけですね。まだ、特に従軍慰安婦にさせられた人たちに対しては補償していないわけで、被害者個人が納得していません。また、この北朝鮮国内にも元従軍慰安婦だと名のりを上げている女性たちは二百十八人います。そして、個人に対する補償を求めています。
 私は、現在内閣委員会で継続審議になっている戦時性的強制被害者問題解決促進法案の提出者の一人になっております。やはり被害者個人に対する謝罪と補償、そして真相究明が必要だということを言っておりますし、今回のこの件に関しても、何らかの形でそれを入れ込んでほしいというふうに思っています。
 ただし、これまで政府がやってきた、あるいは民間と共同してやってきた女性のためのアジア女性基金の事業は終了してしまいました。お金がないんです。これ以上、もうこのアジア女性基金で慰安婦問題を解決することはできません。それから、政府がこれまで戦後補償をしないという言い訳にしてきたサンフランシスコ条約なるものも、この二国間にはもうありません。
 平壌宣言では、今、大臣がおっしゃられたように、もう財産権、請求権はお互いに放棄しようということになっています。ですから、この問題に関してはどん詰まりなんですね。ですけれども、これをこのまま放置したら、また私たちがこの十年間、私は議員に一年前になりましたが、その前からこの問題にかかわってきて、そして議員になってからもこの問題をやっています。インドネシアに行ったりフィリピンに行ったり、来週は台湾に行きます。そして、個人補償を要求している人たちと話し合い、政府と話し合い、何とかこの問題を解決したいとみんなで努力してきましたが、今回新しく北朝鮮とのこの問題に関しては、どうか私のお願いとしては、その北朝鮮への経済協力の枠の中に何らかの形でこの慰安婦の方たちにこの個人補償の分も入れ込んでいただけないか、取り込んでいただけないかというふうに考えるんですけれども、どんなふうにお考えでしょうか。


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○国務大臣(川口順子君)

 日本と韓国の例を出されましたけれども、その前に、まず北朝鮮との関係については、この平壌宣言におきまして「財産及び請求権を相互に放棄する」ということを書いてあるわけでございます。それを国交正常化の中で具体的に協議をするということです。委員が先ほど補償というふうにおっしゃいましたけれども、韓国の場合についてもこの北朝鮮の場合についても、補償をするという考え方ではございませんで、財産権、請求権、財産の請求権の問題についてはこれをお互いに放棄をすると、そういうことでございます。
 それで、この「財産及び請求権を相互に放棄する」ということにつきまして具体的にこれから協議をするということでございますので、先ほど言いましたように、これは今後の話になるわけですけれども、北朝鮮の地域に在住する元慰安婦の方々との関係で日本として何を行っていくかということについては、委員のお考えはよくきちんと聞かせていただきました。しかしながら、これについては、今後行われる日朝国交正常化の交渉を始め、日朝関係全体の文脈の中でこれから総合的に検討していく課題であるというふうに考えております。
 委員のお考えはお考えとして承らせていただきます。


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○田嶋陽子君

 それでは、検討材料の一つに加えてくださるということですね、大臣。


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○国務大臣(川口順子君)

 繰り返しになりますけれども、北朝鮮に在住する元慰安婦の方については、今後行われる日朝国交正常化交渉、そして日朝関係全体の文脈の中で総合的に検討していくべき課題であると、そういうことでございます。


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○田嶋陽子君

 日本の方々で拉致された方々もその家族の方々も、それから五十年前に拉致されて慰安婦にされた方々も、歴史と政治のはざまで犠牲になられた方たちです。皆さん苦しんでいらっしゃることは同じです。(「何が拉致だ、よく調べてからやれ」と呼ぶ者あり)よく調べて言っている。余計なことを言わないでください。
 私は、先ほど田中局長がこの経済協力は平和を作るためのものだとおっしゃいました。そういう概念でこの経済協力をなさるんなら、拉致されたという意味では、苦しんでいるということでは同じ人間としての苦しみです。私は、この両方の人たちにきちんとした対応をしていただきたい。政府の手で救われて解放されることを望みます。
 今、大臣がおっしゃったように、補償という言葉はこれ以後使われないと思います。経済協力という言葉に置き換えられると思います。それなら、その問題を解決する場合に、例えば小泉さんが解決なさったハンセン病、政府の判断が間違っていたというその点で解決されたハンセン病、その手を使っても私はいいと思います。とにかく日本人の拉致家族の方、拉致された方々、そして五十年前に拉致された方々、その方たちも同じ苦しみだということを忘れないでほしいです。
 そして、アジア女性基金の償い金に相当するものは一人二百万から三百万でした。先ほど申し上げたように、その従軍慰安婦にされた方々は二百人ちょっといます。約五億円に相当します。そのことも考えてください。私は、ここで同じ過ちを繰り返さないように、十年間、ほかの国々の慰安婦の方たちと一緒に闘ってきた者の一人として、私はこのことをお願いします。
 それからもう一つ、前に福田官房長官が私に約束してくださいました。七月十六日の内閣委員会の私からの質疑に対して、福田官房長官は日本の戦後補償の窓口を明らかにするということを検討すると答弁してくださいましたが、まだ実現していません。その戦後補償の窓口については、その後どのように検討されていますでしょうか。


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○政府参考人(井上進君)

 お答えします。
 戦後処理問題につきましては、基本的には関係府省庁の各々の所掌に従って担当しておりまして、例えば、今お話ありました従軍慰安婦問題につきましては外務省が中心となり、必要な場合には内閣官房が調整するとの対応を行ってきております。
 お尋ねのような部署の問題につきましては、官房長官の御意向も十分勘案しつつ、設置の是非も含め、関係府省とも引き続きよく検討してまいりたいと考えております。


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○田嶋陽子君

 検討検討とおっしゃっているんですけれども、本当は検討していらっしゃらないんじゃないですか。これは難しいから、各省庁にまたがって難しいから窓口を一つにしてくださいとお願いしているんですね。窓口がまたがっていて難しいのは当たり前です。そこをやってくださるのが福田官房長官であり、力を持っていらっしゃる皆さんなんじゃないかと思います。頑張って明日にでも作ってください。よろしくお願いします。
 次、中谷大臣、よろしくお願いします。
 防衛庁の中谷大臣にお伺いします。
 近年、国連平和協力活動への参加だとかテロ対策特別措置法に基づいたインド洋の派遣など、海外に赴く、任務を海外でする自衛官が増えています。自衛隊員の多くは各駐屯地で訓練に励んでいると思うんですけれども、中には実戦の場に行くと思って入隊した隊員はそう多くはないんではないかと思います。残念なことかうれしいことか私にはよく分かりません。ただ、自衛隊に入隊した動機を調べますと、一番多いのが技術が習得できる、それから二番目が自分の能力、適性が生かせるとか、心身の鍛錬だとか、給料が良いだとか、ほかに就職口がないだとか、国のために役立つというのはたったの二%です。これは平成五年度の調べですね。
 昨今の状況を見てみて、自分たちが実戦の場に行かなければならないのかと心配している自衛官もいると思うんですけれども、防衛庁長官にお伺いします。実戦の場に行く前というのは、どんなに訓練を積んでいても大変恐怖を感じるものだと想像します。そのための事前のメンタルヘルスというのは現在どのようになっているんでしょうか、行われているのでしょうか。


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○国務大臣(中谷元君)

 実戦の場ということでありますが、PKO法で五原則がありまして、派遣先は、停戦の合意がされたところ、受入れ国が同意をしているところ、そして活動自体も国連活動でありますので中立的立場で活動するわけでありまして、現在、平和維持活動を行っている場所も含めまして、実戦の場ではなくて停戦が合意している場である中で活動しているということであります。したがいまして、派遣される隊員もこういった国連の活動を実施するという自覚の下に、自分なりに意欲とそして世界に貢献しようというそういう高い志と理想を持って行っておりまして、非常に、行っている隊員につきましては、全員自覚と意欲を持って元気でやっております。
 派遣される前には現地の情勢とか任務の内容について本人にお伝えをいたしておりますし、そのための訓練も教育も実施をしておりまして、その際、本人の希望や家族の事情、本人の個人的な状況も十分しんしゃくした上で実施をいたしております。


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○田嶋陽子君

 先ほどの遠山議員とそれから中谷長官とのやり取りを聞いていても、実際に東チモールとかに行っていらっしゃる隊員の方たちは志高く頑張っていらっしゃると思うんですね。でも、どこの社会にも落ちこぼれといいますか、揺らいでいる人とかいろんな人がいると思うんですね。
 今のお話ですと、実戦の場には行かないということなんですけれども、有事法制、今回は議論されないでも済むようになると思ってうれしいんですけれども、そんなことを言うとまたやじられますね、三浦さんに。ですけれども、これからまたいろんな状況が出てくると思いますが、実戦の場に行くのは嫌だというようなそういう自衛隊員の意思というのがもしあったとしたら、それは尊重されるんでしょうか。それとも、行くのを拒んだ場合は強制的に除隊されるんですか。それとも、戦うことは義務とされていて、いろんな状況、入ってから、自衛隊員が自衛隊に入ってからいろんな状況の変化があるわけですよね。それに対してはどうこれから対応なさっていくんでしょうか。


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○委員長(中原爽君)

 時間が過ぎておりますので、御答弁は簡潔にお願いをいたします。


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○国務大臣(中谷元君)

 今の自衛隊は旧軍と違いまして志願制になっておりまして、自ら希望して自衛隊に就職した者であります。また、こういった国際的な活動をする場合には本人の意向を尊重しておりまして、現実的な問題としましては、派遣に参加を希望する隊員が多過ぎて、その人選に一苦労するという状況でありますし、またその選定の段階において派遣要員から外れた者については、処分はもとより、何ら人事上の不利益を受けることがないということを基本にいたしておりまして、現実としては、このような拒否をする者は一人もいないというのが現状でございます。


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○田嶋陽子君

 理想的ですね。何かちょっと受けていた印象と違って、それがもし本当にそうだったとしたらすばらしいと思います。
 ただ、じゃ、今、委員長はもう終わりだとおっしゃいましたけれども、あと二分ほどあるとのことですので、もう一つ慌ててお伺いいたします。
 カウンセリングシステムがあるということなんですけれども、部内、部外にカウンセリングシステムがあって、そして、そのカウンセリングの中で、私は結構いろんな病気になる人がいるんじゃないかと思うんですが、一番多い相談が、自衛隊を、任意に入った人の、任意の人のことなんですけれども、自衛隊を出た後の就職のことを心配しているというお話なんですけれども、その就職に関しては、再就職ですか、自衛隊を出た後の、あるいはその悩みの状況とか自衛隊を出た後の再就職とか失業率とか、そのことをちょっとお伺いできるといいんですけれども。


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○委員長(中原爽君)

 先ほどは失礼いたしました。お時間は五十七分まででございます。失礼いたしました。


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○政府参考人(宇田川新一君)

 先生の御質問は任期制隊員の再就職状況だと思います。
 三年ぐらいと申し上げますと、平成十一年度であります。退職者数が三千六百三十一名、援護の希望者数、これ再就職を面倒見てくれという話になりますが、この方が二千四十一名、就職の決定者数が二千三十四ということで、決定率は九九・七%であります。
 平成十二年度であります。退職者数が四千三百九十八名、援護希望者数が二千五百七十一名、就職決定者数が二千五百六十三名、決定率は九九・七%。
 平成十三年度は、退職者数が三千七百七十四名、援護希望者数が二千三百三十一名、就職決定者数が二千三百十四名の決定率は九九・三%であります。
 これ、任期制の隊員の状況であります。


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○田嶋陽子君

 これで終わりますけれども、もう一つ最後に、私が今すごく心配しているのは児童虐待です。ドメスティック・バイオレンスは夫が妻を殴ります。それから、児童虐待は親が子供を殴ります。強い者から弱い者へ。
 自衛隊の中でこの虐待に相当するものはあるのかどうか。というのは、多分、上官というのは大変なストレスを抱えていらっしゃる方たちだと思うんですね、ある意味では。で、その上官は、訓練の下に自分のストレスを部下に晴らしてはいないのではないかどうか、そこのところを。
 それで、そういうところをどんなふうに見ていらっしゃるのか、その上官のストレス解消をどんなふうに自衛隊はプログラムなさっていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。


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○政府参考人(宇田川新一君)

 おっしゃるように、上官、部下の指導等でかなり悩んでいる面もあります。これは一般的なカウンセラー、先生先ほどおっしゃいましたけれども、部内の中の人間が聞くカウンセリング、それから部外の方に来ていただいて聞くカウンセリング、この辺で悩みを、心情把握と申しまして悩みを聞いて解決しているところであります。


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○田嶋陽子君

 虐待はあるのですか、ないのですか。


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○政府参考人(宇田川新一君)

 虐待ということではなくして、私ども私的制裁と、私的制裁、私的、私的とは私の、私的制裁ということでありまして、残念ながらこれ全くないというわけではございませんで、時折、私的制裁が発生することがあります。例えば、自分の部下の教育上、どうも教育しても言うことを聞かないということでぶん殴っちゃったとか、何件か生じている、こういう話はあります。
 これもやはりカウンセリング通してとか、あるいは別な服務指導という面を通して、そういうことのないように措置を講じているところであります。


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○田嶋陽子君

 終わります、取りあえず。
 ありがとうございました。

https://tajimayoko.com/politics/entry-266.html
日朝国交正常化と戦時性的強制被害者について




2002年4月25日
会議名:内閣委員会
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○田嶋陽子君

 社民党の田嶋陽子です。
 昨年十一月一日の委員会で、私は尾身幸次科学技術政策担当大臣に対して、国際熱核融合実験炉、いわゆるITERですね、その日本誘致を考え直していただきたいと申し上げました。それにもかかわらず、尾身大臣は今年三月の所信表明で、ITERの参加、誘致については、「科学技術の総合的かつ計画的な振興を図る観点から、速やかに判断を行ってまいります。」と熱く語っておられて、私は大変失望しました。
 ITER計画はもう時代後れの政策だと思います。アメリカでも、名城大学の槌田敦教授によりますと、もう、この五十年前に水爆の成功で始まったこの核融合の研究は、今では物理学者は既に見切りを付けてだれも手を付けていないということです。現在の研究者は工学者のみで、それは政府から研究費が出るからだと。そういう状況にあるというんです。
 それでもう、その意味でも私はもう、税金の無駄遣いですし、同時に、この危険極まりないITERは日本に誘致することはいけないことだとぐらいに思っております。原子力発電同様にITERに関しても、幾ら二酸化炭素を排出しないといっても、放射能を出しますし、それから処理に困る放射性廃棄物を産出しますし、廃炉のための研究はこれからという段階だからです。
 で、今年の一月三十日に開かれた総合科学技術会議では、財務省がITERの実施主体の文部科学省に対して次のような意見を出しました。誘致した場合、ほかの参加国の二倍の額を拠出しなければならないが、それだけの金額に見合う成果があるのかどうか。それから、放射化物の最終処理や安全確保などの責任、ほかの参加国が脱退するリスクなどに見合う又は上回る効果が得られるのかどうか。それから、十分検証の上、国民の理解を得る必要があるのではないかどうか。それから、原子力研究関連施設の廃止措置に要するコストの見通しを具体化する必要があるのではないかどうか。私は、この財務省の意見は非常に慎重であって、まだ救いがあると思います。
 そこでお伺いします、財務省主計局の方。財務省はこのITERに関してこれらの懸念事項がある限り予算を付けられないと考えていらっしゃるのですね。


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○政府参考人(杉本和行君)

 委員御指摘のITER計画への我が国の参加、誘致につきましては、現在、総合科学技術会議において科学技術政策上の位置付け等について検討が行われているところでございます。
 私ども財政当局といたしましては、ITER計画に参加、誘致するための費用、これは巨額の財政負担を伴うものでございますから、こうした厳しい財政事情の下で、原子力分野の範囲内で確保することができるのかどうか、さらに、他の重要分野を圧迫することになることにならないのかどうか、費用に見合う若しくはこれを上回る効果が得られるのかどうか。こういった財政面の論点についても十分議論を尽くしていただくということが必要ではないかと考えておりまして、そういった議論を、視点を総合科学技術会議の方にもお伝えさせていただいているところでございます。
 いずれにしましても、今後とも、ITER計画への参加、誘致につきましては、財政上の観点をも踏まえた上で、総合科学技術会議において議論が広範かつ十分に行われていくものと考えております。


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○田嶋陽子君

 昨年十二月二十五日の会議では、次回以降の会議で計画の参加、誘致に関する最終判断を得たいとしていますけれども、尾身大臣は、今年三月の所信表明で、科学技術の総合的かつ計画的な振興を図る観点から、速やかに判断を行ってまいりたいとおっしゃっています。つまり、まだ最終判断は下していらっしゃらないわけですね。その最終判断を下していない、下せない原因はどこにあるのでしょうか。


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○国務大臣(尾身幸次君)

 総合科学技術会議におきまして、昨年十二月に、科学技術政策担当大臣、私自身と有識者議員が、我が国はITER計画に参加することが望ましく、さらに、これを誘致することに意義があるという考え方を示したところでございます。
 このITER計画に対する参加、誘致の判断につきましては、欧州、米国における動向やあるいは政府間協議の状況等が重要と考えております。特に、欧州におきましては、ITER計画に対する参加、誘致については閣僚レベルで検討に入っておりまして、これらを勘案して総合的にこの総合科学技術会議としては最終的な結論を出すことになろうというふうに考えている次第でございまして、基本的には前向きな考え方を持っております。

 


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○田嶋陽子君

 計画の発案国であったロシアはなぜ国内に誘致しないことに決めたのですか。


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○政府参考人(今村努君)

 お答え申し上げます。
 ロシアは、平成十三年六月のモスクワで開催されました政府間協議に関する四極会合というのがございましたが、その場で、ITER計画には極めて積極的に参加する姿勢であるが、基本的にサイト提案は行わないという方針を表明いたしておりまして、現状においてもこの方針は変わりないというふうに認識しております。
 このロシアが誘致をしない理由につきましては、その場で説明はございませんでしたけれども、それに先立つ四月、これは当時のロシアの原子力大臣が外国人記者との会見におきまして、ロシアは資金難のために立候補したいができない状況であるというふうに述べたというふうに承知いたしております。


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○田嶋陽子君

 それでは、なぜアメリカは計画から脱退したのですか。


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○政府参考人(今村努君)

 ITERの計画からの脱退ということにつきましては、ITERは工学設計活動を過去九年行いました。その六年の段階でアメリカは撤退ということに至ったわけでございますが、その段階でアメリカの政府は、そのITER計画、工学設計活動を継続するという方針を明らかにいたしておりましたが、それがアメリカの議会で支持が得られなかったということでございます。その理由は、ITERの建設がめどがなかなか立たないままに、当初六年と予定されておりました設計活動を三年延長したわけでございますが、ずるずると延ばすということに対してアメリカの議会が理解ができなかったというのが一番大きな理由であるというふうに考えております。


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○田嶋陽子君

 新型転換炉、原発「ふげん」の廃炉が決まりました。来年三月以降、運転を終了した後、廃炉のために必要な技術の開発や研究用に使うことになっています。ということは、原発「ふげん」は廃炉、解体後に放射能の影響を少なくするような技術の進歩はまだなかったということになると思うんです。
 で、お伺いします。ITERの研究プランでは、建設から廃炉、解体までのスケジュールはどのように想定されているんでしょうか。


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○政府参考人(今村努君)

 お答えを申し上げます。
 現在のITERの計画でございますが、これは工学設計活動を踏まえまして、今後の計画を立案、建設以降の計画を立案いたしたわけでございます。その内容によりますと、ITERは約十年掛けて建設をいたします、建設に約十年必要だということでございます。その後、約二十年間このITERを運転いたしまして、国際的に所要の共同研究、共同実験を行うということになりまして、廃炉、解体はその後のいわゆる廃止措置ということになるわけでございます。
 この廃炉、解体等廃止措置のスケジュール及びその費用に関しましては、ITERの実はどこに立地するか、立地サイトによってそれぞれ異なるという事情がございますために、今後の政府間協議の中で国際的なサイト評価を行い、明確にしていくものと、このようにされております。
 なお、廃止措置に要する費用につきましては、基本的な考え方は、参加国がこの運転期間中に積み立て、その資金を用いてITERの立地する国が廃炉、解体等を実施すると、こういう考え方になっております。


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○田嶋陽子君

 今、参加国と言われましたが、今のところはスペインなどEU等だけです。
 ところで、結局、原子力発電を始めたときに、将来的には技術が向上して放射能の影響を少なくさせることができるんだろうという見切り発車だったと思います。かえって今になって困っているんではないでしょうか。ただ作ればいいというのは、これまでの、そう言うと申し訳ありませんけれども、何でも後始末を女房にさせていた男の政治の典型だと私は思います。ただ作ればいいということとは違うと思います。ITERは実験炉ですから、いずれ解体することになるのは避けられないと思います。文部科学省によれば、原発「ふげん」の解体にも約八百四十億から八百七十億掛かるという、大変なお金が掛かるわけですね。
 その上に、先月、政府は地球温暖化対策推進大綱を公表しました。原発が二酸化炭素を排出しないことを重視して、これから国のエネルギー源として原発を推進していくということなんですね。私にすれば、これも時代に逆行していると思います。二酸化炭素排出量を抑えることがほかにも幾らでもいろんな選択肢があるのに、何ですぐ原発推進に結び付くんでしょうか。
 地球の生態系全体を考えると、二酸化炭素の排出以上に、放射能によって様々な被害が引き起こされているわけですよね。例えば、カザフスタン、フィンランド、イギリスの共同研究チームの調査によれば、四百七十回の核実験が行われたロシアの核実験場セミパラチンスク周辺地域では、住民の生殖細胞調査の突然変異発生率が通常の二倍になっているそうです。ましてや恒常的にITERの施設が設置された地域では何が起こるか、想像しただけでも恐ろしいと思います。チェルノブイリでは、原発事故の後、豊かな穀倉地帯が失われています。それから、アメリカのネバダ州では、先ほど議会のあれが、合意が得られなかったと言いますけれども、今、アメリカでも一生懸命考えていまして、そのネバダ州では核実験の後遺症として土壌が汚されて、そこに住む人々が苦しんでいるんですね。つまり、放射能汚染というのは大変恐ろしいことだということを原爆を受けた日本がまだよく認知していないというのはとても悲しいことだと思うんです。
 アメリカがITERから脱退するのもそういう背景があるということで、尾身大臣は四月五日の共産党の吉井英勝委員に答えてこんなことを言っていらっしゃいます。資源の乏しい日本が原子力開発を進めなければならないと考えていることはお話を申し上げたとおりでございますが、その中で、やはりウラン235は〇・七%しかない、だから、238を活用するためにはどうしても核燃料サイクルの確立が必要だと。プルトニウムの平和利用、有効利用ということは大変大事だとおっしゃっているんですが、四月二十三日の新聞、東京新聞と朝日新聞を見ましても、湾岸戦争でこのウラン238を、約三百トンの劣化ウランを多国籍軍はイラク側の戦車や装甲車に向かって撃ったわけですね。そうしたら、そのウラン微粒子が飛んで、もちろん亡くなった方は別として、そこにいた地域の人たちだけでなくて、兵士たち、アメリカの兵士たちも体調異常を来していると。例えば、子供たちに関しては、このような白血病の症状がいろいろ出ている。それは、一九九一年の湾岸戦争から十年たって子供たちに、母体から子供たちにと、こういう形でも伝わってくる、これがウラン238なんですよね。
 そこで、誘致に際して、尾身大臣にお伺いします、住民の意見を十二分にお聞きになっていらっしゃいますでしょうか。


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○国務大臣(尾身幸次君)

 今、田嶋委員のおっしゃったことは、ウラン、放射能の人体に及ぼす悪影響というようなお話がございました。ロシアの核実験の話、それからネバダの核実験の話、イランの、イラクのウラン弾の話、これは全部軍事用あるいは事故、そういうもので起こっていることでございまして、私どもが考えていますのは、この核エネルギーを安全にかつ平和利用として、エネルギーとして安全に活用しようということでございまして、軍事利用で人体に影響があったから平和利用で安全に活用することが駄目だいう論理は、国の将来を考える者として全く成り立たない論理であると私は考えております。
 したがいまして、原子力の利用、先ほども申しました核燃料サイクルの確立も含めまして、私どもは絶対の安全を前提としながらこれを進めていくことが日本のエネルギー問題の解決に必要であるという考え方の下にこれを進めているわけでございまして、委員の御批判は当たらないと考えております。


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○田嶋陽子君

 国策を預かる大臣としては随分楽観的に過ぎると思います。安全、安全と言いながら、日本でもいろんな事故が起きているわけですね。あれを見ていても、安全だなんということは大臣の口から言ってほしくないと思います。(発言する者あり)そうだ。そうですよ、まだ一杯あるんですよ。そういうことを覆い隠して、安全などということを大臣に言ってほしくないと思います。
 最近、この国会にもアメリカの環境問題の第一人者、レスター・ブラウン博士が見えました。そして、そこでレスター博士はエコ・エコノミーを提唱しました。その趣旨は何かというと、経済性のない環境対策は駄目だと言っています。こんな金食いITERは駄目なんです。金食い虫、イーター。で、彼が言うには、その安全性も確認できないような、その持続不可能な、そういうエネルギーは駄目なんですね。持続可能な枠組み作りをしなければいけない。
 私はITERについて聞きました。聞いたところ、彼が言うには、核融合、核分裂、いずれも経済性を考えると、先ほど安全性をおっしゃいましたけれども、経済性という税金を使うその立場から考えても、これは投資する国はもうほとんどないんじゃないか、将来性があるとも考えられないと言っていました。
 ですから、財務省、頑張ってください。闘ってください。駄目なんです、すぐにお金をやっては。
 それで、レスター博士は、私は、それでもブッシュ政権は石油、石炭を頑張っているわけですね。どうしてあなたたちはと聞いたら、自分たちはブッシュ政権の交代をにらんで、今、ブッシュ政権が替わった後、自分たちがどれだけのことができるか、一生懸命頑張って、シャドーキャビネットではないですけれども、シャドーエネルギー計画案を作っているわけですね。例えば、アメリカの三州、ノースダコタ州その他だけで、風力発電、その三州だけでアメリカ全土のエネルギーを補えるような、それを可能にする計画ができ上がっているということで、もう実行にも及んでいるわけですよね。
 ですから、私はやっぱり、尾身大臣が国家百年の計として尾身大臣の名をお残しになるんなら、やっぱり風力発電とか、水の電気分解による水素抽出、太陽電池などの危険性も高くない、しかもこれから経済性も出てくる、最近のニュースですと風力発電、もう昔みたいこんなでっかいのじゃなくて、自分の家の屋上にも掲げられるような、音の少ない、軽い、もっと風力の強いものが安い値段でできるようになっているんですね。日本の技術もどんどん進んでいるんです。ですから、むしろ危険性の全くないそういうものを使う方に頭を向けてほしいと思うんです。
 財務省担当者によると、平成八年に「もんじゅ」の事故があってから原子力研究機関関連予算は減っているし、ITER計画は三十年、五十年ぐらい掛かるために、この計画は本当に大丈夫かとの疑問を文部科学省に伝えているそうです。
 そこで、尾身大臣の国家百年の計はこれでもまだITER推進だとおっしゃるんですか。


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○国務大臣(尾身幸次君)

 今、このITERを進めている関係者の間で、核融合が商業ベースに乗る段階になるには五十年掛かると、こういう見通しになっております。それを、今、関係者、二十五年くらいで実用化できるような体制を作れないかということで今検討中でございますが、少なくとも、私たちの時代ではなしに、私たちの子供たちや孫たちの時代に、国土が狭い、資源が乏しい日本がエネルギー問題を解決するためにはこの核融合エネルギーを活用することが必要である。つまり、国家百年の観点に立ってこれを活用することが必要であるというふうに私は考えている次第でございます。
 その他エネルギーをやれやれということをおっしゃいますが、田嶋委員は、例えば日本の一次エネルギー供給の見通しの中で二〇一〇年度、今から約十年後にその他エネルギー、いわゆる新エネルギーと称する風力も含めたものがどのくらいのシェアを占めるというふうに考えておられるか私は分かりませんが、政府の見通しでは、一生懸命やっても三%、普通のやり方だと一・六%しか全体のエネルギーの中でシェアを占めないということでございまして、この少ないシェアのものでエネルギーの供給全体を解決するということは、現実に政策を担当している私どもとしては実現不可能であるというふうに考えております。
 したがいまして、現実に可能な方式で我が国に対するエネルギー供給を、安全で安定したエネルギー供給を確保するということが私どもの考え方でございまして、そういう観点から、国家百年の大計に立って、ITERの研究開発は、これからまたいろいろ検討させていただきますが、十分前向きに検討する価値があると考えている次第でございます。


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○田嶋陽子君

 では、これからいろいろ検討してくださるわけですね。


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○委員長(佐藤泰介君)

 田嶋委員、最後の質問にしてください。


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○田嶋陽子君

 はい。最後、もう質問ないです。お願いです。
 私はやっぱり、やる気がないから三%しかと言っているんだと思うんです。
 というのは、企業は、この原発のこと、もう嫌だ嫌だと言っているんだそうですね、もうお金ばっかり掛かって非難も多いしって。そういうところに無理して核融合のことをやらせることはないと思うんですよ。その人たちも、もっと安全で国民から好かれるものを作りたいと思っていると思うんです。だから、風力とか太陽電池とか、そっちで頑張ってほしい。私は、やっぱり国民の健康を損なうような政策は国益に反すると思います。
 よろしくお願いします。

https://tajimayoko.com/politics/entry-278.html
IETR(国際熱核融合実験炉)の日本誘致に関する質疑



2001年11月14日


2001年11月14日 「戦時性的強制被害者解決促進法案」の提出2002年2月10日~14日 インドネシア「慰安婦」問題視察

日本政府は従軍慰安婦問題について、サンフランシスコ条約と二国間条約で解決済みであり、また元慰安婦に対してアジア女性基金において償い事業をしているので、日本政府から改めての補償は必要なしとの見解を出しています。
元「慰安婦」に対して必要なのは「個人単位での補償」「日本政府からの正式な謝罪」であると考え、法案を提出しました。
その法案を持って、インドネシア政府と、元慰安婦との懇談へ向かいました。
あるNGOの調査ではインドネシアには約2万人の性的被害者がいるとも云われています。インドネシアに対しては個人単位での補償金は支払われては居ません。高齢者施設の設立にアジア女性基金の「償い金」が使われているだけです。今までの日本政府は「日本政府もインドネシア政府も戦後賠償済みであり、両者とも解決済みと認識している」との見解を出していました。今回調査に行って分かった事は「インドネシア政府も元慰安婦も、個人単位での補償を望んでいる」ということでした。
アジア女性基金では「インドネシア政府が元慰安婦の認定をしないために、個人単位での補償金の供与が困難である」との見解を出していました。
しかしながら今回、インドネシア社会省との懇談会では「個人単位での補償金の支払いを要求する声があがっており、インドネシア政府としても個人単位での補償をしてもらいたい」という要請がありました。
「元慰安婦の詳細なデータを出す作業は、インドネシアの文化においては難しい」との社会省の見解に「元慰安婦を探し出すことは犯人探しではない。本人や家族の名誉のために、勇気をもって言い出した人に対してだけでも、補償金を支払うべきではないか?言い出した、その人の名誉のためにも必要ではないか?言い出せない人にはしなくてもよい。そうすれば少しはことはすすむのではないか?」との提案をしました。
これにインドネシア社会省は強い賛同を示しました。
アジア女性基金とインドネシア政府には「覚書」といわれるものが存在します。何度もアジア女性基金に対し「覚書」の提出を要請してきましたが、「インドネシア政府の了承を得られない」との回答で、一向に提出してくれなかった経緯があります。
今回社会省へ出向いたことで「覚書」を提出してもらいました。
インドネシア政府は「インドネシアは、民主的な国になった。隠す事は何も無く、『覚書』を結んだ当事の政府と現在の政府は違ったものである」という発言があり、いかに日本が民主的ではなく、いつまでたっても発展の無い国であることがわかりました。
さらに「日本がこの『覚書』の内容を変更したいと申し出れば、いつでも変更する。インドネシア政府は個人の名誉を大切にしたい」との見解も示しました。
しかしながらこの「覚書」の作成においてアジア女性基金はインドネシア政府が「名乗り出ることは文化に合わない」というのをあらかじめ知って、作成したのではないか?との印象ももちました。また、日本政府が申し出れば変更したい、というが、日本とインドネシア政府がどっちつかずで投げ合っているのではないか?とも思いました。
今回のインドネシア視察では、たくさんの情報を得ました。どの出会いも、個人補償が必要であり、政府の謝罪を望む、私たちの主張を支える出会いでした。

元兵補、元慰安婦との懇談

元慰安婦たちの話を、直接聞きました。
彼女たちは13歳~15歳で日本軍に強制的に連れ去られました。そして日本の女性の名前を付けられ、訳もわからないうちに、性的暴力を受けました。その当時、メンスのはじまっていない女性もいました。性的な道具として機能しなくなると、捨てられ、死んでいった女性たちが大勢いたそうです。その死んでいった友人たちの為にも、名乗り出たと云っていました。
「名乗り出る勇気はどこから出たのか?」との質問に対し、「名乗り出なかったらこの問題の上に正義は無いと思う。奪われた正義を回復したい。経験した苦しみや、自分より前に死んでいった友達の叫びを背負って、私たちは名乗り出た。名乗り出る事によって、『金はもらったのか?』と村の人から揶揄されることもあり、大変辛い」と元慰安婦は口をそろえて云いました。
また、アジア女性基金が建てた「高齢者施設」に入りたいか?との質問に対しては、「一度も誘われた事がない。たとえ誘われたとしても、自分の住む家があるので、施設には入りたくない」と云いました。
私は、「過去に縛られた法律よりも、今の人権を社会正義で守ることが必要である。個人の名誉のためにも、たくさんの人たちに名乗り出てきて欲しい。勇気をもって生きてきたことに感謝する。そして日本政府は個人補償をきちんとすべき」と、元慰安婦たちに伝えました。
この発言を聞いた元慰安婦、元兵補の人たちから、大拍手がおこりました。

アジア女性基金(AWF)建設の高齢者福祉施設「ブディ・ダルマ」視察
「高齢者施設」に入居している人たちは、日本に良い印象を持っている人たちです。戦時中、色んな形で慰安婦は集められました。「高齢者施設」に入居している人たちは誘拐や、ひどいことはされていないひとたちです。怒っている人たちは、こんなところに入らないはずです。
彼女たちは「日本の歌」を歌ってくれました。

コフィファ前女性問題担当大臣との会談
コフィファさんは「個人単位で補償をすべき」との主張を持った人です。私たちの提出した法案に大賛成してくれました。

アミン・ライス国民協議会議長への表敬
「日本の政権を握る自民党や、企業の人たちは経済の関係の事ばかり言う。経済関係を浴するには、過去にこだわらず、過去は終ったことにしている。過去を考えず未来を考えよう!!となってしまう。両者にとってより良い未来を作るには、本当は過去の過ちを謝罪して、未来を作っていくことだとおもう」という私の発言に対して、アミン・ライス国民協議会議長は「田嶋氏の意見に大賛成する。現在未来は過去のものと切り離せないと思っている。過去の問題をきちんとすべきである」と述べました。

ユスビル法務人権大臣との面談
ユスビル法務人権大臣は日本とインドネシアの経済関係を大切にする、いわば自民党のような若手議員です。
「日本とインドネシアとの政治的関係を優先的に考えるべきである。また元慰安婦問題は未解決だが、自分から国際裁判所に訴えるのは自由である。慰安婦問題は、日本側の問題である。政府としては二国間の経済的関係を大切にしていきたい」と発言したユスビル人権法務大臣に対し、「二国間の経済問題、政治問題を優先的に考える大臣には失望したが、慰安婦の問題を未解決だといったのには、希望が持てた。もっと日本がイニシアチブを持つべきであるというのも、賛成する。慰安婦の問題は日本国内の問題であるが、しかし慰安婦が訴えるのは勝手にしろというのは酷いと思う。法務大臣という立場上、賛成しかねるというのは理解できるが、難しいといって逃げないで欲しい」と食い込みました。
女性の問題ごときで、インドネシアと日本の経済の太いパイプを壊したくないという印象を受けました。

ヌルシャバニ国民協議会議長との夕食会
ヌルシャバニさんは、NGOの代表から国民協議会へ選出された方です。
ヌルシャバニさんは
① 被害者に対する謝罪
② 色んな形の慰安婦がいるので、その要求もさまざまであり、さまざまな形に対応できる補償をすべき
③ 慰安婦の社会的認知
が必要だと述べました。犠牲者に対して最も大切なことは、正しい情報を与える事も大切であると述べました。
また私たちが訪イする2週間前に社会省はNGO団体を集め、意見聴取を行ったそうです。社会省としては、個人補償に切り替わると、お金が入ってこない。実はネコババしているのではないか?との疑念を持っているそうです。


宮原エイジ氏(元日本軍兵士)との懇談

カリバタ英雄墓地

独立記念塔見学

大使館によるブリーフィング

ルハディ社会省次官、プジ総局長との会談

竹内在インドネシア大使主催夕飯会

2002年3月19日 内閣委員会で質疑●インドネシアの元慰安婦の惨状
●人権の視点とジェンダーの視点をもった政府からの、公式な謝罪と個人への補償の必要性
●提出した法案の慎重な審議と参考人の聴取の必要性
●国会議員の意識の低さ、慰安婦への認識の甘さの指摘
2002年7月15日 内閣委員会で質疑●「慰安婦問題を解決することは、国際的に信頼を回復する手段である」
●「戦時性的強制被害者法案」審議への、担当大臣としての福田官房長官の出席を要求
●「ハンセン病問題を解決した、総理や官房長官の英断が、『慰安婦問題解決』にも必要である」
2002年7月16日 内閣委員会で質疑●福田官房長官、外務省田中均アジア太平州局長が、「慰安婦制度」に軍の関与があったことを認める
●「『男女共同参画社会基本法』の11重点目標のうちの7項目に『女性に対するあらゆる暴力の根絶』という項がある。現実の問題で、女性はさらわれて性奴隷にされている。ちょうど従軍慰安婦で軍が関与をして女性たちをさらって性奴隷にしたのと同じことが現在も行われている。例えば、昨年十二月の第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議で出された国連の資料によれば、過去三十年間で性的搾取を目的にした人の密輸の被害に遭った女性と子供はアジアだけでも三千万人以上になる。現在でも、性奴隷の問題は終わっていない」
●「慰安婦問題を取り扱う部署を男女共同参画局に作ったらどうか?」と福田官房長官に対し提案。福田官房長官は、「実現にむけて検討すべき」と答弁
2002年7月23日 内閣委員会で答弁超党派(野党3党~民主、共産、社民)での共同提案の法案の審議は、内閣委員会で行われた。
過去、同様の法案を3回提出し、いままで審議もされぬまま、3回とも廃案となっている。今回内閣委員会において、私はオブザーバー理事だったので、理事会の場で、そして委員会の場で、法案審議の必要性と、法案を通す努力をしてきた。
慰安婦問題は、現在、AWFを管轄する外務省が担当窓口となっている。しかしながら慰安婦の実態やこれからの方針について、担当する部署が決まっていない。質問となると、いつも外務省と、内閣府でたらいまわしにされてしまっている。さらに内閣を統括すべき官房長官である福田官房長官も、審議への参加が積極的ではなく、責任を逃れているような、さらには触れたくない問題であるという姿勢が見受けられた。慰安婦問題の窓口を一本化し、問題解決の促進にあたるべきではないか?と提案した。
●「慰安婦問題は、女性の問題である。世界の人口の半分を占める問題である。切り離れて慰安婦問題が存在するのではなく、児童虐待も、日常生活の中の女性への暴力も、すべてにおいて一本の道、女性の人権という道につながる問題である」
●「慰安婦問題を解決することは、日本も国際社会で認められ、信頼される国となるファクターになる」
●法案成立に賛成を示すインドネシア社会省の紹介
●「女性の人権と尊厳を取り戻す男女共同参画社会を形成するためにも、過去の慰安婦問題の解決に、政府は政治的な決着をつける必要がある」
2002年8月18日~20日 フィリピン「慰安婦」問題視察
「慰安婦」被害者との懇談会
被害者との懇談会は、3つの慰安婦の団体から、60人以上もの被害者とその支援者が集まった。3つの団体は、今まで同時に会することがなかったが、この時はじめて3つの団体から89人もが集まった。被害者たちは、日本政府の心からの謝罪がほしいと、主張している。
そこで私は、「日本人で戦争に加担した人たちは、あまりにも悪いことをしてしまったから、認められない状況にある。相手の人格を崩壊させることをしたということを認めると、自分の人格が崩壊してしまう。インドネシアの政府の高官も、みんなジャスティスよりも経済の発展を優先に考えている。政府は女性が置かれた状況をわかってくれていない。でも少しずつ変わり始めている。一歩一歩やっていくしかない」と話した。

バヤン・ムナの方々との食事会

ダビバス議員(下院)との懇談
ダビバス議員から、私たちの法案を支持する決議を検討する採択をされたことを報告された。その決議は関連委員会である女性委員会との調整で検討されるという。

ロザレス議員(下院)との懇談
女性委員会の委員でもあり、人権小委員会の委員長をやっているロザレス議員は、決議はされているのではなく、議案として付託されているとのこと。フィリピン政府に対して、マクドゥーガル報告を受けて、慰安婦問題を解決すべきだと詰め寄っている。下院には38人の女性議員がいるが、連携して活動していきたいと懇談した。私は、具体的スケジュールを作り、高齢になった被害者に対して、いち早く法案を成立させるための材料にしたいと話した。

ローレンレガルタ議員(上院)との懇談
ローレンレガルタ議員との懇談でも、女性の人権として慰安婦問題を捉えるべきだと意見が一致し、フィリピン上院でも、決議をあげるという約束をとる。

フィリピン外務省との懇談

フィリピン外務省は法案成立を支持しているということがわかったが、日本の自民党勢力の動向をうかがっているようにも見受けられた。2002年9月26日 決算委員会で質疑日朝平壌宣言を受け、経済援助のあり方について質疑
●「北朝鮮では『慰安婦』と名乗りをあげている人たちが218人いる。その被害者への個人補償をすべきである」
●「新しい経済援助のかたち、各個人にも行き渡るような援助を日本政府がイニシアチブをもってすべきである」
2002年9月30日~10月2日 台湾「慰安婦」問題視察 台湾は日本政府からの正式な賠償金に先立って、一人200万円ずつ被害者に対して配っている。これはどの被害国、たとえば韓国よりも先にはじめた。それに追従する形で韓国政府も被害者に対し、補償金を配っている。視察団が訪れたことで、早速立法府においては、10/8に「戦時性的被害者問題解決促進法案」の支持決議が採択され、王金平院長の署名待ちの状態である。
 10/15の台湾慰安婦の裁判において請求棄却された元「慰安婦」の原告らの帰台に合わせて、18日に発効・発表する。
 こういった、すばやく適切な対応を台湾政府、台湾立法府(国会)は行っている。それに対し私は「この問題を解決しなければ、日本はアジアにおいて生きていけない。女性の問題は、世界の半分の問題であり、女性が幸せになれない限り、平和とアジアの協調は絶対にありえない。慰安婦の被害者が人間扱いされなければ、女性が人間扱いされていないということになる。慰安婦問題は今まで女性の問題をないがしろにしてきたその結果である」と述べた。

行政院劉世芳秘書長(官房長官)との懇談

台湾外交部、外交部邱榮男次長との懇談
 台湾は民主主義の国であるから、国会の中できちんと立法されなければ、解決されないということである。だからAWFでは解決できない。外交部の邱榮男次長は、「外交部と代表部」は自民党に対しても、積極的に働きかけをしていると述べた。私の意見として「対応ができない日本政府と自民党は絶望的である。長い間たたかってきているが、埒があかない。靖国問題、教科書問題、何一つ埒があかない」と話すと、邱榮男次長は、台湾側として最大限の努力をしてゆきたいと語った。

台湾外交部との夕食会

台湾立法委員、法案支持者との記者会見

記者会見で私は、「法案を早く通せないと、アジアの若い人たちと信頼関係を築くことができない。これからは深い信頼関係を築いてもらいたい。被害者のみなさんたちが元気なうちにいち早く問題解決をしたい」と話した。

立法院副院長、江丙坤氏との懇談&立法委員との昼食会

故宮博物院見学

台湾婦援会との夕食会

台湾のNGO団体である婦援会は女性の支援を行っている。その中でも「慰安婦」のメンタルケアに携わり、心の傷を負った被害者のケアにあたっている。その結果、閉じこもっていた被害者たちが自分の経験を話し、訴えることができるようになったとのこと。その傷は「許すけれど、忘れない」と言う。またドキュメンタリー映画を台湾で見せている。若い人たち、特に女子高生からの反響が多いとのこと。

台湾慰安婦との懇談(婦援会林方白告理事長、朱役員)

2002年12月12日 内閣委員会で参考人質疑2003年1月31日 「戦時性的強制被害者解決促進法案」の再提出2003年2月8日~2月10日 韓国「慰安婦」問題視察西大門(ソデムン)刑務所見学
日本占領下のもとでの韓国人に対する拷問が行われている様子が再現されている。女性には性拷問がかけられていた。

独立記念館見学
姜大徳(カン)さんが迎えてくれる。(女性運動史専攻) 800人あまりの元「慰安婦」の名簿が記載された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を入手する。独立記念館提供という形で公表するならばOKとのこと。(精査する必要ありなので、これからよく分析して発表することに決定)

<参考>
「慰安婦」800人分の名簿発見 南の独立記念館研究所
南朝鮮の韓国独立記念館韓国独立史研究所は2月25日、800余人の日本軍性奴隷被害者(「慰安婦」)の名前などが記録された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を初公開した。東亜日報が2月26日付で報じた。同紙は「性奴隷被害者の証言は多数集められているが、実証する資料が発見されたのは初めて」と報じている。
日本の植民地時代、中国各地に連行された朝鮮人「慰安婦」を収容、救済、帰国させるために1945年11月に結成された「上海韓国婦女共済会」が作成したもので86ページからなる。収容人員の名簿、共済会結成の趣旨、生活規則などが記されていた。
 資料で発見された名簿は831人分。そのうち807人が元「慰安婦」と見られる。名前と年齢、出身地が記載されており、年齢は20代が71%、30代が14%、10代が10%だった。元「慰安婦」たちは46年4月まで収容され、その後大多数が帰国したと見られる。また、45年11月から46年4月までの6カ月間に同共済会に収容された人は延べ6万6536人だった。
 同研究所の李東彦主任研究員は「日本帝国主義の侵略蛮行を研究するうえで貴重な資料になるだろう」と話す。研究所では名簿記載者の生死を確認しているという。 (東亜日報02/02/26)

ナヌムの家訪問
ナヌムの家は、ハルモニたちのシェルターである。最初、1992年にソウルに出来、95年にこの地にうつってきた。チョゲサ(仏宗派)の社会福祉が作って、ハルモニの生活をバックアップしている。韓国内の若い人たちの研修の場でもあり、日本から年間に1万人ぐらい来訪している。慰安婦問題を伝える場&ハルモニたちを支える場である。
ハルモニたちの話しを聞いた。

私が、「フィリピン、台湾では決議文を出してもらった。今回ノムヒョンさんには会えない。でも女性部の長官と、女性議員に会えそうなので、どんなかたちで協力してもらえるか分からないが期待している」「ノムヒョンさんは未来志向と言われている。未来志向なので過去のことをどうするのかとても心配である。でも過去なくして未来はない。抽象的に歴史認識といって、曲げていく。それに乗ってはいけない」と言うと、ハルモニは「私たちは寒かろうが、暑かろうが、休むことなく水曜デモをしている」と言った。

郭貴勳(カクキフン)さんと夕食
郭貴勳さんは「大阪地裁の裁判官は最初とても悪い人だと思った。こちら側の言い分をちっとも聞いてくれないので、この裁判はぜったいに負けると思った。でも120%勝訴した。そのときに友だちで書道が出来る人にたのんで、『寛仁大度』というかけじくを作ってもらった。日本一良い裁判官だと思って送ったが、受け取ってくれなかった。でも彼が弁護士になるときに事務所に飾ってもらおうと思っている」と語った。

<参考>
12月5日大阪高裁(根本眞裁判長)は、広島で被爆した郭貴勲(カク・キフン)さん(78)が、離日すると被爆者援護法に基づく健康管理管理手当てが打ち切られるのは違法として国と大阪府を訴え、昨年6月に大阪地裁で勝訴し、国と大阪府が控訴した訴訟の判決で、「国外に出ることで法の適用対象から外れ、被爆者の地位を失うとする国の解釈は認められない。『被爆者はどこにいても被爆者』という事実を直視せざるを得ない」として、一審の大阪地裁判決を支持し、国と大阪府の控訴を棄却した。判決は、被爆者援護法の性格や立法意思、法構造などについても厳密に検討し、「同法は、社会保障と国家補償双方の性格を併有する特殊な立法で、国籍・資力を問わず一律に援護を講じる人道的目的の立法であり、非居住者への適用を排除するとの解釈は困難」と述べ、在外被爆者への健康管理手当打ち切りを不当とした。なお、国家賠償請求は退けられた。敗訴を覚悟していたという原告の郭さんは、笑顔で会見し、「1審の時は『痛快の至り』と言ったが、今回は『爽快の至り』。日本の司法は生きていた」と判決を歓迎・評価し、国に上告をしないよう求めた。  

李美卿(イ・ミギョン)議員と懇談

国会女性問題委員会所属議員と昼食会

韓明淑(ハン・ミョンスク)女性部長官と懇談

金元雄(キム・ウォンウン)議員との懇談

趙培淑(チョ・ベスク)民主党議員との懇談

挺対協との夕食会

2003年2月14日 韓国「慰安婦」視察 報告記者会見   in 参議院記者クラブ出席者:田嶋陽子(無所属)、岡崎トミ子(民主)、吉川春子(共産)、大脇雅子(社民)
記者:NHK、時事通信、読売新聞、産経新聞

(田嶋陽子)8日、9日と歩いてきた。まず西大門刑務所へ行ってきた。日本の占領下における性拷問の悲惨な資料があった。でてきてから12,3才の女の子にインタビューした。印象を聞いたところ「悲惨だった」。「どうしてこんなことになったと思う?」と聞いたら「日本がやったことだ」。「どうしたらいいと思う?」と尋ねると「南北の統一が一番大切だ」と言っていた。台湾でもそうだったが、「日本は許す。でも忘れない」ということを言っていた。この韓国でもその決心が子どもたちの中にも通っている印象を受けた。
 独立記念館での収穫は、去年の2月に東亜日報で知らされたことだが、独立記念館で807人の「慰安婦」の名簿が見つかった。今回、それを入手できた。独立記念館の資料ということで発表するのであればかまわないという言質を取ってきた。精査したうえで発表したいと思う。まだ日本では「従軍慰安婦はなかった」などということを言っている人がいるが、大変役にたつ資料になる。
 一環して女性省の韓明淑さん、李美卿さんに言ったことは、小泉さんとノムヒョンさんとの会談の時に、ノムヒョンさんから戦後補償、特に慰安婦問題について口に出して言って欲しいとお願いした。二人とも自分たちからノムヒョンさんに対し、きちんと伝えるということを言ってくれた。一言口に出すことによって、この問題が、存在しているということがアピールできる。日本での「従軍慰安婦はなかった」という論調に対しても大変役に立つことだと思う。
 台湾でも、フィリピンでも私たちが訪れると、決議文を出してくれた。韓国の議員たちは用心深くて、これは内政干渉になるのではないかと心配していた。だが、出来ることは相談してやってくれるということを約束してくれた。戦後補償のことは男性のことも女性のことも日本においては上手くいっていませんが、特に女性のこととなると経済のあとまわしにされてきた。今回そういうことの無いようにと、会う方々にお願いしてきた。
2003年3月25日 内閣委員会で質疑先日の韓国視察で私たちが手に入れた、 800人あまりの元「慰安婦」の名簿が記載された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を、外務省は外交ルートを使っても入手することができなかった。
2003年3月26日 内閣委員会で質疑「慰安婦」問題について、国会議員になる以前から活動していたこと<法政大学の公開講座「フェミニズム論」で慰安婦問題について毎年講義(1993年度~2001年度)>
~専門家を招いて講義をひらいたもの~
○1994年1月12日 朴和美さん「性の二重規範から軍隊慰安婦問題を読み解く」
○2000年11月8日 梁澄子さん「従軍慰安婦問題に関して」

<その他>

○2001年5月20日 元「慰安婦」の宋神道さんに会う

○1995年~2002年 「千鳥ヶ淵へ行きましたか」公演に出演。「慰安婦」の詩を詠む

○1995年9月4日 北京の国連世界女性会議で「戦時下における女性への暴力 国際シンポジウム」(NGO主催)に参加。慰安婦の人たちの「証言」を聞く。その内容は、1995年10月24日から4週にわたって『デイリースポーツ』に掲載。自著「だから女は『男』をあてにしない」(2001年4月発刊)に全文掲載。

○1996年4月23日  慰安婦問題を大阪にて講演。

○1996年12月 「『慰安婦』問題の立法解決を求める会」の呼びかけ人になる。

○1996年12月 「『新しい歴史教科書をつくる会』に抗議する女たちの緊急アピール」の呼びかけ人となる。

○1996年12月18日 「『新しい歴史教科書をつくる会』に抗議する女たちの緊急アピール」の緊急記者会見(衆議院第2会館第3会議室)

○1997年9月2日 「戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会」の呼びかけ人となる。

○1997年10月7日 「戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会」発足記者会見。(司法記者クラブにて)

https://tajimayoko.com/politics/entry-115.html
元慰安婦への謝罪と補償の法案



2003年01月31日


2001年11月14日 「戦時性的強制被害者解決促進法案」の提出2002年2月10日~14日 インドネシア「慰安婦」問題視察

日本政府は従軍慰安婦問題について、サンフランシスコ条約と二国間条約で解決済みであり、また元慰安婦に対してアジア女性基金において償い事業をしているので、日本政府から改めての補償は必要なしとの見解を出しています。
元「慰安婦」に対して必要なのは「個人単位での補償」「日本政府からの正式な謝罪」であると考え、法案を提出しました。
その法案を持って、インドネシア政府と、元慰安婦との懇談へ向かいました。
あるNGOの調査ではインドネシアには約2万人の性的被害者がいるとも云われています。インドネシアに対しては個人単位での補償金は支払われては居ません。高齢者施設の設立にアジア女性基金の「償い金」が使われているだけです。今までの日本政府は「日本政府もインドネシア政府も戦後賠償済みであり、両者とも解決済みと認識している」との見解を出していました。今回調査に行って分かった事は「インドネシア政府も元慰安婦も、個人単位での補償を望んでいる」ということでした。
アジア女性基金では「インドネシア政府が元慰安婦の認定をしないために、個人単位での補償金の供与が困難である」との見解を出していました。
しかしながら今回、インドネシア社会省との懇談会では「個人単位での補償金の支払いを要求する声があがっており、インドネシア政府としても個人単位での補償をしてもらいたい」という要請がありました。
「元慰安婦の詳細なデータを出す作業は、インドネシアの文化においては難しい」との社会省の見解に「元慰安婦を探し出すことは犯人探しではない。本人や家族の名誉のために、勇気をもって言い出した人に対してだけでも、補償金を支払うべきではないか?言い出した、その人の名誉のためにも必要ではないか?言い出せない人にはしなくてもよい。そうすれば少しはことはすすむのではないか?」との提案をしました。
これにインドネシア社会省は強い賛同を示しました。
アジア女性基金とインドネシア政府には「覚書」といわれるものが存在します。何度もアジア女性基金に対し「覚書」の提出を要請してきましたが、「インドネシア政府の了承を得られない」との回答で、一向に提出してくれなかった経緯があります。
今回社会省へ出向いたことで「覚書」を提出してもらいました。
インドネシア政府は「インドネシアは、民主的な国になった。隠す事は何も無く、『覚書』を結んだ当事の政府と現在の政府は違ったものである」という発言があり、いかに日本が民主的ではなく、いつまでたっても発展の無い国であることがわかりました。
さらに「日本がこの『覚書』の内容を変更したいと申し出れば、いつでも変更する。インドネシア政府は個人の名誉を大切にしたい」との見解も示しました。
しかしながらこの「覚書」の作成においてアジア女性基金はインドネシア政府が「名乗り出ることは文化に合わない」というのをあらかじめ知って、作成したのではないか?との印象ももちました。また、日本政府が申し出れば変更したい、というが、日本とインドネシア政府がどっちつかずで投げ合っているのではないか?とも思いました。
今回のインドネシア視察では、たくさんの情報を得ました。どの出会いも、個人補償が必要であり、政府の謝罪を望む、私たちの主張を支える出会いでした。

元兵補、元慰安婦との懇談

元慰安婦たちの話を、直接聞きました。
彼女たちは13歳~15歳で日本軍に強制的に連れ去られました。そして日本の女性の名前を付けられ、訳もわからないうちに、性的暴力を受けました。その当時、メンスのはじまっていない女性もいました。性的な道具として機能しなくなると、捨てられ、死んでいった女性たちが大勢いたそうです。その死んでいった友人たちの為にも、名乗り出たと云っていました。
「名乗り出る勇気はどこから出たのか?」との質問に対し、「名乗り出なかったらこの問題の上に正義は無いと思う。奪われた正義を回復したい。経験した苦しみや、自分より前に死んでいった友達の叫びを背負って、私たちは名乗り出た。名乗り出る事によって、『金はもらったのか?』と村の人から揶揄されることもあり、大変辛い」と元慰安婦は口をそろえて云いました。
また、アジア女性基金が建てた「高齢者施設」に入りたいか?との質問に対しては、「一度も誘われた事がない。たとえ誘われたとしても、自分の住む家があるので、施設には入りたくない」と云いました。
私は、「過去に縛られた法律よりも、今の人権を社会正義で守ることが必要である。個人の名誉のためにも、たくさんの人たちに名乗り出てきて欲しい。勇気をもって生きてきたことに感謝する。そして日本政府は個人補償をきちんとすべき」と、元慰安婦たちに伝えました。
この発言を聞いた元慰安婦、元兵補の人たちから、大拍手がおこりました。

アジア女性基金(AWF)建設の高齢者福祉施設「ブディ・ダルマ」視察
「高齢者施設」に入居している人たちは、日本に良い印象を持っている人たちです。戦時中、色んな形で慰安婦は集められました。「高齢者施設」に入居している人たちは誘拐や、ひどいことはされていないひとたちです。怒っている人たちは、こんなところに入らないはずです。
彼女たちは「日本の歌」を歌ってくれました。

コフィファ前女性問題担当大臣との会談
コフィファさんは「個人単位で補償をすべき」との主張を持った人です。私たちの提出した法案に大賛成してくれました。

アミン・ライス国民協議会議長への表敬
「日本の政権を握る自民党や、企業の人たちは経済の関係の事ばかり言う。経済関係を浴するには、過去にこだわらず、過去は終ったことにしている。過去を考えず未来を考えよう!!となってしまう。両者にとってより良い未来を作るには、本当は過去の過ちを謝罪して、未来を作っていくことだとおもう」という私の発言に対して、アミン・ライス国民協議会議長は「田嶋氏の意見に大賛成する。現在未来は過去のものと切り離せないと思っている。過去の問題をきちんとすべきである」と述べました。

ユスビル法務人権大臣との面談
ユスビル法務人権大臣は日本とインドネシアの経済関係を大切にする、いわば自民党のような若手議員です。
「日本とインドネシアとの政治的関係を優先的に考えるべきである。また元慰安婦問題は未解決だが、自分から国際裁判所に訴えるのは自由である。慰安婦問題は、日本側の問題である。政府としては二国間の経済的関係を大切にしていきたい」と発言したユスビル人権法務大臣に対し、「二国間の経済問題、政治問題を優先的に考える大臣には失望したが、慰安婦の問題を未解決だといったのには、希望が持てた。もっと日本がイニシアチブを持つべきであるというのも、賛成する。慰安婦の問題は日本国内の問題であるが、しかし慰安婦が訴えるのは勝手にしろというのは酷いと思う。法務大臣という立場上、賛成しかねるというのは理解できるが、難しいといって逃げないで欲しい」と食い込みました。
女性の問題ごときで、インドネシアと日本の経済の太いパイプを壊したくないという印象を受けました。

ヌルシャバニ国民協議会議長との夕食会
ヌルシャバニさんは、NGOの代表から国民協議会へ選出された方です。
ヌルシャバニさんは
① 被害者に対する謝罪
② 色んな形の慰安婦がいるので、その要求もさまざまであり、さまざまな形に対応できる補償をすべき
③ 慰安婦の社会的認知
が必要だと述べました。犠牲者に対して最も大切なことは、正しい情報を与える事も大切であると述べました。
また私たちが訪イする2週間前に社会省はNGO団体を集め、意見聴取を行ったそうです。社会省としては、個人補償に切り替わると、お金が入ってこない。実はネコババしているのではないか?との疑念を持っているそうです。


宮原エイジ氏(元日本軍兵士)との懇談

カリバタ英雄墓地

独立記念塔見学

大使館によるブリーフィング

ルハディ社会省次官、プジ総局長との会談

竹内在インドネシア大使主催夕飯会

2002年3月19日 内閣委員会で質疑●インドネシアの元慰安婦の惨状
●人権の視点とジェンダーの視点をもった政府からの、公式な謝罪と個人への補償の必要性
●提出した法案の慎重な審議と参考人の聴取の必要性
●国会議員の意識の低さ、慰安婦への認識の甘さの指摘
2002年7月15日 内閣委員会で質疑●「慰安婦問題を解決することは、国際的に信頼を回復する手段である」
●「戦時性的強制被害者法案」審議への、担当大臣としての福田官房長官の出席を要求
●「ハンセン病問題を解決した、総理や官房長官の英断が、『慰安婦問題解決』にも必要である」
2002年7月16日 内閣委員会で質疑●福田官房長官、外務省田中均アジア太平州局長が、「慰安婦制度」に軍の関与があったことを認める
●「『男女共同参画社会基本法』の11重点目標のうちの7項目に『女性に対するあらゆる暴力の根絶』という項がある。現実の問題で、女性はさらわれて性奴隷にされている。ちょうど従軍慰安婦で軍が関与をして女性たちをさらって性奴隷にしたのと同じことが現在も行われている。例えば、昨年十二月の第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議で出された国連の資料によれば、過去三十年間で性的搾取を目的にした人の密輸の被害に遭った女性と子供はアジアだけでも三千万人以上になる。現在でも、性奴隷の問題は終わっていない」
●「慰安婦問題を取り扱う部署を男女共同参画局に作ったらどうか?」と福田官房長官に対し提案。福田官房長官は、「実現にむけて検討すべき」と答弁
2002年7月23日 内閣委員会で答弁超党派(野党3党~民主、共産、社民)での共同提案の法案の審議は、内閣委員会で行われた。
過去、同様の法案を3回提出し、いままで審議もされぬまま、3回とも廃案となっている。今回内閣委員会において、私はオブザーバー理事だったので、理事会の場で、そして委員会の場で、法案審議の必要性と、法案を通す努力をしてきた。
慰安婦問題は、現在、AWFを管轄する外務省が担当窓口となっている。しかしながら慰安婦の実態やこれからの方針について、担当する部署が決まっていない。質問となると、いつも外務省と、内閣府でたらいまわしにされてしまっている。さらに内閣を統括すべき官房長官である福田官房長官も、審議への参加が積極的ではなく、責任を逃れているような、さらには触れたくない問題であるという姿勢が見受けられた。慰安婦問題の窓口を一本化し、問題解決の促進にあたるべきではないか?と提案した。
●「慰安婦問題は、女性の問題である。世界の人口の半分を占める問題である。切り離れて慰安婦問題が存在するのではなく、児童虐待も、日常生活の中の女性への暴力も、すべてにおいて一本の道、女性の人権という道につながる問題である」
●「慰安婦問題を解決することは、日本も国際社会で認められ、信頼される国となるファクターになる」
●法案成立に賛成を示すインドネシア社会省の紹介
●「女性の人権と尊厳を取り戻す男女共同参画社会を形成するためにも、過去の慰安婦問題の解決に、政府は政治的な決着をつける必要がある」
2002年8月18日~20日 フィリピン「慰安婦」問題視察
「慰安婦」被害者との懇談会
被害者との懇談会は、3つの慰安婦の団体から、60人以上もの被害者とその支援者が集まった。3つの団体は、今まで同時に会することがなかったが、この時はじめて3つの団体から89人もが集まった。被害者たちは、日本政府の心からの謝罪がほしいと、主張している。
そこで私は、「日本人で戦争に加担した人たちは、あまりにも悪いことをしてしまったから、認められない状況にある。相手の人格を崩壊させることをしたということを認めると、自分の人格が崩壊してしまう。インドネシアの政府の高官も、みんなジャスティスよりも経済の発展を優先に考えている。政府は女性が置かれた状況をわかってくれていない。でも少しずつ変わり始めている。一歩一歩やっていくしかない」と話した。

バヤン・ムナの方々との食事会

ダビバス議員(下院)との懇談
ダビバス議員から、私たちの法案を支持する決議を検討する採択をされたことを報告された。その決議は関連委員会である女性委員会との調整で検討されるという。

ロザレス議員(下院)との懇談
女性委員会の委員でもあり、人権小委員会の委員長をやっているロザレス議員は、決議はされているのではなく、議案として付託されているとのこと。フィリピン政府に対して、マクドゥーガル報告を受けて、慰安婦問題を解決すべきだと詰め寄っている。下院には38人の女性議員がいるが、連携して活動していきたいと懇談した。私は、具体的スケジュールを作り、高齢になった被害者に対して、いち早く法案を成立させるための材料にしたいと話した。

ローレンレガルタ議員(上院)との懇談
ローレンレガルタ議員との懇談でも、女性の人権として慰安婦問題を捉えるべきだと意見が一致し、フィリピン上院でも、決議をあげるという約束をとる。

フィリピン外務省との懇談

フィリピン外務省は法案成立を支持しているということがわかったが、日本の自民党勢力の動向をうかがっているようにも見受けられた。2002年9月26日 決算委員会で質疑日朝平壌宣言を受け、経済援助のあり方について質疑
●「北朝鮮では『慰安婦』と名乗りをあげている人たちが218人いる。その被害者への個人補償をすべきである」
●「新しい経済援助のかたち、各個人にも行き渡るような援助を日本政府がイニシアチブをもってすべきである」
2002年9月30日~10月2日 台湾「慰安婦」問題視察 台湾は日本政府からの正式な賠償金に先立って、一人200万円ずつ被害者に対して配っている。これはどの被害国、たとえば韓国よりも先にはじめた。それに追従する形で韓国政府も被害者に対し、補償金を配っている。視察団が訪れたことで、早速立法府においては、10/8に「戦時性的被害者問題解決促進法案」の支持決議が採択され、王金平院長の署名待ちの状態である。
 10/15の台湾慰安婦の裁判において請求棄却された元「慰安婦」の原告らの帰台に合わせて、18日に発効・発表する。
 こういった、すばやく適切な対応を台湾政府、台湾立法府(国会)は行っている。それに対し私は「この問題を解決しなければ、日本はアジアにおいて生きていけない。女性の問題は、世界の半分の問題であり、女性が幸せになれない限り、平和とアジアの協調は絶対にありえない。慰安婦の被害者が人間扱いされなければ、女性が人間扱いされていないということになる。慰安婦問題は今まで女性の問題をないがしろにしてきたその結果である」と述べた。

行政院劉世芳秘書長(官房長官)との懇談

台湾外交部、外交部邱榮男次長との懇談
 台湾は民主主義の国であるから、国会の中できちんと立法されなければ、解決されないということである。だからAWFでは解決できない。外交部の邱榮男次長は、「外交部と代表部」は自民党に対しても、積極的に働きかけをしていると述べた。私の意見として「対応ができない日本政府と自民党は絶望的である。長い間たたかってきているが、埒があかない。靖国問題、教科書問題、何一つ埒があかない」と話すと、邱榮男次長は、台湾側として最大限の努力をしてゆきたいと語った。

台湾外交部との夕食会

台湾立法委員、法案支持者との記者会見

記者会見で私は、「法案を早く通せないと、アジアの若い人たちと信頼関係を築くことができない。これからは深い信頼関係を築いてもらいたい。被害者のみなさんたちが元気なうちにいち早く問題解決をしたい」と話した。

立法院副院長、江丙坤氏との懇談&立法委員との昼食会

故宮博物院見学

台湾婦援会との夕食会

台湾のNGO団体である婦援会は女性の支援を行っている。その中でも「慰安婦」のメンタルケアに携わり、心の傷を負った被害者のケアにあたっている。その結果、閉じこもっていた被害者たちが自分の経験を話し、訴えることができるようになったとのこと。その傷は「許すけれど、忘れない」と言う。またドキュメンタリー映画を台湾で見せている。若い人たち、特に女子高生からの反響が多いとのこと。

台湾慰安婦との懇談(婦援会林方白告理事長、朱役員)

2002年12月12日 内閣委員会で参考人質疑2003年1月31日 「戦時性的強制被害者解決促進法案」の再提出2003年2月8日~2月10日 韓国「慰安婦」問題視察
西大門(ソデムン)刑務所見学
日本占領下のもとでの韓国人に対する拷問が行われている様子が再現されている。女性には性拷問がかけられていた。

独立記念館見学
姜大徳(カン)さんが迎えてくれる。(女性運動史専攻) 800人あまりの元「慰安婦」の名簿が記載された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を入手する。独立記念館提供という形で公表するならばOKとのこと。(精査する必要ありなので、これからよく分析して発表することに決定)

<参考>
「慰安婦」800人分の名簿発見 南の独立記念館研究所
南朝鮮の韓国独立記念館韓国独立史研究所は2月25日、800余人の日本軍性奴隷被害者(「慰安婦」)の名前などが記録された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を初公開した。東亜日報が2月26日付で報じた。同紙は「性奴隷被害者の証言は多数集められているが、実証する資料が発見されたのは初めて」と報じている。
日本の植民地時代、中国各地に連行された朝鮮人「慰安婦」を収容、救済、帰国させるために1945年11月に結成された「上海韓国婦女共済会」が作成したもので86ページからなる。収容人員の名簿、共済会結成の趣旨、生活規則などが記されていた。
 資料で発見された名簿は831人分。そのうち807人が元「慰安婦」と見られる。名前と年齢、出身地が記載されており、年齢は20代が71%、30代が14%、10代が10%だった。元「慰安婦」たちは46年4月まで収容され、その後大多数が帰国したと見られる。また、45年11月から46年4月までの6カ月間に同共済会に収容された人は延べ6万6536人だった。
 同研究所の李東彦主任研究員は「日本帝国主義の侵略蛮行を研究するうえで貴重な資料になるだろう」と話す。研究所では名簿記載者の生死を確認しているという。 (東亜日報02/02/26)

ナヌムの家訪問
ナヌムの家は、ハルモニたちのシェルターである。最初、1992年にソウルに出来、95年にこの地にうつってきた。チョゲサ(仏宗派)の社会福祉が作って、ハルモニの生活をバックアップしている。韓国内の若い人たちの研修の場でもあり、日本から年間に1万人ぐらい来訪している。慰安婦問題を伝える場&ハルモニたちを支える場である。
ハルモニたちの話しを聞いた。

私が、「フィリピン、台湾では決議文を出してもらった。今回ノムヒョンさんには会えない。でも女性部の長官と、女性議員に会えそうなので、どんなかたちで協力してもらえるか分からないが期待している」「ノムヒョンさんは未来志向と言われている。未来志向なので過去のことをどうするのかとても心配である。でも過去なくして未来はない。抽象的に歴史認識といって、曲げていく。それに乗ってはいけない」と言うと、ハルモニは「私たちは寒かろうが、暑かろうが、休むことなく水曜デモをしている」と言った。

郭貴勳(カクキフン)さんと夕食
郭貴勳さんは「大阪地裁の裁判官は最初とても悪い人だと思った。こちら側の言い分をちっとも聞いてくれないので、この裁判はぜったいに負けると思った。でも120%勝訴した。そのときに友だちで書道が出来る人にたのんで、『寛仁大度』というかけじくを作ってもらった。日本一良い裁判官だと思って送ったが、受け取ってくれなかった。でも彼が弁護士になるときに事務所に飾ってもらおうと思っている」と語った。

<参考>
12月5日大阪高裁(根本眞裁判長)は、広島で被爆した郭貴勲(カク・キフン)さん(78)が、離日すると被爆者援護法に基づく健康管理管理手当てが打ち切られるのは違法として国と大阪府を訴え、昨年6月に大阪地裁で勝訴し、国と大阪府が控訴した訴訟の判決で、「国外に出ることで法の適用対象から外れ、被爆者の地位を失うとする国の解釈は認められない。『被爆者はどこにいても被爆者』という事実を直視せざるを得ない」として、一審の大阪地裁判決を支持し、国と大阪府の控訴を棄却した。判決は、被爆者援護法の性格や立法意思、法構造などについても厳密に検討し、「同法は、社会保障と国家補償双方の性格を併有する特殊な立法で、国籍・資力を問わず一律に援護を講じる人道的目的の立法であり、非居住者への適用を排除するとの解釈は困難」と述べ、在外被爆者への健康管理手当打ち切りを不当とした。なお、国家賠償請求は退けられた。敗訴を覚悟していたという原告の郭さんは、笑顔で会見し、「1審の時は『痛快の至り』と言ったが、今回は『爽快の至り』。日本の司法は生きていた」と判決を歓迎・評価し、国に上告をしないよう求めた。  

李美卿(イ・ミギョン)議員と懇談

国会女性問題委員会所属議員と昼食会

韓明淑(ハン・ミョンスク)女性部長官と懇談

金元雄(キム・ウォンウン)議員との懇談

趙培淑(チョ・ベスク)民主党議員との懇談

挺対協との夕食会

2003年2月14日 韓国「慰安婦」視察 報告記者会見   in 参議院記者クラブ出席者:田嶋陽子(無所属)、岡崎トミ子(民主)、吉川春子(共産)、大脇雅子(社民)
記者:NHK、時事通信、読売新聞、産経新聞

(田嶋陽子)8日、9日と歩いてきた。まず西大門刑務所へ行ってきた。日本の占領下における性拷問の悲惨な資料があった。でてきてから12,3才の女の子にインタビューした。印象を聞いたところ「悲惨だった」。「どうしてこんなことになったと思う?」と聞いたら「日本がやったことだ」。「どうしたらいいと思う?」と尋ねると「南北の統一が一番大切だ」と言っていた。台湾でもそうだったが、「日本は許す。でも忘れない」ということを言っていた。この韓国でもその決心が子どもたちの中にも通っている印象を受けた。
 独立記念館での収穫は、去年の2月に東亜日報で知らされたことだが、独立記念館で807人の「慰安婦」の名簿が見つかった。今回、それを入手できた。独立記念館の資料ということで発表するのであればかまわないという言質を取ってきた。精査したうえで発表したいと思う。まだ日本では「従軍慰安婦はなかった」などということを言っている人がいるが、大変役にたつ資料になる。
 一環して女性省の韓明淑さん、李美卿さんに言ったことは、小泉さんとノムヒョンさんとの会談の時に、ノムヒョンさんから戦後補償、特に慰安婦問題について口に出して言って欲しいとお願いした。二人とも自分たちからノムヒョンさんに対し、きちんと伝えるということを言ってくれた。一言口に出すことによって、この問題が、存在しているということがアピールできる。日本での「従軍慰安婦はなかった」という論調に対しても大変役に立つことだと思う。
 台湾でも、フィリピンでも私たちが訪れると、決議文を出してくれた。韓国の議員たちは用心深くて、これは内政干渉になるのではないかと心配していた。だが、出来ることは相談してやってくれるということを約束してくれた。戦後補償のことは男性のことも女性のことも日本においては上手くいっていませんが、特に女性のこととなると経済のあとまわしにされてきた。今回そういうことの無いようにと、会う方々にお願いしてきた。
2003年3月25日 内閣委員会で質疑先日の韓国視察で私たちが手に入れた、 800人あまりの元「慰安婦」の名簿が記載された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を、外務省は外交ルートを使っても入手することができなかった。2003年3月26日 内閣委員会で質疑「慰安婦」問題について、国会議員になる以前から活動していたこと<法政大学の公開講座「フェミニズム論」で慰安婦問題について毎年講義(1993年度~2001年度)>
~専門家を招いて講義をひらいたもの~
○1994年1月12日 朴和美さん「性の二重規範から軍隊慰安婦問題を読み解く」
○2000年11月8日 梁澄子さん「従軍慰安婦問題に関して」

<その他>

○2001年5月20日 元「慰安婦」の宋神道さんに会う

○1995年~2002年 「千鳥ヶ淵へ行きましたか」公演に出演。「慰安婦」の詩を詠む

○1995年9月4日 北京の国連世界女性会議で「戦時下における女性への暴力 国際シンポジウム」(NGO主催)に参加。慰安婦の人たちの「証言」を聞く。その内容は、1995年10月24日から4週にわたって『デイリースポーツ』に掲載。自著「だから女は『男』をあてにしない」(2001年4月発刊)に全文掲載。

○1996年4月23日  慰安婦問題を大阪にて講演。

○1996年12月 「『慰安婦』問題の立法解決を求める会」の呼びかけ人になる。

○1996年12月 「『新しい歴史教科書をつくる会』に抗議する女たちの緊急アピール」の呼びかけ人となる。

○1996年12月18日 「『新しい歴史教科書をつくる会』に抗議する女たちの緊急アピール」の緊急記者会見(衆議院第2会館第3会議室)

○1997年9月2日 「戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会」の呼びかけ人となる。

○1997年10月7日 「戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会」発足記者会見。(司法記者クラブにて)
2003年01月31日


2001年11月14日 「戦時性的強制被害者解決促進法案」の提出2002年2月10日~14日 インドネシア「慰安婦」問題視察

日本政府は従軍慰安婦問題について、サンフランシスコ条約と二国間条約で解決済みであり、また元慰安婦に対してアジア女性基金において償い事業をしているので、日本政府から改めての補償は必要なしとの見解を出しています。
元「慰安婦」に対して必要なのは「個人単位での補償」「日本政府からの正式な謝罪」であると考え、法案を提出しました。
その法案を持って、インドネシア政府と、元慰安婦との懇談へ向かいました。
あるNGOの調査ではインドネシアには約2万人の性的被害者がいるとも云われています。インドネシアに対しては個人単位での補償金は支払われては居ません。高齢者施設の設立にアジア女性基金の「償い金」が使われているだけです。今までの日本政府は「日本政府もインドネシア政府も戦後賠償済みであり、両者とも解決済みと認識している」との見解を出していました。今回調査に行って分かった事は「インドネシア政府も元慰安婦も、個人単位での補償を望んでいる」ということでした。
アジア女性基金では「インドネシア政府が元慰安婦の認定をしないために、個人単位での補償金の供与が困難である」との見解を出していました。
しかしながら今回、インドネシア社会省との懇談会では「個人単位での補償金の支払いを要求する声があがっており、インドネシア政府としても個人単位での補償をしてもらいたい」という要請がありました。
「元慰安婦の詳細なデータを出す作業は、インドネシアの文化においては難しい」との社会省の見解に「元慰安婦を探し出すことは犯人探しではない。本人や家族の名誉のために、勇気をもって言い出した人に対してだけでも、補償金を支払うべきではないか?言い出した、その人の名誉のためにも必要ではないか?言い出せない人にはしなくてもよい。そうすれば少しはことはすすむのではないか?」との提案をしました。
これにインドネシア社会省は強い賛同を示しました。
アジア女性基金とインドネシア政府には「覚書」といわれるものが存在します。何度もアジア女性基金に対し「覚書」の提出を要請してきましたが、「インドネシア政府の了承を得られない」との回答で、一向に提出してくれなかった経緯があります。
今回社会省へ出向いたことで「覚書」を提出してもらいました。
インドネシア政府は「インドネシアは、民主的な国になった。隠す事は何も無く、『覚書』を結んだ当事の政府と現在の政府は違ったものである」という発言があり、いかに日本が民主的ではなく、いつまでたっても発展の無い国であることがわかりました。
さらに「日本がこの『覚書』の内容を変更したいと申し出れば、いつでも変更する。インドネシア政府は個人の名誉を大切にしたい」との見解も示しました。
しかしながらこの「覚書」の作成においてアジア女性基金はインドネシア政府が「名乗り出ることは文化に合わない」というのをあらかじめ知って、作成したのではないか?との印象ももちました。また、日本政府が申し出れば変更したい、というが、日本とインドネシア政府がどっちつかずで投げ合っているのではないか?とも思いました。
今回のインドネシア視察では、たくさんの情報を得ました。どの出会いも、個人補償が必要であり、政府の謝罪を望む、私たちの主張を支える出会いでした。

元兵補、元慰安婦との懇談

元慰安婦たちの話を、直接聞きました。
彼女たちは13歳~15歳で日本軍に強制的に連れ去られました。そして日本の女性の名前を付けられ、訳もわからないうちに、性的暴力を受けました。その当時、メンスのはじまっていない女性もいました。性的な道具として機能しなくなると、捨てられ、死んでいった女性たちが大勢いたそうです。その死んでいった友人たちの為にも、名乗り出たと云っていました。
「名乗り出る勇気はどこから出たのか?」との質問に対し、「名乗り出なかったらこの問題の上に正義は無いと思う。奪われた正義を回復したい。経験した苦しみや、自分より前に死んでいった友達の叫びを背負って、私たちは名乗り出た。名乗り出る事によって、『金はもらったのか?』と村の人から揶揄されることもあり、大変辛い」と元慰安婦は口をそろえて云いました。
また、アジア女性基金が建てた「高齢者施設」に入りたいか?との質問に対しては、「一度も誘われた事がない。たとえ誘われたとしても、自分の住む家があるので、施設には入りたくない」と云いました。
私は、「過去に縛られた法律よりも、今の人権を社会正義で守ることが必要である。個人の名誉のためにも、たくさんの人たちに名乗り出てきて欲しい。勇気をもって生きてきたことに感謝する。そして日本政府は個人補償をきちんとすべき」と、元慰安婦たちに伝えました。
この発言を聞いた元慰安婦、元兵補の人たちから、大拍手がおこりました。

アジア女性基金(AWF)建設の高齢者福祉施設「ブディ・ダルマ」視察
「高齢者施設」に入居している人たちは、日本に良い印象を持っている人たちです。戦時中、色んな形で慰安婦は集められました。「高齢者施設」に入居している人たちは誘拐や、ひどいことはされていないひとたちです。怒っている人たちは、こんなところに入らないはずです。
彼女たちは「日本の歌」を歌ってくれました。

コフィファ前女性問題担当大臣との会談
コフィファさんは「個人単位で補償をすべき」との主張を持った人です。私たちの提出した法案に大賛成してくれました。

アミン・ライス国民協議会議長への表敬
「日本の政権を握る自民党や、企業の人たちは経済の関係の事ばかり言う。経済関係を浴するには、過去にこだわらず、過去は終ったことにしている。過去を考えず未来を考えよう!!となってしまう。両者にとってより良い未来を作るには、本当は過去の過ちを謝罪して、未来を作っていくことだとおもう」という私の発言に対して、アミン・ライス国民協議会議長は「田嶋氏の意見に大賛成する。現在未来は過去のものと切り離せないと思っている。過去の問題をきちんとすべきである」と述べました。

ユスビル法務人権大臣との面談
ユスビル法務人権大臣は日本とインドネシアの経済関係を大切にする、いわば自民党のような若手議員です。
「日本とインドネシアとの政治的関係を優先的に考えるべきである。また元慰安婦問題は未解決だが、自分から国際裁判所に訴えるのは自由である。慰安婦問題は、日本側の問題である。政府としては二国間の経済的関係を大切にしていきたい」と発言したユスビル人権法務大臣に対し、「二国間の経済問題、政治問題を優先的に考える大臣には失望したが、慰安婦の問題を未解決だといったのには、希望が持てた。もっと日本がイニシアチブを持つべきであるというのも、賛成する。慰安婦の問題は日本国内の問題であるが、しかし慰安婦が訴えるのは勝手にしろというのは酷いと思う。法務大臣という立場上、賛成しかねるというのは理解できるが、難しいといって逃げないで欲しい」と食い込みました。
女性の問題ごときで、インドネシアと日本の経済の太いパイプを壊したくないという印象を受けました。

ヌルシャバニ国民協議会議長との夕食会
ヌルシャバニさんは、NGOの代表から国民協議会へ選出された方です。
ヌルシャバニさんは
① 被害者に対する謝罪
② 色んな形の慰安婦がいるので、その要求もさまざまであり、さまざまな形に対応できる補償をすべき
③ 慰安婦の社会的認知
が必要だと述べました。犠牲者に対して最も大切なことは、正しい情報を与える事も大切であると述べました。
また私たちが訪イする2週間前に社会省はNGO団体を集め、意見聴取を行ったそうです。社会省としては、個人補償に切り替わると、お金が入ってこない。実はネコババしているのではないか?との疑念を持っているそうです。


宮原エイジ氏(元日本軍兵士)との懇談

カリバタ英雄墓地

独立記念塔見学

大使館によるブリーフィング

ルハディ社会省次官、プジ総局長との会談

竹内在インドネシア大使主催夕飯会

2002年3月19日 内閣委員会で質疑●インドネシアの元慰安婦の惨状
●人権の視点とジェンダーの視点をもった政府からの、公式な謝罪と個人への補償の必要性
●提出した法案の慎重な審議と参考人の聴取の必要性
●国会議員の意識の低さ、慰安婦への認識の甘さの指摘
2002年7月15日 内閣委員会で質疑●「慰安婦問題を解決することは、国際的に信頼を回復する手段である」
●「戦時性的強制被害者法案」審議への、担当大臣としての福田官房長官の出席を要求
●「ハンセン病問題を解決した、総理や官房長官の英断が、『慰安婦問題解決』にも必要である」
2002年7月16日 内閣委員会で質疑●福田官房長官、外務省田中均アジア太平州局長が、「慰安婦制度」に軍の関与があったことを認める
●「『男女共同参画社会基本法』の11重点目標のうちの7項目に『女性に対するあらゆる暴力の根絶』という項がある。現実の問題で、女性はさらわれて性奴隷にされている。ちょうど従軍慰安婦で軍が関与をして女性たちをさらって性奴隷にしたのと同じことが現在も行われている。例えば、昨年十二月の第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議で出された国連の資料によれば、過去三十年間で性的搾取を目的にした人の密輸の被害に遭った女性と子供はアジアだけでも三千万人以上になる。現在でも、性奴隷の問題は終わっていない」
●「慰安婦問題を取り扱う部署を男女共同参画局に作ったらどうか?」と福田官房長官に対し提案。福田官房長官は、「実現にむけて検討すべき」と答弁
2002年7月23日 内閣委員会で答弁超党派(野党3党~民主、共産、社民)での共同提案の法案の審議は、内閣委員会で行われた。
過去、同様の法案を3回提出し、いままで審議もされぬまま、3回とも廃案となっている。今回内閣委員会において、私はオブザーバー理事だったので、理事会の場で、そして委員会の場で、法案審議の必要性と、法案を通す努力をしてきた。
慰安婦問題は、現在、AWFを管轄する外務省が担当窓口となっている。しかしながら慰安婦の実態やこれからの方針について、担当する部署が決まっていない。質問となると、いつも外務省と、内閣府でたらいまわしにされてしまっている。さらに内閣を統括すべき官房長官である福田官房長官も、審議への参加が積極的ではなく、責任を逃れているような、さらには触れたくない問題であるという姿勢が見受けられた。慰安婦問題の窓口を一本化し、問題解決の促進にあたるべきではないか?と提案した。
●「慰安婦問題は、女性の問題である。世界の人口の半分を占める問題である。切り離れて慰安婦問題が存在するのではなく、児童虐待も、日常生活の中の女性への暴力も、すべてにおいて一本の道、女性の人権という道につながる問題である」
●「慰安婦問題を解決することは、日本も国際社会で認められ、信頼される国となるファクターになる」
●法案成立に賛成を示すインドネシア社会省の紹介
●「女性の人権と尊厳を取り戻す男女共同参画社会を形成するためにも、過去の慰安婦問題の解決に、政府は政治的な決着をつける必要がある」
2002年8月18日~20日 フィリピン「慰安婦」問題視察
「慰安婦」被害者との懇談会
被害者との懇談会は、3つの慰安婦の団体から、60人以上もの被害者とその支援者が集まった。3つの団体は、今まで同時に会することがなかったが、この時はじめて3つの団体から89人もが集まった。被害者たちは、日本政府の心からの謝罪がほしいと、主張している。
そこで私は、「日本人で戦争に加担した人たちは、あまりにも悪いことをしてしまったから、認められない状況にある。相手の人格を崩壊させることをしたということを認めると、自分の人格が崩壊してしまう。インドネシアの政府の高官も、みんなジャスティスよりも経済の発展を優先に考えている。政府は女性が置かれた状況をわかってくれていない。でも少しずつ変わり始めている。一歩一歩やっていくしかない」と話した。

バヤン・ムナの方々との食事会

ダビバス議員(下院)との懇談
ダビバス議員から、私たちの法案を支持する決議を検討する採択をされたことを報告された。その決議は関連委員会である女性委員会との調整で検討されるという。

ロザレス議員(下院)との懇談
女性委員会の委員でもあり、人権小委員会の委員長をやっているロザレス議員は、決議はされているのではなく、議案として付託されているとのこと。フィリピン政府に対して、マクドゥーガル報告を受けて、慰安婦問題を解決すべきだと詰め寄っている。下院には38人の女性議員がいるが、連携して活動していきたいと懇談した。私は、具体的スケジュールを作り、高齢になった被害者に対して、いち早く法案を成立させるための材料にしたいと話した。

ローレンレガルタ議員(上院)との懇談
ローレンレガルタ議員との懇談でも、女性の人権として慰安婦問題を捉えるべきだと意見が一致し、フィリピン上院でも、決議をあげるという約束をとる。

フィリピン外務省との懇談

フィリピン外務省は法案成立を支持しているということがわかったが、日本の自民党勢力の動向をうかがっているようにも見受けられた。2002年9月26日 決算委員会で質疑日朝平壌宣言を受け、経済援助のあり方について質疑
●「北朝鮮では『慰安婦』と名乗りをあげている人たちが218人いる。その被害者への個人補償をすべきである」
●「新しい経済援助のかたち、各個人にも行き渡るような援助を日本政府がイニシアチブをもってすべきである」
2002年9月30日~10月2日 台湾「慰安婦」問題視察 台湾は日本政府からの正式な賠償金に先立って、一人200万円ずつ被害者に対して配っている。これはどの被害国、たとえば韓国よりも先にはじめた。それに追従する形で韓国政府も被害者に対し、補償金を配っている。視察団が訪れたことで、早速立法府においては、10/8に「戦時性的被害者問題解決促進法案」の支持決議が採択され、王金平院長の署名待ちの状態である。
 10/15の台湾慰安婦の裁判において請求棄却された元「慰安婦」の原告らの帰台に合わせて、18日に発効・発表する。
 こういった、すばやく適切な対応を台湾政府、台湾立法府(国会)は行っている。それに対し私は「この問題を解決しなければ、日本はアジアにおいて生きていけない。女性の問題は、世界の半分の問題であり、女性が幸せになれない限り、平和とアジアの協調は絶対にありえない。慰安婦の被害者が人間扱いされなければ、女性が人間扱いされていないということになる。慰安婦問題は今まで女性の問題をないがしろにしてきたその結果である」と述べた。

行政院劉世芳秘書長(官房長官)との懇談

台湾外交部、外交部邱榮男次長との懇談
 台湾は民主主義の国であるから、国会の中できちんと立法されなければ、解決されないということである。だからAWFでは解決できない。外交部の邱榮男次長は、「外交部と代表部」は自民党に対しても、積極的に働きかけをしていると述べた。私の意見として「対応ができない日本政府と自民党は絶望的である。長い間たたかってきているが、埒があかない。靖国問題、教科書問題、何一つ埒があかない」と話すと、邱榮男次長は、台湾側として最大限の努力をしてゆきたいと語った。

台湾外交部との夕食会

台湾立法委員、法案支持者との記者会見

記者会見で私は、「法案を早く通せないと、アジアの若い人たちと信頼関係を築くことができない。これからは深い信頼関係を築いてもらいたい。被害者のみなさんたちが元気なうちにいち早く問題解決をしたい」と話した。

立法院副院長、江丙坤氏との懇談&立法委員との昼食会

故宮博物院見学

台湾婦援会との夕食会

台湾のNGO団体である婦援会は女性の支援を行っている。その中でも「慰安婦」のメンタルケアに携わり、心の傷を負った被害者のケアにあたっている。その結果、閉じこもっていた被害者たちが自分の経験を話し、訴えることができるようになったとのこと。その傷は「許すけれど、忘れない」と言う。またドキュメンタリー映画を台湾で見せている。若い人たち、特に女子高生からの反響が多いとのこと。

台湾慰安婦との懇談(婦援会林方白告理事長、朱役員)

2002年12月12日 内閣委員会で参考人質疑2003年1月31日 「戦時性的強制被害者解決促進法案」の再提出2003年2月8日~2月10日 韓国「慰安婦」問題視察
西大門(ソデムン)刑務所見学
日本占領下のもとでの韓国人に対する拷問が行われている様子が再現されている。女性には性拷問がかけられていた。

独立記念館見学
姜大徳(カン)さんが迎えてくれる。(女性運動史専攻) 800人あまりの元「慰安婦」の名簿が記載された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を入手する。独立記念館提供という形で公表するならばOKとのこと。(精査する必要ありなので、これからよく分析して発表することに決定)

<参考>
「慰安婦」800人分の名簿発見 南の独立記念館研究所
南朝鮮の韓国独立記念館韓国独立史研究所は2月25日、800余人の日本軍性奴隷被害者(「慰安婦」)の名前などが記録された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を初公開した。東亜日報が2月26日付で報じた。同紙は「性奴隷被害者の証言は多数集められているが、実証する資料が発見されたのは初めて」と報じている。
日本の植民地時代、中国各地に連行された朝鮮人「慰安婦」を収容、救済、帰国させるために1945年11月に結成された「上海韓国婦女共済会」が作成したもので86ページからなる。収容人員の名簿、共済会結成の趣旨、生活規則などが記されていた。
 資料で発見された名簿は831人分。そのうち807人が元「慰安婦」と見られる。名前と年齢、出身地が記載されており、年齢は20代が71%、30代が14%、10代が10%だった。元「慰安婦」たちは46年4月まで収容され、その後大多数が帰国したと見られる。また、45年11月から46年4月までの6カ月間に同共済会に収容された人は延べ6万6536人だった。
 同研究所の李東彦主任研究員は「日本帝国主義の侵略蛮行を研究するうえで貴重な資料になるだろう」と話す。研究所では名簿記載者の生死を確認しているという。 (東亜日報02/02/26)

ナヌムの家訪問
ナヌムの家は、ハルモニたちのシェルターである。最初、1992年にソウルに出来、95年にこの地にうつってきた。チョゲサ(仏宗派)の社会福祉が作って、ハルモニの生活をバックアップしている。韓国内の若い人たちの研修の場でもあり、日本から年間に1万人ぐらい来訪している。慰安婦問題を伝える場&ハルモニたちを支える場である。
ハルモニたちの話しを聞いた。

私が、「フィリピン、台湾では決議文を出してもらった。今回ノムヒョンさんには会えない。でも女性部の長官と、女性議員に会えそうなので、どんなかたちで協力してもらえるか分からないが期待している」「ノムヒョンさんは未来志向と言われている。未来志向なので過去のことをどうするのかとても心配である。でも過去なくして未来はない。抽象的に歴史認識といって、曲げていく。それに乗ってはいけない」と言うと、ハルモニは「私たちは寒かろうが、暑かろうが、休むことなく水曜デモをしている」と言った。

郭貴勳(カクキフン)さんと夕食
郭貴勳さんは「大阪地裁の裁判官は最初とても悪い人だと思った。こちら側の言い分をちっとも聞いてくれないので、この裁判はぜったいに負けると思った。でも120%勝訴した。そのときに友だちで書道が出来る人にたのんで、『寛仁大度』というかけじくを作ってもらった。日本一良い裁判官だと思って送ったが、受け取ってくれなかった。でも彼が弁護士になるときに事務所に飾ってもらおうと思っている」と語った。

<参考>
12月5日大阪高裁(根本眞裁判長)は、広島で被爆した郭貴勲(カク・キフン)さん(78)が、離日すると被爆者援護法に基づく健康管理管理手当てが打ち切られるのは違法として国と大阪府を訴え、昨年6月に大阪地裁で勝訴し、国と大阪府が控訴した訴訟の判決で、「国外に出ることで法の適用対象から外れ、被爆者の地位を失うとする国の解釈は認められない。『被爆者はどこにいても被爆者』という事実を直視せざるを得ない」として、一審の大阪地裁判決を支持し、国と大阪府の控訴を棄却した。判決は、被爆者援護法の性格や立法意思、法構造などについても厳密に検討し、「同法は、社会保障と国家補償双方の性格を併有する特殊な立法で、国籍・資力を問わず一律に援護を講じる人道的目的の立法であり、非居住者への適用を排除するとの解釈は困難」と述べ、在外被爆者への健康管理手当打ち切りを不当とした。なお、国家賠償請求は退けられた。敗訴を覚悟していたという原告の郭さんは、笑顔で会見し、「1審の時は『痛快の至り』と言ったが、今回は『爽快の至り』。日本の司法は生きていた」と判決を歓迎・評価し、国に上告をしないよう求めた。  

李美卿(イ・ミギョン)議員と懇談

国会女性問題委員会所属議員と昼食会

韓明淑(ハン・ミョンスク)女性部長官と懇談

金元雄(キム・ウォンウン)議員との懇談

趙培淑(チョ・ベスク)民主党議員との懇談

挺対協との夕食会

2003年2月14日 韓国「慰安婦」視察 報告記者会見   in 参議院記者クラブ出席者:田嶋陽子(無所属)、岡崎トミ子(民主)、吉川春子(共産)、大脇雅子(社民)
記者:NHK、時事通信、読売新聞、産経新聞

(田嶋陽子)8日、9日と歩いてきた。まず西大門刑務所へ行ってきた。日本の占領下における性拷問の悲惨な資料があった。でてきてから12,3才の女の子にインタビューした。印象を聞いたところ「悲惨だった」。「どうしてこんなことになったと思う?」と聞いたら「日本がやったことだ」。「どうしたらいいと思う?」と尋ねると「南北の統一が一番大切だ」と言っていた。台湾でもそうだったが、「日本は許す。でも忘れない」ということを言っていた。この韓国でもその決心が子どもたちの中にも通っている印象を受けた。
 独立記念館での収穫は、去年の2月に東亜日報で知らされたことだが、独立記念館で807人の「慰安婦」の名簿が見つかった。今回、それを入手できた。独立記念館の資料ということで発表するのであればかまわないという言質を取ってきた。精査したうえで発表したいと思う。まだ日本では「従軍慰安婦はなかった」などということを言っている人がいるが、大変役にたつ資料になる。
 一環して女性省の韓明淑さん、李美卿さんに言ったことは、小泉さんとノムヒョンさんとの会談の時に、ノムヒョンさんから戦後補償、特に慰安婦問題について口に出して言って欲しいとお願いした。二人とも自分たちからノムヒョンさんに対し、きちんと伝えるということを言ってくれた。一言口に出すことによって、この問題が、存在しているということがアピールできる。日本での「従軍慰安婦はなかった」という論調に対しても大変役に立つことだと思う。
 台湾でも、フィリピンでも私たちが訪れると、決議文を出してくれた。韓国の議員たちは用心深くて、これは内政干渉になるのではないかと心配していた。だが、出来ることは相談してやってくれるということを約束してくれた。戦後補償のことは男性のことも女性のことも日本においては上手くいっていませんが、特に女性のこととなると経済のあとまわしにされてきた。今回そういうことの無いようにと、会う方々にお願いしてきた。
2003年3月25日 内閣委員会で質疑先日の韓国視察で私たちが手に入れた、 800人あまりの元「慰安婦」の名簿が記載された「上海韓国婦女共済会収容人員名簿」を、外務省は外交ルートを使っても入手することができなかった。2003年3月26日 内閣委員会で質疑「慰安婦」問題について、国会議員になる以前から活動していたこと<法政大学の公開講座「フェミニズム論」で慰安婦問題について毎年講義(1993年度~2001年度)>
~専門家を招いて講義をひらいたもの~
○1994年1月12日 朴和美さん「性の二重規範から軍隊慰安婦問題を読み解く」
○2000年11月8日 梁澄子さん「従軍慰安婦問題に関して」

<その他>

○2001年5月20日 元「慰安婦」の宋神道さんに会う

○1995年~2002年 「千鳥ヶ淵へ行きましたか」公演に出演。「慰安婦」の詩を詠む

○1995年9月4日 北京の国連世界女性会議で「戦時下における女性への暴力 国際シンポジウム」(NGO主催)に参加。慰安婦の人たちの「証言」を聞く。その内容は、1995年10月24日から4週にわたって『デイリースポーツ』に掲載。自著「だから女は『男』をあてにしない」(2001年4月発刊)に全文掲載。

○1996年4月23日  慰安婦問題を大阪にて講演。

○1996年12月 「『慰安婦』問題の立法解決を求める会」の呼びかけ人になる。

○1996年12月 「『新しい歴史教科書をつくる会』に抗議する女たちの緊急アピール」の呼びかけ人となる。

○1996年12月18日 「『新しい歴史教科書をつくる会』に抗議する女たちの緊急アピール」の緊急記者会見(衆議院第2会館第3会議室)

○1997年9月2日 「戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会」の呼びかけ人となる。

○1997年10月7日 「戦後処理の立法を求める法律家・有識者の会」発足記者会見。(司法記者クラブにて)

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元慰安婦への謝罪と補償の法案 再提出