政党海風の海風宣言と政党海風のトランスジェンダーについての声明があるので安心できるということで杉田水脈議員にNOという決心がついた。相模原事件を踏まえるとうちの長谷川豊議員の記事引用は誤りだったかも。

政党海風の海風宣言と政党海風のトランスジェンダーについての声明があるので安心できるということで杉田水脈議員にNOという決心がついた。相模原事件を踏まえるとうちの長谷川豊議員の記事引用は誤りだったかも。
安倍晋三自公政権を産んだ自己責任論を日本国民の多数が容認する世の中が日本の生きづらさの原因かも。
と批判できるほど自殺未遂したことのある私が命を大切にできているどうか。
とはいえ自公政権の自己責任論で助けのない生きづらい世の中の原因の1つにはなっているとは思います。
うちが長谷川豊アナの記事引用してしまったのは誤りかな、長谷川豊アナのブログも自己責任論の塊で生きづらさの原因の1つかも。
自殺が増えた原因である自己責任論と生産性で計れない世の中について。



 長谷川豊アナウンサーがブログで「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」という記事を投稿し、Twitterなどで話題になっています。



長谷川豊アナの問題のブログ(BLOGOS内)

 長谷川アナはブログで、“「健康保険制度」と「年金」をすべて解体すべき”としており、この部分だけなら同意する人も少なくないと思われます。

 ところが、ブログ本文の大部分は、タイトルにある通り、人工透析患者の多くは「暴飲暴食の結果で自己責任」と
して、そんな患者の人工透析にかかる治療費を社会で負担する必要はないと切って捨てています。



ブログの内容には事実誤認も

 長谷川豊アナは、「先日、ある『人工透析』を担当しているお医者さんと話をする機会がありました」として、その医師によると、人工透析患者に対峙している多くの医師は「はっきり言って大半の患者は自業自得」と考えていると紹介。

 さらに、同じ医師の話かどうかブログからはわかりませんが、「遺伝的な疾患も確かにあります。しかし、私の見立てでは…8~9割ほどの患者さんの場合『自業自得』の食生活と生活習慣が原因と言わざるを得ません」と語った医師がいたと書いています。

 こうした話から、長谷川豊アナが「自業自得」としているのは2型糖尿病から糖尿病性腎症を併発し、腎不全となって人工透析に至った患者を指すと思われます。

 ただし、上記の医師の話には誤りがあります。

 日本透析医学会のホームページで公開されているデータ(PDF)によると、人工透析に至った原疾患は、2014年末時点で糖尿病性腎症が38.1%、慢性糸球体腎炎が31.3%、腎硬化症が9.1%。その他の疾患は5%未満で、この3つが人工透析に至る主な原疾患となります。

 人工透析患者のうち糖尿病性腎症が原因疾患となる患者は38.1%で、4割弱。「8~9割ほどの患者さんは自業自得」という医師の発言は明らかに間違っています。

 また、長谷川豊アナはこうした“自業自得”の患者が人工透析に至ると「身体障がい者1級」となり、障害者手当がもらえるほか、映画館・公共交通機関・高速道路が半額、タクシーの初乗運賃の無料チケットがもらえるなど様々な優遇措置が受けられるとして憤慨しています。

 長谷川豊アナは、「ディズニーランドも横入りし放題」と書いていますが、これは誤りです。

 ディズニーランドの公式サイトを見ると、以下のような説明があります



「列に長時間並ぶことが困難な方は、待ち時間のあいだ、列の中ではなく別の場所で待機することができます。なお、ご利用いただくまでの待ち時間は、列に並んでいる時間とみなします。その間に他の対象施設をご利用いただくことはできません。ご案内が可能な利用時間はキャストがカードに記入します(お手伝いの内容やアトラクションの特性により、待ち時間は列に並ぶ方よりも長くなる場合があります)。」



 つまり、立って長時間並び続けることが身体的に難しい場合は別の場所で待つことができるだけで、待ち時間は一般の人と変わりません。

 ネットで調べれば簡単にわかることも調べずに、非難の論拠にあげていることについては、Twitterなどでも「こんな人がテレビで司会してるってどうなの?」との声が上がっています。

 なお、障害年金の受給についても、誰でもが無条件で支給されるというわけではありません。国民年金や厚生年金など年金に加入し、年金を滞納なく納めていなければ障害年金は受給できません。



自己責任なら救済は不要?

 長谷川豊アナについては、ネットでは“炎上芸人”と呼ぶ人もいるくらいで、ブログでの暴言は珍しくありません。今回も、「目立つための暴言だから相手にしないほうがいい」というつぶやきも多く見られます。

 一方で、今回のブログを読んで、神奈川県の身障者施設での大量殺傷事件を想起した人も少なくないようです。



「結局植松くんはこんな論調を鵜呑みにして凶行に及んだ。」

「長谷川豊という人の、人工透析患者に対する誹謗中傷発言がすさまじい。相模原の事件がなお生々しいこの時期に、弱者を徹底して世界から消尽させようと呼びかける。障碍者絶滅とまったく同じ地平に立つ思想が、悪びれることなく言葉にされる。」


 身体障害1級の家族を持つ人からは、「恐怖を感じた」との声も。



「長谷川豊の人工透析の記事、自分も家族が身体障害1級なので長谷川豊に怒りを覚えながら読んだ。長谷川豊の発想が相模原の事件と似ていて恐怖を感じた。あと、年金や健康保険が破綻しているとか利権だと断言して根拠なく不安や不満を煽るやり方はマルチ商法のやり方と同じで本当に最悪だと思います。」



 また、自己責任論に言及した以下のようなつぶやきもあります。



「長谷川豊について『先天性の人も居るのに』って反応をする方は、長谷川豊に近しいので注意した方が良いと思いますよ。後天的に不摂生がたたってそうなったら、どうだっていうの。」

「この理屈が通るなら透析患者に限らず生活習慣病全部に死ねと言わないといけなくなる。自分がその立場になっても素直に殺される覚悟なんてないだろうによく言うわ。」



 ネットでは事あるごとに自己責任論が語られるのが常です。

 「暴飲暴食が原因で人工透析に至った患者は社会が救う必要がない」という自己責任論を広げると、ギャンブルや浪費が原因で破産した人は免責(裁判所の許可により破産者の借金が免除される)する必要もないし、年金不払いだった人が老後働けなくなっても生活保護で救済する必要はない、ということになります。

 こうした論調がネットという場で、はばかることなく公に語られることに対して、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という日本国憲法の条文(第25条)をあげて反論する声も見られます。

 少子高齢化が進むことで年金制度や保険の破綻が論じられて久しい現在、国民年金は「自分がもらう頃にはもっと支給額が少なくなっているだろうし、もらえるのは70歳以後かもしれない。最初から年金払わないで生活保護受けた方がマシ」と国民年金を納めない人や、非正規雇用のため給料が少なく、年々上がる国民年金を納めることができない若年層も増えています。

 どこまでを自己責任とするのか、どこからを救済対象とするのか。

 長谷川豊アナの今回のブログは暴言すぎて、自己責任論に傾きがちなネットですら多くの批判を浴び、論ずるにも値しないとする声が多く上がっていますが、自己責任論と憲法25条と、どこで線引きをして折り合いをつけていくのか、深くて大きな問題を極論でクローズアップしたともいえそうです。



[工藤ひろえ]

https://netatopi.jp/article/1021103.html
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長谷川豊アナがブログで暴言、炎上「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」


https://drive.google.com/file/d/1drGhG1JI7NtVWtOTA-3l2N1WQwdHu5PU/view?usp=share_link




相模原市の知的障害者入所施設で、元施設職員の植松聖死刑囚が2016年7月26日未明、入所者19人を刺殺し、職員を含む26人に重軽傷を負わせた「相模原事件」から4年。

植松死刑囚の裁判を傍聴し続け、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』(太田出版)を出版した作家の雨宮処凛さんは、この国が植松死刑囚を生み出すべくして生み出したという思いを強めてきた。
相模原事件以降、ますます進んでいるという命を大事にしない社会の空気はなぜ醸成されてきたのか。そして、第二の植松死刑囚を生まないために、何ができるのか。

複雑な議論を飛ばしてなぜか「統治者目線」

ーー何かの問題意識を持ってから、一気に短絡的な結論に向かってしまうという「ショートカットの思想」は、SNSなどの議論でもよく見られます。この本でも現代社会では「これさえやれば全ての問題が解決する」という議論がされがちと書かれていましたが、植松死刑囚もそういう議論の仕方に影響を受けていたと思われますか?

彼の場合は、障害者を殺せば、戦争もなくせるし、難民問題も解決できると法廷で繰り返した。障害者さえいなくなれば世界はバラ色、のようなめちゃくちゃなショートカットをして、でも、その思考は今時っぽいなとも思います。

さらに、常に統治者目線、王様の目線で見ているところがまさに今時っぽいと思いました。

なぜ一施設の職員が、国家の財政をあれほど憂いて自分の力で解決しなければならないと思ったのか。一労働者の目線ではなく、統治者目線で俯瞰して、「予算がないから障害者はいらないんだ」と言う。

少なくない若い世代に広く蔓延する「経営者マインド」のような視点はどこから来るのだろうと思うのです。

植松は30歳ですが、私より10歳ぐらい下の世代にはそういうマインドを強く感じます。例えば、時給を上げろというデモを見た若者が、「いや、中小企業が潰れるだろ。現実を見ろ」と言ったりする光景はよくあります。

自分が時給1000円くらいで働いてるのに、なぜか経営者目線。こういう作法はいつから生まれたのでしょうか。

同時に、「これさえなくなれば全て解決する」というあり得ない考え方もこの10年ほどでよく見ますね。格差社会が深刻化していることによる思考停止の問題とすごく関係あるような気がします。

ーー植松死刑囚も事件直前には精神病院に措置入院させられたりして、自分の方が排除されるかもしれないという危うい立場に置かれました。一方、本の副題にもなっていますが、植松被告は「国や世界のため」と犯行予告を衆議院議長に送り「社会に役に立つ人間になりたい」という強烈な願望を持っていました。これは、不安の裏返しでしょうか?

不安の裏返しもあるし、私たちの世代や上の世代がこの20年ぐらいの格差の問題を色々解決しようとしてきたけれども、結局良くなっていないじゃないかという責める気持ちをぶつけていることも多々ある気がします。
なんとなく、「何をやってもダメだったじゃないか」という怒りや諦めがあったのだと思います。上の世代は無能だし、社会に文句を言ったり、変えようとしたりしても無駄なんだという、ものすごい諦めを感じるんですね。

思考停止やショートカットがここまで蔓延するのは、何一つ解決しなかったじゃないかという無力感もあるのだと思います。

それより、「〇〇が悪い」と言った方がスカッとする。考えて、分析して、構造を紐解いても、それが何になるの?という。アカデミックな議論や社会活動家の行動に対して、「無駄」だとバカにしているし、何のリスペクトもないですよね。

そうなると、俺や私がガス抜きさえできればいいんだ、と思ってしまう。「根本解決なんて求めていないから放っておいてくれ」と突き放す姿勢を感じます。

現実の人間関係は無力か?

ーーそうした非現実的なショートカットの思想がある一方、今回のALSの女性に関しても、いいヘルパーさんもいて、「こういう治療法ができたよ」と伝えてくれたり、別の患者さんで意思疎通が長年できない状況に置かれていた人とヘルパーさんを通じて交流を始めたりということもあったようです。具体的な「あなたを助けたい」「あなたに生きてほしい」という交流もあったのに、それは最終的には届かなくなってしまった。

彼女は9年前の発病ですよね? 一人暮らしですか?

ーーそうです。

介助者など色々な社会資源を使っていたわけですよね。ALSで一人暮らしをして24時間介助を受けるということは、客観的には相当、恵まれている状況ではあるわけです。それは運動で勝ち取ってきた権利ですから。

ただ、そうした介護環境を整えるだけではだめなんだというのは大きな課題ですね。

貧困問題と同じだと思いました。生活保護という制度さえ使って、死なないようにするというだけでは全然解決にはならない。そこから孤立するし、アパートで一人暮らしを始めてもうつになって自殺する人を見てきました。

ALSで家族介護でお互いに疲れ果てて死にたいと思うなら想像はつくのです。

でも、私は彼女のように24時間介助を勝ち取って一人暮らしをしていたら、いろんなヘルパーさんが出入りして生き生きと暮らしている難病者ばかりを見ていたので、同じ環境を勝ち取っても死ぬ方向にいってしまった人もいるというのは重い現実だなと思います。

れいわ新選組の舩後靖彦さんもピアサポート(同じ立場の仲間の支え合い)をするようになって生きる方向に向かったと言っていますけれども、一番辛いのは「自分は邪魔でお荷物だ」とか「自分は役に立たない人間だ」と思ってしまうことなんだろうと想像します
私が知っている障害者の人たちがなぜ元気かというと、自分がそうやって一人暮らしをしたり、呼吸器をつけたりして生きている姿を見せることが社会を変える大きな役割を果たしているんだと思えているからです。自分が生きていること自体が、社会変革の起爆剤なんだと思っている。

そういう風に思える人もいれば、ただ病気の状態は「失っていく」と捉える人もいる。

ーーALSの彼女は安楽死を認めてほしいという目的とはいえ、ブログやTwitterを介して外の人とつながりました。その中の一人があの逮捕された医師たちで、彼女の思いを肯定して、死の方向に後押しをしました。それこそが「本人の意思を尊重する」というなんだという考え方です。また生前、彼女と交流を持っていた人たちが今、「安楽死を制度化せよ」と声をあげています。

それは危ないです。SNS上で死に向かう共同体が偶発的にできているということですね。それはネットが普及し始めた2000年前後頃の自傷系サイトや自殺系サイトの状況と似ている気がします。

掲示板で「死にたい」人どうしが話しているうちに「もう死ぬしかないよね」となってしまう。少なくない自殺者が出ましたし、一部、ネット心中という形にもなりました。2003、04年ぐらいまでそういう共同体がたくさんあったと思います。

自殺がテーマの掲示板では「死のう」という話になるわけです。Twitterで知り合った9人を殺した座間の事件も被害者が「死にたい」などと書いていたことがきっかけだった。

「死にたい」までいかなくても、生きづらさを抱える人たちがネットでコミュニティを作ると、理解者ができて良い形になることもありますが、その気持ちを後押ししてしまう危険性も孕んでいます。

「本音」を言う統治者と一体化する人々

ーー相模原事件後、優生思想や命の選別に基づく発信や事件がたくさんありました。裁判をして、死刑判決となりましたが何か解決したとか、再発防止策が取られたような気がしません。

30年以上かけて作られてきた「少子高齢化だから何もかも足りません」という刷り込みたるや、物心ついた時から常に日本ではホットな話題であって、この時限爆弾はいつか爆発するとずっと脅されてきました。
植松は障害者を殺せば税金が浮く、色々解決されると主張していましたが、障害者福祉の予算は日本の一般会計の1%程度にしか過ぎない。そういうことを言い続けるしかない。

「少子高齢化で大変だ」「高齢者が増えて肩車式の財政になる」というのを国をあげて宣伝してきたことの結果が、相模原事件であり、人工透析中止事件であり、ALS患者の嘱託殺人であり、長谷川豊氏の主張であるということです。

その人が幸せなのか、勝手に人の人生の質を誰かがジャッジすることが許され、それが常に財源論とセットで出てくる。日本の貧しさが極まっているのがこのあたりの話だと思うのです。

誰かの生活の質が高い、低いを決める権利は誰にもない。だからこそ命の選別はだめなわけです。全て、「あなたは神様なんですか?」という質問で跳ね返したい。

そして、もっとも苦しいはずの人たちが、弱者として声をあげるのではなく、トップや経営者のマインドで議論してしまう。強い者と一体化すると楽ですが、一体化するとその価値観になってしまう。

「いらないやつは殺せ」「切り捨てろ」という価値観だけど、自分がその対象になることを考えない。

ーートランプ大統領を支持していた植松死刑囚が、その影響について「真実をこれからは言ってもいいんだと思いました」というのも印象的でした。「俺は現実も見て、綺麗事ではなくあえて本音を言う」という態度が賛美されるのは日本でも見られることですね。

政治家なのに建前を言わない、本音を言っているとして、魅力的だと評価される。そういうことで、石原慎太郎や麻生太郎の発言は許されてきましたよね。いくら二人が命の選別発言をしようとも、「石原節」「麻生節」としてしまったメディアの責任は大きいです。

トランプも「トランプ節」ですが、その言葉が流通して、植松を極端な形で動かしてしまっても誰も責任は取れません。そういう雑な議論、言葉がどれほど危険かは自覚しないといけないと思います。

生きることは何かを成し遂げた人の報酬じゃない

ーーそうした本音トーク、命の選別を「仕方のないこと」とする言葉、流れに対抗するのはとても大変そうです。

言っても綺麗事、お前は偽善者だ、お花畑だ、現実をわかっていないと100パーセント言い返されます。

建前や綺麗事の復活も考えなくてはいけません。それがないならみんな死ね、役に立たない奴は死んでしまえという社会でいいのか考えてほしいです。

相模原事件が起きた4年前より確実に日本社会は酷くなっています。確実に、社会のあらゆるところにその芽が出ています。

ーー対抗するために、私はこうやっていくという雨宮さんの戦う手段があったら教えてください。

こういう社会になっている一番の原因は、多数派の人が自分の生存に自信を持てていないことかもしれません。自分は生きていてはいけないと結構な数の人が思いこまされている。自分は役に立たなくなった瞬間に自殺しないといけないとまで無意識に思っている人が相当多いと思います。
だから高齢者や障害者は生きる意味ないと言ってしまうのかなと思います。

自分が生きていることに一切疑いがない状態だったら、こういう言説は出てこないと思うのです。

私自身は命を大切にする実践をしていきたいと思っています。だから新型コロナで生活が困窮している人の支援もしています。現場に行けば行くほど、この社会がどれほど命を踏みにじっているかを突きつけられます。

私自身は、「無条件の生存の肯定」というスローガンを掲げるプレカリアート運動(失業者・非正規雇用者などの生存運動)に31歳で出会ったことが大きかった。完全に呪縛から解放されました。

条件付きでなくても自分も他人も生きていていいという言葉をとにかく信じてみようと思いました。生存は条件付きでなくていい。生きることは、何かを成し遂げた人の報酬として与えられるものではないんだ、みたいな世界観です。

逆ギレして生きさせろという運動が掲げていたのが、無条件の生存の肯定だった。

この言葉には、魂レベルで救済されたかもしれません。

それまで自分は生きている価値がないと思っていたし、ある意味、優生思想的なところがあったと思います。でも、無条件に生存を肯定してしまえばいろんなものは解決することに気づきました。

子供の頃から「役に立つ」とか、「親や先生の気にいる子どもでいる」というなんらかの条件を満たさなければ、お前なんかいらないというメッセージしか受けてこなかった。日本で義務教育を受けた人のほとんどが自分も他人も肯定できないのではないかと思います。

子供の頃から競争させられ、足りない部分ばかりについて言われていると自分を肯定できない。役立たずは死ぬしかないという価値観になってしまいます。

「かわいそう」だと思ったら、そこから助ければいい
ALSになって、あんな状態になったらかわいそうという議論もありますが、私は運動に出会って、老いることも、病になることも、貧しくなることも、ALSも怖くなくなりました

ああ、こうすればいいのだというノウハウを知ったからです。

無一文になっても、ALSになっても、この団体に言えばいい、この制度を使えばいいといういろいろな方法があると知っているし、高齢の場合はこうだとか、色々と生きるための医療資源、社会資源を知っていったからです。

漠然と、老い、病が怖いということがなくなりました。

ーーそんな生きるための情報や資源にたどり着けていない人も多いのでしょうか。

私はALSや難病、障害があっても生き生きと生きている人たちとたくさん知り合って、自分がそうなったとしても生きられるんだと具体的にわかった。意に反して苦しい思いをさせられるのではない生き方や医療との関わり方はできるのです。

ふわっとした情報しかない頃は怖かったです。老い、病、貧困は、こういう情報があれば生きられると知ると不安がなくなります。無知ゆえの恐怖だったなと今、振り返って思います。

ーーれいわの二人が出てきて国会議員として活動していることは、自分もこういう風に自分のやりたいことができるかもしれないという力になるかなと思っていたのですが、「弱者の中の強者」と揶揄する当事者もいます。

舩後さんも木村さんも今でこそ活躍しているけど、二人とも過去は施設で虐待を受けていましたからね。その時の二人を見たらみんな不幸だと思ったかもしれない。生きていても仕方ないと思ったかもしれない。

でも、環境によって人や状況は変わる。たまたま劣悪な状況に置かれているのを見て、不幸だ、死んだほうがいい、殺した方がいいと思うより、かわいそうだと思うなら、そこから助けろよと思います。

少なくとも私はSOSを受けた生活困窮者に対してはそれを実践していますし、かわいそうな人をかわいそうじゃない状況にすることはできる。どんな分野でもそれを実践している先輩たちはたくさんいます。

「身内や自分の働いている医療施設や福祉施設でこんなかわいそうな状況があるから安楽死は否定できない」というなら、調べて改善しましょう、働きかけようよと思います。

理解し、支援してくれる人に会えば、一瞬で地獄から天国になることは山ほどある。高齢者施設でも障害者施設でもそうです。

「不幸だ不幸だ」といっている暇があるなら、不幸じゃないようにする努力をしてみませんか? あなたの電話一本、メール一本でガラッと変わるかもしれない。

私も含めた「期間限定の健常者」にできることは、かわいそうだという議論じゃなくて、改善するために動くことです。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/sagamihara-amamiya-2020-2?bfsource=relatedmanual
公開 2020年7月27日

「かわいそうだと思うなら、助ければいい」 雨宮処凛さんが「死なせる」ことが解決と考える人に訴えたいこと

相模原事件から4年経ち、「ますます命を大事にしない状況は進んでいる」と話す作家の雨宮処凛さん。障害者や難病者、高齢者を「かわいそうだ」と見下げる人たちに届けたい言葉を伺いました。



by Naoko Iwanaga

岩永直子 BuzzFeed News Editor, Japan


自信もってと言われたことある、消えたいと思ったことある。
それってうちだけじゃないんだ。
世の中捨てたもんじゃないといえる世の中になりますよーに。




https://www.tokyo-np.co.jp/article/157703
<社説>内密出産 母子の命守る法整備を2022年2月2日 07時37分東京新聞<



思わず言葉を失ってしまう驚愕の数字が昨日2月8日の読売新聞に掲載された。読売新聞社が行った全国世論調査で、〈政府が渡航しないように注意を呼びかけている海外の危険な地域に行って、テロや事件に巻き込まれた場合、「最終的な責任は本人にある」とする意見についてどう思うか〉という質問に、「その通りだ」と答えた人が83%に上ったというのだ。



 同時に、読売新聞のこの世論調査では、「自己責任だ」とした83%のうち、日本人人質事件を巡る政府の対応を「適切だ」とした人は90%に上ったという。いわば世論の大半は「ふたりの死は自己責任であり、日本政府はやるだけのことはやった」と考えている、ということになるだろう。



 人質事件の検証というジャーナリズムの仕事を放り投げ、政権に尻尾を振ってばかりの読売新聞の調査結果だということを差し引いても、これは恐ろしい数字と言わざるを得ない。



 事実、湯川さん、後藤さんの殺害予告動画が公開されてから、ネット上では自己責任の声があがってきた。デヴィ夫人にいたっては「(後藤さんには)いっそ自決してほしいと言いたい」と、普通の感覚では到底信じられない言葉を投げつけたが、多くのネット民がこれに賛同。「危険地域に勝手に入ったやつらが悪い」「どれだけ国に迷惑かけたと思ってるんだ」「死ぬ覚悟はできてたんでしょ?」と、湯川さんと後藤さんを非難し、殺害という最悪の結果を迎えてからも、その声は加速をつけて広まっている。



 また、本サイトはこうした自己責任論の愚かしさ、浅はかさ、そしてその裏に隠された政治的仕掛けを繰り返しあきらかにしてきたが、それに対しても、罵倒と冷笑が浴びせられ続けている。



 だとしたら、何度でも言っておかねばならないだろう。自国民の生命保護は、ほかでもない国家の責務だ。それがたとえ犯罪者であったとしても、政府は法の範囲内において人命を救うために最大限の努力をする義務があり、国民はそれを国家に要求する権利がある。ましてや、後藤さんは動かない日本政府に代わって湯川さんを助けようとシリア入りしたのだ。これを自己責任などといって切り捨てるのであれば、もはやこの国に民主主義国家を名乗る資格などない。



 しかし、すでに日本は政府からしてその道を外れようとしている。これも本サイトで再三指摘してきたように、安倍政権は今回、表向きは「人命を最優先」と言いながら、人質解放のために何の方策も講じなかったどころか、外務省や民間レベルでの交渉にストップをかけていた。



 この背景には、人質交渉を一切するなというアメリカへの追従姿勢があるのはもちろんだが、もうひとつ大きな要素がある。それは、当の安倍首相本人が筋金入りの自己責任論者であるということだ。



 約10年前の2004年、イラクでボランティア活動をしていた日本人3名が武装勢力に誘拐され、人質とされた事件で、いまと同じような自己責任論がわきあがり、すさまじいまでの人質バッシングが起きたことはご記憶の向きも多いと思うが、その発信源のひとつが当時の自民党幹事長、安倍晋三だったのだ。



 この事件で人質の拘束が発覚した直後から、自民党では右派議員を中心に「(人質の)家族はまず『迷惑をかけて申し訳なかった』といえ」「遊泳禁止区域で勝手に泳いでおぼれたのと同じ」「好んで危険地帯に入った人間を助ける必要があるのか」といった自己責任論があがっていた。また、人質が解放された後も無事を喜ぶどころか、外務省政務次官経験のある議員が「救出費用は20億円くらいかかった」などという情報を流したことで、「税金の無駄遣いだ」「チャーター機など出すべきでない」「被害者に費用を請求すべきだ」との声が続出した。



 実際、救出にかかった費用は1000万円程度で、人質になった3人は航空機の費用なども支払っており、これらの主張はデマに基づいたヒステリーとしかいいようのないものだったが、幹事長の安倍は各種の会合でこうした自己責任論と被害者費用負担論に全面的に同調。そして、人質が解放された翌日の会見では、自らこう言い放ったのだ。



「山の遭難では救出費用を遭難者に請求することもある」



 この無神経ぶりには唖然とさせられるが、これはただの失言ではなかった。安倍は自民党の総務会でも人質への費用請求を求める声を受け、「しっかり考える」「かかった費用は精査する」と答弁。実際に政府に請求を検討させる姿勢を見せたのだ。



 もっとも、こうした動きは意外な人物の発言で急転する。当時、日本社会のあまりに激しい人質糾弾の空気に欧米メディアから疑問の声が上がっていたが、そんななか、アメリカのパウエル国務長官が人質事件について「イラクの人々のために、 危険を冒して現地入りをする市民がいることを、日本は誇りに思うべきだ」と発言したのだ。



 イラクで武力行使しながら武力行使に反対するボランティアの行動を尊重するというのは、"腐っても自由の国、アメリカ"という感じだが、それはともかく、この発言によって日本の政治家たちはクモの子を散らすように自己責任論から逃走した。それまで勇ましく「人質に救出費用を払わせろ」と言っていた自民党の右派政治家たちも完全に沈黙。マスコミの取材にもノーコメントをつらぬくようになった。



 それは安倍首相もまったく同じで、これ以後、一切自己責任論を口にしなくなった。第一次安倍政権のときに従軍慰安婦について勇ましく「旧日本軍の強制性を裏付ける証言は存在していない」と大見得を切りながら、アメリカに猛反発を受けて沈黙してしまったのとまったく同じパターンだ。



 ようするに、弱い自国民に対しては上から目線で恫喝をかけるが、自分より強いアメリカに言われたら何も言い返せない。それが連中の本質なのだ。



 しかし、沈黙したからといって、彼らが自己責任論を捨てたわけではない。今回も表面上、安倍首相は自己責任論を口にしていないが、きっとその心根は10年前とまったく変わっていないだろう。実際、安倍首相は救出に動かず、交渉を妨害したばかりか、湯川さんと後藤さんが人質にとられている状況で、相手を挑発し、殺害という最悪の状況をつくりだしてしまった。



 しかも、その安倍首相はふたりが殺害されたとたん、「罪を償わせる」と報復ともとれるような発言をし、「日本国民に指1本触れさせない」と威勢のいい啖呵を切って、自衛隊の対テロ部隊海外派遣をはじめとする安全保障体制の強化を次々打ち出した。「国民の生命と財産を守る任務をまっとうする」として、来年の参議院選挙後に憲法改正のための発議を行うことまで言明した。



 国民を見殺しにしながら、殺害されるやいなや報復の感情を煽り、「戦争のできる国づくり」に政治利用する。その卑劣さには反吐が出るが、しかし、これこそが自己責任論を先導する者の典型的なパターンなのだ。



 たとえば、イラク人質事件以来、一貫して自己責任論を主張している安倍首相の親衛隊メディア・産経新聞も、先日2月7日付のコラム「産経抄」ではこんなことを言い始めている。



〈憎しみの連鎖を断たねばならぬ、というご高説は一見もっともらしい。後藤健二さん自身も数年前、「憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。-そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」とつぶやいている。

 だからといって処刑直前も彼はそんな心境だった、とどうしていえようか。助けにいった湯川遥菜さんが斬首されたときの写真を持たされ、家族に脅迫メールを送られ、心ならずも犯人側のメッセージを何度も読まされた後藤さんの心境は想像を絶する。仇(かたき)をとってやらねばならぬ、というのは人間として当たり前の話である。〉



 そして、「産経抄」はこう文章を締めるのだ。



〈命の危険にさらされた日本人を救えないような憲法なんて、もういらない。〉



 生きているときは「自己責任」と突き放しながら、死んだとたんに「仇討ち」を言い出すというのは一見、矛盾しているようだが、じつは、両者はコインの裏表のような関係にある。連中は自国民の生命なんてどうでもよく、ただ、国家の威信を守りたいだけ、そして憲法を改正して武力を行使したいだけなのである。

 

 しかも、それを主張するために、「憎悪の連鎖」を絶ちたいと活動していた後藤さんの意志をねじ曲げて政治利用するのだから、もはやキチクとしかいいようがない。



 だが、これこそが「自己責任論者」の正体なのだ。だから、本サイトは何度でも言う。湯川さん、後藤さん、ふたりの命はあらゆる手段を使って守られるべきだった、と。今後、もし同じような事件が起きても、本サイトは同じことを繰り返し主張するだろう。それは「死ぬ覚悟ぐらいしてたんだろ?」などと口汚く湯川さん、後藤さんを罵倒する自己責任論者のあなたが被害者の立場に立ったとしても、言う。(エンジョウトオル)

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_853/
自己責任論の本家は安倍首相だった!? 人質事件被害者に救出費用を請求する発言も



2015年02月09日(月)21:30


cyzowoman.com教育の憲法”教育基本法を改悪した安倍政権の狙いは?――「自己責任論」の徹底で縮小された教育行政の責任


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60代男性に「若者に金がないのは苦労をしないから」と説教され…“若者の貧困”を自己責任論で片づける日本社会の勘違い 2022/9/26(月) 6:12配信文春


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60代男性に「若者に金がないのは苦労をしないから」と説教され…“若者の貧困”を自己責任論で片づける日本社会の勘違い 2022/9/26(月) 6:12配信文春


岸田政権 アベノミクスの見直し打ち出すも、安倍氏の「年金改悪路線」は継承 2022/7/3(日) 7:15配信Newsポストセブン


物価が上がっても年金増えない 安倍元首相が導入した容赦ない年金減額の仕組み 2022年7月2日 7時15分NEWSポストセブン


“岸田インフレ”深刻でも賃上げ無策…「最低賃金1000円目標」まるで安倍政権時代のコピペ 2022/6/13(月) 15:30配信日刊ゲンダイ
最低賃金引き上げ「31円」に森永卓郎氏「焼け石に水」と苦言 「韓国並みに最低賃金を大きく引き上げよ!」 2022/8/2(火) 11:00配信Flash


れいわの山本太郎さんの演説、心に響くものがあるよね。
生きてて良かったと思える政治を取り戻す必要があるって本当にその通りですよね。

🦋mana🦋@lovemana0505
    「18歳から39歳までの死因の一位は自殺。死にたくなるような世の中を作って来たのは政治。」その通りじゃん。
        ほんとのこと言ったら不都合だったんだね。 この動画を理由に凍結したTwitter社はさ。
https://drive.google.com/file/d/1qE1GUKSGzYYUJ4ReSorRu1d8-PjHZsMJ/view?usp=share_link


https://note.com/loudminority/n/nb79500a72d9



https://note.com/loudminority/n/nb79500a72d95 
「自己責任論」で若者を叩き続けた結果→自殺が若者の死因No.1に



https://sea-breeze.gr.jp/?page_id=10



海風宣言

2022.08.12私たちは、現在の政治、とりわけ経済や国家財政がどうなっているのか、何が起きているのか余りにも不透明で不誠実極まりない現状を鑑み、政権、行政の不透明な部分を自ら国民と共に解明し、正していくことを目的として当会を発足するものである。
当会はこのような不透明なものを解明し広く国民に公開し、事実を共有し、行政に改善を求めていく。
日本経済は、一部の資本家・外資・企業・富裕層に優位に展開されたことで傾き、政治は信頼を失った。消費税や年金、劣化の一途を辿る福祉政策や拡大する格差などに対し、行政の怠慢ぶりは論を待たない。国民の力で改善を促し、停滞・劣化を糾すことは可能と考える。
経済不況を理由に働き方改革なるものを制定し、非正規雇用が常態化し、婚姻率は下がり、貯蓄ゼロ世帯が増加するなど雇用・生活不安が拡大している。その中で、経済を金儲けと考える権力者を否定し、「世を治め、民を済う」本来の正しい経済政策を求める。
実体経済の拡大、積極財政によるあらゆる安全保障の拡充を要求すると共に、国内産業保護の観点から自由貿易協定による主権放棄に反対を表明する。
人間の生命・生活を守る上で最も重要な基盤の一つである食糧インフラを維持・向上させ、安全性の高い食糧の供給を公的に保障する。
セルフIDの導入・LGBT法案に反対し、LGBとTをしっかりと分けて女児・女性の安全、生存権を守る議論をすることを強く求める。また、TやQやXなど、国民に周知せず同性婚と混同させて推進する姿勢には明確に異議を唱える。
老朽化したものを含め、安全保障の最たるインフラを整え、防災・減災・環境保全に逆行する乱開発に歯止めをかける。同時に避難所の環境をスフィア基準レベルまで引き上げ、避難時の健康・衛生・安全に配慮する取り組みを行う。また、環境省の指導に従い、家族の一員であるペットと共に身を寄せられる避難環境を整備する。
国民生活が不安定になる一方で、戦後民主主義の枠組みである憲法の改正が議論されているが、その内容や目的も不明瞭だ。憲法をただ守るために護憲と声をあげるのではなく、戦後民主主義の精神の継承と未来永劫平和を希求する精神を次世代に引き継いでいくことが憲法を守り活かすことである。
憲法改正を9条改正のみと錯覚させるような世論があるが、人権の後退や主権制限、とりわけ生存権や幸福追求権に大きく関わる財政健全法と緊急事態条項の危険性を特に国民と共有することに尽力する。
当会はこのような状況の中で、「主権者たる国民による真実の解明」を目指して発足する。つまり国民の権利として、国民自らが自分自身の権利に基づいて真実を知るための組織とし、現代の *三部会的な組織を目指すものである。
*フランス革命時の三部会をイメージしたもので、ここでは官僚・国会議員・国民を意味する

https://sea-breeze.gr.jp/?page_id=10
海風宣言




問題へのアプローチ

人々が生きづらいと感じている問題を一つひとつ解決してゆくこと。これは政治の大きな役割だと思います。経済的な問題。出自の問題。環境の問題。その中の一つにジェンダーの問題があります。

昨今LGBTQ(呼称についての言及はここでは取り上げません)と一括りにされて語られることが多いと思われるこの問題ですが、内包しているのは個人の性自認と性的な指向ということに大きく分解されると考えています。

肉体と精神の乖離に苦しんでいる人々を救うことと、性的指向がその他大多数の方々と異なる人々を救うこと。この二つの問題は別々のアプローチで解決すべき問題です。

様々な政党や政治家がこの問題についての発言を重ねている中、私たち海風が危惧していること。それはこの問題は慎重に解決を模索しなければ新たな性被害者を生む危険を孕んでいるということです。「自らの性自認はメール一通で変更できるようにすべきだ」という女性議員がいます。性自認とは、それほど軽いものなのでしょうか。「試しに”女性”になってみるか」とメールで性転換できるようにして、それは誰にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

現在の日本では、公衆のトイレや入浴施設などは男性用と女性用に区分けされています。そしてこの生物学的な性差ではなく性自認によって、どちらのスペースを利用するかを自由に選択できるようにしようという動きがあります。性犯罪の多くは暴力を伴います。肉体的にパワーで勝る加害者と、非力な被害者という組合せが多いこと。男性から女性への加害。あるいは大人から子供への加害。非力な人物が自分よりも力のある相手に加害するケースは極めて珍しいと考えられます。

自分の肉体と精神の性自認が乖離しているという人々の苦悩については、当事者ではない人々には想像もつかないような問題なのだと考えます。これについては医学的、心理学的アプローチから、慎重に解決を模索しなければなりません。けれど「男性の肉体でありながら精神は女性である」という自己申告だけで、その人物が女性用トイレや女性用の入浴施設に自由に入れるようにすることは、果たしてトランスジェンダー問題の解決になるのでしょうか?性転換手術は気軽に受けられるものではありませんし、現状の肉体と精神の乖離に苦しむ方々に対して第三者が強要すべきものではありません。一方で、生物学的な男性が「心は女性だ」と申告した場合、それをどのように証明するのかという問題があります。精神の性差を科学的に証明することは、少なくとも現在の科学では不可能です。人間の性差は染色体でしか証明できません。

日本の多くの女性は、通勤や通学をはじめとした様々なシーンで性被害の経験があります。日常的に男性からの性的な加害、あるいはそれを受ける可能性に晒されているのが現状です。パーソナルスペースに男性が存在するだけで恐怖を感じるという女性も決して少なくはありません。もう一つ。女性の肉体で精神は男性だという人々が男性用のトイレを使いたいという声を上げないのは何故でしょう。

大変不謹慎な想像であることは承知した上で、敢えてこのような事を考えてみます。
とある男性がメールによる申告で女性に性転換したと仮定します。これで“彼”は“女性”になりました。女性なので、女性トイレ、女性用入浴施設の利用はルール上問題ありません。男性の肉体のまま、堂々と無防備な女性専用スペースに立ち入ることが可能です。
そして性自認と性的指向は別物なので、“女性”である“彼”が、女性専用スペースの中にいる女性に性的興奮を覚えても、それを咎めることは出来ません。

前述したように、多くの性犯罪は力の強い加害者が力の弱い被害者に対して行われます。もちろんケースバイケースではありますが、男性から女性への加害というケースが圧倒的多数なのです。

性自認が女性であれば肉体は男性のままでも女性スペースを利用できるように社会制度を変えること。これは問題の根本解決どころか、新たな問題を生み、事態を後退させる動きであると考えます。安心して利用出来るスペースを女性から奪うことは、問題を女性だけに押しつけることに他なりません。男性の肉体でありながら精神が女性である人々が安心して利用出来るスペースを早急に整えること。大切なのはこちらであって、現状の女性スペースを開放することではありません。私たちはそのように考えています。

追記
代表の相原宛に、当該ポストとそのツリーの中で用いている「嗜好」は「志向」の間違いではないかというご指摘をいただきました。今回のポストで「嗜好」という単語を用いている箇所は性自認と肉体の乖離に苦しむ人々に対して言及している部分ではなく、あくまでも性行為についての好みについてのみです。ここで「志向」を用いると、意識の持つ特性にまで言葉の範囲が拡大されてしまいます。LGBTQの問題を解決するために二つの問題として分解しようというポストでスタートしている話題ですので、「志向」を用いて話題の分母を拡張することを避けています。ご理解のほどよろしくお願いいたします。(2022.08.16)

追記
ポスト内で用いた「嗜好」という単語について複数の方からご指摘をいただいております。「『志向』とするべき」というご意見、「『指向』が正しい」というご意見。様々なご意見をいただく中で、「『嗜好』はトランスに対する貶めである」というご意見をいただきました。海風としてこの問題を取り上げるにあたってトランスジェンダーの方々を貶める意図は全くありませんし、それらを解決するためにどのようなアプローチが出来るのかを話し合っている最中です。「嗜好」という単語を用いたことでトランスジェンダーの方が貶められたと感じたという事実は真摯に受け止める必要があります。公式に謝罪し、上記記事中の「嗜好」は全て「指向」に訂正いたします。(2022.08.16)

追記
上記記事内、Twitterのポスト内の「人間の性差は染色体でしか証明できません」という記述に対して、性分化疾患についての配慮がないというご指摘をいただきました。染色体がXYであっても身体的、生得的に女性である方々、またその逆に染色体がXXであっても身体的に男性である方々への配慮を欠いた文章を掲載し、傷つける結果となってしまったことをこの場で謝罪いたします。申し訳ありませんでした。
日本性分化疾患患者家族会連絡会(https://twitter.com/nexdsdJAPAN?s=20&t=zXZLJJjIB2upLPgJ0gyZ8g)のTwitterアカウントから、これについては「DSDsに関して代替表現としては『出生時の性別』や『受精時点で女性・男性の性別は決まっている』で大丈夫です。」とのリプライをいただきました。(2022.08.18)

https://sea-breeze.gr.jp/?p=24
トランスジェンダーについて

2022.08.15


うちはあくまで性同一性障害GIDのMTFという性的マイノリティであるしLGBとTは分けて、性自認至上主義にNOを突きつけ生物学的性別でスペース分けを行い性同一性障害GIDは性別適合手術を必要とする身体の性別違和のある疾患であり障害であるし特例法の手術要件と生物学的性別によるスペース分けが最低でも守られる状況にないといけないということで政党海風さんの海風宣言と政党海風さんのトランスジェンダーについての声明を見つけるまで自民党杉田水脈議員のLGBとTは分けてに頼らざる得ず同性愛や第三の性を認めない自民党杉田水脈議員を批判できる状況にありませんでした。
2023年5月1日現在の私の立場は性同一性障害GIDのMTFとして特例法に基づきMTFSRS手術をしましたので、生得的生物学的女性とのスペース分け・データ分けできるように家裁でMTFSRS手術済みGIDMTF専用トイレ等MTFSRS手術済みGIDMTF専用スペースが作られるようにMTFSRS手術済みGIDMTFを性別秀吉として定義しMTFSRS手術済みGIDMTF専用戸籍の性別秀吉の審判手続き中ですので男女二元論止まりで同性愛を認めずセカンドレイプ容認の自民党杉田水脈さんが政治家のままじゃあかんのです。





https://core.ac.uk/download/pdf/230191878.pdf









関連記事

◆障害者と患者の尊厳ある生を守り、推進する会(仮) 20180801 「衆議院議員 杉田水脈氏の発言は出産できない障害者や患者の人権をも踏みにじるものとして抗議します」

◆2018/07/28 「杉田氏「生産性」発言に広がる批判 自民党本部前で抗議」
 https://www.asahi.com/articles/ASL7W6448L7WUTIL054.html?ref=nmail

◆「「LGBTは生産性がない」自民・杉田水脈議員の寄稿文に、当事者団体が抗議」
 https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/lgbt-sugita-mio

◆「オカマもゲイも生産はしている」松井大阪知事、ツイートを削除し謝罪
 https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/tweet-matsui

◆2018/07/25 「条件をつけられる命なんてない 相模原事件に通じる杉田議員の発言」
 筋ジストロフィーで生活の全てに介助が必要な詩人、岩崎航さんが、杉田水脈議員の寄稿を読んで真っ向から対抗します
 https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/iwasaki-vs-sugitauematsu?utm_term=.dvpE93BQYA#.xv41p7RQeP

■メモ

 いま優生保護法下での不妊手術をさせられた原告の義理の姉というかたの発言を聞いた(7月27日・「優生保護法に私たちはどう向き合うのか?――謝罪・補償・調査検証を!」、東大・駒場キャンパス)。その発言のなかで、杉田という議員が、同じ党の議員が「間違ったことを言っていないのだから、胸張っていればよい」と言われ、それに対してその議員は「懐の深さを感じた」と答えたのだと言う。その部分を紹介し、悲しんで怒っていた。
 そもそもこの程度の発言――を国会議員がするので困るのだが、そういう人たちは、とても残念ながらたくさんいるので――を相手にするべきかということがある。人工透析を受けている人は殺せと言った長谷川豊という人のことについてもそのことは思った※。ただ、いま聞いた国会議員のやりとりというのは、こうしたとんでも発言が、すぐに否定されて、ばかにされて終わるかというとそうはないということだ。
※立岩 真也 2016/11/25 「長谷川豊アナ「殺せ」ブログと相模原事件、社会は暴論にどう対処すべきか?」(インタビュー:泉谷由梨子),『The Huffington Post』2016-11-25
◇子育て支援、的なことについて
 1)「生産性がない」について。その言葉が子どもを作らないということであることをさすとすれば、その限りで、おおまかには、事実として認めてもよい。しかし、子どもができないによせ、子どもを作らないにせよ、まず、それを否定的なこととして捉えるべきではない。
 2)するとその人は、「否定していない、支援する必要がないと言っている」と言うかもしれない。まず、LGBTであろうがなかろうが、事実問題として、子どものないカップルに対して、法や政治は特別になにかをしているわけではない。(私自身は「特別のこと」をする必要はないと考えているが、そのことはここでは措く。もしそんな「特別扱い」「支援」をされていると思うのであれば、それは事実認識として間違っている。
 3)他方、「子どもができる(ようになる)/できたこと」に関わるいくらかの支援はなされている。それをもって「生産性のある人に対する支援」であるとし、それは支持される(べきだ)と議員は言っているのか。政権党に限らず、「少子化」対策はなされている。私はそれに賛成する立場には立たない※が、そうした政策、特別扱いを認めてよいという立場はある。
※私は、「子どもが育つこと」に関する社会的支援はあってよい、あるべきだと考えている。
 4)ただし、生産(ここでは人間の再生産)がなされる限りにおいて支援されるべきであるという考え方であるとすれば、それは間違っている。(未来において)生産する人に対してのみ支援がなされるというのであれば、子を生む人に対してだけ、そしてその子は結局生産する子ども・人間になる人間にだけ支援すると言っているということである。[続く]
 5)支援する理由としては、そういう支援をして、その結果として、子どもがたくさん生まれないと(産ませないと)社会はやっていけないというものがある。そのような懸念はその議員だけでなくかなり多くの人が抱いている。私はそのようには考えない。そのことをきちんと言う必要があると思っている。
 6)ただ5)について私のように考えないとしても、つまり(社会の(生産性の)維持のために)子を生むことに対する支援をすることを認めるとしても、そのこと以外のことに対する支援は否定されることはない。むしろ、この社会において自分の稼ぎによって自分の生活を維持できない人には、法・政治による支援が必要であり、またその支援は正当である。議員の「生産性がない」「から」「支援の必要はない」という…[続く]


 




 ※以下使わず。
 そしてあまりにまちがえているものだから、それを全部ただすとえらくたくさんのことを言わねばならない。これも疲れる。ただ、…

◆LGBTのことに限らず、「生産性」という尺度で人を評価し、その有無で支援の是非を議論することについて、どうお考えでしょうか

 ○「生産性」という尺度で人を評価することは、場面によっては、認められるでしょう。どういう場面か?…☆
 ○しかしこの場合はどうか? とりあえずこの人が言っているのは、人間の生産(に関わる生産性)だ。人間を生産することは寄与するからそれに対して金をかけるのはよいが、という話になっている。
 ○一つ、そういうことに税金が投じられてきたのは事実である。そしてそれは野党も含め、比較的に多くの人たちが支持してきたのではある。

☆『私的所有論』第8章

◆「いや、その人にだって生産性がある」と反論してしまう方もいます。その問題点について、感じられることはありますか?

 ○多くの場合には実際にあるのだから、反論したってよいでしょう。まず、その議員は「生産性」という言葉を、異性愛の対との対比においてということですが、ひどく狭く言っている。つまり、人間の生産という意味に限っている。そう狭く捉えなければ、多くの人は……。しかし……

◆なぜ人は、今回のように人を役に立つか役に立たないかで考えてしまうことがあるのでしょうか。相模原事件の時に語られていた「内なる優生思想」の観点から教えてください

 ○それは当然のことでもある。……

◆こうした思想が公人から飛び出し、大手出版社に掲載され、さらにネットなどである一定の支持を得てしまうことの怖さをどう捉えられていますか?

 ○

◆そうした意見や思想に、私たちはどう抗えば良いのでしょうか?

 ○『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』、第3章「道筋を何度も作ること」

■関連

◆立岩 真也 2016/11/25 「長谷川豊アナ「殺せ」ブログと相模原事件、社会は暴論にどう対処すべきか?」(インタビュー,聞き手:泉谷由梨子),『The Huffington Post』2016-11-25,

◆立岩 真也 2018/05/05 『人間の条件――そんなものない 増補新版』,新曜社,432p. ISBN-10: 4788515644 ISBN-13: 978-4788515642 [amazon]/a href="http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4788515644.html">[kinokuniya]

◆立岩 真也・杉田 俊介 2017/01/05 『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』,青土社 ISBN-10: 4791769651 ISBN-13: 978-4791769650 [amazon][kinokuniya] ※

http://www.arsvi.com/ts/20180020.htm
杉田水脈発言他について・メモ

立岩 真也 2018/07/https://www.buzzfeed.com/jp



自民党の杉田水脈衆議院議員が月刊誌への寄稿で「(LGBTは)子供を作らない、つまり『生産性』がない」とし、支援のための税金投入に反対する主張を投げかけた問題で、この暴言を批判する声が障害を持つ人の間にも広がっている。

BuzzFeed Japan Medicalは、筋ジストロフィーで人工呼吸器を使い、生活の全てに介助を必要とする詩人、岩崎航さん(42)にこの寄稿を読んでもらった。岩崎さんはこの寄稿に対し、言葉の力で真っ向から対抗した。
相模原事件の植松被告と同質の発想

断片的には聞いていましたが、寄稿を全文読んで、やはりこれは酷すぎる、許せないと感じました。

特に「生産性がない」から、支援の必要もないと言っている部分は、LGBTの方たちに限らず、重度の障害者にも及ぶ攻撃です。

重度の心身障害者に対して、働いていない、または税金を納めないで、税金だけ食いつぶしていると考え、だからその人たちを支援する社会保障の予算は無駄なのだと言う人は一定程度います。

杉田議員の主張はそれとほとんど同じで、障害者差別にもつながる考え方だと受け止めました。

そして、それは2年前に起きた相模原事件の植松聖被告と同質の発想です。

植松被告は重度の心身重複障害者に対し、まさに「生産性がない」という考えに基づき、社会の迷惑であり、社会に不幸をもたらすだけだとして、障害者の生存を真っ向から否定しました。
社会的な影響力があるだけ悪質

植松被告の場合は、実際に多くの命を奪ったわけで許されることではありません。その上で、杉田議員の言葉がもっと酷いと思うのは、社会の中で影響力のある政治家が発言することで、こうした暴力の芽を社会に広げていることです。

施設の介護職員として働いていた青年・植松被告は当初からあのような極端な考えを持っていたわけではないでしょう。障害者は生産性がない、その命に価値がないと考える社会の空気を吸って影響されたこともあったと思います。

そして、杉田議員の今回の言葉は、一部の市民から支持をされています。

植松被告は犯行に及ぶ前に、衆院議長公邸に自分の偏った発想に基づく殺害計画を書いた手紙を届けていました。これはおそらくこの国を司る為政者に一定の賛同が得られるものだと考えてのことだと思います。

杉田議員も植松被告と同じく、社会に対してあえてこうした発信を繰り返しているのは、社会の中である程度の賛同が得られるであろうことを見越しているからだと思います。そんな計算があるようにしか見えません。
こうした発言を容認する空気を徹底的に拒絶する必要

実際、自民党の幹事長である二階俊博幹事長は「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と述べて、問題視しない考えを示したと報じられています。

明らかな人権侵害に対して、「色々な考え方がある」とくくってしまうことは間違っています。

自分の発言なり行動なりがどれほどの重みを持っているかを自覚して、身を律することは、政治家の持つべき前提です。

私は杉田議員のような発言やこういう発言を容認する空気は徹底的に拒絶し、対処することが必要だと思います。

政治家であるならば、植松被告の考え方に対して、「こういうのも一つの考え方だ」とは言わないはずです。同質の発言なのに、杉田議員の発言を容認し、放置するのは、問題を軽く認識しているとしか思えません。

人の存在は条件付きで認められるものではない

彼らの「生産性がない」という理屈をもとにして言えば、私もそこに入る人間です。子供が生まれる、生まれないで社会に貢献しているかどうかを決めるという発想自体が馬鹿げています。

生産性のあるなしという基準で人を見ることが、人間を馬鹿にしているということです。

障害者もよくそういう目に晒されることがありますが、条件付きでこの人はいていいとかいてはいけないとか、外部から規定することはおかしなことです。

人は無条件で生きる。こんなことは言葉にするまでもないのですが、最近ではわからない人もいるということに恐ろしさを感じます。

人は、「〜ができるから」「〜ができないから」という理由で、生きていいかを決められませんし、決められるはずもありません。

「たくさん働いて、たくさん税金を納めている人が偉い」という価値観に染まり、いつの間にかそうでない人は価値がないという見方が広がっています。

杉田議員や植松被告は、自分が設けた基準で排除される側には決してならないという自信があるのでしょう。

しかし、人はいつどうなるかわかりません。何かの不幸があって途中で重度障害を負うこともあるでしょうし、年をとったら全ての人が支援を受ける立場になる。

支援される立場になる、ということを自分ごととして考えていないから、支援に対して身勝手な基準を設けることができるのでしょう。そんな誤った考えは断固拒絶しなければなりません。

人はただそこにいるだけで価値がある存在

少し話をずらしますが、私は自身のエッセイ集『日付の大きいカレンダー』(ナナロク社)で、人が「はたらく」ということについて書いたことがあります。

その中でこういう五行歌を掲載しました。
人が「働く」と

いうことは

労働市場の

価値 だけでは

決まらない
私には同じ病を持っている7つ上の兄がいるのですが、今は病院で暮らす兄と家で一緒に過ごしていた時、家の中で引きこもるような時間を過ごしていました。
家の中で兄の居る場所はだいたい決まっていて、テーブルの縁に肘をかけて座っているのが常だったのですが、それは将来の展望が見えず虚しい時間を過ごして居る私にとって、とてもほっとする光景だったのです。

その時、兄は気の利いた言葉をかけてくれたわけでも、何かをしてもらったわけでもありません。いつでもそこにいてくれる、一緒に生きていてくれるだけでも、私は大きな恵みを受け取りました。それも人の「はたらき」だと思うのです。

貧しい思想を許してはいけない

そうした私の経験から得たものから考えると、人を「生産性」という眼差しで見るのは貧しい思想です。

貧しい目で見れば、子供を作らない、稼ぐことができないような人は、何もできないししていない、価値のない人間に映るのでしょう。しかしそれは人間を考えるに当たって、非常に浅薄な考え方です。

杉田議員や植松被告の目には見えない豊かな世界が人間関係には広がっています。その豊かな可能性を狭めることを許してはいけません。

ただ、そこに居るだけでいい、生きているだけで十分というのが人の命であるはずです。外部から条件なんてつけてはいけないし、つけられるはずがない。そんな貧しい思想を流してはいけないし、許してはいけない。徹底的に戦わなければなりません。

こんなことを説明しなければならない現実に、恐ろしさを感じます。私も怯まずに対抗する声をあげたいと思います。

【岩崎航(いわさき・わたる)】詩人、エッセイスト

1976年、仙台市生まれ。筋ジストロフィーのため胃瘻と人工呼吸器を使用し24時間介助を得ながら暮らす。2013年に詩集『点滴ポール 生き抜くという旗印』(ナナロク社)、15年にエッセイ集『日付の大きいカレンダー』(ナナロク社)を刊行。自立生活実現への歩みをコラム連載(16年7月~17年3月/ヨミドクター「岩崎航の航海日誌」、17年5月~/note「続・岩崎航の航海日誌」)。16年、創作の日々がNHK「ETV特集」でドキュメンタリーとして全国放送された。公式ブログ「航のSKY NOTE」、Twitter @iwasakiwataru

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/iwasaki-vs-sugitauematsu?utm_term=.dvpE93BQYA#.xv41p7RQeP
条件をつけられる命なんてない 相模原事件に通じる杉田議員の発言

筋ジストロフィーで生活の全てに介助が必要な詩人、岩崎航さんが、杉田水脈議員の寄稿を読んで真っ向から対抗します。



by Naoko Iwanaga

岩永直子 BuzzFeed News Editor, Japan





問題となった寄稿文は、月刊誌「新潮45」2018年8月号(新潮社)に掲載された「日本を不幸にする『朝日新聞』」という特集の一環。

「朝日新聞や毎日新聞といったリベラルなメディアはLGBTの権利を認め、彼らを支援する動きを報道することが好きなようですが、違和感を覚えざるをえません」と書き出されている。

LGBT法連合会は、声明で「当事者の人権を侵害するだけでなく、現実に存在する『性の多様性』を無視し、与野党や各種団体が進めている施策の実施に反し、国会議員としての資質に疑問を抱かざるを得ない」と、杉田議員を強く非難。

同会が声明で問題視した杉田議員の主張は、大きく次の3点だ。


1.「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」
「最近の報道の背後にうかがわれるのは、彼ら彼女らの権利を守ることに加えて、LGBTへの差別をなくし、その生きづらさを解消してあげよう、そして多様な生き方を認めてあげようという考え方です。



しかし、LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか。もし自分の男友達がゲイだったり、女友達がレズビアンだったりしても、私自身は気にせず付き合えます」(『新潮45』P.57〜58)
LGBTはそんなに差別を受けていないのではないか、と主張する杉田議員に対し、連合会は、内閣府が昨年10月に実施した「人権擁護に関する世論調査」で、同性愛者や両性愛者に対してどのような人権問題が起きていると思うかという問いに、49.0%が「差別的な言動をされること」と回答していることを指摘。

調査では、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」(35.0%)、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」(31.7%)、「就職・職場で不利な扱いを受けること」(29.1%)などの回答が続いている。

さらに、自民党がまとめた基本方針でも「(性的マイノリティ)当事者の方が抱える困難の解消をまず目指すべきであること」と明記されていることから、党の方針にも反していると指摘した。
2. 「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」
「例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。



しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」(『新潮45』P.58〜59)
LGBTの当事者は子供を持たない、その結果『生産性がない』と二重に断定した上で、「生産性がない者」に対して税金を投入することに疑義を唱える杉田議員の主張は、LGBTに限らず、広く人権の観点から問題があると反論。

また、仮に「生産性」について論ずるとしても、経団連が2017年5月に「LGBTを含め多様性を尊重する社内風土が醸成され、個々人の能力を最大限発揮できる環境が整備されることで、生産性が向上する」と掲げた提言を出していることを指摘した。


3.「不幸な人を増やすことにつながりかねません」
「LGBは、性的嗜好の話です。以前にも書いたことがありますが、私は中高一貫の女子高で、まわりに男性がいませんでした。女子高では、同級生や先輩といった女性が疑似恋愛の対象になります。



ただ、それは一過性のもので、成長するにつれ、みんな男性と恋愛して、普通に結婚していきました。マスメディアが『多様性の時代だから、女性(男性)が女性(男性)を好きになっても当然』と報道することがいいことなのかどうか。



普通に恋愛して結婚出来る人まで、『これ(同性愛)でいいんだ」と、不幸な人を増やすことにつながりかねません」(『新潮45』P.59)
「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は、『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません」(『新潮45』P.60)
杉田議員の主張では、LGBT当事者は自身の性的指向や性自認を自由に選ぶことができるかのように述べた上で、同性愛は「常識」や「普通であること」から外れているとされている。

こうした主張は、杉田議員が所属する自民党の考えとも異なっていることを指摘。

党の特命委員会の資料に、「性的指向・性自認とも本人の意思の問題ではなく、本人にも選択できるものではない」「さまざまな侮蔑的な表現や『~であることが普通』といっ
た表現により人知れず傷つくことが多い」と明記されていると反論した。

杉田議員は23日、自身のTwitterに「ゲイだと名乗る人物から殺人予告のメールが届いたため、LGBTに関連するツイートは全て削除した」と投稿している

https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/lgbt-sugita-mio
公開 2018年7月23日

「LGBTは生産性がない」自民・杉田水脈議員の寄稿文に、当事者団体が抗議

「困難を抱えている当事者に対して侮辱的・屈辱的とも取れる内容であり、許容することができない」と強く抗議した。



by Saori Ibuki

伊吹早織 BuzzFeed News Reporter, Japan






2.主な人権課題に関する意識について
(1) 人権課題に対する関心
 日本における人権課題について、関心があるものはどれか聞いたところ、「障害者」を挙げた者の割合が51.1%と最も高く、以下、「インターネットによる人権侵害」(43.2%)、「高齢者」(36.7%)、「子ども」(33.7%)、「女性」(30.6%)、「東日本大震災に伴う人権問題」(28.8%)、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等」(26.2%)などの順となっている。(複数回答、上位7項目)
 都市規模別に見ると、「子ども」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「障害者」、「高齢者」、「子ども」、「女性」、「東日本大震災に伴う人権問題」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「障害者」を挙げた者の割合は50歳代、60歳代で、「インターネットによる人権侵害」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「高齢者」、「東日本大震災に伴う人権問題」を挙げた者の割合は60歳代で、「子ども」を挙げた者の割合は30歳代、40歳代で、「女性」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等」を挙げた者の割合は60歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっている。(図6、表6(CSV形式:5KB)別ウインドウで開きます、表6-参考(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます)
(2) 女性に関する人権問題
 女性に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「職場において差別待遇(女性が管理職になりにくい、マタニティ・ハラスメントなどの妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い等)を受けること」を挙げた者の割合が50.5%と最も高く、以下、「セクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)」(42.9%)、「ドメスティック・バイオレンス(配偶者やパートナーからの暴力)」(35.6%)、「男女の固定的な役割分担意識(「家事は女性」等)に基づく差別的取扱いを受けること」(33.3%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が11.4%となっている。(複数回答、上位4項目)
 性別に見ると、「職場において差別待遇(女性が管理職になりにくい、マタニティ・ハラスメントなどの妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い等)を受けること」、「ドメスティック・バイオレンス(配偶者やパートナーからの暴力)」、「男女の固定的な役割分担意識(「家事は女性」等)に基づく差別的取扱いを受けること」を挙げた者の割合は女性で、「セクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)」を挙げた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。(図7、表7(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表7-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表7-参考2(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます)
(3) 子どもに関する人権問題
 子どもに関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「いじめを受けること」を挙げた者の割合が66.9%、「虐待を受けること」を挙げた者の割合が62.6%と高く、以下、「いじめ、体罰や虐待を見て見ぬふりをすること」(52.6%)などの順となっている。(複数回答、上位3項目)
 都市規模別に見ると、「虐待を受けること」を挙げた者の割合は大都市で、「いじめ、体罰や虐待を見て見ぬふりをすること」を挙げた者の割合は小都市で、それぞれ高くなっている。
 性別に見ると、「いじめを受けること」、「虐待を受けること」、「いじめ、体罰や虐待を見て見ぬふりをすること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「いじめを受けること」、「虐待を受けること」を挙げた者の割合は30歳代、50歳代で、「いじめ、体罰や虐待を見て見ぬふりをすること」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、それぞれ高くなっている。(図8、表8(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます、表8-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表8-参考2(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます)
(4) 高齢者に関する人権問題
 高齢者に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「悪徳商法、特殊詐欺の被害が多いこと」を挙げた者の割合が55.0%と最も高く、以下、「病院での看護や養護施設において劣悪な処遇や虐待を受けること」(38.7%)、「経済的に自立が困難なこと」(37.8%)、「働く能力を発揮する機会が少ないこと」(32.7%)、「家庭内での看護や介護において嫌がらせや虐待を受けること」(29.5%)、「高齢者が邪魔者扱いされ、つまはじきにされること」(29.2%)などの順となっている。(複数回答、上位6項目)
 都市規模別に見ると、「病院での看護や養護施設において劣悪な処遇や虐待を受けること」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「病院での看護や養護施設において劣悪な処遇や虐待を受けること」、「経済的に自立が困難なこと」、「家庭内での看護や介護において嫌がらせや虐待を受けること」、「高齢者が邪魔者扱いされ、つまはじきにされること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。(図9、表9(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表9-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表9-参考2(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます)
(5) 障害者に関する人権問題
 障害者に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合が49.9%、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合が48.7%、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」を挙げた者の割合が47.6%、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合が45.6%などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
 性別に見ると、「就職・職場で不利な扱いを受けること」、「差別的な言動をされること」、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合は40歳代、50歳代で、「差別的な言動をされること」、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、それぞれ高くなっている。(図10、表10(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表10-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表10-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(6) 部落差別等の同和問題を知ったきっかけ
 部落差別等の同和問題について、初めて知ったきっかけは、何からか聞いたところ、「家族(祖父母、父母、兄弟等)から聞いた」と答えた者の割合が19.6%、「親戚の人から聞いた」と答えた者の割合が1.2%、「近所から聞いた」と答えた者の割合が2.8%、「職場の人から聞いた」と答えた者の割合が5.1%、「友だちから聞いた」と答えた者の割合が3.6%、「学校の授業で教わった」と答えた者の割合が22.9%、「テレビ・ラジオ・新聞・本等で知った」と答えた者の割合が16.5%、「部落差別等の同和問題に関する集会や研修会で知った」と答えた者の割合が2.6%、「都道府県や市区町村の広報紙や冊子等で知った」と答えた者の割合が1.0%、「部落差別等の同和問題は知っているがきっかけは覚えていない」と答えた者の割合が5.7%となっている。なお、「部落差別等の同和問題を知らない」と答えた者の割合が17.7%となっている。
 都市規模別に見ると、「テレビ・ラジオ・新聞・本等で知った」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「家族(祖父母、父母、兄弟等)から聞いた」を挙げた者の割合は女性で、「テレビ・ラジオ・新聞・本等で知った」を挙げた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「家族(祖父母、父母、兄弟等)から聞いた」を挙げた者の割合は60歳代、70歳以上で、「学校の授業で教わった」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、それぞれ高くなっている。(図11、表11(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表11-参考(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます)
 ア 部落差別等の同和問題に関する人権問題
 部落差別等の同和問題を「知らない」と答えた者以外の者(部落差別等の同和問題を「知っている」とする者(1,447人))に、部落差別等の同和問題に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「結婚問題で周囲の反対を受けること」を挙げた者の割合が40.1%と最も高く、以下、「差別的な言動をされること」(27.9%)、「身元調査をされること」(27.6%)、「就職・職場で不利な扱いを受けること」(23.5%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が11.8%、「わからない」と答えた者の割合が13.1%となっている。(複数回答、上位4項目)
 都市規模別に見ると、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「結婚問題で周囲の反対を受けること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。(図12、表12(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表12-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表12-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
 イ 部落差別が存在する理由
 部落差別等の同和問題を「知っている」とする者(1,447人)に、現在もなお部落差別が存在するのは、なぜだと思うか聞いたところ、「昔からある偏見や差別意識を、そのまま受け入れてしまう人が多いから」を挙げた者の割合が55.8%と最も高く、以下、「部落差別の知識がなかったり、無関心だったりする人がいるから」(34.6%)、「これまでの教育や啓発が十分でなかったから」(25.5%)、「落書きやインターネット上などで差別意識を助長する人がいるから」(17.4%)、「同和地区の住民が行政から優遇されていると思う人が多いから」(16.7%)、「えせ同和行為(同和問題を口実に企業や官公庁等に不当な要求をする行為)などにより「同和は怖い問題である」と思うから」(14.2%)などの順となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が10.4%となっている。(複数回答、上位6項目)
 都市規模別に見ると、「落書きやインターネット上などで差別意識を助長する人がいるから」、「えせ同和行為(同和問題を口実に企業や官公庁等に不当な要求をする行為)などにより「同和は怖い問題である」と思うから」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「昔からある偏見や差別意識を、そのまま受け入れてしまう人が多いから」を挙げた者の割合は女性で、「えせ同和行為(同和問題を口実に企業や官公庁等に不当な要求をする行為)などにより「同和は怖い問題である」と思うから」を挙げた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。(図13、表13(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます)
 ウ 部落差別等の同和問題を解消するための方策について
 部落差別等の同和問題を「知っている」とする者(1,447人)に、部落差別等の同和問題を解消するために、今後どうすればよいと思うか聞いたところ、「人権尊重の意識を一人ひとりがもっと自覚すべき」を挙げた者の割合が50.6%と最も高く、以下、「行政がもっと積極的に教育・啓発、相談体制の充実などの施策を講ずべき」(40.8%)、「特別なことをする必要はなく、自然になくなっていくのを待つべき」(19.2%)、「インターネットにおける差別的な書込みをする人を処罰すべき」(16.2%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
 都市規模別に見ると、「インターネットにおける差別的な書込みをする人を処罰すべき」を挙げた者の割合は小都市で高くなっている。
 性別に見ると、「人権尊重の意識を一人ひとりがもっと自覚すべき」、「行政がもっと積極的に教育・啓発、相談体制の充実などの施策を講ずべき」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。(図14、表14(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます)
(7) アイヌの人々に関する人権問題
 アイヌの人々に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「独自の文化や伝統の保存、伝承が十分図られていないこと」を挙げた者の割合が29.7%と最も高く、以下、「差別的な言動をされること」(16.4%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が12.9%、「わからない」と答えた者の割合が38.5%となっている。(複数回答、上位2項目)
 性別に見ると、大きな差異はみられない。
 年齢別に見ると、「独自の文化や伝統の保存、伝承が十分図られていないこと」、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は18~29歳から40歳代で高くなっている。(図15、表15(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます、表15-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表15-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表15-参考3(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(8) 外国人に関する人権問題
 日本に居住している外国人に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「風習や習慣等の違いが受け入れられないこと」を挙げた者の割合が41.3%と最も高く、以下、「就職・職場で不利な扱いを受けること」(30.9%)、「アパート等への入居を拒否されること」(24.6%)、「差別的な言動をされること」(22.4%)、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」(20.6%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が13.8%、「わからない」と答えた者の割合が12.5%となっている。(複数回答、上位5項目)
 性別に見ると、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。(図16、表16(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表16-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表16-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表16-参考3(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(9) ヘイトスピーチを伴うデモ等の認知度
 ヘイトスピーチを伴うデモ、集会、街宣活動等を知っているか聞いたところ、「知っている」と答えた者の割合が57.4%、「知らない」と答えた者の割合が42.6%となっている。
 都市規模別に見ると、「知っている」と答えた者の割合は大都市で、「知らない」と答えた者の割合は小都市、町村で、それぞれ高くなっている。
 性別に見ると、「知っている」と答えた者の割合は男性で、「知らない」と答えた者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「知っている」と答えた者の割合は40歳代で、「知らない」と答えた者の割合は70歳以上で、それぞれ高くなっている。(図17、表17(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます)
 ア ヘイトスピーチを伴うデモ等を知った経緯
 ヘイトスピーチを伴うデモ、集会、街宣活動等を「知っている」と答えた者(1,009人)に、そのようなデモ等をどのようにして知ったか聞いたところ、「テレビ・ラジオや新聞などの報道で見たり聞いたりしたことがある」を挙げた者の割合が92.2%と最も高く、以下、「デモ等の様子をインターネットなどで見たことがある」(26.1%)などの順となっている。(複数回答、上位2項目)
 性別に見ると、「デモ等の様子をインターネットなどで見たことがある」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「テレビ・ラジオや新聞などの報道で見たり聞いたりしたことがある」を挙げた者の割合は60歳代で、「デモ等の様子をインターネットなどで見たことがある」を挙げた者の割合は18~29歳から40歳代で、それぞれ高くなっている。(図18、表18(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます)
 イ ヘイトスピーチを伴うデモ等に対する意識
 ヘイトスピーチを伴うデモ、集会、街宣活動等を「知っている」と答えた者(1,009人)に、そのようなデモ等を見聞きしてどのように思ったか聞いたところ、「日本に対する印象が悪くなると思った」を挙げた者の割合が47.4%、「不愉快で許せないと思った」を挙げた者の割合が45.5%と高く、以下、「「表現の自由」の範囲内のものだと思った」(17.0%)などの順となっている。(複数回答、上位3項目)
 性別に見ると、「日本に対する印象が悪くなると思った」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。(図19、表19(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます)
(10) HIV感染者等に関する人権問題
 エイズ患者・HIV感染者やその家族に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「結婚問題で周囲の反対を受けること」を挙げた者の割合が48.9%と最も高く、以下、「差別的な言動をされること」(37.7%)、「就職・職場で不利な扱いを受けること」(34.5%)、「治療や入院を断られること」(19.2%)などの順となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が20.6%となっている。(複数回答、上位4項目)
 性別に見ると、「結婚問題で周囲の反対を受けること」、「治療や入院を断られること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「結婚問題で周囲の反対を受けること」、「治療や入院を断られること」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合は40歳代、50歳代で、それぞれ高くなっている。(図20、表20(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます、表20-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表20-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(11) ハンセン病患者等に関する人権問題
 ハンセン病患者・回復者やその家族に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「ハンセン病療養所の外で自立した生活を営むのが困難なこと」を挙げた者の割合が31.7%、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合が29.0%、「結婚問題で周囲の反対を受けること」を挙げた者の割合が28.2%、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合が27.0%、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」を挙げた者の割合が26.3%、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合が24.4%などの順となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が24.2%となっている。(複数回答、上位6項目)
 性別に見ると、「ハンセン病療養所の外で自立した生活を営むのが困難なこと」、「差別的な言動をされること」、「結婚問題で周囲の反対を受けること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「ハンセン病療養所の外で自立した生活を営むのが困難なこと」、「結婚問題で周囲の反対を受けること」、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合は40歳代、50歳代で、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は18~29歳、40歳代、50歳代で、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」を挙げた者の割合は50歳代、60歳代で、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、それぞれ高くなっている。(図21、表21(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表21-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表21-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(12) 犯罪被害者等に関する人権問題
 犯罪被害者やその家族に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「事件のことに関して、周囲にうわさ話をされること」を挙げた者の割合が59.8%、「犯罪行為によって精神的なショックを受けること」を挙げた者の割合が59.3%と高く、以下、「報道によってプライバシーに関することが公表されたり、取材によって私生活の平穏が保てなくなること」(54.0%)、「警察に相談しても期待どおりの対応が得られないこと」(46.5%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
 都市規模別に見ると、「報道によってプライバシーに関することが公表されたり、取材によって私生活の平穏が保てなくなること」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「事件のことに関して、周囲にうわさ話をされること」、「犯罪行為によって精神的なショックを受けること」、「報道によってプライバシーに関することが公表されたり、取材によって私生活の平穏が保てなくなること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「事件のことに関して、周囲にうわさ話をされること」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、「犯罪行為によって精神的なショックを受けること」、「報道によってプライバシーに関することが公表されたり、取材によって私生活の平穏が保てなくなること」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「警察に相談しても期待どおりの対応が得られないこと」を挙げた者の割合は30歳代、40歳代で、それぞれ高くなっている。(図22、表22(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表22-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表22-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(13) インターネットによる人権侵害に関する人権問題
 インターネットによる人権侵害に関し、現在、どのような問題が起きていると思うか聞いたところ、「他人を誹謗中傷する情報が掲載されること」を挙げた者の割合が62.9%と最も高く、以下、「プライバシーに関する情報が掲載されること」(53.4%)、「ラインやツイッターなどによる交流が犯罪を誘発する場となっていること」(49.0%)、「他人に差別をしようとする気持ちを起こさせたり、それを助長するような情報が掲載されること」(39.6%)などの順となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が14.9%となっている。(複数回答、上位4項目)
 都市規模別に見ると、「ラインやツイッターなどによる交流が犯罪を誘発する場となっていること」を挙げた者の割合は町村で、「他人に差別をしようとする気持ちを起こさせたり、それを助長するような情報が掲載されること」を挙げた者の割合は大都市で、それぞれ高くなっている。
 性別に見ると、「ラインやツイッターなどによる交流が犯罪を誘発する場となっていること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「他人を誹謗中傷する情報が掲載されること」、「プライバシーに関する情報が掲載されること」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、「ラインやツイッターなどによる交流が犯罪を誘発する場となっていること」、「他人に差別をしようとする気持ちを起こさせたり、それを助長するような情報が掲載されること」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、それぞれ高くなっている。(図23、表23(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表23-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表23-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(14) ホームレスに関する人権問題
 ホームレスに関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「経済的に自立が困難なこと」を挙げた者の割合が49.0%と最も高く、以下、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」(44.1%)、「近隣住民や通行人等から暴力をふるわれること」(34.2%)、「差別的な言動をされること」(33.2%)、「近隣住民や通行人等から嫌がらせを受けること」(31.4%)などの順となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が10.7%となっている。(複数回答、上位5項目)
 都市規模別に見ると、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は小都市で高くなっている。
 性別に見ると、「経済的に自立が困難なこと」、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」、「近隣住民や通行人等から暴力をふるわれること」、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。(図24、表24(CSV形式:4KB)別ウインドウで開きます、表24-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表24-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(15) 性的指向に関する人権問題
 異性愛、同性愛、両性愛といった性的指向に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合が49.0%と最も高く、以下、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」(35.0%)、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」(31.7%)、「就職・職場で不利な扱いを受けること」(29.1%)などの順となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が19.0%となっている。(複数回答、上位4項目)
 性別に見ると、「差別的な言動をされること」、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「差別的な言動をされること」、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、「じろじろ見られたり、避けられたりすること」を挙げた者の割合は18~29歳、30歳代で、「就職・職場で不利な扱いを受けること」を挙げた者の割合は40歳代、50歳代で、それぞれ高くなっている。(図25、表25(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます、表25-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表25-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(16) 性同一性障害者に関する人権問題
 生物学的な性とこころの性が一致しない性同一性障害者に関し、現在、どのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合が49.8%、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合が45.7%などの順となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が18.8%となっている。(複数回答、上位2項目)
 都市規模別に見ると、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 年齢別に見ると、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は18~29歳から50歳代で、「職場、学校等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は18~29歳から40歳代で、それぞれ高くなっている。(図26、表26(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます、表26-参考1(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます、表26-参考2(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
(17) 東日本大震災に伴う人権問題
 東日本大震災やそれに伴う福島第一原子力発電所の事故の発生により、現在、被災者にどのような人権問題が起きていると思うか聞いたところ、「避難生活の長期化によるストレスに伴ういさかいや虐待」を挙げた者の割合が61.4%、「学校、幼稚園等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合が58.9%と高く、以下、「差別的な言動をされること」(40.2%)、「職場で嫌がらせやいじめを受けること」(29.6%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
 都市規模別に見ると、「学校、幼稚園等で嫌がらせやいじめを受けること」、「差別的な言動をされること」、「職場で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「避難生活の長期化によるストレスに伴ういさかいや虐待」、「差別的な言動をされること」、「職場で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「避難生活の長期化によるストレスに伴ういさかいや虐待」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「学校、幼稚園等で嫌がらせやいじめを受けること」を挙げた者の割合は30歳代、40歳代で、「差別的な言動をされること」を挙げた者の割合は18~29歳、50歳代で、それぞれ高くなっている。(図27、表27(CSV形式:3KB)別ウインドウで開きます、表27-参考(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます)
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