ICC主任検察官がイスラエル首相とハマス指導者に逮捕状請求南国技術士南国技術士2024年5月24日 23:32PDF魚拓


国際刑事裁判所 (ICC) のカーン主任検察官が、イスラエルのネタニヤフ首相やハマスのガザ地区トップのシンワル指導者など、双方の合わせて5人に対して逮捕状を請求したとのニュースがありました。各国のいろいろなしがらみや思惑がある中で、私は歓迎すべき動きだと思います。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240520/k10014455611000.html
今最も大切なことは、双方がすぐに戦闘を中止して、これ以上の民間人の犠牲を止めることだと思います。

アメリカはイスラエルとハマスは同等ではないとして、イスラエルを擁護しています。そのほかにもイギリスやドイツなどイスラエルを擁護する国々からICC主任検察官の発表に疑問を呈する声が出ているようですが、民間人を巻き込む戦闘で民間人が多数犠牲になっている実態を、国際司法の場で裁くべきとするカーン主任検察官のメッセージは非常に重いものがあると思います。

やられたらやり返す報復の応酬が、小さな子供たちを含む罪なき民間人を多数犠牲にし、まともな食べ物や寝るところもない状態で、さらに生死のはざまに追い込んでいます。このような報復を続けていること自体が戦争犯罪や人道に対する犯罪にあたるという非常に強いメッセージなのだと思います。

上川外務大臣は記者会見で、ICCのカーン主任検察官の請求について質問され、「今後の動向を重大な関心を持って、引き続き注視してまいりたいと考えております。」と答えています。このメッセージ性のないコメントにはがっかりです。

[外務省 上川外務大臣会見記録 (令和6年5月21日(火曜日)17時37分 於:本省会見室)]

ICC主任検察官がイスラエル首相とハマス指導者に逮捕状請求





南国技術士

2024年5月24日 23:32


イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突をめぐって、ICC=国際刑事裁判所のカーン主任検察官は、イスラエルのネタニヤフ首相やハマスのガザ地区トップのシンワル指導者など、双方の合わせて5人に対して逮捕状を請求すると明らかにしました。これについて、双方が相次いで声明を出して反発しています。

ICCのカーン主任検察官は20日に声明を発表し、戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いで、イスラエルとハマスの双方の合わせて5人に逮捕状を請求すると明らかにしました。

このうちイスラエル側は、ネタニヤフ首相とガラント国防相の2人に対してで、去年10月8日以降、戦争の手段として民間人を飢餓に陥らせたり、意図的に民間人に対して攻撃を行ったりした戦争犯罪などに責任があると信じるに足る合理的な理由があるとしています。

一方、ハマス側は、ガザ地区トップのシンワル指導者や、ハニーヤ最高幹部ら3人に対してで、去年10月7日のイスラエルに対する襲撃で民間人を殺害したり、少なくとも245人を人質にとったりした戦争犯罪などの責任があると信じるに足る合理的な理由があるとしています。

カーン主任検察官は、声明で「国際法はすべての人に適用される。歩兵も司令官も政治家も罰を免れることはできない」と強調したうえで、今後さらなる逮捕状を請求する可能性もあるとして、改めて国際法の順守を求めています。

裁判所では今後、予審裁判部が、検察官が提出した証拠などを検討したうえで、逮捕状を出すか判断することになります。

双方 ICCに対し反発

これに対してネタニヤフ首相は20日の声明で「ICCの検察官が大量殺人者であるハマスと民主的なイスラエルを対比したことを嫌悪感をもって拒否する。われわれの手を縛ろうとする試みは失敗する」と非難しました。

またハマスも20日の声明で「被害者と死刑執行人を同等に扱おうとすることを強く非難する」と反発しました。ICCは今後、予審裁判部が、検察官が提出した証拠などを検討したうえで逮捕状を出すか判断することになります。

米 バイデン大統領「イスラエルとハマス 同等ではない」

ICC=国際刑事裁判所のカーン主任検察官がイスラエルのネタニヤフ首相や、ハマスのガザ地区トップのシンワル指導者などに対し逮捕状を請求すると明らかにしたことについて、アメリカのバイデン大統領は20日、声明を発表し「イスラエルの指導者たちに対する逮捕状の請求は言語道断だ」と非難しました。

また、バイデン大統領は、ユダヤ系アメリカ人を招いた、ホワイトハウスでのイベントであいさつし「イスラエルとハマスは同等ではない。民間人を守るためにできることはすべてするが、はっきりさせておきたいのは、ICCの主張と違って、いまガザ地区で起きていることはジェノサイドではない。われわれはそうした主張を拒絶する」と述べました。その上で「われわれは常にイスラエルと共にあり、イスラエルの安全保障への脅威に立ち向かう」と述べ、イスラエルの防衛を支援していく姿勢を強調しました。

ICC逮捕状の意義と影響

ガザ地区で続く衝突の双方の当事者に対する逮捕状を請求することについて、カーン主任検察官は声明で「法を公平に適用する姿勢を示さず、選択的に適用していると受け止められれば、法が崩壊する条件をつくってしまう」と説明し、捜査の公正さと中立性を強調しています。

ICCが逮捕状を出すかどうかはこのあと予審裁判部の判断に委ねられますが、実際に逮捕状が出されれば、ICCに加盟する日本を含む124の国や地域は、域内に対象の人物がいれば身柄を拘束し裁判所に引き渡す義務を負うことになります。

このためネタニヤフ首相らはこれらの国や地域への渡航が難しくなり、外交活動などが制限される事態も想定されます。

ICCがウクライナでの戦争犯罪の疑いで逮捕状を出したロシアのプーチン大統領は去年、ICCに加盟する南アフリカで開かれた国際会議への対面での出席を見送りました。

イスラエルはICCに加盟しておらず、首相や国防相に対する逮捕状が請求されたことに激しく反発していて、今後の捜査などにも一切協力しないものと見られます。

ICC イスラエル首相やハマス指導者ら双方計5人の逮捕状請求

2024年5月21日 18時48分

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenit_000001_00023.html


冒頭発言

千玄室氏への外務省参与辞令の交付

【上川外務大臣】冒頭、私(上川大臣)から1件であります。
 本日、茶道裏千家第15代家元である千玄室(せん・げんしつ)氏に、外務省参与の辞令をお渡ししました。千玄室氏には、2017年に初めて参与となることをお願いして以来、これまで毎年任期の更新をお願いしておりまして、本年で7回目となりました。
 千玄室氏におかれましては、裏千家第15代お家元として、また、家元を譲られた後にも半世紀以上にわたり、お茶という日本文化の精神、日本の心を世界に紹介し、茶道を通じた相互理解の促進と国際文化交流にご尽力され、我が国が推進する平和外交にも、多大なる貢献をされておられました。
 私(上川大臣)は、外務大臣として、各国を訪れるたびに、日本文化が世界中の人々に訴えかける力の強さや、多彩な魅力を持つ日本文化が、世界中で幅広い層に愛されている様子を目の当たりにしてまいりました。各国外相からも、お茶や和食など、日本文化への高い関心が示されています。
 日本文化は、日本外交におけるソフトパワーの源泉です。千玄室氏のご協力も得ながら、外務省としても、日本文化の発信事業に一層取り組むとともに、各国との双方向の交流を通じて文化外交を推進してまいります。
 私(上川大臣)からは、以上です。

ヘリコプター事故によるイラン大統領ほかの逝去

【NHK 五十嵐記者】イランの関連で伺います。イランでヘリコプターが墜落し、ライースィ大統領など、搭乗していた全員が死亡した事故を受けて、20日、イラン各地で追悼集会が開かれました。また、新しい大統領を選ぶ選挙は、来月28日に行われることになりました。日本政府としての受け止めや、中東外交への影響について伺います。

【上川外務大臣】イラン政府は、今般のヘリコプターの事故により、ライースィ大統領、及びアブドラヒアン外務大臣を始めとするヘリコプターの搭乗者が死亡した旨発表したと承知しております。
 私(上川大臣)自身、アブドラヒアン外相とは、2023年、令和5年9月の日・イラン首脳会談で初めてお目にかかって以来、2023年、令和5年12月のジュネーブにおける外相会談や、2度にわたって行いました電話会談にて、率直な対話を積み重ねてきたところであり、突然の訃報に接し、深い悲しみの念に堪えません。
 イラン政府及びイラン国民の皆様、並びにご遺族に対し、深甚なるお悔やみを申し上げますとともに、ライースィ大統領、アブドラヒアン外務大臣を始めとする方々の御冥福を衷心よりお祈りを申し上げます。
 我が国は、中東地域の平和と安定を重視しており、今後も、これまでイランを含む中東各国と築いてきた良好な関係をいかし、関係国とも連携しつつ、中東の緊張緩和と、また、情勢の安定化に向け、積極的な外交努力を展開してまいりたいと考えております。
 ライースィ大統領の逝去を受けて、6月28日に、イラン大統領選挙が予定されていると承知しておりますが、選挙をめぐる動きを含めまして、引き続き、状況を注視してまいりたいと考えております。

国際刑事裁判所検察官によるイスラエル首相等に対する逮捕状請求

【アナドル通信社 メルジャン記者】中東の危機について質問したいと思います。国際刑事裁判所のカーン主任検察官は、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相に対して、逮捕状を請求すると明らかにしました。カーン主任検察官は、去年10月20日以降の、ガザ地区におけるネタニヤフ首相とガラント国防相が、戦争犯罪と人道に対する罪の刑事責任を負っていると信じる合理的な根拠があると発表しました。国際刑事裁判所のカーン主任検察官の請求について、日本はどう評価していますか、お願いします。

【上川外務大臣】5月20日、ICCのカーン検察官は、パレスチナの事態に関し、ハマスのシンワル・ガザ地区政治局長、デイフ軍事部門司令官、及びハニーヤ政治局長、そして、イスラエルのネタニヤフ首相、及びガラント国防相に対する逮捕状を、第1予審裁判部に請求した旨を発表したと、承知しております。
 今後、第1予審裁判部は、本件請求及び検察官が提出した証拠、その他の情報を検討した上で、逮捕状を発付するか否か判断するものと承知しております。
 いずれにせよ、我が国は、ICC締約国として、また、本件がイスラエル・パレスチナ情勢に与える影響の観点からも、今後の動向を重大な関心を持って、引き続き注視してまいりたいと考えております。

ゼレンスキー・ウクライナ大統領の任期終了

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】ウクライナ情勢について質問します。「ウクライナは世界の自由と民主主義を守るために戦う」などと主張してきたゼレンスキー大統領の任期が、昨日終了しました。ゼレンスキー氏は、非常事態を理由に選挙を行わず、敵対する政治家らを次々と排除してもきました。もはや自由でも民主的でもなく「法の支配」もないウクライナに、日本を支援する理由はないのではないでしょうか。また、自民党がこだわる緊急事態条項についてですが、これが憲法に導入されれば、ウクライナと同様の状況になり得ます。ナチスのヒトラー政権誕生につながった危険な国家緊急権を、憲法に導入すべきであると大臣はお考えでしょうか、よろしくお願いします。

【上川外務大臣】この戒厳令に関しますウクライナ国内の関連法令は、まず、戒厳令中にウクライナ大統領の任期が満了した場合、その任期が戒厳令解除後に選出される大統領就任まで延長される旨、及び戒厳令下における大統領選挙の実施は禁止される旨をそれぞれ規定しているものと承知しております。また同戒厳令につきましては、定期的にウクライナ議会において承認を受けているものと承知しております。
 その上で申し上げれば、現在の状況にウクライナが陥っているのは、ロシアによるウクライナ侵略が原因であることを忘れてはなりません。
 我が国として、一日も早く公正かつ永続的な平和をウクライナに実現するべく、また、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分との観点も踏まえ、G7や「グローバル・サウス」諸国を含みます各国と連携をしつつ、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続するという姿勢に変わりはございません。

静岡での大臣発言

【朝日新聞 松山記者】内政の関係で伺います。大臣は、18日に、ご地元の静岡市内で行った静岡県知事選の自民党推薦候補の応援演説で、「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と御発言され、その後撤回されました。林官房長官は、昨日の会見で、19日に大臣から電話をもらったということは明らかにされておりますが、その際に、どのようなやり取りがあったのか、また長官の方から何かご注意などは受けられたのか教えてください。また、長官は、引き続き、「大臣には、外相として職務をしっかり果たしていただきたい」と述べられていますが、大臣としての今後の考えについてもお願いいたします。

【上川外務大臣】御指摘発言につきましては、私(上川大臣)の真意と違う形で受け止められる可能性があるというご指摘を真摯に受け止めさせていただき、撤回をさせていただきました。私(上川大臣)から、林官房長官に対しましては、そうした考えをご説明したところでございます。
 豊かで明るい可能性に満ちた日本、世界から尊敬され、また必要とされる日本を次の世代に引き継ぐため、引き続き、与えられた外務大臣の職責に「一意専心の思い」で、引き続き、取り組んでいく考えでございます。

【産経新聞 原川記者】今もやり取りがありました、大臣の18日の地元での発言、撤回された発言ですけれども、この発言をめぐっては、メディアの報道について、曲解した報道であるとか、切り取り報道であるとか、揚げ足取りであるとかといったように、与野党の議員とか識者、また、一般読者から報道の在り方についての議論をというのが起きています。その中で、よくその取り上げられているのが、共同通信の英語版の記事で、英語版なんですけれども、それを日本語に訳して質問させていただきますと、見出しが、「日本の大臣、出産しない女性の価値を問う」という見出しの記事で、その中では、大臣が出産と新知事の選出を同等視したというような報道があって、それに対して、自民党の鈴木貴子議員、前の外務副大臣ですが、この鈴木さんは、X(旧Twitter)で、この記事は謝罪訂正が必要、削除では誤解が解けないと投稿されているといったような、反応・議論というのは起きているんですけれども。ちょっと私、現場にいなかったもので、改めて、ちょっと確認も含めてお伺いするんですが、そういう英文報道が流れるような、そういう発言をなさったのか、というのを確認したいのと、あと、その反応も含め、この英文記事に対しては、大臣自身としては、どう思われているのかというのをお聞かせいただきたいと思います、よろしくお願いします。

【上川外務大臣】この御指摘の発言についてでありますが、女性パワーで未来を変える趣旨で行ったものでありましたが、私(上川大臣)自身の真意と違う形で受け止められる可能性があると、こういった御指摘を真摯に受け止めさせていただき、撤回させていただいたところであります。そのことに尽きると考えております。

上川外務大臣会見記録

(令和6年5月21日(火曜日)17時37分 於:本省会見室)